鳥が鳴く早朝。小さい緑色のテントの中からストームが出てきた。まだ眠たそうだ。辺りを見回すと………。
「なんだこれー! 荒野が余計に荒れている!」
荒野だから。もうちょっと遠くの方でみると騎士獣と速訊竜の姿が。気になって近づいてみると。もうあと1発で決着する所だ。
「速訊竜。野生化になってやっとここまで追い込んだな。そこはほめよう。だが、この1発で決着をつけるぞ! ケルベロソードブレード!」
騎士獣の剣が赤くなり、凄いオーラがでてきて速訊竜に攻撃する。
速訊竜は普通の牙で騎士獣に立ち向かう。
そして同時にきりつけた結果……騎士獣の剣と盾が壊れた。
「なんと……おとつい壊れて修理したばかりなのになんと不覚…」
騎士獣からアルマーにもどった。
「大丈夫か? アルマーさん」
「ああ。私の大切な剣と盾をこわすなんて……。さすが速訊竜と言うべきかな」
速訊竜は大きく遠吠えを上げた。
「グオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
何故速訊竜が野生化してしまったのは数分前にさかのぼる。
第4話 本当の覚醒
* * *
数年前のこと。アルマーは戦闘特殊部隊に所属していてエリートであった。ある日戦争が勃発して戦場へいくことに。だが、敵軍の強さは異常なのか、全然歯が立たない。しょうがなく兵器で立ち向かうが…。
「兵器で攻撃してくるとは…。なんとおろかな。それだから戦争が起こるのだ。グオオオオ!!!」
なんと一人の兵士が魂獣「怪力獣」に変わった。
「怪力獣!? そんなの卑怯だぞ!」
「卑怯もなんも君達が兵器つかったからお互い様だ。逝くぞ!」
怪力獣の力でどんどん味方の兵士が死んでいっていく。それを見てられないアルマーは怪力獣に向かって剣を向ける。だが。怪力獣の方が上なのか剣が壊れ、ツメはアルマーの体に直撃した。
「アルマー!!!!」
「(そんな……。私はここで死ぬのか……。戦場で死ぬことはどんなことか知らない私が)」
『(それじゃ……貴方はまだ生きたいと思いますか?)』
「(生きたい? もう死ぬ寸前の私は………といっても正直、まだ生きたいと思っておる)」
『(それでは剣と盾をもつ戦士獣「騎士獣」を託しましょう…)』
「アルマー。おいしっかりしろ!」
「は!」
アルマーは救急所にいた。すぐに起き上がった。
「骨折とかはしなかって助かったよ。今援軍がやってきたんだが…」
「援軍……そんなのいらない。私一人で戦争を終わらせる」
「おい! 一人でってどうやって」
「どうやってもなんも一人で戦争を終わらせる」
立ち上がって救急所から外に出た。一体なにを。
「(騎士獣よ。一緒にあばれようではないか)うぐぐぐ…グオオオ!」
大きく声をだしてアルマーの体に変化が。右手に大きな豪剣と左手に戦士の盾が出てきた。アルマーから騎士獣に変化した。騎士獣の目は兵士に向けてから動き出した。兵士は唖然とした。
「アルマー?」
戦場。
「ウオオオオオ大オオオオオオン!!」
ドーン! っと大きくならして騎士獣は戦場にたった。怪力獣は余裕の表情のようだ。
「敵陣にソウルビースト? 情報上では敵陣にはソウルビーストの存在がないといわれているのに…。ま…まさか!」
怪力獣は思い出した。そう、あの時アルマーを牙でもろに食らわした記憶を。悪いタイミングで魂獣と同化してしまったのだ。
「でも最初の方は不安定だからな…これでもどうだ!」
牙を構えて走ってきた。だが……騎士獣の盾で上手くガードし、剣で怪力獣を肩に切りつけた。
「ぐあ! こいつ正気なのか。といってもまじで正気だな…。いつ正式な同化を…」
騎士獣の剣に光った。そして………。
「フラッシュバーン!!!!」
凄い光とともに味方と敵陣も巻き込んだ。
数分後、騎士獣は気がつくと味方は無事みたいだ。そして敵陣は…旗をたてて消えていった。これは勝利という合図かな。味方はよろこんだ。騎士獣もよろこんだそうだ。
* * *
「あれから私は特殊部隊から引退して、7つのタワーをしって今に至るのだ」
騎士獣は剣を振り回し、速訊竜はよけまくる。
「(アルマー師匠はこんなソウルビーストとの出会いを。でも今気づいた。喋ろうとしても喋れない……)」
剣が青く光った。ということは……。
「ウォータービーム!!」
ふった線の地上から水がでてきて速訊竜に襲い掛かる。だが速訊竜のツメで波は切り裂いた。
「さすが伝説竜といったところだな。だが…次は」
また剣が光った。次は赤く燃え上がるように光った。
「フレアビーム!」
次は大きい炎を出してきた。その炎は速訊竜にもろに食らった。
「ウグググ…(くそ…あつい…。でも喋れね…)グオオオオ!」
速訊竜は自力で炎から抜けれた。
「グウウウウウ………」
「ほほー。これでもいけるのか……。ん?」
