134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:47:47.14 ID:GvuewNbQO
律の家

バタァン!

紬「ゆ、ゆ、唯ちゃんがし、し…死んじゃ…」

律「唯は大丈夫だムギ、来てくれてありがとな」

澪「悪かったな律、あの公園からだと一番近かったから…」

律「いやそれはいいんだけど…でも唯、なんでこんなになるまで…」

唯「ハァ、ハァ…う、ういぃ…」
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 12:56:10.33 ID:GvuewNbQO
梓「ホントに憂に連絡しなくていいんですか?先輩」

律「ああ…なんていうか、このまま帰っても唯と憂ちゃんは仲直りできないと思う」

澪「でも姉妹なんだぞ?私たちは首突っ込むべきじゃないだろ?」

律「確かにそうだけど…今唯が帰ったら憂ちゃんは絶対自分を責めるぞ?」

澪「あ…」

律「話し合いとかするなら、今は唯を帰すべきじゃない…って私は思うんだな!うん」

紬「りっちゃん…確かにそうね」
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:02:31.07 ID:GvuewNbQO
梓「…なんか律先輩らしくないです」

律「梓…素直に褒めたらどうだ!」

唯「う…うう…あれ?ここ…」

紬「唯ちゃん!大丈夫?」

澪「唯、お前雨の中でずぶ濡れだったんだぞ?私たちが見つけなかったらどうなってたか…」

唯「あ…そっか、私…」
140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:07:38.96 ID:GvuewNbQO
唯「ごめんね皆…私もう行くよ」

澪「ちょっと待て!そんな体で動いちゃダメだ!」

律「なあ唯、なんで一人でうろついてたんだよ?なんで私たちに相談しないんだよ?」

唯「う…だって…」

紬「私たち、親友じゃない!」

梓「私だって…唯先輩に何かあったら困ります!」

唯「ムギちゃん…あずにゃん…」
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:13:08.89 ID:GvuewNbQO
唯「だ、だって私…ダメなんだよ…皆に頼ってばかりじゃ…」

澪「そんなこと…」

唯「憂に言われたの…私は皆に頼らなきゃ何もできないって…」

律「唯…そうだったのか…」

唯「だから…私、決めたの…何でも自分で頑張らなきゃって…」

紬「唯ちゃん…グスン…」
143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:17:36.01 ID:GvuewNbQO
律「唯!」

唯「なに?りっちゃ…」

ゴチン!

唯「いたっ…」

梓「お、おでこで…」

律「バカ!お前何勘違いしてるんだ?」

唯「か、勘違い…?」
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:21:27.45 ID:GvuewNbQO
律「私たちは全員一緒だろ?お互い頼らなきゃ何もできないだろ!」

澪「私も律も、ムギも梓も…さわ子先生だって一人だけじゃ何も楽しくなんてないよ」

紬「お互いに頼って、頼られるのが本当の友達でしょ?」

梓「私だって…一人だけで何でもできるほど出来た人間じゃありません」

唯「皆…」
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 13:24:48.88 ID:GvuewNbQO
梓「だ、だから先輩も…もっと仲間を頼ってください」

唯「ありがとあずにゃ~ん!ちゅ~!」

梓「ちょ…風邪がうつっちゃいます!」

澪「やっと笑ったな、唯」

紬「やっぱり唯ちゃんには笑顔が似合うわね!」

律「ああ…しっかり治して、後は憂ちゃんと仲直りするだけだな」
155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 14:45:30.69 ID:GvuewNbQO
紬「じゃあもう遅いし、私たちはそろそろ…」

唯「えー…皆泊まっていきなよう…明日日曜日だし」

澪「無理いうなよ、こんな狭い部屋じゃ5人も寝られないだろ?」

律「狭いとか言うな失礼だな!」

梓「それじゃ先輩、お大事に…また明日来ますね」

唯「うん~皆ありがとうっ!」
156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 14:51:11.28 ID:GvuewNbQO
律「唯、汗かいたみたいだな…着替えるか」

唯「りっちゃん、色々服借りてごめんねえ」

律「何言ってんだよ水くさいなあ~じゃあタオルお湯に浸してくるから服脱いで待ってろ」

唯「うん…ありがとりっちゃん!」
163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 15:30:21.70 ID:GvuewNbQO
聡「姉ちゃんのヤツ、リビングに携帯置きっぱなしじゃん…しょうがないなあ」

