Difmapによる処理(2) データを見る


vplotでビジビリティを見る
まずはビジビリティを時間の関数として見てみましょう。 vplotというコマンドを使います。
vplot 9  9は、1画面あたり9個のパネルをプロットします
! Using default options string "efbm3"
! For help move the cursor into the plot window and press 'H'.
! Applying 62 buffered edits.
vplotを実行すると、下図のようなPGPLOTの画面が現れます。
最初の画面には、アンテナ番号1番 (BR) を含む基線のビジビリティが一覧されます。横軸は時間、縦軸は振幅と位相がそれぞれのパネルに納められています。
画面をマウスでアクティブにした状態でキーボードの n キーを押すと次のアンテナ (アンテナ番号2番: HN) を含む基線のビジビリティに移ります。以下、 n を押すたびに次のアンテナへ…。一つ前のアンテナに戻るには pを押します。Difmapではこのように、アンテナ毎の基線が一覧されますので、この表示である時間帯に共通しておかしなことが起こっていたら(例えば振幅が妙に小さいとか)、そのアンテナに何らかのトラブルがあったと推察されるわけです。
振幅だけの表示(位相の表示を消す)にするにはlを、位相だけの表示にするには 2 を、元の振幅・位相両方の表示にするには 3 をタイプします。タイプしても表示が変わらない場合は、 Lをタイプしてから スペースキー をタイプすると、表示がリフレッシュされるはずです。
その他、キー操作の一覧を表示するには h とタイプしてください。
vplotを終了するにはx とタイプします。

uvaverでビジビリティを時間積分

1点あたり4秒のデータを、20秒間ずつ時間積分(つまり5点ずつ平均化)します。 uvaverというコマンドを使います。
uvaver 20, tru  truは、統計によってビジビリティに誤差棒を付加するオプション
! Averaging into 20 second bins.
! Selecting polarization: LL, channels: 1..4
! Reading IF 1 channels: 1..1
! Reading IF 2 channels: 2..2
! Reading IF 3 channels: 3..3
! Reading IF 4 channels: 4..4

時間積分されたビジビリティをvplotで見る

時間積分した結果のビジビリティをもう一度 vplotで確認しましょう。
vplot 9
! Using default options string "efbm3"
! For help move the cursor into the plot window and press 'H'.
! Applying 62 buffered edits.
vplotを実行すると、下図のようなPGPLOTの画面が現れます。
積分したために、データの点数が減っているのが分かります。また、各ビジビリティに誤差棒が付いています。これは uvaverのときに誤差棒を付ける tru のオプションを加えたからです。
ところで、一部のビジビリティデータ点が赤色で表示されているのに気付きましたでしょうか。これはデータが無効化されている (flaggingされている、という)印です。 uvaverしたときに、データのばらつきがあまりに大きいモノは自動的にflaggingされます。Flaggingは人が手で実行したりもします(この方法は次のページで)。Flaggingされたデータを復活することもできます…データを削除したわけでなく、「無効」という旗が立っているだけなので、その旗を下ろすだけでよいのですから。
確認したらx をタイプして vplotを終了しましょう。

radplotでビジビリティを見る

radplotもビジビリティを表示するコマンドです。横軸は空間周波数(つまり基線長÷波長)で表示します。
radpl
! Using default options string "m1"
! Move the cursor into the plot window and press 'H' for help
現れた画面には、全基線のビジビリティデータの振幅が表示されます。ある特定のアンテナを含むビジビリティだけを区別して表示するには、 n あるいは p とタイプしてください。特定のアンテナを含む基線のビジビリティが白色で際立ちます。終了するには x とタイプします。

projplotでビジビリティを見る

projplotもビジビリティを表示するコマンドです。radplot に似ています。違いは横軸で、「ある方向に沿った空間周波数」です。例えば初期状態ではP.A. (Position Angle: 位置角)=0°の方向の空間周波数で、これは(u, v)のu成分そのものです。P.A.=90°ならv成分ですね。projplot は任意のP.A.に沿った空間周波数を横軸にできます。
projpl
! Using default options string "m3"
! Move the cursor into the plot window and press 'H' for help
使い方もradplotとほぼ同じです。 < キーあるいは > キーを押すと、P.A.を増減できます(つまり空間周波数の方向を回転させることができる)。
なお、起動時にP.A.を指定することもできます。例えば
projpl -80
! Using default options string "m3"
! Move the cursor into the plot window and press 'H' for help
と打てば、P.A. = -80°が初期に表示される空間周波数の位置角ということです。
次に、ビジビリティデータからゴミを取り除きましょう。

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最終更新:2007年10月04日 20:53