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660 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/04(火) 23:54:53.91 ID:H2lhNPlQ0

【けいおん×前座演奏】



2回目の合宿を終え、文化祭の演奏を無事終えた桜が丘高校軽音部の5人は
思い思いの年末年始を過ごし、始業式でいつもどおり顔を合わせた・・・

663 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/04(火) 23:57:06.53 ID:H2lhNPlQ0

帰りのホームルームがもうすぐ終わろうとしている

~♪(紬の携帯が鳴る)

紬「もしもし」

斉藤「おはようございます、お嬢様。例の件なのですが・・・・・」

紬「えっ、本当なの?斉藤!?」

斉藤「もちろんでございます。お嬢様」

紬「やったっ!さっそく放課後すぐにみんなに知らせなきゃ」

666 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/04(火) 23:58:06.51 ID:H2lhNPlQ0
放課後、他の4人が部室でぶらぶらしていると、いつになく上機嫌に眉を動かしながら紬が音楽室に入ってきた。

唯「おぃーっす、むぎちゃん!あれ?今日はなんかご機嫌だね!」

紬「みんなにいいお知らせがあるのよ」

唯「えーっ!気になる♪気になる♪」

紬「私ね、これからけいおん部って活動がする場が少ないなぁって思ってたの」

紬「それで、私のお父様毎年2月に主催している『節分大会まめまきコンサート』の前座を頼んでみたのよ」

澪「・・・おい、ムギ。それってあのサンテリーホールで毎年行われている、有名なあれか?」

紬「そうよ。でね、お父様にお許しいただけたの!だから2月3日は本番よ!みなさん、がんばりましょ!」

一同「どひゃ~っ!!!!」

668 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:00:07.95 ID:6/6Jb9IO0
澪「・・・というわけで、これから3週間で3曲仕上げなきゃいけないわけだ。律、何やりたい?」

机の上で紅茶とお菓子を交えながら曲選会議は始った

律「あんまりはっちゃけたのはできないよなぁ。多分おっちゃんばっかだろうし」

唯「たつろー!!たつろーやりたーい!!」

すかさず唯がたまたま開いてあった音楽雑誌を見ながら騒ぎ出す

律「おいおい唯、夏といえばタツローだけど、今はまだ冬だぜ?」

紬「あら、唯ちゃんはお父様の好きな山下達郎をご存じで?」

澪律「何ぃッ!!」

どうやら紬の父は結構色々な音楽を好むようである

669 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:01:10.66 ID:6/6Jb9IO0
紬「この前のツアーも見に行ってましたよ」

唯「ムギのおとーさんも好きなんだー!いいよね、たつろー!澪ちゃん、たつろーやろーよー」

澪「わかったわかった。ところでムギ、私たちは何の前座をやるんだ?」

唯がしゃべるのを聞き流しながら澪がたずねる

紬「シャンパン・フィルハーモニー交響楽団ですわ」

澪律「交響楽団かよっ!!!」

梓「いいじゃないですか、エレクトリック・ライト・オーケストラみたいで」

澪律「ちょっと違うぞ!前座だし!」

672 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:02:08.74 ID:6/6Jb9IO0
唯「オケ、オケ!オーケストラって桶の仲間なの?」

唯はオーケストラを知らないようだ

律「ちがうぞ~唯。オーケストラといえばベートーベンだッ!ほら、だだだだーん!」

指揮するふりをして律がおどける

唯「お~!りっちゃんかっこいー!だだだだーん!」

律「だだだだーん!」

唯「だだだだーん!」

どうやら二人はベートーベンの物まねに夢中のようだ。

673 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:03:32.57 ID:6/6Jb9IO0
梓「澪先輩、ムギ先輩、私たちで話を進めましょう」

澪「うん、そうだな。ムギ、私たちのオリジナルだけでも大丈夫かな?」

紬「ええ。お父様は私たちの演奏がとっても楽しみとおっしゃってましたよ」

紬がうれしそうにうなずく

梓「なんか嬉しいですね!私たちもちゃんと認められてるんですね!」

澪「あんなんでもな・・・」

澪がチラッと後ろを向くと、まだまだ二人の奇声の応酬が続いているのであった・・・・

澪「まったく・・・・」

675 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:05:10.59 ID:6/6Jb9IO0
次の日

