映画スターお宝リンク&掲示板
ジョン・フィンチ
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今週のオススメ
- 戦前にハリウッドに渡ってから、約30年ぶりに故国イギリスで撮影しました。「鳥」以降の作品が世間的な好評を得られなかったサスペンスの巨匠が久々に放った最晩年の佳作。
- 切り裂きジャックを思わせる「ネクタイ絞殺魔」に”間違えられた”男の物語といえば、ヒッチコック得意の主題ですが、それまでの作劇術とは大きく違います。以前は大スターを起用し、観客を主人公に感情移入させることで、圧倒的なドキドキ感を創出してきました。しかし本作の主役ジョン・フィンチはお世辞にも大スターとはいえないし、役柄は首になったバーテンでださくて怒りっぽく粗暴で、観客が感情移入する余地はほとんどありません。そういう意味では、スターシステムに乗っかった旧作品群が古くさく感じてしまう人には、本作はずっとリアルな感じがして受け入れやすいと思います。
- 冒頭テムズ川に浮かぶ死体も含め4人ほど女の死体がでてきますが、殺人現場のシーンは一回だけです。ごくまれに民放のお昼や深夜の枠で本作が放映されますが、この一回だけの殺人シーンがあまりにも強烈なので、そのままノーカットで放映されることはまずありません。テレビで観て観たつもりになっている人は、ちゃんとノーカット版を抑えておきましょう。ヒッチコックという人はユーモラスな容姿とはうってかわって相当な変態だったことが今では伝記などで明らかになっていますが、その異常な嗜好がそのまま映像化されています。このシーン、ほんとうは殺してからレイプすることにしたかったのは言うまでもありません。
- 惜しむらくは、音楽がバーナード・ハーマンでないこと。「引き裂かれたカーテン」で喧嘩別れしてしまったのは、映画史的な大損失でありました。
(2010/01)
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