騎士獣は気づいた。そう、速訊竜は喋れないことに気づいた。
「まさか…。まだ覚醒していないな。速訊竜に」
「……(覚醒? 前に覚醒したばかりなのに…)グルルルルル…」
「ちょっと疑問した顔だな…。前に覚醒したのは仮同化。正式に同化した時が本当の覚醒といえよう。情報上喋れることは覚醒の象徴といえるだろう」
「(正式に同化したときが本当の覚醒。それじゃ……速訊竜! く…どうしよう……。ガチでもいくしかない!)」
「それじゃ話ははやい。今から容赦なくいくそ! 追い込むことで覚醒することが多いからな」
右手の剣を左手に持ち替えて、左手の盾から剣をだして二刀流にした。本気で行くつもりだ。
「それじゃ。覚悟!」
はやく走って速訊竜に攻撃してきた。これはよけることも受止めることができない。すばやい攻撃で多数のダメージをうけた。
「グワアアアアアアアアアアアア(うああああああああ)」
「まだまだ!」
連発しながらきりまくる。速訊竜はどんどんダメージを受けていく。
「これで最後だ!」
右剣に赤く、左剣に青く光った。ということは…。
「必殺! ドラゴンバースト!」
二つの剣をぶつけ合って大きなビームを発し、ドラゴンの姿が出てきた。凄いスピードなのかよけきれずに直撃した。凄い威力のせいか広い範囲で爆発した。
「これで……覚醒してくれるとうれしいがな…」
煙が晴れた。そこにはぶっ倒れた速訊竜がいた。意識がないようだ。
「生きているとはな…。こんなぐらいで死なれちゃ魂獣者につとまらないからな。もう一発…」
意識が無い中で、速訊竜の心の声が出てきた。
『(ご主人! しっかりするんだ)』
「(速訊竜…。俺はもう無理なんだ。騎士獣に勝てないんだ…)」
『(弱音を吐くな。勝つ方法は1つあるんだ。きくか?)』
「(これで勝てるなら…)」
『(意識同化。完全覚醒するのだ。しかし、そうすれば速訊竜になったとき、自分ではなくなる可能性あるがな)』
「(これでいい。どんなに失っても自分は自分だから…)」
『(そうか。それじゃ、いくぞ!)』
時間は少し戻して。
また両方の剣が光ってぶつけ合った。次は威力をましているのか光が大きい。
「これで目覚めなければ終わりだ! ドラゴンバースト!」
大きくビームを発し、ドラゴンの姿になって速訊竜に攻撃する。直撃して広い範囲に爆発した。これだったら……。
「いない! 速訊竜! 速訊竜どこだ(こんな速さでよけれるわけがない。まさか…)」
「俺はここだ!」
「な!」
速訊竜は騎士獣の後ろにいた。
「しまった!」
「ドラゴンバースト!」
「うわあああああああああああ!!!!」
速訊竜は騎士獣の必殺技「ドラゴンバースト」が何倍も返され、地面にたたきつけた。
「ウグググ…。いててててて…」
すぐに速訊竜は騎士獣の前に。
「やられた借り、全て返す!」
「早い!」
ツメで騎士獣をきりつけるかと思いきや左剣を速訊竜の右足に投げ、傷をおった。
「いて!」
すぐにしゃがみこんで。右足に抱えた。その隙に騎士獣は後ろへさがった。
「(早い攻撃…ということは覚醒したのか…あいつは…。でもおかしいな…。共鳴力がかなりあがっている。覚醒したことによっては分かるが、もう一つなにやらのことであがっている……。一体…」
かなり話がながい騎士獣。
「(いてぇ……。この剣…。どうすればいい)」
『(どうするもなんも。抜くことが大事だろ。我輩は抜くという選択で)』
「(う…ん…。どうしよう…。つか、何で潜在意識だけ別々なんだ)」
『(混乱防止のためだ。これの方がいいと思うがな)』
「(そういうことか)」
「本気を出す前に私の左剣、返してもらう」
騎士獣は走り出した。なんとかして考える速訊竜。
「(どうすればいいんだ)」
『(もうガチで)』
「(ああ)」
「グオオオオオオオオオ!!!!」
剣を極力はずして騎士獣に返した。
「お! 返すとはな。何の風って」
「隙を見せていてはビーストプレイヤーには勤まらない。だろ?おら!」
ツメの周りに風をおこしてアッパーカットした。
「うわあああああ」
すぐに立ち上がった。
「(なんという力だ…。そうか! なんという…。普通の覚醒で限界である私が追い越された…。人間と魂獣の魂が融合しただと…。意識は2つが1つになったけど考えが2つ考えることができるから…厄介だ)」
「どうした。次の攻撃はないのか?」
「(騎士獣…よろしいか…)」
『(しょうがない…いいだろう)』
「(感謝する)速訊竜! ここからが本当の勝負だ! ウオオオオ」
二つの剣が一つになってかなり大きくなった剣を持ちどころを腕にかわった。こうなっても変わりないと速訊竜は攻める。剣で受け止めた。
そのとき…。変な音が出ている。あれ? 速訊竜の体中に傷をうけた。
「ぐあああああああああああ!!!」
「(なんなんだこれは…)」