いつものように唯と和は二人で登校していた

唯「ねーねー、のどかちゃん!シャンパン・フィル・ハーモニーって知ってる?」

和「あら、日本を代表するオーケストラじゃないの。唯は知らなかったの?」

唯「うん!昨日りっちゃんが『オーケストラはだだだだーん!』って教えてくれたんだ!」

和「それはよかったわね。ところで、そのシャンパン・フィル・ハーモニーがどうかしたの?」

唯「うん!ぜんざやるんだ!ぜんざ!」

和「ぜんざって・・・前座!?すごいじゃない!軽音部も鼻が高いわね」

唯「ぜんざってそんなにすごいの?」

和「前座っていうのは客席の雰囲気を温めるためにメインステージの前に演奏することなのよ」

唯「そうなんだ~!なんかいまさらだけど緊張してきたかもっ」

おもわずタンタンと足踏みをする唯

和「唯が緊張するなんて珍しいわね。演奏は見に行けないけど応援してるわ。頑張ってね!」

678 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:07:09.05 ID:6/6Jb9IO0

そして放課後

律「おーっし!本番も決まったことだし、気合いいれて練習するぞーっ!!」

澪「律にしては珍しいな」

律「で、なにやるんだっけ?」

ゴチン!!と鈍い音がした

澪「昨日決めたばっかりだろ!ふわふわ時間と翼をください、それとあともう一曲は新曲を作ろうって話だったろ!」

律「そかそか、いやぁ~忘れちった!」

梓「律先輩、大丈夫なんですかぁ?」

律「むぅ~、、、あ、新曲って誰が歌詞を書くんだ?」

680 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:08:45.67 ID:6/6Jb9IO0

唯「わたし~!!」

思わず律がずっこける

律「なんで唯なんだよッ!」

紬「お父様がぜひ唯ちゃんに書いてほしいとのことでしたので。あら、それも聞いていなかったんですか?」

律「あはははー。ちょっとド忘れ~」

唯「苦しいよぉ、りっちゃんっ!!」

いつものひともんちゃくが収まると、5人は練習を始めた。本番が近いので自然と熱が入っているようだ

律「ふぅ、やっぱ冬休みの間になまっちまったかな~」

梓「知らず知らずの間に体ってなまっちゃいますからね~」

律「おっし、じゃぁ今日は練習はここら辺にして、みんなで久しぶりに喫茶店に行こう!」

すでに決まっている2曲の練習を一通りやった5人は喫茶店に行くことにした

澪「みんなと話してる間にいい歌詞が浮かぶかもしれないしな」

685 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:13:47.93 ID:6/6Jb9IO0
喫茶店につくと5人でテーブル席に座り、唯は紙とペンを取り出した。

唯「どんなのがいいかな~」

律「やっぱオーケストラの前座なんだし、壮大なやつとか!」

律がはやしたてる

紬「『すぺくたくる☆さてらいと』なんてどうかしら」

絶妙なネーミングが飛び出してきた

澪「ムギ・・・なんかちがうぞ」

梓「『阿鼻叫喚のオペラナイト』とかいいんじゃないですか!?」

どうやら軽音部のセンスは独特のようだ

澪「なんかオペラ座の怪人より怖そうだな・・・・・ブルブル」

律「ボヘミアン・ラプソディみたいなのできたら面白そうかもな」

梓「ライブですから、律先輩」

律「そうだった☆テヘ」

687 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:15:54.33 ID:6/6Jb9IO0

名前を決めるところから中々難航しいたが

唯「オケ、オケ~、前座~、そうだ!『OK!前座!』にしようよ!」

と唯の鶴の一声で『OK!前座!』に決まってしまった

律「なんか唯らしいなぁ~」

澪「唯、よかったら冬休み中に考えてた歌詞のアイデアノート貸すよ。参考にしてみてくれ」

唯「ありがと、みおちゃん!」

とりあえず一段落がついたので、みんなはそれぞれの家路についたであった

705 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:40:42.61 ID:6/6Jb9IO0
唯の家

