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電車と言うものは便利である。
少しの銭で銀座やら六本木やらなどにすぐ行ける。

とてもいい乗り物である。

がしかし、逆にやな事もある。
最近の若者は、マナーなどもなっていない。
車内で大きな声を出すは
音楽を鳴らすは
やかましい奴らである。

そんな愚痴を頭の中で巡らしている1人の老人
「かもめ」という男(86歳)。

いつものように町をぶらぶらしながら
電車に乗っているところだ。


今日は満員電車のため、身動きがとれず
おまけに近くには
髪を茶色に染めた、女子高生が3人が
優先席で大きな声を出しながらしゃべっている。

不愉快だ。東京。

こんな老人が都会の中で
ぶらぶらしていることすら変なことだが、
最近の東京は何かおかしくなっている。


「東京」についたというアナウンスが流れると
車内はさらにゴチャゴチャになった。


女子高生の会話が聞こえる。
女のひとりが変なことを言っている。

「私、自分に気を使ってダイエット始めたんだぁ」

ダイエット?
気を使う?

自分の前に老人に気を使ってほしいものだ。


人に押しつぶされる。
イヤホンからもれる音
ズンジャカ、ズンジャカ・・・

こんな町で暮らして
よく生きてこれたなと
あらためて思った。

「上野」についたアナウンスが流れた。
やっとこの場所からおさらばだ。


電車を降り、改札を出た。

現代の風に乗ろうと
「パスモ」とやらを買ってみたが
使い方が解らず
ずっとしまったままだ。

切符を探そうと
ポケットを探ると
切符だけが入っているはずのポケットに
紙が入っていた。

「なんだこれは、こんなもの入れたかな?」

内容はこうである。

「あなたは西洋文化研究会に選ばれた6人のうちの1人です。
 これからあなたは残りの部員と活動することになります。
 明日の深夜2時に六本木の「フルハウス」という店に来てください。
 歓迎してお待ちしています。」

こんな手紙を見て

行くやつがこの世にいるのだろうか。

80年以上も生きた人に

こんなばかげたいたずらをやる奴は

どうかしている。


かもめは紙を丸めて

適当に捨てた。



しかし

次の日になってみると

なぜかあの文章が頭に引っかかった。

「残りの部員と活動・・・。」

いったい何のことだろう。

「西洋文化」と言う言葉にも

気がかかる。


行って確かめて

いたずらだったら

叱ればよいのだ。

そう考えたかもめは

フルハウスに向かった。


六本木の大通りから一本はずれた小道に入り

その店を見つけた。

店はとても古く

今にもつぶれそうである。

    ・
「ここが古ハウス・・・いやいや、フルハウスか。」 

電気が今にも切れそうな看板が

ひっそりとたっていた。

中からは人の声が漏れている。

「よし。」

そしてその老人は

店へと入っていった。

実に不思議な一日の始まりである。

present by coxinha
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