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Hz3ZILcw0


504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 14:26:16.45 ID:Hz3ZILcw0
男「ただいま。いいからまず座れ。いいから」
女「はぁ……」
男「いや、あのな。会議中でな。携帯の電源を切ってただけなんだ。本当だからな?」
女「ご主人さまのお仕事のことは十分承知いたしておりますが……」
男「だったら『電話に出てくれないから死にます』なんていうメールを百通も送ってくんじゃねぇ!」
女「……あぁ。だから今日はいつもよりお帰りが早かったのですね」
男「早いっていうかまだ昼だ。お前のせいで午後のスケジュールは全部キャンセルしたからな」
女「計画通り……」
男「ちょ、お前いまなんつった。おい! 待てこらー!」


506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 14:30:05.83 ID:Hz3ZILcw0
男「逃げ足の速いやつめ……給料下げてやろうかな」
女「困ります……」
男「ちょ、ここトイレなんですけど」
女「……小さい頃は独りでトイレに行くのが怖いと泣いていらしたのに。成長なさりましたねぇ」
男「早く出てけよ」


508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 14:33:32.22 ID:Hz3ZILcw0
女「……」
男「何をニヤニヤしてるんだよ」
女「いえ……別に」
男「気になるな、言えよ」
女「業物が手に入ったので試し切りをしようかと思いまして……ふふふ。うふふふ」
男「これ以上、体に傷を増やしたらクビだからな」
女「……ご主人さまの手首はお綺麗でございますね」
男「こっちみんな」


509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 14:38:20.69 ID:Hz3ZILcw0
男「お前さー。うつ病だとか言って、仕事さぼりたいだけなんじゃないのか」
女「……」
男「な、なんだよその顔は」
女「いえ。今までお気づきになられなかったとは思っておりませんでしたので……」
男「つまり詐病なのか」
女「だといいですね……ふふふ。うふふふ」
男「わー! 俺が悪かった! 悪かったからテラスから身を乗り出すんじゃない!」


511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 14:41:28.69 ID:Hz3ZILcw0
男「ふぅ……たしかに今のは俺の言い方が悪かった。その……心配なんだよ。一応、俺は雇用主だしさ」
女「そうですよね……病気持ちのメイドなど役に立ちませんものね。うふふふふ」
男「いちいち死のうとするな! あー、もう。そういうことが言いたいんじゃなくて……くそ、鈍いなお前」
女「ご主人さまには負けます……」
男「え……?」
女「では……私は仕事がありますので」
男(あいつ、俺の気持ちわかってんのかなぁ……)


515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 15:08:07.53 ID:Hz3ZILcw0
 今日もまた一日が始まる。昨夜あれほど、このまま目が覚めないで欲しいと神様にお願
いしたのに。神様はどうして、私にだけイジワルをされるのだろう。
 考えているとベッドから出られなくなってしまうので、感情は頭の隅に押し込めて、布
団から抜け出した。
 天気は……晴れ。溜まっていた洗濯物が良く乾くだろう。と言っても、このお屋敷には
私とご主人さまの二人しかいないので、量はそれほどでもない。だけど、こなすべき仕事
が一つ増えたことを朝から確認させられて、私はうんざりした気持ちになった。
 ご主人さまの部屋を廊下から覗き見ると、まだお休み中のようだった。
 昨夜こっそり止めておいた目覚まし時計のおかげで、今朝はゆっくりされることだろう。多少お仕事に遅刻されたとしても、体調を崩されるよりいい。
 メイドとしては主人の体調管理も重要な仕事なのだ。
 こっそり部屋の中に入り、その可愛らしい寝顔を拝見させていただくことにする。
「……おはようございます」
 ご主人さまの寝顔を見ることができるのは、この仕事の役得の一つだ。
――大抵はご主人さまの方が先に起きていらっしゃるので滅多に見ることはできないが。
 しばらくご主人さまの寝息を聞いて心を落ち着かせた後、またこっそりと部屋を出る。
時計を確認して、この分なら、もうそろそろコーヒーの用意をしておいた方がいいだろう
と思ったのでキッチンへ向かった。廊下を歩きながら、慌てて駆け込んでくるそのお姿を
想像して、ちょっぴり楽しい気持ちになった。
 なのに……昨夜、キッチンの洗い物をそのままにしておいたことを思い出した。
 仕方ない。ご主人さまが起き出して来られるまでに片付けておかなければ。
楽しいことがあれば同じだけ面倒なこともある。
 憂鬱な気持ちでキッチンに着くと、きれいに片付けられた食器たち。
――健忘症まで発症してしまったのだろうか。
 片付いた食器の謎はすぐに解けた。流しの所に無造作に置かれたメモの切れ端。
『家事をするのがメイドの仕事だと思うのは俺の間違いか? それと、明日は休みだから
目覚まし時計に細工しても無駄だからな』
 ……あまり幸せすぎると怖くなってしまうので、とびきり濃い目のコーヒーを淹れてさ
しあげることにしようと思った。


