綿月 依姫

【種族】月人
【強さ位置】最強グループ1

【設定】

―― 依姫はパワーアップ版主人公キャラという感じでした。
ZUN 彼女はチートキャラですからね。あれは科学力ではなくて純粋に彼女の能力なんです。
    降ろす神が強い分だけ強くなれる。強すぎて漫画じゃないと出せませんね。ゲームは
    どんなボスでも倒せなきゃいけませんから。ゲームだからこそのキャラクターの制限ですね。
    (『東方求聞口授』、182頁、「おまけインタビュー 本書で不遇なキャラの話をしよう」)

負けず劣らず暢気な綿月姉妹。でも、戦いになるとそれはもう強いんです。
(『東方儚月抄』上巻、176頁、「綿月のスペルカード~Lunatic Blue」、ZUN)

綿月と言えば、千年近くも月の都の警備を任されている由緒正しい家である。元々戦闘に向かない月の兎達を
訓練し、月の都を守ってきた者達だ。
特に妹の綿月依姫は、神々の力をその身に宿し敵に合わせて柔軟に対応できる力を持っている。
基本的には外敵から都を守る事を生業としているが、素行の悪い兎を連れて行き、兵士として教育する事も
やっている。兎の殆どが兵士になる事を嫌がっており、兎達にとって綿月の屋敷はさながら再教育の場といった
イメージであった。
(『東方儚月抄』(小説版)、最終話「二つの望郷」、地の文)

非常に頭が切れ、私の言う事を何でも吸収していった。
(『東方儚月抄』(小説版)、第一話「賢者の追憶」、八意 永琳

月の使者と呼ばれ、月を守り、地上を見張る防衛隊。綿月姉妹はそのリーダーであった。
私は依姫様の元で戦闘の仕方から、作法、常識など様々な事柄を学んだ。
妹の依姫様は私以外の兎の稽古も付けている。と言っても、兎の人数は十にも満たない位の少人数である。
みんな実戦の経験が浅く、強さを見ても私と大差ないと思う。
実際に戦う事は殆ど無いのだが、依姫様の稽古は厳しく、怠けていたりするときついお仕置きが待っている。
(『東方儚月抄』(小説版)、第六話「愚者の封書」、レイセン
綿月依姫の役職である「月の使者」とは、月の都を守る防衛隊を指す。
現在は綿月姉妹と数人の玉兎で構成されているが、戦闘に関しては玉兎はあまり期待されていない。
実質的に綿月姉妹の二人で月の都の外敵に対処している。

綿月姉妹の任期中に月へ襲来した外敵
八雲 紫と妖怪軍団(第一次月面戦争)
千年以上昔の逸話である。実と虚の境界を弄り、湖に映った月に飛び込み月に攻め入った事があるという。増長した妖怪を集めて行ったが、月の近代兵器の前にあえなく惨敗する。
(『東方求聞史紀』、49頁、「八雲 紫」の項、稗田 阿求

昔に妖怪を引き連れて乗り込んできた事もありました。勿論、みんなコテンパンにしましたけどね
(『東方儚月抄』(小説版)、最終話「二つの望郷」、綿月 豊姫

驚く事にレミリアは負けた事に対して特に悔しいとも思っていないようだ。最初から勝てると思っていなかったのかも知れない。何せ、が妖怪を総動員しても全く勝ち目がなかった事を知っていたのだから。
(『東方儚月抄』(小説版)、最終話「二つの望郷」、地の文)

②外の世界の人間(アポロ計画)
その昔、人間は月面に旗を立てて、月を自分達人間の物だと言った時代があった。人間は自分の科学力を盲信していて、月ですら自分のものだと思ったのだろう。
しかし、蓋を開けてみると月の都の科学力とは雲泥の差であった。月面に基地を作ると豪語していた人間も、基地どころか建造物を造る段階まで至らずに逃げ帰ってきたのだ。人間の惨敗だった。
外の世界では、月面着陸は大成功の様に報道されているが、惨敗だった時は報道されていない。最初の月面到達以来人間は負け続きだったのでそれ以降月面には行っていない事になっている。本当は、何度も月に行っては月面基地開発に失敗している事を、月と通じている私達は知っていた。
(『東方儚月抄』(小説版)、第一話「賢者の追憶」、八意 永琳

