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「古泉……」
夜も更けた頃、暗がりに彼の声が聞こえる。
ここは僕の部屋で、記憶を辿るなれば僕以外は誰も居ない筈だ。
ましてや彼は部屋の鍵を持って居ないわけで。
「どうし……」
僕が言い終える前に、彼は僕に顔を近づけて口づけをする。
「んんっ」
彼の舌が僕の口に忍び込んで僕の舌と絡め合う。
何度も何度も絡め合った後、彼は僕から顔を離して囁いた。
「夜這いに来た」
夜這い?
僕が驚きで硬直している間に、彼は既に前開きになっているシャツをめくり、片手でツンと立っている乳首を指先でなぞる。
「はぁ……んっ!」
彼に触れられた――たったこれだけのことで簡単に感じてしまう自分が恨めしい。
そして、彼のもう片方の手が、何も身に付けていない僕の下腹部へと伸びる。
「やっ…そこは……!」
こんなことなら無精せずにちゃんと下着を着けて寝たらよかった。
そんな思いもむなしく、彼の手が僕自身へと伸びる。
「何だ、全裸健康法でも始めたのか?」
下着すら履いてない僕の下腹部を見たのだろう、苦笑する彼の声が聞こえた。
まさか貴方のことを考えて自慰した挙げ句、下着も履かずに寝たなんて言えない。
恥ずかしさの余り何も言えずにいると、彼の手が僕自身に触れた。
瞬く間に先端から先走り汁が溢れ出始める。
「だ、駄目で……あぁんっ」
「こんなにして何が駄目なんだ?」
意地悪そうに言う彼の手が先端へと移り、先走り汁を絡める水音が鳴り響く。
「ふぁ……んんっ」
「それとも、こうしてほしいのか?」
彼は僕自身から手を離すと、先走り汁が付いた指先で再び乳首を捏ねくり回す。
「やぁ…んっ!」
乳首から伝わる刺激に堪らず声を挙げてしまう。
同時に、放置された状態の僕自身の疼きが止まらず、少しでも何とかしようと腰を左右に振った。
「ふぁ……あぁんっ!」
それでも彼の手は僕の乳首に集中し、執拗に撫で回したり摘んだりしている。
「腰を振ってばかりじゃ解らんぞ」
「あぁ…ぁぁ……」
目の前に求めるモノがあるのに届かない――もう限界だった。
更なる刺激を求め、僕は彼に懇願する。
「お、お願いですから……僕の…僕の……」
あと一歩のところで最後の一言が出ない。
だが、言わないとここから先には進まないだろう。
僕は恥ずかしい気持ちを抑え、意を決して言葉を紡ぐ。
「僕の…おちんちんを触って下さい……」
卑猥な単語を自分の口で発し、恥ずかしさのあまり顔中が熱くなる。
恐らく顔は真っ赤になっているだろう。こんな僕を見て彼はどう思うだろうか。
恐る恐る彼の顔を覗き込むように見ると、
「触るだけでいいのか?」
彼はニヤリと笑って僕にそっと覆い被さり、既に立派に勃ちあがっている彼自身を僕自身に擦りつける。
「ひゃあぁっ!?」
彼の手から与えられる感触とは異なる快感が身体中に伝わり、たまらず嬌声をあげてしまう。
「おいおい、まだこれからだぞ」
たったこれだけで達しそうになる僕を見て彼は苦笑する。
「だって……」
そんなことを言われても、貴方から与えられる行為そのものが快感に置き換わるのだから仕方がない。
「仕方がない奴だな」
そう言うと彼は更に彼自身と僕自身を摺り合わせる。
お互いの先から溢れ出る先走り汁が絡め合って自分自身を濡らしていき、それが潤滑油となって更に擦り合う速度を速めていった。
「はぁ……あぁぁ……」
身体中が熱くなり、僕は自然と両手で彼を抱きしめ、更には両足で彼の身体を挟み込んで密着させる。
僕自身どころか僕の乳首から何から全て彼の身体と擦れ、感じ合っていく。
「はぁ…はぁ…」
互いの身体と心が高ぶり、彼の息が荒くなるのが解る。
「出すぞ、古泉」
「ふぁ…あぁぁぁぁぁぁっ!」
そして、今までに出したことのない嬌声を挙げ、僕は達した。


「……ぁ」
絶頂を迎えたと同時に夢という名の興奮から覚める。
我に返ると、部屋に居るのは自分一人だけで、勿論彼は居ない。
彼だと思って抱きしめていたのは、何の変哲もない抱き枕だった。
昨日、寝る前に彼のことを考えて自慰したからだろうか。
振り返れば、そのまま後始末もせずに寝入ってしまった。
朦朧とした思考の中、ゆっくりと身体を動かそうとすると――
『にちゃっ…』
という小さな音が聞こえ、同時に生暖かい感触が蘇る。
恐る恐る抱き枕から身体を離すと、僕自身と抱き枕に大量の精液が付着していた。
「あ………」
あんな淫らで妄想に等しい夢を見た挙げ句に夢精したのだ。
抑えきれない欲情に情けなさを感じ、知らず知らずのうちに涙がこぼれ落ちる。
少し考えたら、彼が僕を抱く筈がないのは解るのに。
部屋に来たことすらない彼が、僕の部屋へ夜這いに来る筈がないのに。
「………」
僕は自分の精液で汚れ切った枕カバーを外すと、ゆっくりと立ち上がって風呂場へと向かった。