かがみんと海と自転車

660 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/22(金) 14:52:10.04 ID:/n7nzTUE0
きこきこ・・・俺は潮の香りを全身で受け止めながら、自転車で海辺を走る。
背中は、後ろに乗せたかがみんの体温で心地よい。

かがみんは俺の大きな背中にしがみつき、額を当てた。
あったかい・・・
離さない、絶対離さないから・・・
      • 好き。



664 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/22(金) 14:57:18.40 ID:/n7nzTUE0
海を見ながら告白するんだ。俺は自転車を止める。
かがみんはゆるやかに背中から手を離す。

俺「気持ちいいだろ?俺、ここから海を見るのが好きなんだ」
かがみん「素敵ね~。すっごく開放的な気分・・・」

俺は右手を後ろからかがみんの右肩にまわす。
どうしても、肩を抱けない・・・意気地なし・・・

かがみん「・・・ねえ!」
俺はあわてて右手を戻す。
俺「ななななな何?」

かがみん「・・・風が、気持ちいいね・・・」



666 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/22(金) 15:00:13.67 ID:/n7nzTUE0
かがみんの長い髪が風に舞う。
どこか物憂げなその横顔・・・俺は我慢できなくなって、いきなりかがみんを抱きしめた。

かがみん「ちょ!何するのよいきなり!何を・・・」少しずつ声が小さくなる。
俺の心臓の鼓動は、おそらくかがみんにも伝わっているだろう。

俺「好き、なんだ・・・」
かがみん「え、ちょ・・・何、何言ってんのよいきなり!何言って・・・」
かがみんは動揺している。声のトーンが不安定だ。



667 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/22(金) 15:04:07.37 ID:/n7nzTUE0
俺は大きく息を吸って、大声で叫んだ。「俺、かがみんが好きだ!」

俺の声は海と空に融けて、その境界線に落ちていくようで、響かなかった。
俺自身の声そのものが、かがみんの心に届いてくれる。俺はそう願った。

小さく震えるかがみん。そのまま停止する二人。
しばらくすると、俺の腕に水の雫が落ちる。涙だ・・・
俺「ご・・ごめん!俺、つい・・・」
俺は腕を振りほどく。それと同時に、かがみんは正面から俺に抱きついた。

かがみん「私も・・・好き!!」



668 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/22(金) 15:08:03.76 ID:/n7nzTUE0
かがみんの声は同じように青空に吸い込まれる。また停止する二人。
かがみんは震える声で続けた。
かがみん「ありがとう・・・私も・・・好き」

言葉が出てこない。俺はただ、震える腕で、かがみんを強く抱きしめた。
太陽が俺たちを照らす。俺はかがみんの髪に唇をつけて、目を閉じた。
海からやって来る清涼な風がにわかに強くなって、強い潮の香りで俺たちを包んだ。


爽やかはダメだと分かっていながら書いてしまう


~~inspired by...タンポポ(歌)「センチメンタル南向き」~~

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最終更新:2008年08月19日 16:08
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