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 ハヤテとヒナギク颯爽登場  ◆BMD1gjTVFY 風越女子学園麻雀部。 全国屈指の麻雀強豪校であり、県内でも有数の実力者が集う歴史ある部活動である。 前年度は突如現れた新星である、龍門淵高校に不覚を取ったが、それでも名門である威厳は微塵も失われては居ない。 更に今年度は、風越トップでありキャプテン。チームの精神的支柱でもある福路美穂子を筆頭に、役満テンパイ率全国 トップクラスとも言われる池田華菜。光速とまで言われ速さに定評のある吉留未春。鉄壁のディフェンスを誇る深堀純代。 勢いに乗った天才ルーキー文堂星夏と正に最強というメンバーが揃っていた。 周囲からはドリームチーム、無敵艦隊、ゴールドジェネレーション、銀河系軍団とまで囁かれ、県代表はもちろんの事、 全国優勝ですら間違い無いと周囲の声は熱かった。 そして、その代表に対し大会直前の超強化合宿と称し、合宿所に選ばれたのはセント・マデリーナ島。 リゾート地としても有名であり、大会前にチームの団結を深める意味でも正にうってつけの場所であった。 そして今、風越の代表五人はこのリゾート地に集まる。 「キャプテンキャプテン!!海ですよ海。後で遊びましょうね」 「もう華菜ったら。遊びに来たわけではないのよ」 「でも、いい海ですよね。私も泳ぎたいです」 「あらあら文堂さんまで。皆はどうかしら」 「私も海には行きたいです。せっかく水着も持ってきたし」 「はい。せっかくだし……泳ぐのもいいかも」 「あら、吉留さんに深堀さんまで。そうね。では今日は夕方までは自由時間にして、皆で楽しみましょうか」 「「「「やったー」」」」 「うふふ、皆嬉しそう」 キャプテンも四人の様子に満面の笑みを浮かべる。 「じゃあ、ホテルに荷物を預けたら、水着に着替えてビーチに集まりましょうね」 と五人はホテルへ荷物を預けに歩く。 ホテルへ着くとすぐにチェックインを済ませ、早速着替えてビーチへ向かおうというところ。 そこに、五人のコーチである久保貴子である。 鬼コーチとしても、非常に有名であり、今日も今日とて早速の怒号が飛び交う。 「池田ァァァァ!!!何楽しそうに遊んでんだコラ!!もうすぐ大会でその為の合宿だろうが、このボケ!!!きいてんのか。ああっっ!! 去年もお前のせいで負けたんだろが。やる気あんのかええっっ!!それにお前らもお前らだ。何一緒になって遊ぼうとしてんだ。 オラ!!さっさと部屋へ行け、部屋へ。お前らに遊ぶ暇なんて無いんだよコラ!!さっさといけよ、池田ァァァァっっっ!!!」 「……分かりました。みんな行きましょうか」 「は………はい」 コーチの怒号を遭えて正面でキャプテンは受け、振り返ると笑顔で他の四人の不安を取り除かせ、キャプテンは他の四人と共に 部屋へと向かう。 「ったく。冗談じゃねーな。引率とか。はあ、たりぃ」 と、コーチは選手の姿が見えなくなると、愚痴をこぼし出す。 だが、その後少しすると、突如として異変が起こる。 急に、他の客が倒れ、そして夢遊病患者のような様で周囲を徘徊し出したのだ。 「?何だ一体」 コーチは身の危険を察するといち早く逃げ出そうとする。 が、遅い。 ある一体のゾンビがコーチの前に立ちはだかり、思わずコーチはしりもちをついて倒れる。 「どっ、どうなってんだよこれ。ふざけんなよ。おい、ちょっ………マジ…………」 コーチに対し何十ものゾンビが群がる。 そして、 「ぎゃああぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!」 地獄の底から聞こえるような叫び声がロビーに響き渡った。 それは一分ほど続くと、やがて静かになり、そして……ゾンビが一体追加生産されることになった。 ######### 綾崎ハヤテ。三千院家の執事であり、本日は桂ヒナギクと共にリゾート地に来ていた。 