唯「ただいま~憂!」

憂「おかえり!お姉ちゃん。なんかいいことあったの?」

いつにもましてニコニコしている唯の顔を見て、思わず憂は尋ねた

唯「うん!新しい曲のなまえが決まったんだ!『OK!前座!』っていうんだよ」

憂「『おっけぇ、ぜんざ』かぁ。なんだか面白そうな曲だね!」

唯「でしょ?憂にもわかるよねっ!あはは!」

その夜、二人の笑い声が絶えることは無かった

711 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:42:19.91 ID:6/6Jb9IO0
某日某所

男A「おい、例の話はちゃんと進んでるのか?」

男B「あぁ、ボスも大喜びだぜ、『これで琴吹グループにひと泡吹かせてやれる』ってな」

男A「しっかし、これはひと泡どころじゃ収まらない話だぜ?」

男B「だが俺にも琴吹への恨みはある。お前もそうだろう?絶好のチャンスじゃないか」

男A「これで琴吹の面に泥をぬってやれるってことか・・・」

そう言って男Aはチラリと手元にある包箱に目をやった

ティッシュ箱程の大きさの箱からは不気味な電子音が聞こえていた・・・

713 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:44:57.43 ID:6/6Jb9IO0
1月31日

軽音部の5人は新曲『OK!前座!』を含めた3曲の通しをしていた

律「ふぅ~こんなもんかな。やっぱ通しは疲れるなぁ」

澪「まぁ、なかなかだったな。これを本番も緊張せずできればよし!だな」

一同「お前が言うな」

澪「・・・ぐすん」

唯「まぁまぁ、みんな、せっかくの本番なんだし、楽しくやろうよぉ」

紬「そうですね。あら、そういえば今年から誰か忘れているような・・・・・・・」

梓「誰でしたっけ・・・・・・・」

722 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:54:35.88 ID:6/6Jb9IO0
バタンッ!!!!!

大きな音をたてて音楽室のドアが開いた。5人はドアにくぎ付けになる。

さわ「衣装、できたわよ!!!!」

一同「そっか、さわちゃんだ!!」

さわ「教えてくれないなんてひどいじゃない。サンテリーで前座なんてそう簡単にはできることじゃないのよ」

唯「すいません。さわちゃん先生の存在、忘れてましたッ!」

さわ「ガクッ」

725 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:55:45.99 ID:6/6Jb9IO0
澪「なんか今回の衣装は結構まともな感じだな」

さわ「そりゃぁ天下のサンテリーですもの。あんまりド派手な恰好はさすがにに出来ないわ」

澪(よかった・・・)

律「そうだムギ、2月3日の何時に本番なんだ?」

紬「予定だと6時からになってるわ」

唯「夕方なんだ~」

紬「えぇ。演奏が終わったら、そのまま客席でオーケストラを聴いて、最後に毎年恒例の『まめまき』をやって終わりよ」

732 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 00:59:45.43 ID:6/6Jb9IO0
『まめまき』という言葉に唯が反応する

唯「まめまき、楽しそ~」

紬「毎年たくさんのまめがホール中にまかれるのよ」

澪「・・・で、まいたまめはどうするんだ?」

満面の笑みで紬が答える

紬「みんなで拾うのよ。全部拾い終わるまで帰れないわ」

一同「なんだってーッ!!」

752 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 01:23:06.52 ID:fMzwnrOx0
本番当日 2月3日

軽音部の5人はサンテリーホールに紬の車で送ってもらった

…ここで説明しておこう

『節分大会まめまきコンサート』とは紬の父が5年前から始めたチャリティーコンサートである。
コンサートの最後に、琴吹グループが生産する大豆をふんだんに使った豆まきをするのが特徴である。
それにより、その年一年の幸福を願うことが趣旨であるらしい。
入場料は無料のため、毎年多くの観客でにぎわう。そして各界要人も聴きにくるらしい。
最後に、サンテリーホールは国内最大のホールであり、収容人数は約2万人である。

753 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 01:26:27.13 ID:fMzwnrOx0
車の中でそれを聞かされた紬を除く軽音部のメンバーは驚いた

