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普通が故に…

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普通が故に… ◆4GaZfiGP/U


なんというか、いきなりで申し訳ないが元々から、俺が居るこのクラスは、トンデモ超人どもの集まりだと言われていた。
史上最強の不良、暴力を使う風紀委員、不思議な学級委員長、女社長に花火職人。馬鹿みたいな戦い好きもりゃあ、指揮者にその他裏になんかありそうな奴ら多数。
あ、巨大ロボ使う、今現在進行中の殺し合いのボスである担任の協力者も増えたな。そのせいであしゃぐらか名前忘れたが、巻き添え喰らって死んじまったけども。
…元々から超人揃いだったメンバーに、また一人増えたのかと思うと、また面倒臭いというかなんといえば良いのやら。
しかし、そんな事は俺、穂積宗一(男子十二番〈ほずみ・そういち〉)からしたら関係の無い事だった。
何故かといえば、俺はアイツらとは違う、『普通』の人間だからだ。
普通の家族、普通の成績、普通の能力。
あの化け物揃いのクラスに居るという事以外は、おそらく普通だと自負している。

「…さて、問題は殺し合いをするか否かだが…」

という自問の答えは…まだ言えない。
俺に渡された武器がエアガンだったからっていう訳じゃない。
殺し合いをやるといっても、果たして凡人である自分があの超人どもと対等な勝負が出来るかと言われたら、間違いなく無理だと思う。
が、しかし主催への対抗も同じだ。
仮に、あの中の誰かが協力してくれたとしよう。しかし、それで俺が生き残れるかといったら別だ。


一息ついて、腕を組む。
考え事をする時は、いつもこうする。
歴史小説の見すぎとも言われる事もあるが、不思議とこれが良いアイデアが出るもんなんだ。
しかしいつもって訳でもないんだがな。ここ重要。

「…」

少々黙りこみ、どちらが良策かを考えてみる。
確実に自分が生きれる道なんてある訳ないのも知っている。
それだったら、どれだけ良いのだろうと思う節もあるが、そんな都合の良い話が通用する筈も無い。

「さて、行き詰まったな…」

どれだけ考えても、完璧な良策が出る事が無い。案が出ても、そこに大きい悪い箇所があったら揉み消す。
そういうことで一度しくじって死んでいった戦国武将達にならぬ様に、今は慎重に考えなくてはいけない。

「しかし、悪い箇所なんて、挙げたらキリが無いのも分かってるんだがな」

しかしそう、考えていた自分をつい自虐する。
なんせ、意見してくれる奴が居ないのだ。
こういうのは、幼馴染みの不動院凛華(女子十六番〈ふどういん・りんか〉)、親友の琴浦周斗(男子九番〈ことうら・しゅうと〉)が色々口を出してくれるんだが、そいつらが居ないんじゃあ、自分で答えを求めるしかない。

「…どうすりゃ良いんかなぁ」

と、溜め息を吐いた直後、南の方から誰か走ってきた。
―――あ、人だ。
やべ、殺されるかも分からんね。

「おーい、穂積ぃ!」

そいつの叫び声がこちらに響く。
馬鹿野郎。誰か寄って来たらどうすんだよ。

「はぁ…はぁ…疲れた…」

と、そのまま俺の近くにやって来たのは、同じクラスメイトの功野錬司(男子二番〈いさの・れんじ〉)だった。
錬司は、おそらく俺と同じ『普通』の部類に入る様な奴。
幼馴染みは京終春日(女子四番〈きょうばて・かすが〉)。
何があったかは知らんが、彼女を守りたいと思っている節があったのを覚えている。
けれども、錬司の身体能力・知的能力から見たら、到底春日を守れる立場じゃあない。
むしろ自覚もなく、自然と『京終春日』という偉大な存在に守られている…と、いうのが俺が考える功野錬司という人間の総評だ。
凛華に渡した手帳だったら、もっと詳しい事が載ってあるのに、悔しいったらありゃあせんな。
仮に誰かの元に渡ったら、状況が厳しい事になるかも…あ、まずコイツの相手をするべきか。いかんいかん。

「錬司、どうしたんだよ息切らして。俺を殺しに来たか?」

まずは牽制として、冗談を混ぜながら錬司が殺し合いに乗ってるかを尋ねる。
ま、普通あの状況から見て乗ってる可能性は低いだろうが、一応だ。

「の、乗ってる訳が無いだろ!」

すると、焦りながら、錬司は俺に返す。
俺はその動作を手で制止すると、改めて錬司の方を向き直す。

「ま、分かったから錬司、俺らには武器かなんかが支給されてるんだが、確認したか?」

と言って元々ポケットに入れておいたエアガンを見せる。
ま、そうにしても…。これはエアガンで、人は殺せないんだから、あくまでも脅し用って感じだ。
ま、エアガンなんてもんは、一部分だけ見せたりすると、本物に見える事もあるんだが。技術力すげぇなオイ。


