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 そして振り出しに戻る ◆eT6t2VPp6c

【集団生物災害発生−5日目】

海を漂うヨットが一隻。
そこで寝ているのは何かを抱きかかえるやつれた少女。
あの日―すべてが終わったあの夜から数週間。
流され続けて水も食料も底を尽きた。
もうすぐお迎えが来るのだろう。
でもそれでも良かった。

「……ふふっ。」

ようやく邪魔ものがいなくなって誠君と二人きりになれたのだ。
ここにはもう私達の邪魔をするものはいない。
ここが私達の楽園なのだ。

「……ずーーーっと一緒ですよ、誠君……?」

ふいに、何かの音がして顔を上げた。
あれは………船?

「おーーーーーい!生きてるかーーーー!?」

威勢のいい男の声が遠くから聞こえる。
深く暗い瞳をもつその少女は深く溜息をついた。

「ふぅ、あーあ……やっと誠君と二人きりになれたんですけどね……。」

セントマリナーデ島近海。運命の日から数日前。
こうして漂流していた桂言葉は奇跡的に救助されたのだった。


「……それにしても……。」

「結局、西園寺さん屋上に来ませんでしたね。せっかくメールしましたのに…。」

【集団生物災害発生−1日目】


世間から身を隠さねばならなくなったあの日から数日。
なるべく遠くへ逃げて来た私達だったが、どうやらここも地獄だったらしい。
小柄な女子高生、清浦刹那はホテルの窓を覗き喧噪の激しい街の様子を眺めた。
道路のあちこちから火が上がり、暴動を起こした住人―いや、あれは”感染者”だ―
が群れをなして警官隊と衝突している。
非常事態を想定していないこの街の警察の装備はたかが知れている。
いずれ突破されるだろう。
刹那は振りむき、ベッドの隅で震える少女に目を向けた。

「逃げよう、世界。もうすぐここも危なくなる。」
「ははっ……逃げるって、次はどこへ?私みたいな犯罪者に逃げ場なんてあるわけないじゃん。」
「……世界。」
「はぁ……もういいよ。疲れちゃった。巻き込んじゃってごめんね。刹那だけでも逃げて。」

刹那は、西園寺世界を抱きしめた。

「諦めちゃ駄目。大丈夫、私はいつだって、世界の味方なんだよ?」
「……うぅ……せつなぁ……。」

『助けて、誠殺しちゃった。』

あの日、国際電話からかかってきた親友の信じられないカミングアウトに困惑したが、
すぐさま海外へ逃げる手順を伝えた。混乱していたとはいえ馬鹿な事をしたと思う。
その後、再会した私達はなるべく遠くへ逃げた。
こんな事をしても無駄なのはわかっている。
でも、後悔はしない。私は世界を護ると決意した、
結局は個人的な感情で私は世界と一緒に居たかったのだ。


【集団生物災害発生 1日目】


「…刹那…刹那?どこ?」

西園寺世界は異様に静かな街の中を一人で彷徨う。
銃を調達してくると言って以来、三時間も帰ってこない親友の姿を求めて。
誠に捨てられた。裏切った誠を殺した。
刹那だけは私を見捨てなかった。もう私に刹那しか――。

「!」

何かに躓き、激しく転倒した。全身に強い衝撃が走る。

「う…あ…。」

起き上った世界は何かに気付いたのか、お腹を大事そうにさすった。

「あ…そっか、君も居たんだよね。ごめんね。」

そう、刹那だけではなかった。妊娠しているのだ。誠の子供を。
私には味方がいる。それだけで心が少し軽くなったような気がした。

「うん、そうだよね。頑張らなきゃ。……ん?」

用水路のそばに何か光る物が落ちているのが見える。
気になったので見に行った。どうやら試験管のようだが。
そのビンは、紫色に輝きラベルに英語で名前が書いてあった。

「G-virus」

「…………。」

何気なしにその薬品?をポケットにしまい込み、世界は捜索を再開した。

【G−05/路上/1日目・日中】

【西園寺世界@SchoolDays 】
 [状態]:擦り傷。恐怖。刹那に依存。 妊娠中。
 [服装]:目立たないような服とサングラス。
 [装備]:包丁
 [道具]:ショルダーバッグ。日用品→パスポート、携帯電話、お菓子、500mlペットボトルなど、以下同じ。観光ガイド兼地図。G-ウィルス
 [思考]
 1:どこか遠くへ逃げて誠の子供と静かに暮らせたらいいな。
 2:刹那を捜す。なかなか帰ってこないから心配。
 3:水、食料を確保する。できれば武器も。
 4:無事な島の住民や観光客を助けて、協力し合う。

【清浦刹那@SchoolDays 】
 [状態]:責任感。
 [服装]:目立たないような服とサングラス。
 [装備]:鉄パイプ
 [道具]:ショルダーバッグ。日用品→パスポート、携帯電話、お菓子、500mlペットボトルなど、以下同じ。観光ガイド兼地図。
 [思考]
 1:警察所に忍び込んで武器を捜す。
 2:世界を護る。安全な場所に隠れておいてと言っているが…。
 3:水、食料を確保する。できれば武器も。
 4:無事な島の住民や観光客を助けて、協力し合う。


「あ!居ました!ごめんなさいね、誠君。もう離れませんから。ふふふ。」

救助されてからもうすぐ一週間。
病院のベッドから逃げ出した桂言葉が向かった先は死体安置所。
体は健康になったが誠の頭部を取り上げられてしまったのは失態である。
おまけに白い壁の病院に隔離されるなんて失態だ。
何やら外の世界で尋常でないことが起こっているようだがおかげで
脱出できたのだから不幸中の幸いだろう。
言葉は氷漬けにされていた誠の頭部を愛おしそうに抱きかかえた。

そのときだった。

「……ヴァ……オォ……。」
「え?」

突然、安置所のロッカーがガタリと開き、中から形容しがたい怪物が這いずり出てきたのは。
体のあちこちが腐食し、明らかに死んでいるにも関わらず動くそれはまるで、
じぶんがよく観るホラー映画に出てくる「ゾンビ」そのものだった。

「……ああ、なんだかよく判りませんが……こういうことがあったのですね。」

這い出たゾンビは起き上がり、こちらへ向かってくる。
だが言葉は微動足りともせず冷たい視線を向ける。
ゾンビが目と鼻の先まで近づいた瞬間、言葉の右腕が光った。

「せっかく誠君と二人きりになれましたのに……邪魔しないでください……。」

手に持ってるのはさっきここで拾った死体切断用の鋸。
ゾンビは言葉の横を通り過ぎ倒れ伏す。その体には首から上が無かった。
居合いである。
彼女の達人の域に到達したそれはノコギリでマフラーごと頚動脈を一閃するほどの腕前だ。
ガタガタと音が鳴り、他のロッカーも動き出した。

「多勢に無勢、ですかね。行きましょう誠君!本当の楽園を探しに!」

言葉は急ぎ足で病院の安置所を後にした。

【F−03/病院/1日目・日中】

【桂言葉@SchoolDays】
 [状態]:軽い疲労。擦り傷。責任感。
 [服装]:パジャマ。
 [装備]:レザーソー
 [道具]:ショルダーバッグ。伊藤誠の頭部の死体。
 [思考]
 1:島から脱出して。静かな場所で誠君と静かに暮らす。
 2:安全な場所を見つけて一休みする。
 3:水、食料を確保する。できれば武器も。
 4:無事な島の住民や観光客を助けて、協力し合う。