最も、二人はデートとかでなく、単純に偶然空港で鉢合わせとなり、そのまま流れで同行しているのみだ。 ハヤテがここに来た理由。 それは単純にナギが一度ここに来たいと言っていたので、その下見らしい。 外に出るたびに厄介ごとに巻き込まれているナギに配慮し、事前に危険が無いかの確認を兼ねてハヤテは単身での事前チェック というわけである。 対して桂ヒナギク。 彼女がここに来た理由。 それはただの偶然である。 先日たまたま商店街の福引で幸運にもセント・マデリーナ島旅行券をゲットしてしまったのである。 それもペアでなく、お一人様のみのを。 使わないのも勿体無いのでこうしてヒナギクは独り身での旅行を楽しむことになったのだ。 とまあ、あまりに都合がいい偶然により、ラブコメ的展開を期待しつつハヤテとヒナギクはリゾート地での 旅行を楽しむ事になったのだ。 「ところで綾崎くんはどうしてここに来てまで執事服なの?」 「いえ、ついいつもの癖で。とりあえずホテルに行けば着替えようと思います。でもヒナギクさんも制服ですよね」 「ええまあ、ちょっとうっかりね。私もホテルについたら着替えるわよ」 と、いつもと代わり映えのしない服はリゾート地にしては非常にミスマッチ。 二人はホテルへと足を急ぐ。 だが、その道中、突如として異変が起こる。 突如として周囲の人間の姿か何か異質な物へと変化していく。 「きゃっ、何よ一体」 「分かりませんが……何か嫌な感じがしますね」 ハヤテとヒナギクは周囲を疑う。 すると、しばしして、明らかに常軌を逸した顔の者が複数、ハヤテとヒナギクへと襲い掛かってきた。 「ちょっと何よ」 「下がってください」 ハヤテはすぐにヒナギクの前に立つと、素早い蹴りと更に側頭部への拳。 それを素早い動きで襲い来る全てのゾンビを撃退してしまう。 「何なんですかこれは」 「おかしいわね。そんな治安が酷い国とは聞いてなかったんだけど……それにこの人たちの顔色とか何だか……変ね」 ハヤテと、そして少し落ち着いたヒナギクもこの襲ってきた物の姿をしばし観察する。 だが、暫らくするとすぐに起き上がってくる。 「ぐぎゃぁぁおわぁ」 「えっ」 「きゃあっ」 ハヤテとヒナギクはすぐに走るとゾンビから逃走を始める。 「何なんですか。僕確かに、急所を狙いましたよ」 「っていうか、あれおかしいわよ。叫びとか人間というより………」 「ええ、ホラー映画に出てくるゾンビのような……って、そんなことより、とりあえずホテルに行きましょう。あそこなら 人が多いですし、何とかなるかもしれません」 「そうね、その方がいいかもしれないわ」 ######### そして再びホテル。 風越女子の五人はホテルに入ると海には行けず、制服姿のまま着替えもせずに麻雀の練習をしていた。 「はあ、でもコーチ怖いですよね。私コーチが怒っていない見たことありませんよ」 文堂が呟く。そしてそれに同調するように池田も続く。 「だよね。私なんてもう一年以上になるけど、ずっと怒られてばっかりだよ。この前なんてOB相手に役満連続の連荘で三人一度 に飛ばしたのに怒られたんだよ。もうコーチ怖いし」 「そうね。コーチは確かに怖いけど……でも大丈夫よ。次の大会で私達が名実共に最強である事を証明すればきっとコーチも 認めてくれるわ。だから頑張りましょう」 「………はい、頑張りますキャプテン」 池田とキャプテンは相変わらず独特の空気を形成しつつあった。 そしてその外にいた深堀は何かあることに気付き、立ち上がる。 「あの……キャプテン、何か騒がしく有りませんか?」 「あらそうかしら…………ええ。何かおかしいわね」 深堀さんの問いに応じ、しばし耳を澄ますと確かに外では騒がしい、うめき声や叫び声のような物が感じ取れた。 「少し様子を見てくるわ」 「危険ですよキャプテン。私も行きます」 と池田もすぐにキャプテンについてゆく。 「分かったわ。じゃあ私は華菜と行ってくるから……吉留さんと深堀さんと文堂さんはここで待っててね」 「はっ、はい」 「大丈夫ですよね。