「あ、そんなのあったんだ…知らなかった」

と、一方の錬司は知らなかったらしく、リュックのチャックを急いで開き、確認する。

「一応あった」
「なんだった?」
「…これなんだけど」

錬司の両手から見えたのは、一般的から見て少し大きめのサイズ。
アレか。俗に言う自動小銃って奴か。

「当たりって奴だな。良かったな錬司」
「あ、あぁ…」

なんだその心配そうな顔。
そんなにあいつらを殺せる気がしないか。俺もだけど。

(果たして、それは心配か…恐れか…正直知ったこっちゃないが…)
「あ、あのさ、穂積」
「ん、なんだ」

…なに?思考中に話しかけられたら驚くのが普通だって?
あぁ、多分あいつらと一緒に居るうちに、俺も普通じゃないのに慣れてきたんだろう。仕方ないね。

「…俺と一緒に行動してくれないか?」
「あぁ、いいよ」

すぐに即答。

「え゛えっ!?」

濁音混じりに驚く錬司。
だが、安心した様にも伺える。そんなにこの状況が嫌だったか。俺もだけど。
それに―――

(…良い案が見つかったからな)
「そうと決まれば…行こう。宗一」
「あいよ」





なぁ、周斗、凛華。お前らはどうするんだ。
…俺は、少なくとも、悪手じゃない策を考えたんだ。だからこそ…

「お前らには…なるべく、会いたくない」



穂積宗一が考えた「悪手では無い策」。
それは、主催を打倒する、そういうグループに居る事にして、そのまま脱出出来そうだったら脱出。出来なかったらそのグループを不意討ちで殺し、そのまま生き残りを目指す、という物だ。
では、正直普通である功野と何故手を組んだかというと、それは、彼の人間関係にある。
超人である春日が幼馴染みに居る。これだけでも十分な利益はある。
仮に、京終に会ったとして、殺し合いに乗ってなかったら仲間にするのが楽だし、殺し合いに乗っていたとしても幼馴染みが相手に居るとしたら、よっぽどの事が無い限り、戦闘は消極的になるであろう。
正直それが無かったら、穂積は功野と手を組む事は無いし、むしろ殺していたかもしれない。
…さて、話を戻すと、宗一からすれば決断するそこまで生きられるかが唯一の心配点である。
死んでしまったら元も子も無いし、作戦が水の泡。ならばどうするかと考えてみたら、そこまでは、自分の味方となる対主催の超人達に「自然と守ってもらえば」いいのだ。
さて、ここで重要なのは『自然に』 だ。
これはいかにも、相手が守らなければならぬ状況を作るという事であり、自分からそう求める事は無い。
無論、戦闘には参加するつもりだ。けれど、危険が伴う様なマネはしたくはない。とすると、命令等が無い限り、滅多に自分から攻撃は仕掛けないのが良いだろう。

穂積宗一は『普通』である。
しかし、普通だからこそ、彼にしか出来ない考えがある。
その考えがこの殺し合いで生かされるか否かは、まだ、分かる事はない。



【B-2 草原/一日目・深夜】
【男子十二番:穂積宗一(ほずみ・そういち)】
【1:俺(ら) 2:お前、下の名前呼び捨て(ら) 3:全員、お前(ら)】
[状態]:若干の不安
[装備]:デザートイーグル(エアガン)(15/15)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考: 様子を見て、殺し合いに乗るか否かを決める。
0: 凛華や周斗とは会いたくない。
1:錬司を極力利用する。
2:ま と も な 武 器 が ほ し い
[備考欄]

【男子二番:功野錬司(いさの・れんじ)】
【1:俺(ら)2:君、お前(達) 3:皆、○○(達)】
[状態]: 健康
[装備]:H&KG36(30/30)予備弾(30/30)
[道具]: 基本支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いには乗らない。
0:春日を守る。
1:いさ等とも出来れば合流したい。
2: 穂積と行動する。
[備考欄]

【デザートイーグル(エアガン)】
東京マルイ制作の有名な銃のエアガン。
弾数が違うのは仕様。
殺傷能力は無いが、肌に当てれば怯ませる事もあるかもしれないし、目に当たれば失明させる事も。
ちなみにガスを入れなければ動かないタイプもあるが、今回はガスはいらないタイプを採用。
あと基本は人に向けて撃っちゃいけないから注意。
【H&KG36】
有名な自動小銃制作会社、ヘッケラー&コッホが開発したアサルトライフル。
長さはほぼ1mであり、実際にはドイツ軍等に配備され、コスボ紛争等で活躍した。
総弾数は30発。



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