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ラボ研第2章

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sazanami

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ラボ研第2章目次



2. 比較実験の方法

2.1. 基本的な仮定の導入

 比較実験を行う上で,いくつかの仮定を必要とするため,それらをここに記す.
①確率変数の仮定
 「成長合成の適用数値の実現値」という言葉をこれまでに何度か用いた.ここには,「成長合成の結果(=成長合成により実際に得られる適用数値)が,ある確率分布に従う」こと,および「成長合成の適用数値の母集団が存在する」こと,これら2つの仮定(=成長合成の結果が確率変数として取り扱えるという仮定)がある.私は,実験で極少数の成長合成の結果を得るわけであるが,その結果そのものを知りたいわけではなく,成長合成システムがどうなっているのかを知りたいわけである.すなわち,極少数の成長合成の結果から成長合成システム全体を推定するわけである.この「推定」の前提として,成長合成の結果が確率変数として扱えることが必要なのである.
②等時性の仮定
 成長合成システムには,時間やその他に関するさまざまな「いわく」がある.これらの中には,事実であるものもそうでないものも含まれているのであろう.これらの「いわく」は,①の仮定の下では次のように表現できる.
 「成長合成を行う時間によって,成長合成の結果が異なる確率分布に従う」
比較実験を行う上では,注目する要因(この研究ではラボ習得の有無など)以外の要因(時間など)によって結果が左右されることは可能な限り避けるべきである.そこで,本研究では,成長合成を行う時間を現実の同一日におけるTS内時間の昼のみ,かつ一連の実験の間にメンテナンスをはさまないこととし,この時間内においては成長合成の結果は同一の確率分布に従うものと仮定する.


2.2. 実験条件の設定

①水準の設定
 比較試験は,表2.1に掲げる3水準の成長合成をそれぞれ100スロットずつ,計300スロット行い,各水準間の比較を行うこととする.各水準の成長合成回数を100スロット分としたのは,次の2つの理由からである.
  • ヒストグラムを作成するとき,母集団分布を把握する上での確実性を期すためにはデータサイズが100以上あることが望ましいとされているため.
  • 成長合成の適用数値の母集団は,正規分布とは異なる分布に従うと予想される.そのため,統計的推定・検定を行う上で,中心極限定理により成長合成の適用数値の平均値を正規分布近似する必要がある.十分な正規近似のためには,一般にサンプルサイズが100以上であることが望ましいため.
 本実験で注目する要因は,「ラボ習得の有無」,および「ラボの感知ステータス依存性の有無」,とした(以下,ステータスをステと略表記する).前者はそのままの意味である.単にラボを習得する前と習得した後に成長合成を行うことによって比較できる(水準1と水準2).後者は,ラボが感覚型スキルであることから,その効果については感知ステに依存する可能性が十分考えられるため,その確認のために行う.ラボ習得状態において低感知状態と高感知状態で成長合成を行うことによって比較できる(水準2と水準3).ラボの習得状態を未習得とマスターとした理由としては,両極端の状態で比較を行うことでより明確に差が現れることが期待できること,ラボを習得するのならば最終的にはマスターすること,などが挙げられる.
 成長合成には幸運ステが関係していることはよく知られており,このことはTS内にも説明があることから確かなことである.今回は,ラボの効果の確認が目的であるので,幸運ステは一定の数値に保つこととした.一定とする幸運ステ値を100前後に設定したのは,幸運の効果はステ値100で打ち止めになる,との報告が存在するため,幸運ステ値100が成長合成を行う上での一つの目標とされているからである.

表2.1 比較試験の水準
条件 水準1 水準2 水準3
ラボ習得状態 未修得 マスター
感知ステータス 低数値の一定値 高数値
幸運ステータス 全水準で100前後の一定値

②成長合成材料の選定
 成長合成材料および成長合成する装備を表2.2に示す.成長合成材料を選定するために考慮した点は,次のとおりである.
  • 成長合成材料が大量に(1SL5個として1500個)必要なため,容易にかつ大量に入手可能であること.
  • 成長合成する装備も大量(300スロット分)に必要なため,SHOP売り装備の中で成長合成可能なスロットが存在するものであること.
  • 母集団分布を把握するために,適用数値の範囲が十分に広いこと.
 これらの考慮より,成長合成材料:カラスの爪,装備:鉄兜,とした.カラスの爪の適用数値は30-78であり,範囲は78-30=48である.データサイズ100のヒストグラムでは,区間の数10程度が標準的であるから,実験における適用数値の観測値の範囲が20-30程度以上あることが好ましい.最大範囲48であれば,例え最大値付近の適用数値が出なくとも範囲30程度は確保できると考えられ,母集団分布を推定する上で十分な範囲を有しているといえる.