キャプテン」 「当たり前よ」 未晴が心配そうな声を掛けるが、キャプテンは笑顔で力強く答えると、池田と共に部屋を出る。 部屋を出ると、廊下には予想に反して周囲には誰も居なかった。 「おかしいわね」 「きっと下の方じゃないですか。ロビーとか広くて声が響き渡りそうだし」 「そうね。では行ってみましょう」 二人はエレベーターを使い一回のロビーまで降りる。 そしてロビーへと出ると、そこは…… 「ちょ……これ」 「そっ、そんな」 ホラー映画の世界だった。 明らかに異常な顔色の人々がふらふらと彷徨い歩いている。 時折うめき声のような物が聞こえ、既に正気の物は一人も居ない。 そんな世界では普通に意識を持っている自分達の方が異常なような錯覚さえ起こしてしまう。 「何なのこれ。ねえキャプテン」 「わっ、分からないけど、あまり騒がない方が……きゃっ」 不安そうな池田をキャプテンは何とか笑顔を作って落ち着かせようとするが状況は決して好転しない。 そしてそこに気付いたかのように無数のゾンビが近寄ってくる。 「いや……だし、こんなの有り得ないしっ!!」 「落ち着いて華菜、大丈夫……大丈夫だから」 キャプテンは池田を庇うように抱きしめると、左目を見開いて必死に状況を探ろうとする (この人たちの目の動きから察するに、既に意識を持っているわけではない。それに、この顔色。少しだけど腐敗も 進んでいる?つまり、死んでいる?でも死んでいるなら、どうして動いてくるのかしら?一体この少しの間に一体何が?) 何とかある程度現状を理解するが、それで物事が解決したわけではない。 ゾンビはドンドン近づいてくる。 (まずは上へ逃げないと。階段を使う?でも華菜は……っ!?) 既に華菜は足を震わせ、腰を抜かしてしまっていた。 とてもではないが、走って逃げる余裕は無かった。 「いやだし、キャプテンッキャプテン!!」 華菜は必死でキャプテンに助けを乞うが、キャプテンも決して万能ではない。 (そんな、このままじゃどうしたら) 震える池田を庇いながらキャプテンは立ち尽くす。 そしてゾンビは既に限りない大接近を記録し、既に活路は塞がれたかに思えた時だ。 「はあっ!!」 一人のロングヘアの少女が助けに現れた。 ピンクの髪をなびかせる美少女の参上である。 「大丈夫?」 その少女は右手に構えた木刀を一閃、襲い掛かるゾンビを一太刀の元になぎ払ったのだ。 「良かったわ。私達以外にもおかしくなってない人が居て」 ヒナギクは振り返ると一度目配せをして、背後の二人の様子を見る。 それと同時、少し遅れてハヤテも入ってくる。 「僕達以外にもいましたか?おかしくなっていない人は?」 「ええ。ここに二人。ハヤテ君の方は?」 「僕は見つかりませんでした」 「そう」 ハヤテとヒナギクは情報を交換するが、他に無事な人は見つかって居なかった。 「あの、この部屋に私の後輩がいます」 「えっ、じゃああなた達以外にも……」 「はい。私達以外に三人。この部屋で待っていると思います」 「じゃあ、僕が行ってきますね」 「私も行きます。貴方一人では敵と勘違いしてしまうかも」 「ええ、お願いします。ヒナギクさんはその彼女を」 「ええ、ここで彼女と待ってるわ」 「あの……キャプテン」 「大丈夫よ華菜。すぐに戻ってくるから」 「はい」 こうして、キャプテンとハヤテはエレベーターで上へと向かう。 廊下を出ると、ほんの少しの時間しか経っていないにも関わらず、廊下はゾンビが数体であるが徘徊しつつあった。 「くっ」 ハヤテはそのゾンビを蹴散らすと、キャプテンと共に部屋へと急ぐ。 そして、ドアを空ける。 だがそこには誰も居ない。 「そんな。吉留さん深堀さん文堂さん……何処に……」 「いませんね………んっ、これは?」 「えっ、……これは吉留さんの文字。へっと……「化物に襲われています。非常口から逃げます』どうやら逃げられたみたい」 「ええ。