律「にっ、2万人ッ?下手したら武道館ライブよりも凄いんじゃ?」

梓「下手しなくても多いですよ!5000人は上回ってます」

澪「にまんにん・・・・・にまんにん・・・・・・」

唯「すご~い!にまんにんってすご~い!・・・ってあれ?あれってもしかしてさわちゃん?」

さわ「ドドドドドドドドドドド」

紬「斉藤、もっと飛ばして!」

斉藤「かしこまりました」

760 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 01:31:54.58 ID:fMzwnrOx0
同日 午後5時


男A「どうだ?準備は順調か?」

男B「あぁ、指揮台の下にスイッチを用意してある。6時にコンサートが始まり、指揮者が指揮台の上に立った瞬間にドカン!さ」

男A「どのくらい火薬は用意したんだ?」

男B「ホール内全体に10ヶ所。1階席から4階席までのそれぞれ8つの入口にひとつずつさ」

男A「かなりの量だな」

男B「最初にスイッチで入口を全部爆破して退路を断つ。それを合図に残りの10発はボスがお好きなように押すそうだぜ」

男A「ボスも人が悪い方だ・・・・そんなにたくさんあるんだ、設置するときに気付かれなかったのか」

男B「大丈夫だ。国外から輸入した小型高性能爆弾をあの分厚い防音ドアの間に仕込んでやったからな」

男A「なるほど・・・こりゃ6時が楽しみだな。ホールの外で見物させてもらうぜ」

764 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 01:40:21.66 ID:fMzwnrOx0
同時刻 サンテリーホール正面

斉藤「こちらでございます、皆様」

紬「時間ピッタリね。さすが斉藤だわ」

斉藤「恐れ入ります。お嬢様」

律「すっげーっ!めちゃくちゃデカイなぁ!」

梓「雑誌とかでは見た事ありましたけど、生で見るとすごい迫力ですね」

唯「澪ちゃんも見てみなよ~」

澪「おっきい・・・・・おっきい・・・」

相変わらず澪は膝を抱え込んでうずくまっている。心なしか、顔も青い

律「澪、もしかして酔ってるのか?」

斉藤「申し訳ありません。不審者に尾行されていたようなので」

770 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 01:48:40.21 ID:fMzwnrOx0
律「いやいやいや!不審者じゃなくて私たち軽音部の顧問なんです!」

唯「今日はさわちゃん先生いなかったみたいだから、こないかな~って思ったんだけど」

斉藤「いえ、そちらに仁王立ちになっておられる女性の方ではありません。車につけられていたようです」

さわ「ゼェ、ハァ、ゼェ、ハァ」

紬「斉藤。やはり・・・?」

斉藤「はい、お嬢様。どうやら今回は何かありそうですぞ」

梓「何か心配事でもあるんですか?」

775 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 01:56:06.00 ID:fMzwnrOx0
紬「実はね、今回の『節分大会まめまきコンサート』でテロが発生するかもしれないのよ」

一同「ええっ!」

斉藤「昨今の不景気の波は琴吹グループにも及びました。そのため経営陣はリストラをせざるを得なかったのです」

紬「お父様は最後まで反対したわ!だけど・・・会社のためだからって・・・」

紬が涙ぐむ

紬「『社員は家族と同じさ』ってお父様が・・・・・」

斉藤「お嬢様、仕方がなかったのです。時代の流れに抗うことは難しいことなのです」

律「つまり・・・リストラされた社員が恨みを晴らすためにテロを・・・?」

澪「幸せを願うためのコンサートなのに・・・・」

唯「私たちの本番なのにぃ!」

律「確かにッ!」

ゴツン!!

澪「おい」

783 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 02:07:27.55 ID:fMzwnrOx0
5時45分 楽屋

律「本番まであと15分かぁ。さすがに緊張してきたなぁ」

唯「準備バッチシだね!」

紬「斉藤、まだしっぽはつかめない?」

斉藤「はい、お嬢様。申し訳ありません」

がっくりと紬が肩を落とす

紬「みんな・・・ごめんなさい、せっかくのステージなのにこんなことになってしまって」

澪「何言ってんだムギ。ムギが持ってきてくれた話じゃないか。みんな感謝してるんだぞ?」

律「そうさ、私たちがこのステージで演奏できる。それだけで涙が出るほど嬉しいんだからさ」

唯「うぇ~ん・・・えぐっ、えぐっ、ムギちゃーん!大好きだよぉっ!」

梓(唯先輩・・・すでに泣いている!?)