表2.2 成長合成材料および成長合成する装備
アイテム名称 備考
成長合成材料 カラスの爪 Lv30攻撃ステータス合成品
(適用数値範囲30-78)
成長合成する装備 鉄兜 Lv50物理帽子(SL1)

③成長合成担当キャラクター
 成長合成を行うキャラクターの特性を表2.3に示す.ただし,このキャラは現在育成中であり,レベルに関しては実験を実施する時点における見込みレベルである.初期ステータス4141,ボーナスポイントは幸運極振りの狐である.感知・幸運を上昇させるインスピレーションおよびラッキーセブンは習得済みであり,TMLv70の時点でケミカルラボをマスターできるだけのTMポイントを確保する.ラッキーデイスキルに関しては,他スキル習得の都合上,TMLv81までマスターできないため,実験時には習得していないものと考えられる.

表2.3 成長合成担当キャラクターの特性
職業,Lv(Lv見込み) 1次職狐,BaseLv90付近,TMLv70↑
初期ステ,ボーナス振り 4141,幸運極振り
習得スキル(実験関係スキル) インスピレーションマスター
ラッキーセブンマスター
(ケミカルラボマスター分TM確保)
ステ値(見込み) 感知22,幸運44(いずれも素の値)


2.3. 実験の手順

 実験の流れを箇条書きすると,次のようになる.
①ラボ未修得の状態で,装備(+スキル)により幸運ステ値を100前後に調整し,水準1の成長合成を100スロット行う.このとき,感知ステは素であることが望ましい.
②ラボをマスターし,ラボの習得以外を①と同じ状態にして,水準2の成長合成を100スロット行う.
③幸運ステ値を変動しないようにしつつ,感知装備に変更して感知ステを高めた状態にして,水準3の成長合成を100スロット行う.
④各水準のデータの平均・標準偏差の算出,ヒストグラムなどによる母集団分布形状の把握など,実験データの整理を行う.
⑤水準間の平均・標準偏差に差が認められるか,統計的検定を行う,母集団分布の確率密度関数を推定する,などの解析・考察を加える.
 本来,水準1から水準3の成長合成は,例えば10スロットごと交互に行うようにした方が比較試験としては望ましい.なぜなら,かく乱要因(=実験では考慮していない,または結果への影響はないものとみなした条件のうち,結果に影響を与えるもの)による結果への影響をそれぞれの水準に平均的に分散することができるためである.しかし,本実験では,水準1と水準2の条件を行き来するためには課金アイテムが必要であること,各水準の条件を満たすために装備の切り替えなどを行う際に間違いを生じる恐れがあることなどから,このような実験手順とした.なお,成長合成は,すべてブルーミングコーラのネイトにより行うこととする.
 また,幸運ステ値を100とするためには,ラッキーセブンマスターを使用した場合には装備込みで69,ラッキーセブン+ラッキーデイマスター両方を使用した場合には装備込みで62の幸運が必要である.水準3で感知をできる限り高めるためには両スキルの併用が望ましいが,先に述べたとおり,ラッキーデイマスターは習得できないと思われる.このため,両スキルを併用する場合には,ラッキーデイスキルをマスターしているキャラの支援を求める必要がある.
 なお,実験を行う上で次のような点に注意しなければならない.
  • 成長合成を行うのは,現実の同一日におけるTS内時間の昼に限定すること.このため,十分に時間を確保できるときに実験をはじめること.事前にTS内時間の夕方になる実時間を把握しておき,ぎりぎりの時間に成長合成をはじめないこと.
  • メンテナンス時に成長合成システムに修正を加えられる可能性を否定できないため,①~③までの過程ではメンテナンスをはさまないこと.このため,メンテナンス直後の実験開始は避けること.
  • インスピレーション等のタイマースキル切れに注意すること.このため,時間切れ直前であることを知らせる合図であるスキルマークが点滅する前に,スキルをかけ直すように心がけること.
  • 成長合成・装備購入に必要な資金を確保しておくこと.鉄兜300個の購入費用と300スロットの合成費用は,合計でおよそ15.8Mゲルダである.





最終更新:2008-02-06 22:21:02 (Wed)
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