ガチャ

聡「おい姉ちゃん!」

唯「ふえ?」

聡「……」

唯「ふう…どしたの聡くん?」

聡「あ…う…その…」

唯「私、ちょっと風邪引いちゃって汗かいちゃったの…」

聡「そ…」
164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 15:35:27.73 ID:GvuewNbQO
聡「し、しし失礼…」

唯「私ねえ、まだ妹と仲直りできないんだあ…
聡くんにアドバイスもらったのに…う…」

聡「え…?」

唯「ういぃ…う…う…うぇ…」

聡「あ、あああのちょっと…」

律「悪い唯おそくな…」
166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 15:39:55.72 ID:GvuewNbQO
律「……」

聡「ね、ねね姉ちゃん!?」

律「おめえ…唯になにした…?」

聡「ち、ちが!あ、やべ…べ、別になにも!」

律「でてけこのエロ弟があ!」ガツン!

聡「いってー!」

唯「あはは…りっちゃんたち、仲良しだねえ♪」

唯(明日こそ…憂と仲直りしなきゃ!)
171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 15:44:30.31 ID:GvuewNbQO
翌日

憂「ふう…昨日は焼き肉おいしかった…けど…」

憂(お姉ちゃんがいないと…なんか…)

憂「そうだ…律さんの家に泊まってたなら電話して挨拶しなきゃだよね…」
175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 15:48:26.16 ID:GvuewNbQO
律『はい、田井中です』

憂「えっと、憂です!…そちらにお姉ちゃんはお邪魔してますか?」

律『あ、いや、えっと…来てないよ?』

憂「え?そ、そうですか…失礼しました」

憂(お姉ちゃん…澪さんか紬さんの家かな?)
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 15:55:01.53 ID:GvuewNbQO
唯「りっちゃんありがと…ケホ」

律「まあ憂ちゃんには悪いけど、今はしょうがないか…」

唯「私、もう万全だよ!帰って憂に…うう」フラッ

聡「あ、危ないです…」

唯「おお、ありがとう聡くん…」

聡「……は、はい…」

律「まだ無理するなよ?あ、澪たちにも口裏合わせてもらうか」
181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 16:00:43.64 ID:GvuewNbQO
憂(澪さんの家にも紬さんの家にも、梓ちゃんの家にもいなかった…)

憂「で、でもお金だって1万円あるんだし野宿なんてことは…」

ピンポーン

和「あ、憂ちゃん?唯いる?」

憂「和さん…な、何の用ですか?」

和「昨日唯にケーキ代返してもらったんだけど、1万円も渡されちゃったの、これ返しておいて?」

憂「え…」
185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 16:05:21.85 ID:GvuewNbQO
憂(お姉ちゃん…軽音部の皆さんの家にもいないしお金も持ってないなんて…)

憂「お、お姉ちゃん…」

和「憂ちゃん?唯、どうかしたの?」

憂「わ…私…どうしよう…昨日あんなに雨強かったのに…お、お姉ちゃん…」

和「どうしたの?唯に何かあったの?」

憂「の…和さん…っ」
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 16:10:18.97 ID:GvuewNbQO
和「それ、ホントなの?」

憂「は、はい…」

和「そういえば…昨日の唯、なにか思い詰めた表情してた…」

憂「そ、そんな…まさか」

和「だ、大丈夫よ!そんなことあるわけないわ!あ、唯本人に電話は掛けたの?」

憂「あ、そうだ…ちょっと掛けてみます!」
191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 16:15:40.95 ID:GvuewNbQO
憂「あ、もしもしお姉ちゃ…」

さわ子「ゔあ゙~誰だゴルァ!」

憂「きゃっ!?だ、誰ですか?」

さわ子「その声は…憂ちゃんね?うっぷ…」

憂「ど、どうして先生がお姉ちゃんの携帯に?」

さわ子「あ゙あ゙…昨日の夜ね…
 飲み会の帰りに公園でちょっとリバースしてたら唯ちゃんのカバンを見つけたのよ」

憂「こ、公園…?」
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 16:20:57.46 ID:GvuewNbQO
さわ子「カバンは明日学校で渡してあげ…おええええええ!」

憂「そ、それでお姉ちゃんは?」

さわ子「はぁ…はぁ…いなかったわよ…ところで唯ちゃんお使いはちゃんと行ってこれたの?」

憂「お、お使い?」

さわ子「まあいいわ…あ、もう…ダメ…プッ…ツーツー」

和「な、なんで先生と話してたの?」

憂「大変だ…お姉ちゃんを探しに行かなきゃ…!」
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 16:25:48.16 ID:GvuewNbQO
唯「よし!もう大丈夫!」