③地上からの侵略者(第二次月面戦争)
「……月に辿り着いたら後悔するでしょうね。あの吸血鬼達」
「……ま、何の対策を取らなくても最初から戦力差は絶対だったと思うけどね。依姫とあの吸血鬼&三馬鹿トリオじゃ」
三馬鹿トリオ? あの巫女魔法使いメイドの顔を思い出して吹き出しそうになった。確かに脳天気そうだ。
(『東方儚月抄』(小説版)、第四話「不尽の火」、八意 永琳蓬莱山 輝夜

幽々子がお酒を盗み出した理由はただ一つ。月の民に喧嘩を売らずに、一度は惨敗した綿月姉妹に復讐をする為であった。千年以上も昔に月に攻め入って惨敗したのはなのだが、はそれ以降目を付けられていて目立ちすぎてしまう。だから、吸血鬼の襲撃を囮と見せかけて、更に自らが囮となる二十囮作戦に出たのだ。さえ地上に封じてしまえば、月と地上を行き来出来る力を持つ者は居ない。これ以上に綿月姉妹を油断させる方法は無いだろう。
しかしながらお酒を盗む事、それが、が考えた第二次月面戦争の正体なのだろうか?
(中略)
月の都で千年以上もかけて熟成した超超古酒である。そう、永琳月の都に居た頃から寝かせていたお酒なのだ。
「こ、このお酒は……?」永琳は明らかに動揺した。考えのない余裕を見せた瞬間、つまり弱点を狙われてしまったからだ。永琳がこのお酒の味を忘れる事はない。穢れの多い地上では味が変わってしまい作り出せない純粋さ、そして何年も寝かせたであろう奥深さ。
「貴方も故郷を離れて千何百年か。そろそろ望郷の念に駆られる頃だろうと思いまして、月の都をイメージしたお酒の席を用意致しました」
はにやりと笑った。その笑顔は永琳の心の奥深くに刻まれ、忘れる事の出来ない不気味さをもたらした。死ぬ事のない者へ与える、生きる事を意味する悩み。正体の判らない者への恐怖。
それが八雲紫の考えた第二次月面戦争の正体だった。
(『東方儚月抄』(小説版)、最終話「二つの望郷」、地の文)

八雲 藍「ぎゃふんと言わせるための宝物が お酒」
八雲 紫「敵が取り返しに来ない物を盗んだほうがいいのよ どうせ飲んでしまうだろうし
 あの綿月姉妹が悔しがっている姿が想像できて愉快だわ」
(『東方儚月抄』底巻、168頁、八雲 藍八雲 紫

依姫&豊姫「ぎゃふん」
(『東方儚月抄』底巻、176頁、綿月 依姫と綿月 豊姫

【能力概要】

八百万の神を降ろす。本人の台詞からすると、「数が非常に多いこと」ではなく「文字通り8000000」らしい。
依姫「私には八百万の技がある。一人頭二つしか使っていないんだから あと399万回連戦しても勝てる計算」
現実世界で祭られている神と全く同じ名前で描写された神は、役割や能力も同様になっている。
ここでは実際に依姫が降ろした神と、日本神話等におけるその神について、簡単な紹介を記す。

①祇園様
女神を閉じ込める祇園様の力。
ただ周りに剣が生えているようにしか見えないが、動けば祇園様の怒りに触れる。依姫の剣を地面に刺すと発動し、剣を抜くと解除される。劇中では2度発動された。
1度目は霊夢・魔理沙を拘束したが咲夜が刀を抜いた事で解除、
2度目は霊夢・魔理沙・咲夜・レミリアを拘束し、魔理沙に降参を宣言させた。
(魔理沙以外の3人は何も言わなかったが、その後のスペルカード戦への移行には同意した)
祇園様とは、神道においてスサノオの事を指す。天照大御神、月読命と並ぶ三貴神の一柱で非常に粗暴な性格を持つ神。
ヤマタノオロチ討伐も行っている。

②愛宕様
すべてを焼き尽くす神の火。
愛宕様の火とは愛宕信仰の祭神である火之迦具土神の火。
火之迦具土神とはその身の熱さから、日本列島や神々の創造神イザナミに火傷を負わせ、殺してしまった神である。
十六夜 咲夜に羽交い絞めにされた時に使用。両腕をこれに変化させた。(十六夜 咲夜自体は火に触れる前に離脱)
描写としては、
P137,138→腕を完全に炎化
P139,140→炎を纏ったまま腕を元に戻す
P141→全身を炎で包む
となっている。本人はこの炎について
依姫「地上には これほど熱い火はほとんどない」
と述べている。

