情景モデル配置とユニット配置の段階でほとんど勝敗は決している。
配置と戦術は知識と訓練でカバーできるので、まずここから考察してみよう。
情景モデル配置
WHFBのピッチバトルでは配置できる情景モデルの数に制限は特にないが、情景モデルに埋もれた戦場はとてもゲームできるような状態でない。
戦場の広さに応じて『使用する情景モデル数の目安』を利用するとお互いに公平だろう。
1000P未満:2~4
1000~3000P:4~6
これは厳格なルールでなくあくまで目安であるが、配置する情景モデル置き場の数が正式に決められていないので、表記されている最大数÷2個の情景モデルをお互いに情景モデル置き場に用意するのが良い。
もちろんそれが可能で無い状況もあるだろうし、プレイヤー全員がこの条件を遵守してくれるとは思えないので参考までにしてくれれば良い。
大きさは目安として一辺が8cm~24cmであることが推奨されている。
既に戦場に情景モデルが配置されている試合の場合は、地形を読み解いて戦術を組み立てよう。
地形の種類
地形とは視線と移動に修正を与える空間である。
地形の持つデータは『視線』と『移動』と『高さ』の組み合わせで決定する。
組み合わせ上意味のないものは省いた例が以下の13種類。
便宜上適当に名前をつけたが、各コミュニティ毎に違っているはずなので、事前の確認が大事。
ゲームプレイ上の理想としては、情景モデルの下に同じ形に切り取ったプラ板を置いて下記のデータを記入しておくと使い易い。
地形 |
視線 |
移動 |
高所 |
道 |
○ |
○ |
× |
丘 |
× |
○ |
○ |
斜面 |
× |
1/2 |
○ |
急斜面 |
× |
1/4 |
○ |
壁 |
× |
× |
× |
絶壁 |
× |
× |
○ |
林 |
林 |
1/2 |
× |
茨林 |
林 |
1/4 |
× |
丘林 |
×(林) |
1/2 |
○ |
斜面林 |
×(林) |
1/4 |
○ |
川 |
○ |
1/2 |
× |
池 |
○ |
1/4 |
× |
海 |
○ |
× |
× |
『視線』
○:視線を遮らない
林:ルールブックP9『林』を参照
×:視線を遮る
『移動』
○:移動しやすい地形
1/2:移動しにくい地形
1/4:とても移動しにくい地形
×:移動できない地形
『高所』
×:高所でない地形
○:ルールブックP9『丘や高所からの視線』を参照
地形の使い方
地形は『ユニットの移動・視線を妨害する』という点において1つのユニットと同じと考えられる。
しかもこのユニットは破れることがない強固なユニットだ。
ただし地形自体に敵味方の概念がないので、いかに配置や戦術によって地形を味方につけるかが肝となる。
以下の7項目は地形をどのような意図をもって使うかを示したものだ。
移動を妨害するためや、相手に移動妨害用の地形を配置されないように地形を配置する。
移動妨害(遮断)地形を利用して、初期配置またはそれ以後の戦力集中を防ぐために地形を配置する。
役割的には侵攻ルート限定に近い。
絶対に破られない歩兵としての地形配置。
基本的には侵攻ルート限定・確保と同じ。
視線を封じて突撃・射撃を封じたり、相手からの地形配置でそれをされる事を妨害したりする地形配置。
配置することそのものが心理的・戦術的な囮になる地形配置。
相手の配置した地形を無効にするための地形配置。
相手に使われると危険な地形を排除するための地形配置。
安易に行うと後の地形配置でかなり強固な防壁を張られる可能性があるので注意。
配置と効果
1000~3000ポイントのバトルにおける推奨戦場幅は100×150なので、戦場を24分割すると配置を考える上で理解し易いかもしれない。
これは1マスが25×25なので情景モデルの最大値とほぼ等しい。
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
21 |
22 |
23 |
24 |
1~6:初期配置エリアA
7~18:配置不能エリア(9・10・15・16は地形配置不能エリア)
19~24:初期配置エリアB
表記 |
配置場所 |
基本効果 |
○上 |
○の上辺 |
上のマスを遮断・妨害する |
○下 |
○の下辺 |
下のマスを遮断・妨害する |
○左 |
○の左辺 |
左のマスを遮断・妨害する |
○右 |
○の右辺 |
右のマスを遮断・妨害する |
○縦 |
○を縦に |
このマスを左右に遮断・妨害する |
○横 |
○を横に |
このマスを上下に遮断・妨害する |
○/ |
○の右上から左下へ |
左に戦場を広げ、右への進路を確保する |
○\ |
○の左上から右下へ |