澪「熱も引いたし、無理しなけりゃ平気だな」

紬「私が持ってきたおかゆも全部食べたしね!」

唯「うん!たくあん入りおかゆおいしかったよ!ちょっと全体的に黄色かったけど」

梓「あとは帰って憂と仲直りするだけですね!」

律「あ、そのことなんだけどさ!」
197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 16:33:48.31 ID:GvuewNbQO
律「憂ちゃんになんかプレゼント買っていってやったらどうだ?
 物で吊るってわけじゃないけど…日頃の感謝もこめてさ」

唯「そうだね…私何か買っていくよ!」

梓「でもお金はあるんですか?」

唯「あうう…」

紬「あ、お金なら私が貸してあげるから…」

唯「ムギちゃんごめんね…絶対返すから!」

澪「相変わらずムギに世話になってばかりだなあ…」
200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 16:38:43.01 ID:GvuewNbQO
デパート

唯「何がいいかなあ…」

梓「あ、ヘアピンとかどうですか?」

唯「うーん、こないだ新しいの買ったって言ってたし…」

澪「このノートとかどうかな、かわいくないか?」

律「プ、プリキュア…お前…」

澪「な、なんだよ、かわいいだろ?あ、じゃあしゅごキャラとかどうかな」

律「お前今いくつだよ!」
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 16:46:37.58 ID:GvuewNbQO
唯「うーん…あ、そうだ!」

紬「何か思い付いたの?」

唯「うん!ちょっと買ってくるね!」

律「ふう、まあこれでなんとかなりそうだな!」

和「ちょっと律!みんな!」

澪「え…の、和…?」

憂「皆さん…」

梓「う、憂まで…」
207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 16:53:07.33 ID:GvuewNbQO
和「今の…唯でしょ!?」

律「う、うん…まあ」

憂「お姉ちゃん…やっぱり皆さんにお世話に…」

澪「ち、違うんだよ憂ちゃん、昨日唯は…」

憂「いいんです澪さん、お姉ちゃんをかばわなくても…私がちゃんと言いますから」

澪「いやそうじゃなくてさ…」

唯「おーい皆!買ってきたよ…って、う、憂…!」
210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 16:59:30.27 ID:GvuewNbQO
憂「お姉ちゃん…」

唯「う、憂…どうしてここに?」

憂「和さんと探しに来たの…
皆さんの家に電話してもいないっていうし、和さんにお金渡したって聞いて…まさかと思って」

唯「憂~!心配してくれてあり…」

憂「触らないでよ!」

唯「う、憂…?」
222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 17:07:19.86 ID:GvuewNbQO
憂「お姉ちゃん、考えなしに和さんにお金渡して、また律さんの家に泊まったんでしょ?」

唯「わ、私…」

憂「それで私に知られたくないから皆にまで嘘つくように頼んだんでしょ?
 先生まで巻き込むなんて…」

唯「ち…ちが…」

律「それは違うんだよ憂ちゃん!嘘ついたのは私で…」

憂「律さんにこんな嘘までつかせて…私、お姉ちゃんのこと見損なった…
 お姉ちゃんなんて…大嫌い!」

唯「…!」
226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 17:13:25.23 ID:GvuewNbQO
唯「う…うい…あ、そうだ…わ、私、憂にプレゼントを…」

憂「プレゼントって…そんなお金がどこにあったの?
 私が渡したお金は全部和さんに渡しちゃったんでしょ?」

紬「そ、それは私が貸してあげたの…!」

憂「お姉ちゃん…紬さんにまで迷惑かけて…
 私、そんなプレゼントなんて受け取れないよ!」

唯「う…うい…」
233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 17:21:05.66 ID:GvuewNbQO
憂「…和さん、帰りましょう」

和「で、でも」

憂「お姉ちゃんのこと、心配することなんてなかったんです。すぐに軽音部の皆に頼るんだから」

唯「憂…まってよ…」

憂「お姉ちゃん、それは返品して、ちゃんとお金は紬さんに返してね?
あと帰ってきたかったら帰ってきていいから。お父さんたちも心配するし…じゃあ先帰るね」

唯「う…」
244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 17:29:13.25 ID:GvuewNbQO
梓「い、行っちゃいました…」

