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「《-2-世紀の超越》」(2009/03/28 (土) 21:06:18) の最新版変更点
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研究会の人たちに内緒で、サイパンはひそかに変わろうとしていた。
この東京で、人に優しくして生きていこうと思っていた。
・・・でも、実際にやってみようと思っても、何をしていいか解らない。
困っている老人を助けたり、道に迷ってる人に道を教えてあげたり。
そんなもんでいいのだろうか?もっと漠然と優しく出来ないのだろうか?
い、いやぁ・・・。そんなこと言っちゃいけないな、
小さなことからやらなければ、大きなことはきっと出来ない。
うん、きっとそうだ。まずは小さなことから始めよう!
あ!ほらそこに、困っているおじいさんがいるよ!助けてあげよう!
どうかしましたか?おじいさん!
「おおっ!なんじゃ、サイパン殿じゃないか!」
大失敗☆作戦大失敗だぜ!!
だ、だが・・・こんな簡単に挫けてたまるかっ
「な、何しているんですか?かもめさん、こんなところで・・・?」
「ちょいと道に迷ってしまっての・・・困っとるんじゃ」
なるほど・・・道に迷って困っている老人ね・・・・ビンゴ☆!
「どこに行こうとしていたんですか?」
「洋酒取り扱い店の〔クリスタル〕じゃ、この近くにあるはずなんじゃが・・・」
「ああ、そこなら俺知ってますよ」
というわけで、サイパンを案内役として「クリスタル」にたどり着いたかもめは、
それなりの手続きを済ませて、「日本酒」と書かれたダンボールを抱えてさっさと店を出た。
サイパンも「今日はどうせ暇だしな」と言って、「ビール」と書かれた箱を持ってかもめに同行した。
その帰り道。。
「お前さんには、将来の夢とかないのか?」
「特に無いですかね・・・」
「まぁ、その答えが何よりだな。それは自分の将来を決めつけていない、つまり真剣に
考えてるって事だからな」
「そうですか?普通はこう答えたら「つまらない人間だね」とか言われるのがオチですが」
「そんなこと言う奴はほっとけ」
「はぁ・・・そうですか・・・」
俺はもうちょっと教訓めいたことを期待したんだが・・・。ああ、でもまぁほっとくのが最善か・・・。
「はいっ、そうですね」
さっきは生返事をしたが言い直しておいた。俺の気分的になんとなく。
その後もとりとめのない世間話が続いた。
研究会メンバーの組み合わせで最も年齢差のあるこの二人だが、会話はけっこう弾んでいた。
もちろんサイパンは「俺、人に優しくしようと思ってるんです」なんてことは言わなかったが。
そんなこんなしているうちに、「フルハウス」にたどり着いた。
「結構大変だったな・・・・」
かもめは真夏の日差しを見上げているサイパンに、
「人に優しくしようと思った時点で、お前さんは優しい奴だ」
とだけ言って扉を開けた。
ガチャリ。
「ただいまぁ~」
おかえり~という声が小さく聞こえる。
「はぁ、そうですか。・・・・・・・・・はいっ、そうかもしれないですね」
独り呟き、サイパンは中へと入っていった。
研究会の人たちに内緒で、サイパンはひそかに変わろうとしていた。
この東京で、人に優しくして生きていこうと思っていた。
でも、実際にやってみようと思っても、何をしていいか解らない。
困っている老人を助けたり、道に迷ってる人に道を教えてあげたり。
そんなもんでいいのだろうか?もっと漠然と優しく出来ないのだろうか?
い、いやぁ・・・。そんなこと言っちゃいけないな、
小さなことからやらなければ、大きなことはきっと出来ない。
うん、きっとそうだ。まずは小さなことから始めよう!
あ!ほらそこに、困っているおじいさんがいるよ!助けてあげよう!
どうかしましたか?おじいさん!
「おおっ!なんじゃ、サイパン殿じゃないか!」
大失敗☆作戦大失敗だぜ!!
だ、だが・・・こんな簡単に挫けてたまるかっ
「な、何しているんですか?かもめさん、こんなところで・・・?」
「ちょいと道に迷ってしまっての・・・困っとるんじゃ」
なるほど・・・道に迷って困っている老人ね・・・・ビンゴ☆!
「どこに行こうとしていたんですか?」
「洋酒取り扱い店の〔クリスタル〕じゃ、この近くにあるはずなんじゃが・・・」
「ああ、そこなら俺知ってますよ」
というわけで、サイパンを案内役として「クリスタル」にたどり着いたかもめは、
それなりの手続きを済ませて、「日本酒」と書かれたダンボールを抱えてさっさと店を出た。
サイパンも「今日はどうせ暇だしな」と言って、「ビール」と書かれた箱を持ってかもめに同行した。
その帰り道。。
「お前さんには、将来の夢とかないのか?」
「特に無いですかね・・・」
「まぁ、その答えが何よりだな。それは自分の将来を決めつけていない、つまり真剣に
考えてるって事だからな」
「そうですか?普通はこう答えたら「つまらない人間だね」とか言われるのがオチですが」
「そんなこと言う奴はほっとけ」
「はぁ・・・そうですか・・・」
俺はもうちょっと教訓めいたことを期待したんだが・・・。ああ、でもまぁほっとくのが最善か・・・。
「はいっ、そうですね」
さっきは生返事をしたが言い直しておいた。俺の気分的になんとなく。
その後もとりとめのない世間話が続いた。
研究会メンバーの組み合わせで最も年齢差のあるこの二人だが、会話はけっこう弾んでいた。
もちろんサイパンは「俺、人に優しくしようと思ってるんです」なんてことは言わなかったが。
そんなこんなしているうちに、「フルハウス」にたどり着いた。
「結構大変だったな・・・・」
かもめは真夏の日差しを見上げているサイパンに、
「人に優しくしようと思った時点で、お前さんは優しい奴だ」
とだけ言って扉を開けた。
ガチャリ。
「ただいまぁ~」
おかえり~という声が小さく聞こえる。
「はぁ、そうですか。・・・・・・・・・はいっ、そうかもしれないですね」
独り呟き、サイパンは中へと入っていった。