③火雷神&七柱の兄弟
火雷神(ホノイカヅチノカミ)とは雷電神社に祀られている神。雷神である。
依姫が片手を挙げただけで豪雨が巻き起こり、後に雷が襲う。
その雷と次項の金山彦命による再構成ナイフとの同時攻撃で十六夜 咲夜の退路を断ち、降参させた。
咲夜が時を止める瞬間に合わせて放っているため、発動は非常に速いと言える。
ちなみに、雷神は鬼と同じくらい大きな声が出せるらしい(『ダブルスポイラー』)

④金山彦命
依姫が火雷神&七柱の兄弟と同時に降ろした神。
金属である銀のナイフを分解し砂に変え、さらにその砂をナイフに再構成させて見せた。
依姫「金山彦命よ 私の周りを飛ぶうるさい蠅を砂に返せ! そして 持ち主の元へ返しなさい」
金山彦命とはその名の通り金山(鉱山)を司る神で、鉱業、鍛冶など、金属に関する技工を守護する神とされている。
全国の金山神社で祀られている。

⑤天津甕星
真の星の輝き。詳細不明。
天津甕星とは天香香背男命とも呼ばれる神。
日本三大軍神のうちの二柱、建御雷神と経津主神をもってしても敵わなかったという星の神である。
『東方Project』では、天津甕星が天照大御神に勝つと、その年は妖怪の年になり夜の時代が始まると言われている(『東方三月精』)。
レミリア達にとって金星=明星=ルシファーであり、
霊夢にとっては明星=天津甕星(天香香背男命)である。
そのため天津甕星=ルシファーと見る場合も多いが、こちらについては明言がない。
天照大御神も天津甕星も降ろしている事から、依姫の神の使役は非常に高い強制力を持つという説もある。

⑥石凝姥命
三種の神器の一つ、八咫の鏡を持つ。
石凝姥命とは日本神話において三種の神器の一つである八咫鏡を作った神。
三種の神器は『東方Project』の世界においても非常に強力な道具で、もう一つの三種の神器『草薙の剣』は森近霖之助の能力
によって『世界を変えてしまう程の品』と鑑定されている。
(『東方香霖堂』)
霧雨 魔理沙戦で使用。依姫はダブルスパークが眼前まで迫っている所から、石凝姥命の召喚、八咫の鏡の発動、
攻撃の反射までを行っている。
八咫の鏡によって反射されたダブルスパーク(の片方)は月から地上付近まで到達している。

⑦天宇受売命
天宇受売命とは日本神話において天照大御神が天岩戸に隠れた際、踊りによって外に誘い出した神。
芸能、技芸全般の神として信仰されている。
天宇受売命を降ろした依姫はうっすらとした光を纏い、弾幕を舞うように避けるようになる。
レミリアには「飛び道具は効かない」と評されている。
次項の天照大御神を降ろすには、先に天宇受売命を降ろす必要があるという見方もある。

⑧天照大御神
詳細不明。一撃でレミリア・スカーレットを倒した。
天照大御神とは太陽を神格化した神。天津神の中で最高位の神である。
たまに八咫烏を使って月の都と連絡を取る。
(『東方儚月抄』、第三話)

⑨伊豆能売
巫女の神。穢れを祓う。以下使用までの流れ。
霊夢「『大禍津日』」
霊夢「あんたたちの弱点はわかっているわ 穢れなきこの浄土に穢れを持ち込まれるのを極端に嫌う事」
依姫「なんですって? じゃあ さっき投げた物は」
霊夢「大禍津日神がその身に溜め込んだ厄災よ 放っておけば月に寿命をもたらすわ」
霊夢「弾を一つ一つ潰さないと月は地上と変わらなくなる」
霊夢「これであんたは私の弾を避けるわけにはいかないでしょ?」
つまり霊夢は(スペルカード戦なので)自分の弾を受けても依姫の負け、自分の弾を避けても依姫の負け、
自分の弾幕を構成する弾の一つ一つを全て斬り潰さなければならない、というルールを依姫に課したのである。
これにより霊夢は依姫とのスペルカード戦を互角にまで持ち込んだ。
この状況に対し、依姫は伊豆能売を使役し穢れを一つ残らず祓い清めた。
依姫「『伊豆能売』よ 私に代わって穢れを祓え!」
霊夢「巫女姿の神!? 誰それ? 聞いたことない神様だわ」
伊豆能売とは、日本神話においても大禍津日の禍を直すために直毘神と共に生み出された神。
しかし、現在では信仰する神社が無くなってしまった、いわゆる「埋没神」である。
作中でもこの神がマイナーな神である事を匂わせている。
厄除けも可能と言う事で信仰も厚くメジャーな神である大禍津日神に打ち勝った事については
「神の力の大きさに関係なく神話伝承で起こった事は必ずまた踏襲される」という説と
「単純に依姫の技量が霊夢の技量を大きく上回っていたから」という説がある。