血痕も有りませんから怪我はしていないと思いますが……でも急いで追わないと危険です」 「そっ、そうよね。じゃあまずは下に降りてから……」 「はい、急いで探しましょう。まだ近くにいるはずですからそのうちに早く」 ######### 吉留未春。深堀純代。文堂聖夏。 この三人は現在ホテルの非常階段から必死で外へと逃げ出していた。 池田とキャプテンが部屋から出てほんの数分後。 部屋にゾンビが襲撃し、部屋に備え付けの消火器を使って何とか脱出に成功したのだが、既に疲労はピークに達していた。 「一体何なんですかこれは?」 「落ち着いて文堂さん。ここは私と深堀さんに任せてくれたら…………いいから」 「そう。任せてほしい」 と、未春と深堀は裏路地に落ちていた鉄パイプを拾うと力強い返事を返した。 だが、そこに一人の以外な来訪者が現れる。 「うっ、うっ、イケダぁぁぁぁぁっっっっ!!!」 「えっ?」 「そんな」 「コーチ!?」 三人は驚く。 それは確かに鬼コーチである。 だが、顔色は先ほど襲撃志田ゾンビと同じ色。表情も無く、ただ咆哮を繰り返すだけだ。 「そんなコーチまで……」 文堂は愕然とするが、その文堂に向かい、コーチは駆け出す。 「うっ、うっ、イケダァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!」 「きゃあっ!!」 突然の襲撃に文堂は身をちぢこませるが、そこに深堀が割ってはいる。 「うわぁっ」 咄嗟に鉄パイプを振り回し、コーチの顎を跳ね上げて倒す。 そして倒れた所に未春が一気に鉄パイプを何度も叩き込む。 「うっ、うっ、うわあああああぁぁぁぁっっっ!!!!」 涙を流しながら必死で叩きつける。 動かなくなる、その時まで。 「私達はっ、華菜ちゃんじゃありません。未春と、深堀さんとっ!!文堂さんですっ!!」 何度も何度も、頭蓋骨が割れ脳がはみ出て、そして頭部が完全にひしゃげた頃。 「もういいですよ。吉留先輩!!」 「うっ、うっ、うわああぁぁぁ!!!」 文堂が後ろから抱きしめるように未春をとめると、心のダムが決壊したかのように一気に泣き出す。 そしてそれをただ呆然と見つめる深堀と、完全に物言わぬ屍と鳴った久保コーチがそこにいた。 【G-04 ホテルの一室/一日目/日中】 【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく】 【状態】健康 【装備】なし 【服装】執事服 【所持品】旅行用の道具一式 【思考】   基本:ヒナギクさんと合流してから、この人(福路美穂子)の後輩を探す   1:無事な人が居たら助ける。 【福路美穂子@咲-saki-】 【状態】健康 【装備】無し 【服装】制服 【所持品】無し 【思考】   基本:皆で無事に島から脱出する 【G-04 ホテルの一階ロビー/一日目/日中】 【桂ヒナギク@ハヤテのごとく】 【状態】健康 【装備】木刀正宗@ハヤテのごとく 【服装】制服 【所持品】旅行用の道具一式 【思考】   基本:困ってる人が居たら助ける。   1:島から脱出にはどうしたらいい? 【池田華菜@咲-saki-】 【状態】怖い 【装備】無し 【服装】制服 【所持品】無し 【思考】   基本:早く逃げたい   1:キャプテン…… 【G-04 ホテルの裏路地/一日目/日中】 【吉留未春@咲-saki-】 【状態】罪の意識に悔いている 【装備】鉄パイプ 【服装】制服 【所持品】無し 【思考】   基本:私が……殺した?   1:どうしよう 【文堂聖夏@咲-saki-】 【状態】焦りと混乱 【装備】無し 【服装】制服 【所持品】無し 【思考】   基本:吉留先輩を落ち着かせたい   1:一体どうなってるの 【深堀純代@咲-saki-】 【状態】呆然自失 【装備】鉄パイプ 【服装】制服 【所持品】無し 【思考】   基本:これからどうしたら…… 【久保貴子@咲-saki- ゾンビ化後死亡】
