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885 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 20:41:46.27 ID:S8Bt7Fyk0

【ひとりぼっちの音楽室戦争】


ガチャ

「あれ・・・誰もいない」

いつもの音楽室。もう部活が始まっていてもおかしくない時間だった

「お~い、リツ!いるんだろ?」

      • 返事は返ってこなかった

「ゆい、ムギ~っ!あずさ~!」

      • いっこうに返事は返ってこない

(何か企んでるのか?でも、梓までいないなんておかしいよなぁ・・・)

「はぁ・・・隠れてるのか?もう高校生なんだぞ。かくれんぼじゃあるまいし・・・・」

バタンッ!

「・・・・え?」

澪から見て右奥のところで、何かが閉まる音がした


887 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 20:44:15.50 ID:S8Bt7Fyk0

「・・・・ちょ、脅かしたってムダだからなっ!!」

そういって澪は音がした方向へ歩いて行くと、案の定棚の扉が開いていた

「おいリツっ!そんなところに隠れてないで出てこいっ!」

だが、反応は無かった

(・・・?風が吹いてる?)

不思議なことに、そこから心なしか空気の流れが感じられた

(・・?これは・・・?)

そこには古めかしい日記のようなものと首飾りが落ちていた

「もしかして・・・別のセカイにいっちゃったのか?」

澪は前に本で読んだことがある物語を思い出していた

(もしかして、4人ともここに吸い込まれて・・・)
888 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 20:48:50.88 ID:S8Bt7Fyk0
「そんなっ!私を置いていくなんて・・・・ひどい・・・・」


澪は体を震わせていた。目には涙をためているように見える

「リツぅ!ゆいっ!ムギっ!あずさっ!お前たちのこと大好きだっんだぞ!」

ついに澪は大声で泣き始めてしまった

「いま、、、今助けに行くからなっ!」


そう言って澪は棚の中に入って行った

889 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 20:52:56.71 ID:S8Bt7Fyk0
「・・・なんじゃこりゃ?」

澪が驚いたのも無理はない。そこにあったのは弱で運転していた扇風機だった

「りつぅうううう!」

澪の怒りのボルテージがいきなりMAXになった

無理もない。棚の奥にはファンタジーワールドではなく扇風機が広がっていたからだ

「でてこいっ!りつぅ!」

891 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 21:01:03.49 ID:sSgiu8T40
「申し訳ありませんっ!」

「申し訳ありませんですむ問題かっ!!・・・て、あれ?」

今確かに声がした。しかしどこにも人がいない。人影すら見当たらない

(空耳かな)

「空耳ではありません!私はここにいます!」

声のしたほうに振り向くと、ピックが落ちていた

(・・・やっぱ気のせいか)

と、澪が思った瞬間、ヒョコっとピックが起き上った

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

澪は気を失ってその場に倒れてしまった

「あちゃぁ。無理もないかぁ」

ピックはヒョコヒョコ倒れた澪のまわりを飛びまわりながら、そうつぶやいた
892 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 21:06:35.24 ID:sSgiu8T40
どのくらい経っただろうか。澪が目を覚ますと、さっきと変わらぬ景色が広がっていた

「もしもし、お目覚めですか」

「・・・んっ。って、うわああああ」

やはり目の前にあのピックがいた。夢じゃなかったのか

「ちょ、落ち着いてください!話だけでも聞いてもらえませんか」

「うぅ・・・こわくない?」

「え?」

「おまえはこわくないのか?」

「えぇ、大丈夫ですよ。むしろあなたの味方です」

「よかったぁ」

澪はほっと一息をついた

894 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 21:15:10.04 ID:sSgiu8T40
そして思い出したようにピックに話しかけた

「私より先にここに来ている人を見かけなかった?」

「えぇ、見かけました。そしてさらわれる一部始終もすべて」

「知ってるのか!・・・って、さらわれた!?」

恐ろしいことさらりと言ってくれるピックだ。一体何があったというのか

「えぇ、残念なことに私と敵対している勢力に捕らわれてしまいました」

「今どこにいるんだ?」

「あそこです」

896 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 21:18:10.84 ID:sSgiu8T40
そう言ってピックが指差した・・・といっても手は無いので、軽く動いただけだが
その方向は・・・

「職員室!?」

「えぇ、あいつらは自前の小型戦艦を使ってあなたの友人を小さくして連れ去ったのです」

さっきから何度思ったか分からないが、イキナリ何を言い出すのだコイツは

「ちょっと、いきなりそんなことを言われて信じろって言うわけ?」

「あなたの友人がいないのが何よりの証拠です」

そう言われて返す言葉が無くなった
897 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 21:22:02.83 ID:sSgiu8T40
「どうして。。どうしてリツ達はさらわれたの?理由が分からない」

