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961:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 02:30:09.68 ID:mxIkpWQb0
 夏ももうすぐ終わり。
 寂しいなぁと思いながら家でごろごろしていると唯先輩が、
「花火大会に行こうっ!」
 と言った。
「また思い付きですか?」
 まずそんな確認をしてしまう時点で、私も慣れてきたなと思う。
 最初のほうはずっとリアクションをとっていたからすっごく疲れたし。
「そんなことないよ、もうすぐ夏が終わっちゃうし思い出作りだよ~」
「そうですか」
 意外とちゃんと考えてるんだ……。
「それで、どこに行く?」
「私が付いていくことは決定済みですか」
「来てくれないの?」
 うるうる。
 あぁ、まただ……。
965:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 02:31:59.28 ID:mxIkpWQb0
「そんなことは言ってませんよ。もちろん一緒に行きます」
「ほんと?」
「はい」
「わぁ~い! あずにゃんだいすき~!」
 そう言って抱きついてくる唯先輩。
「すぐ人に抱きつく癖を止めませんか?」
「え~? どうして~?」
「どうしてって……」
 この人は自分が可愛いって自覚はないのだろうか。
「……夏に抱きつかれると嫌でしょう、誰だって」
 やっぱり本音は口に出せないなぁ……。
 いつになったら素直になれるのやら。
「私はすきだけどな~」
「何がですか」
「あずにゃんに抱きつくのが~」
 そう言ってますます強く抱きついてくる。
 どきどき。
 心臓の鼓動が速くなる。
 唯先輩に伝わってるんじゃないかな……。
「あずにゃん……?」
 と、とにかく離れてもらわないと。
「わかりました、わかりましたから離れてください」
「え~? どうして~?」
「どうしてもですっ」
 少し語気を強めてみると、しょうがないなぁと言いながらも離れてくれた。
「はい、離れたよ~」
 すぅはぁすぅはぁ。
 今のうちに心臓を落ち着けないと。
「あずにゃん?」
 ……よし、落ち着いた。
966:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/25(土) 02:32:43.86 ID:mxIkpWQb0
「ねえ、どうし――」
「それで、どこに行くんですか?」
「――え?」
 追求を避けるために、少々強引に言葉を紡ぐと、目論見通り唯先輩は処理が追いついてないみたい。
「えっと……どういうこと?」
「ですから、どこの花火大会に行くのかってことですよ」
 そう言うと、唯先輩は急にぱぁーっとなってはしゃぎ始めた。
「そうそう! それを決めなくちゃね~!」
「あの……」
 急激なテンションの差についていけない。
「ここなんかどうかなっ?」
「は、はい……いいと思います……」
 押されてついつい頷いてしまった。
「ならここで決定ね! れっつご~っ!」
「お~」
 ――まぁ、たまにはいいかもしれない。



Fin