■神降ろしについて
降ろした神霊はオリジナルの神と同じ力を持つが、その力をどの程度再現できるかは術者次第である。
ちなみに、魔理沙は霊夢の神降しと依姫の神降しの能力には
魔理沙(霊夢と同じ能力と言ったって 見るからに力の差は歴然だ)
と、歴然な差があると評している。また、依姫は神を複数同時に降ろすことも可能であった。

霊夢は自身の神降しについて「神の力を借りても神には敵わない」と言っているが、
神降しをすると秋姉妹などにも勝てなくなるという意味なのか、相手の神そのものを降ろして
戦っても引き分け以上にはならないという意味なのかは不明である。
いずれにせよ依姫は霊夢の事を勉強不足と言っている。

■神降ろし以外の能力、描写など
十六夜 咲夜の時間停止から逃れることはできなかった。ただし、時間を止めるタイミングを見切り、能力発動の瞬間に合わせて火雷神&七柱の兄弟を放ち、完全に包囲するという方法で対抗している。

霧雨 魔理沙のスターダストレヴァリエを
依姫「等速度の攻撃は加速度系において止まっているに等しい 止まっている弾幕なら誰にでも避けられるでしょう?」(儚月抄)
という理論で、「ピタッ」と止めた。さらに、その星弾を食べている。味は甘いらしい。
しかしスターダストレヴァリエは円運動を主体とした攻撃であり、等速度の攻撃とは言えないという矛盾が内包されている。

③また、魔理沙が
魔理沙「この世に 光の速さより速い物は存在しない どのような加速度を持とうと究極的には直線になるんだよ!」
という台詞のもとに放ったファイナルスパークとダブルスパークを、依姫は斬った。ファイナルには刀を当てて斬り、ダブルの方は縦に「ズバッ」
っと斬っている。曰く
依姫「光を切るのは 水を斬るよりもずっと容易いこと」
このことから「依姫はレーザーを斬ることが出来る」と分かる。なお光を切る描写はこの場面のみである。

レミリア・スカーレットの体当たりで尻餅をつく。体当たりによってダメージを受けた様子がないため、月人が持つ「強靭なる生命力」の例と見なされることも多い。
また、レミリアは
レミリア「ちっぽけな天体だったから一周してきちゃったよ」
と言っていたが、この後に
依姫「私が攻撃すれば貴方は必ず一撃で負けるでしょう だから貴方の技をすべて見てからでも遅くはない」
という台詞があるため、あえて喰らったのではないか、とも解釈される。
事実この後、体当たりされる前に神を降ろしレミリアを一撃で撃ち落としている。

【各種要素をふまえての強さ議論】

上述した通り、『東方求聞口授』で原作者ZUNが綿月依姫を
「チートキャラ」「強すぎて漫画じゃないと出せませんね。ゲームはどんなボスでも倒せなきゃいけませんから」
と形容している。
「第二次月面戦争」で八雲 紫に翻弄されたり、てゐの落とし穴に落ちて目をまわす等、完全無欠ではないようだが。

依姫のような例外は
綿月 豊姫(ZUNが「綿月のスペルカード~Lunatic Blue」で、依姫と同列に強さを評価しているキャラ)
龍神(外の世界も冥界も天界も地獄も自由に体を移動させ、森羅万象を創造するキャラ)
くらいだろう。
(「身長だけでビッグバン宇宙より遥かに大きい」阿弥陀如来のようなキャラも居るが、強弱以前に存在の規模が大きすぎるため、あまり議論で言及されない。)

力では絶対に敵わない月人に知恵で勝つ、というストーリーの『東方儚月抄』において力を象徴する人物。
「全盛期の妖怪軍団」「外の世界の科学文明」を難なく下している上、天津神のうち最高位である天照大御神、それと争うとされる天津甕星、さらにスサノオ(祇園様)といった強大な神々をその身に降ろす。加えて、光を斬る、弾幕を止めるなど、本人も未知の力を持っている。

「相手の行動に合わせて八百万の神の中から最適な神霊を選択、その神を降ろしてその神の能力を使う。」
という流れをノータイムで行える為、臨機応変にあらゆる戦法が取れる。

具体的な強さに直結した設定と描写、妖怪(幻想)と人間(科学)を撃退した実績、他キャラからの評価など根拠が揃っている。

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最終更新:2023年06月28日 07:17
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