789 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 02:13:42.57 ID:fMzwnrOx0
唯「えぐっ・・・そういえばさわちゃん先生は?」

澪「客席で聴いてるって言ってたぞ」

律「よっしゃ!さわちゃんにもいいとこ見せないとなぁ」

紬「がんばりましょう!」

梓「唯先輩も涙を拭いてください」

フキフキ

唯「ありがとあずにゃん!がんばるぞぉっ!」

斉藤「皆様、時間です」

ステージへの扉がゆっくりと開いっていった

791 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 02:19:21.29 ID:fMzwnrOx0
包み込むような歓声

眩し過ぎるスポットライト

客席の上の方はかすんで見えない


唯「わぁぁ・・・・!」

澪「すごい・・!」

すでにオーケストラのためのセッティングはされていた

どうやら前面のオーケストラピットを出したあたりで演奏するようだ

バンドのためのセッティングもすでに出来上がっていた

796 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 02:30:58.46 ID:fMzwnrOx0
5人全員がポジションに着いたあたりで、司会者と思われる人物が出てきた

司会「みなさま!ようこそ『第5回節分大会まめまきコンサート』へ!
    このコンサートが5回目を迎えることができたのも、ひとえに皆様のおかげです!」

司会者はよく通る太い声で話し始めた

司会「毎年毎年、このコンサートでは皆様の幸せを願い、まめまきを行ってきました!
    そして、多くの幸せがこのコンサートから生まれていきました!・・・・では!」

と、言って司会者は観客席から軽音部5人に体を向けた

司会「今年はもう一つ、皆さまに幸せをお送り出来ると思います!」

最後に彼は大きく息を吸った

司会「桜が丘高校軽音部、放課後ティータイムの皆さんです!」

798 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 02:40:17.08 ID:fMzwnrOx0
律がカウントを始める

律「1、2、3、4!」

一曲目はふわふわ時間。ギターが弾き始めると自然と手拍子が始まる

会場全体が一体となった。凄まじい熱気。文化祭の時とは訳が違う

唯(楽しいっ!すごいよぉっ!)

律(凄いビート感だ・・・みんなノってる・・・!)

澪(なんか人が多すぎて、恥ずかしいって思えない・・・!)

梓(・・・・夢みたい!)

紬(どうか・・・無事にコンサートが終わりますように)

801 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 02:49:14.55 ID:fMzwnrOx0
一曲目が無事に終わり、割れんばかりの拍手の中、唯のMCが入る

唯「みなさん、こんばんわーっ!放課後ティータイムでーす!」

応えるように凄まじい歓声が返ってくる

唯「今日はこんなに凄いステージに呼んでいただき、本当にありがとうございますっ!」

ふと、唯は視線を下ろす。さわ子先生と目が合う

さわ(唯・・・がんばれっ!)

唯(・・・!さわちゃん先生!)

唯「今日はあと2曲なんですけど、楽しんでいってください!次の曲は『翼をください』ですっ!」

再び、会場は拍手と歓声に包まれた

802 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 02:55:17.20 ID:fMzwnrOx0
同時刻

男A「おい、予定外だぞ!なんだあいつらは!そんな話は聞いてない!」

男B「聞くところによると、社長令嬢の入っている軽音部だそうだぜ」

男A「糞ッ!もし指揮台の下にスイッチがあることがばれたらどうするんだ!全部パァだぞ!」

男B「まぁまぁ、たかが高校生さ。そんな簡単に気付きやしないよ。それより・・・すごいな」

男A「何がだ」

男B「軽音部だよ。凄い熱狂じゃないか。俺も思わずノっちまうよ」

男A「おいおい・・・ちゃんと任務は遂行しろよ。時間は少しずれたが、後は予定通りだ!」

805 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 03:02:50.52 ID:fMzwnrOx0
同時刻 ステージ