 ハヤテとヒナギク颯爽登場  ◆BMD1gjTVFY 風越女子学園麻雀部。 全国屈指の麻雀強豪校であり、県内でも有数の実力者が集う歴史ある部活動である。 前年度は突如現れた新星である、龍門淵高校に不覚を取ったが、それでも名門である威厳は微塵も失われては居ない。 更に今年度は、風越トップでありキャプテン。チームの精神的支柱でもある福路美穂子を筆頭に、役満テンパイ率全国 トップクラスとも言われる池田華菜。光速とまで言われ速さに定評のある吉留未春。鉄壁のディフェンスを誇る深堀純代。 勢いに乗った天才ルーキー文堂星夏と正に最強というメンバーが揃っていた。 周囲からはドリームチーム、無敵艦隊、ゴールドジェネレーション、銀河系軍団とまで囁かれ、県代表はもちろんの事、 全国優勝ですら間違い無いと周囲の声は熱かった。 そして、その代表に対し大会直前の超強化合宿と称し、合宿所に選ばれたのはセント・マデリーナ島。 リゾート地としても有名であり、大会前にチームの団結を深める意味でも正にうってつけの場所であった。 そして今、風越の代表五人はこのリゾート地に集まる。 「キャプテンキャプテン!!海ですよ海。後で遊びましょうね」 「もう華菜ったら。遊びに来たわけではないのよ」 「でも、いい海ですよね。私も泳ぎたいです」 「あらあら文堂さんまで。皆はどうかしら」 「私も海には行きたいです。せっかく水着も持ってきたし」 「はい。せっかくだし……泳ぐのもいいかも」 「あら、吉留さんに深堀さんまで。そうね。では今日は夕方までは自由時間にして、皆で楽しみましょうか」 「「「「やったー」」」」 「うふふ、皆嬉しそう」 キャプテンも四人の様子に満面の笑みを浮かべる。 「じゃあ、ホテルに荷物を預けたら、水着に着替えてビーチに集まりましょうね」 と五人はホテルへ荷物を預けに歩く。 ホテルへ着くとすぐにチェックインを済ませ、早速着替えてビーチへ向かおうというところ。 そこに、五人のコーチである久保貴子である。 鬼コーチとしても、非常に有名であり、今日も今日とて早速の怒号が飛び交う。 「池田ァァァァ!!!何楽しそうに遊んでんだコラ!!もうすぐ大会でその為の合宿だろうが、このボケ!!!きいてんのか。ああっっ!! 去年もお前のせいで負けたんだろが。やる気あんのかええっっ!!それにお前らもお前らだ。何一緒になって遊ぼうとしてんだ。 オラ!!さっさと部屋へ行け、部屋へ。お前らに遊ぶ暇なんて無いんだよコラ!!さっさといけよ、池田ァァァァっっっ!!!」 「……分かりました。みんな行きましょうか」 「は………はい」 コーチの怒号を遭えて正面でキャプテンは受け、振り返ると笑顔で他の四人の不安を取り除かせ、キャプテンは他の四人と共に 部屋へと向かう。 「ったく。冗談じゃねーな。引率とか。はあ、たりぃ」 と、コーチは選手の姿が見えなくなると、愚痴をこぼし出す。 だが、その後少しすると、突如として異変が起こる。 急に、他の客が倒れ、そして夢遊病患者のような様で周囲を徘徊し出したのだ。 「?何だ一体」 コーチは身の危険を察するといち早く逃げ出そうとする。 が、遅い。 ある一体のゾンビがコーチの前に立ちはだかり、思わずコーチはしりもちをついて倒れる。 「どっ、どうなってんだよこれ。ふざけんなよ。おい、ちょっ………マジ…………」 コーチに対し何十ものゾンビが群がる。 そして、 「ぎゃああぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!」 地獄の底から聞こえるような叫び声がロビーに響き渡った。 それは一分ほど続くと、やがて静かになり、そして……ゾンビが一体追加生産されることになった。 ######### 綾崎ハヤテ。三千院家の執事であり、本日は桂ヒナギクと共にリゾート地に来ていた。 最も、二人はデートとかでなく、単純に偶然空港で鉢合わせとなり、そのまま流れで同行しているのみだ。 ハヤテがここに来た理由。 