右に戦場を広げ、左への進路を確保する |
※○の中には数字が入る
例:丘1上=1の上辺を沿うように丘を配置
道や丘を中心に情景モデルを用意する。
射撃に耐性が無い場合は視線を妨害する地形が必須だが、下手に森や建物を用意すると逆に自分の進軍やユニット配置の邪魔になることがある。
もしそれらの地形を用意するのであれば、相手に使われないように優先して配置していこう。
水と柵を中心に情景モデルを用意する。
丘は視線を通すのに有効なように感じるが、実際は相手に取られると中心付近に配置されて逆に進路確保&射線封鎖に利用されがちなので、あまりおススメできない。
使用する場合は3と4か21と22の配置不能エリアギリギリに接触するように配置して、広範囲の視界を確保すること。
それ以外の場所に配置すると視線を妨害する地形で無効化された上に進路を提供してしまう。
相手が視線を妨害する地形を用意している場合は、優先的に選択して戦場(7~18)には置かずに初期配置エリアに縦向きで置くと攻守両面に使える。
8・14か11・17にかかるように視線と移動を妨害する地形を配置する。
基本は縦に配置して、分散隊形のみが進める敵軍エリアへの通路を敷くのが狙い。
橋頭堡にもなるので是非配置しておきたい。
初期配置エリアの境界線に横向きに移動&視線を妨害&封鎖する地形を配置する。
3・4・21・22はエリア内に。それ以外はエリア外の境界線ギリギリが効果的。
更に左右どちらかの出口に進路が外向きになるように斜めか縦に移動&視線を妨害&封鎖する地形を配置すると、かなりユニット配置がボロボロになる。
8・14・11・17のエリアに視線を妨害する地形を配置する。
移動が困難な地形を抜ける能力を持つ兵科があるなら森や林を選択すると効果的。
基本は横向きに配置だが、攻撃か防御に特化させるなら斜めに配置したい。
可能であれば何も配置しないのが良い。
8・14か11・17のエリアを分断するように移動&射撃不能な地形を配置する。
基本は横向きに配置。
森などを相手に配置させず、戦場の横断を許さないのが狙い。
突撃角さえ間違わなければ併殺も可能。
ユニット数が多い編成の場合は空間確保用の地形(道とか丘とか)で代用したほうが良いこともある。
もし先に配置されてしまっているなら、入り口か出口に移動&射撃不能な地形を配置すると多少は被害を軽減できる。
この場合は絶対に横か斜めに配置することで広くカバーした方が効果的。
入り口側の場合は併殺が狙えるし、出口側なら侵入をある程度阻止できる。
ゲーム開始までの流れ
1:情景モデル配置
交互に情景モデルを配置する。
戦場の地形の数をコントロールできる。
地形を3つまでに限定したければ先手を取らねばならない。
相手の配置した地形を無効化できる。
2:初期配置エリア決定とユニット配置
どちらの配置エリアを使用するか決定した後、ユニットを交互に配置する。
初期配置エリアを選択できるので、有利な戦場設定ができる。
基本的にはランク歩兵を最初に置いて主戦場を設定する。
エリア選択はしたいが対策兵科を当てたいと考える場合は捨て駒から配置するのだが、この方法は相手よりユニットが多いことが最低条件。
対策兵科を当て易い。
自分が対策兵科を当て続ける限り相手に選択権は移らないので、間違えずに当て続けると有利に進め易い。
しかし一度でも配置を失敗すると、今度は相手に対策兵科を当てる権利が移行するので要注意。
エリア選択権がないので、中央に侵入不能な地形を置かれていると戦力分断され易い。
その場合はサイドに戦力を集中させるのが基本。
ランク兵が主力で引きこもるつもりならば、逆にその地形が壁として利用できる。
3:キャラクター配置
先にユニット配置を終えた方から全てのキャラクターを配置する。
4:ターン順決定
どちらが先手かを決定する。
視点
ただ漫然と椅子に座って駒を眺めているだけでは戦況を把握するのは難しい。
戦場を色んな視点から見ていれば、侵攻ルート、相手の意図、弱点などがぼんやりと見えてくることがある。
椅子に座った状態の視点。
相手のことはよく見えるが、自分のことが見えなくなる。
椅子に座るのは敵軍フェイズだけで十分だ。
立って上から見た視点。
一目瞭然ではあるが、見えすぎてわからなくなることもある。
距離を計測したり全体のバランスを図るのに適している。
基本はこの視点で。
戦場を横から見た視点。
最も遠くの距離を意識できるので、迂回戦術や砲撃を行う場合に活用する。
突出具合もわかり易いので、お互いの弱点が見える。
敵を切り崩す前にはこの視点で確認してみよう。
陣形
陣形とはゲーム中に有利に戦闘へ移行するための予備移動(配置)のこと。
戦術とは戦闘を有利に運ぶための知識だ。