563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 19:09:38.48 ID:Hz3ZILcw0
女「雪はいいですね……真っ白になって……汚いものも何もかも隠してしまうんですもの」
男「コタツで丸くなりながら言うセリフじゃないな。つか仕事しろよ。メイドなら」
女「……なるほど。凍死というのもなかなか新しい自殺法ですね。なるほど」
男「……今日は庭の手入れはしなくてもいい」


564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 19:12:11.02 ID:Hz3ZILcw0
女「ご主人さま……こたつと言えば何でしょうね」
男「みかんじゃねーの」
女「……ベタですね。ベタすぎて死にたいです」
男「う、うるせーな。日本には予定調和という文化があるんだよ」
女「……みかん食べ過ぎると指先が黄色くなってしまいますよね」
男「食べたいなら自分で取ってこいよ」
女「……けち」


565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 19:14:38.24 ID:Hz3ZILcw0
女「……仕方ないので取ってまいりました」
男「お前、普通は二人分で二個持って来ないか?」
女「……一個はいらないんです。でも食べたいんです。申し訳ありません。この淹れたての熱いお茶をかぶって死にます」
男「わー! わかったわかった! 半分でいいから」


566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 19:18:55.98 ID:Hz3ZILcw0
女「こんな寒い日にお出かけですか……」
男「まぁ、仕事だからな」
女「広いお屋敷に一人ぼっち……あぁ、孤独死しろという皮肉なのですね。鈍感で申し訳ありません」
男「……ついてくるか?」
女「行ってらっしゃいませ、ご主人さま」
男「帰って来たらちゃんと家事が終わってるかどうかチェックするからな。この野郎」


568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 19:22:42.48 ID:Hz3ZILcw0
女「さてと……とりあえず二度寝を……」
男「おい」
女「……ご主人さま、お仕事はどうなさいました」
男「雪で電車が止まって、ってそんなことはどうでもいい。お前は本当に我が家のメイドさんなのか」
女「……メイドでなかったらこのようなお召し物を着させていただけるはずがありませんが」
男「えぇい、エプロンをひらひらさせるのはやめい。可愛いのは認める。でもそんなの関係ねぇ!」
女「……かわいいですか? 今、かわいいとおっしゃいましたか?」
男「く、余計なことだけはちゃんと聞き取りやがって……」


577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/01/23(水) 20:17:16.22 ID:Hz3ZILcw0
女「……月日が過ぎるのはあっという間ですね」
男「いきなりだな」
女「まさかの三日落ちなものでネタがなくて……」
男「次からはもう少し考えてから立てような」
女「……次があるといいんですけどねぇ」
男「不吉なこと言うな」



あとがき
長編の投下もせず、かといって通常投下も他の人にまかせきりだったけど……
たくさんの人が書いたり描いたりしてくれて嬉しかったです。
というかむしろ、僕は今回ほとんどROMってましたw
楽しかったです。ではまたどこかで
(´・ω・)ノマタネー