『(そんなの…。まさか)』
速訊竜は騎士獣をみると剣が紫色のオーラがでていた。
「こ…これは…」
「これは魔剣「ジベルトソード」。二つの剣のときは別の名前で仮の姿だ。そしてあわせたときが真の姿「ジベルトソード」だ。」
「(凄いプレッシャーだ。今…騎士獣の後ろにいるは。まさしく魔獣だ…。こんな相手にどすれば……)」
『(それじゃ野生化すればいいじゃないか)』
「(野生化?)」
『(野生化すれば基本より何倍もの力を発揮することが出来る。しかし最初は自分ではコントロールできないが、戻ったときには前よりあがることができる)』
「(へぇ~。でも…そのまえにやっておきたいことがあるのだが…)」
『(何でもきくよ)』
「(その危険な魔剣…。ちょっとでもいいからヒビを入れたいんだ。それをしてから野生化にすればいいんだ。成功するか失敗するか1回かぎり。だから…」
『(いいだろう。まかせる)』
「(ありがとう…。さて…どうやって壊そう…。あれ? 騎士獣の声が聞こえる……。なになに……。わかった)」
わかった瞬間速訊竜の表情が一変し、騎士獣へむけて走り出した。
「無防備で立ち向かおうとはな。この一発でしとめる。ダークネストラッシュ!」
剣から黒いオーラをだしておおきなビームを発し、速訊竜に直撃したかと思いきや。直撃したのはたしか。でも平気のようだ。すぐに前へ来て……。
「騎士獣! お前から出した技を返すぜ! ダークネストラッシュ!」
またコピーして何倍も返し、騎士獣に直撃した。
「ぐああああああああああああああ!!」
だが、魔剣で盾にする。威力が高かったかヒビが入った。ちょっと気に食わないのか騎士獣はまたダークネストラッシュで速訊竜に直撃し、岩の壁にたたきつけた。
「うぐぐぐぐ…」
「(これでヒビは入った…あとは…たのんだ…)」
『(いいんだな。ご主人…。それじゃ…)』
「(速訊竜は目覚めない。でも…。そのままほっとくのは良くないことなんだ。その隙に…)ダークネスト………」
技を言おうとしたとたん目の前に速訊竜が。しかも目が赤い…。ということは…。
「(野生化!? なんということに…)」
大変なことを起こしたり、大きなダメージを受けながら今に至る。
「なんだこれー! 荒野が余計に荒れている!」
荒野だから。もうちょっと遠くの方でみると騎士獣と速訊竜の姿が。気になって近づいてみると。もうあと1発で決着する所だ。
「速訊竜。野生化になってやっとここまで追い込んだな。そこはほめよう。だが、この1発で決着をつけるぞ! ケルベロソードブレード!」
騎士獣の剣が赤くなり、凄いオーラがでてきて速訊竜に攻撃する。
速訊竜は普通の牙で騎士獣に立ち向かう。
そして同時にきりつけた結果……騎士獣の剣と盾が壊れた。
「なんと……おとつい壊れて修理したばかりなのになんと不覚…」
騎士獣からアルマーにもどった。
「大丈夫か? アルマーさん」
「ああ。私の大切な剣と盾をこわすなんて……。さすが速訊竜と言うべきかな」
速訊竜は大きく遠吠えを上げた。
「グオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
その瞬間のことだ。速訊竜が倒れ、リュウトに戻った。
1時間後…テントの中リュウトはまだ寝ているようだ。でアルマーは衝撃的な言葉を言ってストームが驚く。
「え!? 正気があった!?」
「ああ。最後の一発のとき普通の目にもどっていて、みねうちをしたんだ。最後の一発で本気を出せば私が死ぬはずなんだが…。さらにもう一つ、速訊竜、もといリュウトの能力をみると、まずは相手から受けた技を1回だけ何倍ものエネルギーを使って跳ね返すことが出来る。もう一つ、他人の魂獣、または野生獣の心を読み取る能力をもっている。最初は速訊竜特有の能力で、2つ目が各魂獣者が持っている特殊能力と言うものかな。視察をした結果だからまだ謎はおおい……」
「アルマーさんは何故リュウトと戦ったのですか?」
「それは…。理由はいろいろあるけど。やっぱりこれから色々と戦いをするから事前に覚醒しておこうと…」
「そういうことか…。あ!」
リュウトが目を覚ましてベットから起き上がった。
「うーん……俺は一体何やっていただろう……あれ? 野生化は?」
「キミが覚えていないだけ。野生化とは言うことを聞かない犬の放し飼いをして暴れまくっていると同じぐらい。だから最初はとめるのは大変だけど、慣れればとめれるもんなんだよ。でも…暴れた犬をとめようとして抱きつくが色々とぶつかって一部の記憶が飛んでしまうのが野生化の特有なんだ」
何言っているかはさっぱり分からないけどなんとなくわかったリュウト。大分体力は回復できたみたいなので、ナイトタワーへ向かうことに。謎が色々と残したまま…。
最終更新:2008年07月20日 13:57