始まりの誓い

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※このSSはOP投票により没になってしまった作品です。 ※正式なOPは「[[闇の向こうに]]」であり、この話はそれ以降のストーリーに関係はありません。 ※作者は◆M6znRnQkmEです。  人々は、巨人が地に立つたびにその姿に見とれた。  光の存在である巨人は闇の存在である怪獣を葬り去るために、その身を犠牲にして戦った。 地球に来た目的は違えど、光は地球を救うためだけに戦った。 その力を── 悪事のために使わせようとする闇の存在がいた。 □ 彼らの目の前の風景は一瞬にして変わった。 それまで見えていたものは、光なのか闇なのか。 しかし、これから見えるものは── 「お前たちには最後の一人になるまで殺しあってもらう」  闇に違いなかった。  この場にいる55人の視界もこれから見える地獄を暗示するかのように闇に包まれていた。周りの人間はおろか、自分すらも見えない深い闇がすべてを隠す。耳に入ってくる全ての言葉もある意味で闇であった。  この状況を不思議がる声や、誰かの泣き声──全てが内面にある恐怖を煽るかのように響いた。  そんな状況をものともせずに、殺し合いの主催者──ダークザギ──は無情にも声を発した。 「お前たちの首についた首輪はある条件を満たすことで面白いことになる。例えば、2時間に一度決定する禁止エリアに入ったりすればそいつは永遠の闇を味わうことになる」  自分の首に巻かれた鉄の塊をそのとき、はじめて知った者もいるだろう。  それにしても、永遠の闇とは何なのか。辺りにいる全員がそれを考えた。それに答えるようにダークザギの声が耳に入った。 「例を見せよう」  突然、暗闇の中の一部分がスポットライトが当てられるように光った。その先には体格のいい男性が怒りをあらわにして立っていた。 「俺は殺し合いなんかしねえ!! 必ずてめえの野望を打ち砕いてやる!!」  スポットライトをものともせずに男は言い放った。  しかし、その馬鹿でかい声を発する口の真下には、なにやら奇妙なものがうごめいていた。  首輪からにゅるにゅると触手が生えてきているのだ。  男はいつもの熱血っぷりとは裏腹な冷静さでぶつぶつと呟いた。 「ひとつ 腹ペコのまま学校へ行かぬこと……」  彼が信条としていた、ウルトラ五つの誓いだった。  触手が体中を覆い、徐々に声が聞き取りづらくなっていく。  ついには体中が飲み込まれた。  彼の最期の言葉は、この殺し合いにおいて、必要な言葉かもしれない。 他人の力を頼りにしないこと──。 周囲の悲鳴を切り捨てて、ゲームは始まった。 【アイハラリュウ@ウルトラマンメビウス 死亡】 残り54人

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