ここではユニット配置によって構築される陣形という思想について考察してみる。
以下の5つはポピュラーな陣形の例である。
自軍の全ユニットが対面する敵ユニットに対して戦闘力で上回っているときの戦術を当サークルではこう呼ぶ。
主に機動部隊が弱い白兵戦主体アーミー同士で地形が少ない場合に起こりうる現象(もはや戦術とは呼べない)。
相手ユニットの前に対策兵科を配置し、分厚いまでの横一列の速攻でイニシアティブを取り、相手がドラクエに付き合ってくれたら、あとはダイス目に裏切られなければ勝利できる。
性質上人間系アーミーが絶対執ってはいけない戦術。
初心者が唯一執れる戦術であり、最も大敗を喫して『WHFBダイスゲー』宣言してしまう原因でもある。
といっても種族の特性で結局この戦術を執らざるを得ないアーミーも存在する。
攻撃力の高い部隊を中央に配置して一気に敵の中央を破る戦術。
敵戦力を分断し、残った戦力で分断した敵を殲滅するのが狙い。
受け止められるか受け流されると相手に包囲戦をしかけられて大敗する可能性が高いハイリスクな陣。
わずかな防衛戦力を片側に残し、残りの戦力を反対側に集中した陣形。
長い方の翼を叩きつけるように戦場を横断するので高い戦闘力と移動力が要求される。
騎兵が強力なブレトニアが最も得意とする。
受動的に対応して敵のミスを誘い、最終的には各個撃破か包囲殲滅を図る。
重歩兵・重騎兵などのセービングが高い兵科が主体のアーミーが執り易い。
特殊能力的にヴァンパイアやディーモンも相性が良い。
最高峰は勿論ドワーフ。
能動的に行動して包囲殲滅を図る。
機動力と攻撃力に優れた兵科がいる種族で成立する。
ウッドエルフのそれが最も完成度が高い。
ユニット配置
ここではユニット配置を有利に進めるための編成と、ユニット配置の定石について考察する。
相手よりもユニット数が多ければ、対策兵科を後出しすることが出来る。
小規模の捨て駒ユニットが低コストで組めるなら、マジックアイテムやコマンドグループを削ってでも入れる価値がある。
捨て駒ユニットは何か一芸に秀でているとより効果的(グレートウェポン所持など)。
ファストキャバルリー・飛行・チャリオット・分散隊形などの高機動なユニットは、配置後にも柔軟に動けて陣形を整え易い。
ユニット数で負けても後の1~2ターンの移動で逆転する可能性がある。
スカウトを入れる=初期配置数減少なので、ウォーマシンを中心にした編成の場合は弱点になりえる。
しかし用途は広く、ウォーマシン対策になる場合もあるので、あるに越したことはない。
全てのユニットを配置した後に置くので、チャリオット騎乗やモンスター騎乗キャラクターは対策兵科として一流と言える。
その分初期配置ユニット数が減るので、バランスが大事。
ユニット数を増やすための小規模低コストユニットを放棄して1ユニット辺りの数を増やしたり、オプションをつけて強化する。
主に受けの力が強い種族が選択する。
上手く地形を扱えないうちは理不尽な負けが込むと思われる。
ランク歩兵は移動が不便で突撃距離も短い。
ユニット幅も広く、旋回するのも困難で、ポイントも重い。
無理に複数投入すると渋滞をおこす。
もちろん安定感があるのでコア埋めなどで1つは持っていても損はない。
しかし2つ以上は重過ぎる(相互援護を狙うプレイもあるが、大抵は渋滞と側面攻撃の的)、一つでよい。
もしコア埋めに複数のランク歩兵が必要な場合は、あえて最少数で編成する。
移動妨害、進路変更、分隊で奇襲などの用途に使う分には問題ないはず。
戦場を横から見た場合の距離はあまりにも遠い。
歩兵の鈍足では6ターン全てを費やしても届かないだろう。
歩兵が中央に集中するのは戦力の分散を防ぐ上で当然の選択であると言える。
基本から外れた配置ではあるが間違っているわけでもない。
サイドに歩兵を配置する場合は戦場の中心をどちらかの端に集中させるか防御陣を張るという意図があれば問題ない。
完全に戦場端に配置するのではなく、45度の旋回を行って戦場の縦横を逆転させるのが狙い。
これを行うためには地形配置が重要で、進路確保と防壁が必須である。
同方面に配置された敵ユニットは自然と包囲戦用ユニットになるので、それを妨害するために2つめの歩兵を戦場端に配置するのは悪くない。
基本戦術としては相手が同方面に配置した少数のユニットを叩くのが狙い。
移動力が高く、突撃の間合いを空けたい騎兵はサイドに配置するのが基本。
本隊に対して分隊と認識される騎兵の場合は中央に配置されることがある。
また稀に本隊として機能する騎兵というのも存在し、その場合も中央に配置される。
ここから先は戦闘・戦法の部類に当たるので、
基本や各種族の戦法を参考にしてください。
最終更新:2009年09月29日 22:51