それは単純にナギが一度ここに来たいと言っていたので、その下見らしい。 外に出るたびに厄介ごとに巻き込まれているナギに配慮し、事前に危険が無いかの確認を兼ねてハヤテは単身での事前チェック というわけである。 対して桂ヒナギク。 彼女がここに来た理由。 それはただの偶然である。 先日たまたま商店街の福引で幸運にもセント・マデリーナ島旅行券をゲットしてしまったのである。 それもペアでなく、お一人様のみのを。 使わないのも勿体無いのでこうしてヒナギクは独り身での旅行を楽しむことになったのだ。 とまあ、あまりに都合がいい偶然により、ラブコメ的展開を期待しつつハヤテとヒナギクはリゾート地での 旅行を楽しむ事になったのだ。 「ところで綾崎くんはどうしてここに来てまで執事服なの?」 「いえ、ついいつもの癖で。とりあえずホテルに行けば着替えようと思います。でもヒナギクさんも制服ですよね」 「ええまあ、ちょっとうっかりね。私もホテルについたら着替えるわよ」 と、いつもと代わり映えのしない服はリゾート地にしては非常にミスマッチ。 二人はホテルへと足を急ぐ。 だが、その道中、突如として異変が起こる。 突如として周囲の人間の姿か何か異質な物へと変化していく。 「きゃっ、何よ一体」 「分かりませんが……何か嫌な感じがしますね」 ハヤテとヒナギクは周囲を疑う。 すると、しばしして、明らかに常軌を逸した顔の者が複数、ハヤテとヒナギクへと襲い掛かってきた。 「ちょっと何よ」 「下がってください」 ハヤテはすぐにヒナギクの前に立つと、素早い蹴りと更に側頭部への拳。 それを素早い動きで襲い来る全てのゾンビを撃退してしまう。 「何なんですかこれは」 「おかしいわね。そんな治安が酷い国とは聞いてなかったんだけど……それにこの人たちの顔色とか何だか……変ね」 ハヤテと、そして少し落ち着いたヒナギクもこの襲ってきた物の姿をしばし観察する。 だが、暫らくするとすぐに起き上がってくる。 「ぐぎゃぁぁおわぁ」 「えっ」 「きゃあっ」 ハヤテとヒナギクはすぐに走るとゾンビから逃走を始める。 「何なんですか。僕確かに、急所を狙いましたよ」 「っていうか、あれおかしいわよ。叫びとか人間というより………」 「ええ、ホラー映画に出てくるゾンビのような……って、そんなことより、とりあえずホテルに行きましょう。あそこなら 人が多いですし、何とかなるかもしれません」 「そうね、その方がいいかもしれないわ」 ######### そして再びホテル。 風越女子の五人はホテルに入ると海には行けず、制服姿のまま着替えもせずに麻雀の練習をしていた。 「はあ、でもコーチ怖いですよね。私コーチが怒っていない見たことありませんよ」 文堂が呟く。そしてそれに同調するように池田も続く。 「だよね。私なんてもう一年以上になるけど、ずっと怒られてばっかりだよ。この前なんてOB相手に役満連続の連荘で三人一度 に飛ばしたのに怒られたんだよ。もうコーチ怖いし」 「そうね。コーチは確かに怖いけど……でも大丈夫よ。次の大会で私達が名実共に最強である事を証明すればきっとコーチも 認めてくれるわ。だから頑張りましょう」 「………はい、頑張りますキャプテン」 池田とキャプテンは相変わらず独特の空気を形成しつつあった。 そしてその外にいた深堀は何かあることに気付き、立ち上がる。 「あの……キャプテン、何か騒がしく有りませんか?」 「あらそうかしら…………ええ。何かおかしいわね」 深堀さんの問いに応じ、しばし耳を澄ますと確かに外では騒がしい、うめき声や叫び声のような物が感じ取れた。 「少し様子を見てくるわ」 「危険ですよキャプテン。私も行きます」 と池田もすぐにキャプテンについてゆく。 「分かったわ。じゃあ私は華菜と行ってくるから……吉留さんと深堀さんと文堂さんはここで待っててね」 「はっ、はい」 「大丈夫ですよね。