無事に二曲目が終わった。相変わらず会場は大興奮の渦に包まれている

唯「それでは・・・最後の曲です。長いようで短かったこの時間。本当に楽しかったです!」

唯の言葉を聞き終え、律がドラムを叩き始めようとする、その時

唯「みなさんっ!」

突然唯が大声で叫んだ

律「!」

澪「!」

紬「!」

梓「!」

さわ「!」

観客「!」

会場が水を打ったように静まり返った

809 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 03:10:08.43 ID:fMzwnrOx0
律「唯・・・?」

唯は泣いていた。大粒の涙がステージにこぼれている

唯「きょっ、きょうこのステージにっ、、、きているみなさんっ」

周り全員が固唾を飲んで唯を見守った

唯「みんな、みんな音楽が好きなんですっ!・・・・だからっ、、、、だからあっ!」

次の瞬間、唯は全身で声を出した

唯「テロなんてやめてくださぁああああああああああああああああああああああい!!!!」

ホールには唯の声だけが響いた。ホールにいる誰もが唯の声を聞いた

ホールは一体となった。ただ、静かに時間が止まったのかのように。ただ、一体になった




817 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 03:18:12.91 ID:fMzwnrOx0
パニックになってもおかしくない。誰もがそう思った。テロが起こると知れれば間違いなくパニックになる

だが・・・

ホールは静けさを保ったままだった

唯は再びマイクをとった

唯「最後の曲です。聴いてください・・・『OK!前座!』」

いきなり唯の熱狂的なギターソロが始まった。一気に会場は歓声に包まれる

さっきの出来事が嘘のようだった

律はすぐに唯に合わせてドラムを叩き始める。他の3人も次々に弾き始めた

もう何が何だか分からなかった。歓声・怒号・拍手・演奏いくつもの音が混じり合っていた

最高だった

821 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 03:25:17.02 ID:fMzwnrOx0
男A「・・・・・・・ッ」

男B「・・・・・・・・・・・・」

男A「・・・・・ボスッ?」

ボス「・・・・・・・・・・・・・・・・」

ボスと呼ばれた男はホールに設置されていたカメラを通して一部始終を見ていた

彼もまた・・・・唯と同じように大粒の涙を流していた

ボス「・・・・・・・・・・・・・やめだ」

男A「・・・・・・・・・・は?」

ボス「・・・俺にはあの娘は殺せない」

男A「・・・しかしッ!!!」

ボス「すべての爆破装置を解除しろ」

男A「しかしッ!」

男B「了解しました」

824 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 03:34:59.70 ID:fMzwnrOx0
男Aは膝を床に落とし、涙を流し始めた

男A「俺は・・・俺は納得がいきません!なんで!」

ボス「あいつらは俺たちに『もう一度』を教えてくれたんだ」

男A「・・・・・・もう一度、ですか?」

男B「若さ・・・・・・か」

ボス「その若さに俺たちは負けたんだ。同時に、勇気ももらったがな」

男A「・・・・・勇気?」

ボス「あぁ・・・・・こんなテロをやるための勇気じゃない。人生をまた真っ直ぐに歩き始める勇気だ」

そう言って、その男は立ち上がった

男AB「どこへ行くんですかッ!?」

ボス「正しい道に戻るんだ。そのためには歩かなきゃいけないだろ」

3人の人影がホールのそばのビルから現れ、消えていった

827 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/05(水) 03:47:06.48 ID:fMzwnrOx0
その後、軽音部5人のライブが終わった後も、無事コンサートは続けられた

5人はオーケストラの演奏を楽しみ、最後にはたくさんの豆をまいたのだった

コンサートが終わった後、ホールの入口に落ちていた封筒の中に入っていたメモによって起爆スイッチの場所が判明

すぐさま撤去が行われた。手紙には多くの涙の跡が残っていたという

軽音部の5人は行きと同じように紬の車でそれぞれ家まで送ってもらった

みんな、疲れ果ててはいたが、満面の笑みだった

こうして桜が丘高校軽音部5人の初前座演奏は無事、終わりを告げたのであった・・・・・

2月3日の夜。一つの奇跡とともに・・・・・



Fin