律「憂ちゃん…やっぱり私、唯が倒れたこととか話してくる!」

唯「いいのりっちゃん!」

律「唯…でもこのままじゃ…」

唯「いいの…悪いのは全部私だもん…憂の言ってることは全部正しいよ…!」

澪「でも唯…!」

唯「私…こ、これ、返品してくるよ…ごめんねムギちゃん…」

紬「謝らないで唯ちゃん…」

唯「皆も…昨日あんな風に言ってくれたけど、やっぱり私の頼るっていうのは皆とは違うんだよ…
 皆は私よりずっと大人で…私なんかただ甘えてるだけなんだよ…」

律「唯…」
249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 17:36:55.72 ID:GvuewNbQO
和「ホントによかったの?憂ちゃん」

憂「…はい、ああして突き放さなきゃ、お姉ちゃんはわかってくれませんから」

和「そう…なの…」

憂「…私、今までお姉ちゃんが笑ってればいいと思ってたんです…」

和「え?」

憂「お姉ちゃんに嫌なことがあったら助けてあげて、
 それでお姉ちゃんが笑ってくれればそれでいいって…」

和「憂ちゃん…」
256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 17:42:47.14 ID:GvuewNbQO
憂「だからお姉ちゃんは、すぐ人に頼る人間になっちゃったんです…
 そのせいで和さんにも迷惑を…」

和「憂ちゃん、それはちょっと違うんじゃない?」

憂「え?」

和「唯は確かに宿題とか試験勉強とか人に頼るとこもあるけど…
 ホントに大事なことは自分で頑張るわよ?」

憂「……」

和「たとえばギター…澪たちに教えてもらってばかりだって聞いたけど…
 自分で努力しなきゃあんなに上達しないわよ」

憂「あ……」
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 17:47:55.82 ID:GvuewNbQO
和「それに唯は、人にわざと迷惑かけるようなことはしないから…多分」

憂「多分…ですか」

和「だから憂ちゃん、もう唯に大嫌いだなんて言わないでね?
きっと何か訳があるんだと思うから」

憂「…はい」

憂(お姉ちゃん…帰ってきたら…もう一度話聞いてあげなきゃ…かな…)
264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 17:53:47.86 ID:GvuewNbQO
唯「ハァ…ハァ…でも、ホントに返品しないでよかったの?ムギちゃん」

紬「ええ、それはやっぱり憂ちゃんに渡してあげて?」

唯「うん…ハァ…フゥ…」

律「私たちも一緒に行って昨日のこととか話してやるからさ、安心しろよ?」

澪「憂ちゃんだって、きっとわかってくれるよ」

唯「うん!皆ありがとう!…ケホッ…ハァ…」

梓「…唯先輩?」
273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 18:04:39.41 ID:GvuewNbQO
唯(皆ホントにありがとう…でも私…多分憂にはもう好きになってもらえないよ…)

梓「先輩、着きましたよ?」

唯「…うん!」

律「じゃあ私たちは後から行くから、唯は先に行けよ?」

唯「…うん」

唯(だってもう…大嫌いだなんて言われちゃったし…無理だよ…)
275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 18:10:38.11 ID:GvuewNbQO
澪「唯、頑張れよ!」

紬「唯ちゃん大丈夫よ!きっと憂ちゃんならわかってくれるわ!」
唯「うん」

ガチャ…バタン

唯「ただいま…」

(私、お姉ちゃんのこと見損なった…お姉ちゃんなんて…大嫌い!)

唯(もう…どうでもいいや…憂…ごめん…私…)

ドサッ
279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 18:16:50.53 ID:GvuewNbQO
憂(お姉ちゃん…帰ってきた!)

憂(な、なんて言おう…ごめんね?おかえり?やっぱりおかえりだよね…)

憂「お、お姉ちゃん、おかえ…」

唯「……」

憂「お姉ちゃん?どうして寝てるの?疲れたの?」

唯「……」

憂「お姉ちゃん…?」
287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 18:21:54.05 ID:GvuewNbQO
梓「唯先輩、上手くいったんでしょうか」

律「もう10分か…」

澪「なあ、さっきなんか倒れる音がしなかったか?」

律「気のせいだろ?」

澪「でも唯、なんか顔色真っ青だったし…」

紬「だ、大丈夫よ…きっと…」

澪「なあ、ドア開けてみないか?」

律「そうだな…もう落ち着いてるだろ」

ガチャ
292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 18:27:00.75 ID:GvuewNbQO
憂「…ねえ、起きてよ、お姉ちゃん…お姉ちゃん…お姉ちゃん…」