キャプテン」 「当たり前よ」 未晴が心配そうな声を掛けるが、キャプテンは笑顔で力強く答えると、池田と共に部屋を出る。 部屋を出ると、廊下には予想に反して周囲には誰も居なかった。 「おかしいわね」 「きっと下の方じゃないですか。ロビーとか広くて声が響き渡りそうだし」 「そうね。では行ってみましょう」 二人はエレベーターを使い一回のロビーまで降りる。 そしてロビーへと出ると、そこは…… 「ちょ……これ」 「そっ、そんな」 ホラー映画の世界だった。 明らかに異常な顔色の人々がふらふらと彷徨い歩いている。 時折うめき声のような物が聞こえ、既に正気の物は一人も居ない。 そんな世界では普通に意識を持っている自分達の方が異常なような錯覚さえ起こしてしまう。 「何なのこれ。ねえキャプテン」 「わっ、分からないけど、あまり騒がない方が……きゃっ」 不安そうな池田をキャプテンは何とか笑顔を作って落ち着かせようとするが状況は決して好転しない。 そしてそこに気付いたかのように無数のゾンビが近寄ってくる。 「いや……だし、こんなの有り得ないしっ!!」 「落ち着いて華菜、大丈夫……大丈夫だから」 キャプテンは池田を庇うように抱きしめると、左目を見開いて必死に状況を探ろうとする (この人たちの目の動きから察するに、既に意識を持っているわけではない。それに、この顔色。少しだけど腐敗も 進んでいる?つまり、死んでいる?でも死んでいるなら、どうして動いてくるのかしら?一体この少しの間に一体何が?) 何とかある程度現状を理解するが、それで物事が解決したわけではない。 ゾンビはドンドン近づいてくる。 (まずは上へ逃げないと。階段を使う?でも華菜は……っ!?) 既に華菜は足を震わせ、腰を抜かしてしまっていた。 とてもではないが、走って逃げる余裕は無かった。 「いやだし、キャプテンッキャプテン!!」 華菜は必死でキャプテンに助けを乞うが、キャプテンも決して万能ではない。 (そんな、このままじゃどうしたら) 震える池田を庇いながらキャプテンは立ち尽くす。 そしてゾンビは既に限りない大接近を記録し、既に活路は塞がれたかに思えた時だ。 「はあっ!!」 一人のロングヘアの少女が助けに現れた。 ピンクの髪をなびかせる美少女の参上である。 「大丈夫?」 その少女は右手に構えた木刀を一閃、襲い掛かるゾンビを一太刀の元になぎ払ったのだ。 「良かったわ。私達以外にもおかしくなってない人が居て」 ヒナギクは振り返ると一度目配せをして、背後の二人の様子を見る。 それと同時、少し遅れてハヤテも入ってくる。 「僕達以外にもいましたか?おかしくなっていない人は?」 「ええ。ここに二人。ハヤテ君の方は?」 「僕は見つかりませんでした」 「そう」 ハヤテとヒナギクは情報を交換するが、他に無事な人は見つかって居なかった。 「あの、この部屋に私の後輩がいます」 「えっ、じゃああなた達以外にも……」 「はい。私達以外に三人。この部屋で待っていると思います」 「じゃあ、僕が行ってきますね」 「私も行きます。貴方一人では敵と勘違いしてしまうかも」 「ええ、お願いします。ヒナギクさんはその彼女を」 「ええ、ここで彼女と待ってるわ」 「あの……キャプテン」 「大丈夫よ華菜。すぐに戻ってくるから」 「はい」 こうして、キャプテンとハヤテはエレベーターで上へと向かう。 廊下を出ると、ほんの少しの時間しか経っていないにも関わらず、廊下はゾンビが数体であるが徘徊しつつあった。 「くっ」 ハヤテはそのゾンビを蹴散らすと、キャプテンと共に部屋へと急ぐ。 そして、ドアを空ける。 だがそこには誰も居ない。 「そんな。吉留さん深堀さん文堂さん……何処に……」 「いませんね………んっ、これは?」 「えっ、……これは吉留さんの文字。へっと……「化物に襲われています。非常口から逃げます』どうやら逃げられたみたい」 「ええ。血痕も有りませんから怪我はしていないと思いますが……でも急いで追わないと危険です」 「そっ、そうよね。