第八十九話

297 :S.S ◆qF.oPZJZ2. :2008/08/23(土) 05:11:59 ID:UX7eJihqO
第八十九話「写真」

中学二年生の頃、山梨県に自然教室に行ったときのことです。山中のコテージに、各クラス男女に別れて10人程が泊まりました。

最終日の夕食前。私は友人の悪ガキと遊んでいましたが、少し奥に行くと井戸を発見しました。その井戸にはフタがしてあり、赤い字で何か書いてありました。

「登るな。危険!」

異様な不気味さとリングが流行っていたこともあり、友人と騒ぎました。子供だった私たちはフタの隙間から石を投げ入れたり、心霊写真を取ったりしていました。

その日の深夜2時。最終日ということでほとんどの人が寝てしまっていました。私は3人の友人と話に夢中になっていたのですが、あることに気付きました。

コテージが揺れているのです。ガタガタ…ガタガタ…怖くなった私たちは布団にくるまっていました。

深夜3時を周り、揺れが治まりました。安心した私たちは布団を剥ぎました。その瞬間!

ガラガラ!!

コテージのドアが開いたのです。

翌日、見回りしていた先生に聞いても誰もいなかったとのこと。しばらくしてから担任の先生に、実はコテージの近くの井戸で昔自殺した人がいたという話を聞きました。男性だったそうです。

性別は聞く前からわかっていましたけどね。

何故かって?

写真の友達の横に写っている顔は明らかに男性でしたから。

[完]

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年08月29日 20:30