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「人のプライベートを勝手に覗くのは悪いと思うんですけれどね」
部屋に戻った俺を待っていたのは、必要以上に凝り固まった古泉の笑顔だった。
「僕はあまりPCには触りませんし。そもそもこれはあなたのPCですから。
勝手に触ったのは大変申し訳なく思うんですが」
そういってモニタを指差す古泉。
釣られるように俺も視線をそちらへ移せば。
……あーこれを見られたのか。迂闊だった。
「でもね。僕に関しての妄想を、第三者が自由に見られるような場所に
書き込むのはどうかと思うんですよ」
古泉の笑顔は全く崩れない。崩れないが、これは明らかに怒っている。

悪い古泉。どうしてもお前が可愛くてな。
俺だけの心の中に留めておくのが勿体無く思えて。
これも愛故だと言い聞かせれば、古泉は多少気を良くしたのか
貼り付けた笑顔の中で眉だけが僅かに動いた。
よし、これはもう一息かも知れない。
このまま褒めまくってその気にさせて、いつものように情事に雪崩込めば
快楽に弱い古泉の事だ。些細な俺の愛の暴走など許してくれるに違いない。
本当に四六時中お前の事ばかり考えてて止められないんだよ。
近寄って抱きしめて耳元に囁く。
古泉にしてみたい妄想を俺はこう言った場所に垂れ流している。
まぁ実際のプレイ内容も、時折面白おかしく取り混ぜてはあるんだが。
流石に全部を読んではいないだろう古泉が、そこまでは気付いていない事を祈るばかりだ。
「……ふぅん。日頃僕の事を淫乱だの何だのと言っておきながら
あなただって充分変態ですよね。しかもこんな汚らわしい妄想ばかりを」
俺の腕の中の古泉は、拗ねた様に上目遣いにそう言った。
やばい。どこまで見られたんだろう。もしかして全部だったらどうしよう。
その怯えが俺たちの立場を逆転させたのかも知れない。

俺の腕からするりと抜け出た古泉が、整った唇を魅惑的に歪めて笑う。
「悪いとは思っているんですよね?」
ああ、思っている。反省もしてるさ。
「本当でしょうか。でしたら、これらのデータは削除するのが妥当では」
う。連日こつこつと書き溜めてきた俺の努力の結晶が無にされるのは、つらい。
「……消したくないという事ですか」
返答に窮する俺に、古泉は目を細め言葉を続ける。
「悪い事をしたとは思っている。しかしそれを消すのはしたくない。矛盾してませんか?」
ごめん古泉。でもそれとこれとは。
「僕も全部見た訳ではありませんが。結構過激な内容の物が多かったように見受けられます。
こういった物をあなたが書かれるとは存じませんでした。……興味がお有りなんですよね?」
有りまくりだ。古泉とならどんな事だって試したい。
俺の妄想の中だけでなく、実際に辱められる古泉を見てみたい。
そう伝えると、古泉はその濡れた双眸に妖しい光を宿らせて。
「……実は僕もこれらを読んでいたら多少興味が湧きまして。
でも、そのまま実行に移したらあなたが喜ぶだけですよね」
なので。と笑みを深める古泉。
「これはお仕置きです。あなたの思い描いた妄想を、そっくりあなた自身で試してみましょうか」