じゃあまずは下に降りてから……」 「はい、急いで探しましょう。まだ近くにいるはずですからそのうちに早く」 ######### 吉留未春。深堀純代。文堂聖夏。 この三人は現在ホテルの非常階段から必死で外へと逃げ出していた。 池田とキャプテンが部屋から出てほんの数分後。 部屋にゾンビが襲撃し、部屋に備え付けの消火器を使って何とか脱出に成功したのだが、既に疲労はピークに達していた。 「一体何なんですかこれは?」 「落ち着いて文堂さん。ここは私と深堀さんに任せてくれたら…………いいから」 「そう。任せてほしい」 と、未春と深堀は裏路地に落ちていた鉄パイプを拾うと力強い返事を返した。 だが、そこに一人の以外な来訪者が現れる。 「うっ、うっ、イケダぁぁぁぁぁっっっっ!!!」 「えっ?」 「そんな」 「コーチ!?」 三人は驚く。 それは確かに鬼コーチである。 だが、顔色は先ほど襲撃志田ゾンビと同じ色。表情も無く、ただ咆哮を繰り返すだけだ。 「そんなコーチまで……」 文堂は愕然とするが、その文堂に向かい、コーチは駆け出す。 「うっ、うっ、イケダァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!」 「きゃあっ!!」 突然の襲撃に文堂は身をちぢこませるが、そこに深堀が割ってはいる。 「うわぁっ」 咄嗟に鉄パイプを振り回し、コーチの顎を跳ね上げて倒す。 そして倒れた所に未春が一気に鉄パイプを何度も叩き込む。 「うっ、うっ、うわあああああぁぁぁぁっっっ!!!!」 涙を流しながら必死で叩きつける。 動かなくなる、その時まで。 「私達はっ、華菜ちゃんじゃありません。未春と、深堀さんとっ!!文堂さんですっ!!」 何度も何度も、頭蓋骨が割れ脳がはみ出て、そして頭部が完全にひしゃげた頃。 「もういいですよ。吉留先輩!!」 「うっ、うっ、うわああぁぁぁ!!!」 文堂が後ろから抱きしめるように未春をとめると、心のダムが決壊したかのように一気に泣き出す。 そしてそれをただ呆然と見つめる深堀と、完全に物言わぬ屍と鳴った久保コーチがそこにいた。 【G-04 ホテルの一室/一日目/日中】 【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく】 【状態】健康 【装備】なし 【服装】執事服 【所持品】旅行用の道具一式 【思考】   基本:ヒナギクさんと合流してから、この人(福路美穂子)の後輩を探す   1:無事な人が居たら助ける。 【福路美穂子@咲-saki-】 【状態】健康 【装備】無し 【服装】制服 【所持品】無し 【思考】   基本:皆で無事に島から脱出する 【G-04 ホテルの一階ロビー/一日目/日中】 【桂ヒナギク@ハヤテのごとく】 【状態】健康 【装備】木刀正宗@ハヤテのごとく 【服装】制服 【所持品】旅行用の道具一式 【思考】   基本:困ってる人が居たら助ける。   1:島から脱出にはどうしたらいい? 【池田華菜@咲-saki-】 【状態】怖い 【装備】無し 【服装】制服 【所持品】無し 【思考】   基本:早く逃げたい   1:キャプテン…… 【G-04 ホテルの裏路地/一日目/日中】 【吉留未春@咲-saki-】 【状態】罪の意識に悔いている 【装備】鉄パイプ 【服装】制服 【所持品】無し 【思考】   基本:私が……殺した?   1:どうしよう 【文堂聖夏@咲-saki-】 【状態】焦りと混乱 【装備】無し 【服装】制服 【所持品】無し 【思考】   基本:吉留先輩を落ち着かせたい   1:一体どうなってるの 【深堀純代@咲-saki-】 【状態】呆然自失 【装備】鉄パイプ 【服装】制服 【所持品】無し 【思考】   基本:これからどうしたら…… 【久保貴子@咲-saki- ゾンビ化後死亡】

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