律「う、憂ちゃん?どうした?」

憂「律さん…お姉ちゃんが…さっきから呼んでるのに起きないんです…」

律「唯…?」

澪「…!!ゆ、唯…」

紬「唯ちゃん…」

梓「せ…先輩…」

唯「……」
298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 18:33:56.07 ID:GvuewNbQO
和「ふう…考えてみたらお金返しに来たのに唯に渡すの忘れてたわ…」

和「あら?唯の家に人が…」

ザワザワ…

和「あの、どうかしたんですか?」

おばさん「なんかここの娘さんが倒れたらしくてねえ…さっき救急車で運ばれていったんだよ
 すごかったよ、友達か知らないけど、女の子たちが泣きじゃくって…」

和「…そ、それって…」
302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 18:37:57.05 ID:GvuewNbQO
病院

律「心肺停止って…どういうことだっけ…」

澪「知らない…知らない…」

紬「唯ちゃん…」

梓「うっ…うぅ…えぐ…せ、先輩…」

憂「………」
307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 18:43:00.08 ID:GvuewNbQO
医者「…皆さん」

律「せっ…先生!ゆ、唯は…」

医者「…親御さんは?」

憂「……」

澪「こ、この子が妹で…親は今向かってるって…」

医者「そうですか…」

紬「そ、それで唯ちゃんは…」

梓「うぅ…う、先輩…」
309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 18:49:36.66 ID:GvuewNbQO
医者「安心してください。なんとか一命はとりとめました…が…」

律「がってなんだよ!唯は大丈夫なのかよ!」

澪「お、おい落ち着け律!」

医者「しばらくは集中治療室で治療しますので…面会謝絶ということになります」

紬「じゃあ命は平気なんですね…」

梓「よかった…」

憂「……」
324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 18:59:32.20 ID:GvuewNbQO
律「なあ憂ちゃん」

憂「……」

律「憂ちゃん!ジャーン!すごいヒゲ!」

憂「……」

澪「律!こんなときになにを…」

律「こんなときだからだよ澪。私、憂ちゃんに話さないといけないことがあるんだ」

憂「…なんですか」

律「昨日な、唯のヤツ…」
336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:05:18.35 ID:GvuewNbQO
憂「それって…全部私が悪いんじゃないですか」

紬「違うわ憂ちゃん、唯ちゃんは自分で…」

憂「だから私がお姉ちゃんにひどいこと言ったからそんなことになったんじゃないですか!」

澪「憂ちゃん、だから…」

律「…ああそうだな、憂ちゃんのせいかもな」

憂「…!」

梓「り、律先輩!」
344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:12:56.47 ID:GvuewNbQO
律「こんなときに変に気をつかう必要ないだろ?
 確かに憂ちゃんが言ったことが原因かもしれない」

澪「でも…」

憂「私が…私が悪いんです…」

律「でも唯は、憂ちゃんに認められるために、頑張って自分の意思で行動したんだぞ?
 私たちのことも頼らないで野宿しようとしてたんだぞ?それって悪いことか?」

憂「こんなことになったんなら…意味なんて…」

律「私はあると思うぞ?」

憂「え…?」
357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:20:16.59 ID:GvuewNbQO
律「少なくとも唯は死んじゃいないしな…これから唯はきっと色々変わってくれるよ」

憂「律…さん…」

律「そんで悪いと思うんなら、ちゃんと仲直りして謝まればいいんだよ」

憂「はい…私、ちゃんとお姉ちゃんと仲直りします!」

澪「律…お前、なんか変わったな」

梓「やっぱり先輩のキャラじゃないです…」

律「うるさい梓!グリグリするぞ!」

紬「うふふ…りっちゃん…」
371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:28:26.79 ID:GvuewNbQO

唯「あるふぁるふぁ~あったかくてぽかぽかだぁ~」

唯「ん?あれは…ま、マイケルジャクソン!初めて見た…一緒にムーンウォークやる!ぽぅ!」

ガツン!

