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今日も閉鎖空間から生還した僕は、自宅へ帰ると急いで洗面所へ向かった。
―何だ、これ。
青く淡い光を放つ粘膜のような液体の中に…赤い核が一つ。紛れもなく、先程まで戦っていた神人であった。
今まで、こんな事はなかったのに…何故?
左の袖口にくっついて離れないそれは、水ですすいでも石鹸をつけても決して落ちなかった。しかも心なしか成長しているように見える。
まずい。
閉鎖空間ではないから力は使えない…どうすればいい?

と、その時。
急に質量を増大させたそれは、袖から離れたかと思うと、無数のひも状―触手とでもいうべきだろうか―になって襲いかかってきた。
「う…ゎっ!!」
両手足の自由を瞬時に奪われた僕は、もがいたせいで派手に床にたたきつけられることになった。
頭を打たなかったのは幸いというべきだろうか…なんて考えている場合ではない。
誰かに連絡しなければ…!
ひっくり返った衝撃で、胸ポケットに入っていた携帯は手を伸ばせば届く距離にはあったが。
「ふぐ…ぇっ…!」
手にした携帯を操作する間もなく触手が口の中に押し入ってくる。
コンニャクのような弾力をもったそれを、どうにか追い出そうと歯をたてたが徒労に終わる。
力が、入らない。
しばらくそれは口の中をのたまっていたが、やがて何かを放出して退散していった。
「ぅえ…っ!!…ごほっ…、何なんだ…!」
神人もどきは驚くほど鎮静化している。…まるで、何かを待っているかのように。
ため息をついていると、いきなり携帯が鳴った。彼だ。
『おい、大丈夫か?!』
「その口振りでは何が起こっているか知っているようですね」
『長門からな。今からお前んち行くから、ソイツ鍋にでも閉じこめておけ』
改めて辺りを見渡してみると、口の中で神人もどきが暴れ回っていることに気を取られていたせいか、身体の状況に驚いた。
―服が、溶けている。
皮膚は無事だったが、這ったであろうところがぬるぬるして気持ち悪い。
ほとんど溶けてしまった服を剥がすと、バスルームへ向かおうとして―大人しかったそれは突然に活性化した。
足払いをかけるように引っ張られると、僕は床との衝突を覚悟したが、衝撃はやってこなかった。
床一面に広がった神人もどきに受け止められると同時に自由を奪われた僕は、不意に全身のざわめきを感じた。
何か、変だ…!
神人もどきは質量を生かして手首を固定したまま僕の腰をつり上げ、猫が伸びをしたような格好をさせた。
今彼が来てしまえば、とんでもない格好を晒すことになるだろう…それだけは避けたい。
しばらく触手達は何かを探すようにゆるゆると這い回っていたが、お目当てのものを見つけたように一点に集中し始めた。
どうにかして這い上がりたいものだが、触手の触れているところすべてからえもいわれぬ快感が突き抜けて震える。
「ふぁ…ん!」
いままで出したことのないような声も漏れてしまう。こころなしか体も熱い…やっぱり、おかしい。
触手達は徐々に勃ち始めたそれを中心に集まると、不規則な動きで嬲り始めた。
「あァっ!!」
今まで感じたどの快感よりも甘く響いてくる。…まるで快楽の海で泳いでいるかのようだ。
「やめ…んあぁ…も、だめぇ…っ」
体のどこかで何かがはじけた。それなのに甘い疼きは止まらず、更なる快楽の波が押し寄せる。
「ひゃァ…うん…ッ!」
急に触手たちが変化を見せ始めた。ひとつが体温を感知したように溶け出すと、もうひとつの触手がその上から愛撫らしき動きをはじめる。
摩擦をなくした愛撫は、快感を一層強めた。
全身から押し寄せる快楽の波のせいで、もはや抵抗する力もなくなった僕は、ひたすら翻弄されて…2回目の絶頂を迎えた。
そして。
不意に僕自身に絡み付いていた触手が2、3本離れ…熱を持って仕方がないそこ―後孔を掠め始めた。
「嫌…だっ!」
通じたのか通じなかったのか、それは溶けながら強引に押し入ってきた。
「いた…あぁっ…んぅ…く!」
いくら柔らかいとはいえ、かなりの質量を押し込まれるとさすがに痛みも感じる。もともとそういう器官ではないのだ。
「はあ…っ…やめ、ろっ!」
通じるはずもないが、拒絶の言葉を吐いてみた。するとどうだろう、怒り狂ったように動きがいっそう激しくなった。
もはや逃げることよりも快感を期待している自分に気付いて自己嫌悪に陥る。ああ、自分はこんなに浅ましい生き物だったのか、と。
そろそろ彼も来る頃だが…もはやどうでもいいのかもしれない。このとどまることを知らない欲望を追い続けていたい。

「古泉!」
荒々しいドアの開閉音ともに彼がやってきた。
彼が来ると同時に神人もどきはいっそう動きを活性化させ、僕の中で激しくうごめいた。つられたように腰も揺れ動く。
「来な…い、でぇ…ああぁ…すご、い…ひ、ああっ」
「お前…!…核!核はどこだ!!」
「か、く…わからな…んッ!」
核…そんな簡単な単語さえ理解できずにいた。ぼうっとした視界の中に、電話を掛ける彼が映る。
「クソッ…早く出ろ…!!」
「あかい…のっ!…かくゥ…!」
やっとのことで絞り出した言葉は、どうやら彼に届いたようだった。
「なんでこんなところに…ちょっと、我慢しろよ…!」
すでにかなりの質量を飲み込んでいるそこに、彼は乱暴に指を突っ込むと核を掻きだそうとした。
「ひゃんっ!…っは、…当たって…ま、すぅ!」
彼が必死になって核を出そうとすればするほど、強烈な刺激が全身を貫く。
「…あぁっ!!」
やっとのことで核が出て行ったのは、僕が彼の前でイッた後だった。

「…はぁ?!しらたき食ってた?!!アホか、新食感にとらわれてる場合じゃねえ、食うなそんなもん!!!!」
電話口で荒々しく怒鳴る彼を横目に、僕は身体に残る熱を追い出そうとミネラルウォーターを飲んでいた。
「…聞こえたな?あのバカ、鍋のしらたきずっと食ってたそうだ。」
「はぁ…僕はしらたきに犯されたんですか。」
「ま、そういうことになるな…」
それからというもの、ネクタイやらベルトやらのひも状のものを身に纏うときに恐怖と、そして少しの興奮を覚えるようになったのは秘密にしたい。
もちろんSOS団の鍋パーティーに彼がしらたきを流し込んだのは、言うまでもない。