唯「いったあ…あ、ギー太!なに?ついてこいって?」
374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:37:10.59 ID:GvuewNbQO
律「起きねーな…唯…集中治療室は出られたし憂ちゃんもずっと手を握ってるのに…」

憂「お姉ちゃん…」ギュッ

さわ子「そうねえ…」

澪「ていうかマイケルジャクソンの曲流すの止めてください先生!縁起悪いです!」

さわ子「だって唯ちゃん、マイケルの踊り見てゲラゲラ笑ってたからあ…」

梓「ていうか病院なのに…」

紬「皆、唯ちゃんのギター持ってきたわよ!」

唯「う……」
377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:42:39.32 ID:GvuewNbQO
憂「お、お姉ちゃん!」

律「唯!」

澪「唯!」

紬「唯ちゃん!」

梓「唯先輩!」

さわ子「唯ちゃあん!」

唯「あ、あれ?憂…みんな…ギー太は?マイケルは?」
379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:48:46.89 ID:GvuewNbQO
憂「お姉ちゃん…う…う…」

唯「うい~…あ、そっか私…」

律「グスン…じゃあ私たちは先生呼んでくるからな」

さわ子「え?なんでえ?ちょっとー!」

澪「はいはい行くぞさわ子先生」

紬「唯ちゃん…よかった…」

梓「うぇぇ…」
384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 19:55:46.44 ID:GvuewNbQO
憂「お姉ちゃん…」

唯「憂…」

憂唯「ごめんなさい!」

憂「あ、えっと…私…お姉ちゃんにひどいこと言って…それで…お姉ちゃんがこんなことに…」

唯「私こそ…ホントに…うぅ…ダメなお姉ちゃんで…ひっく…ごめんねぇ…」

憂「お、お姉ちゃん…泣かないで?」
385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:01:58.08 ID:GvuewNbQO
唯「私…頑張って一人でいようと思ったんだけど…えへへ、ダメだね…
 やっぱりりっちゃんたちに頼っちゃったよ…」

憂「違うの!私が間違ってた…お姉ちゃんは誰かに頼ったっていいのに…それなのに私…」

唯「憂…あ、そうだ…そこの荷物取って!」

憂「え?うん…」
388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:06:24.21 ID:GvuewNbQO
唯「ええと…あるかなあ…」

憂「なに探してるのお姉ちゃん?」

唯「あった…はい!こないだのプレゼント!」

憂「え…」

唯「お金はムギちゃんに絶対返すから…だから、受け取って?」

憂「うん…わかった」
391 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:14:22.38 ID:GvuewNbQO
憂「これ…!エプロン?」

唯「えへへ~私も同じの買ったの!二人でお料理しようね!」

憂「お姉ちゃん…ありがとう…」

唯「これで…仲直りしてくれる?」

憂「うん…お姉ちゃーん!」ギュウウ

唯「いっ、痛い!」
394 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:20:34.06 ID:GvuewNbQO
3日後

唯「やっと退院かあ…長かったなあ」

憂「うん…じゃあお着替えしよっか!」

澪「しかし…独創的なエプロンだな」

梓「なんかすごいです…いろんな意味で」

紬「いいセンスねえ♪」

唯「えへへ~」

憂「お姉ちゃん、ちゃんと下着着けなきゃダメだよ?」

唯「はーい」ゴソゴソ

ガラガラ

聡「こっこんにちは!今日は姉ちゃんが遅れるので俺がき…」
400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:28:55.52 ID:GvuewNbQO
唯「あ、聡くーん!来てくれてありがとう!」

聡「す、すいませ…お、俺また…」

憂「…また?」

聡「ち、違うんです!わざとじゃ…」

澪「い、いいから出ていったほうがいいよ?」

聡「は、はい!失礼しました!」

バタン!
401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:35:14.02 ID:CD77aQB9O
聡の部屋
『エコ発電エネファーム 立ち入り禁止』

律「……?だからなんなんだ?」
402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:35:32.98 ID:GvuewNbQO
憂「…お姉ちゃん、前にも見られたの?」

唯「うん…でも私胸ちっちゃいから大丈夫だよ~」

梓「いやそういう問題ですか!」

憂「お姉ちゃん、今度からは気をつけなきゃダメだからね!」

唯「う、うん…」

紬「仲がよくっていいわねえ~」

澪「まあ…確かにな」
405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:43:14.01 ID:GvuewNbQO
唯「うい~あいす~」

憂「お姉ちゃん!もう退院して1週間だよ?いい加減手伝ってよ!」

唯「いや~ん…」

憂「もう…まあ、少しずつでいいから、頑張ってよね?」

唯「うん…あ、憂!」

憂「なあに?」

唯「エプロン、似合ってるよ!」

憂「お姉ちゃん…ありがとう!」
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/12(日) 20:47:13.70 ID:GvuewNbQO

聡「…なあ姉ちゃん」

律「んー?ゴクゴク」

聡「唯さんって…彼氏いるの?」

律「ブハッ!」


おわり



すばらしい作品をありがとう

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2009年07月12日 22:26