「奴らの悪巧みを見てしまった。とでも言ったらいいのでしょうか。要するにタイミングが悪かったのです」

「助けに行く方法は無いの?」

「もちろんありますよ」

そう言ってピックはまたピョコピョコ跳ねた

「私と同じ大きさになって、やつらの本拠地に乗り込むのです」

「直接職員室に行ったほうが早い気がするけど」

「普通に探していては絶対に見つからない場所にやつらの本拠地はあるのです」

そう言って、ピックはさっき澪が入ろうとした棚の中に跳ねていった
898 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 21:26:41.26 ID:sSgiu8T40
「これは一見扇風機に見えますが、ワープ装置です。扇風機に偽装してあるのです」

「えっ・・・どう見ても扇風機にしか見えないけど」

確かに扇風機にしか見えないそれはまだ弱で動いていた

「とにかく、私を信じてついてきてはもらえませんか。私も今大変困っているのです」

「う~ん」

どうすべきか、さっきから言ってることはどこかで読んだSF漫画そのまんまだし、なんかご都合主義な気もする

(でも・・・4人を助け出すためなら・・・!)

「わかった。一緒に行かせてもらうよ」

「ありがとうございます!それではちょっと失礼」

次の瞬間、パッ!とフラッシュをたかれたときの眩しさを感じた


899 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 21:31:30.25 ID:sSgiu8T40
      • 気がつくと、あのピックが目の前に立っていた。自分と同じくらいの大きさだ

「うわっ!」

澪は思わず驚いてしまった

「このサイズにならないと、あのワープ装置は使えないのです」

そう言いながら、ピックは扇風機の方に向かって跳ねていった

「あのさ」

澪の呼びかけにピックは動きを止めた

「なんて呼べばいいかな?」

しばしの沈黙

「そういえば!自己紹介がまだでしたね。ピックといいます。ヨロシクお願いします」

(そのまんまやないか!!)

901 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 21:35:44.99 ID:sSgiu8T40
(そうだ、私のほうも自己紹介しないと)

「みお。でいいよ。よろしくね」

「それでは行きましょう!みおサン」

ピックは扇風機のスイッチがある辺りをガチャガチャといじっていた

「準備完了ですっ!ワープスタート!」

突然、扇風機の羽が光り始めた。七色の光がピックと澪の体を照らす

(・・・頭がぐらぐらする)

ジェットコースターとまでは行かないが、結構揺れる感触がした

904 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 21:40:31.59 ID:sSgiu8T40
次の瞬間、澪達は薄暗い場所にいた

「・・・ここは?」

「奴らの本拠地の目の前です。ほら、あそこが入口」

確かに入口のような門がそこにあった

だが・・門番がいるべきところにいたのは・・・

「お菓子っ?」

どう見てもクッキーにしか見えないモノがそこでかすかに動いていた


「あいつらが私たちの宿敵『カシカシ団』です」

ピックはクッキーに睨みを利かせるようにして、そうささやいた

906 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 21:47:37.96 ID:sSgiu8T40
その時、門の奥から悲鳴が上がった

「た、助けてくれぇ!コイツ人食いだっ!」

「あ、まてぇ!がぶってかじっちゃうぞぉ!」

(・・・あれは、唯!?)

紛れも無く唯だった

「あっ、みおちゃんっ!」

「ゆいっ!会いたかったぞぉっ!」

二人は門の前でかたく抱き合い、再会を喜び合った

「何してたんだ?」

「気づいたら、動くお菓子が周りに一杯いて、おいしそうだからかじったら・・・」

「悲鳴をあげた。って訳か」

「そうだよっ。もう、いきなりだからビックリしちゃったよ」

唯の口周りにはまだクッキーのチョコがついていた

「でも、おいしかったからいいや」

唯はいつもの笑顔でニッコリ笑って見せた

914 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 21:58:28.68 ID:sSgiu8T40
「すごいっ・・!あのカシカシをやっつけてしまうなんて、なんてすごいんだ!」

ピックが近づいてきた

「あれぇ、なにこれ?」

「ピックだよ」

「あぁ、あのギター弾くときに使うやつかっ」

「いい加減名称覚えろよ・・・」

澪はあきれてしまった

「あの、、、あなた、名前はなんと言うんですか?」

「私?ゆいだよ。よろしくね」

「よろしくです。ゆいサンはお強いんですね」

「どうして?」

「カシカシのやつ、逃げていきましたからね」

「お菓子食べれなくて残念、残念だよっ」

話がかみ合っていない

918 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 22:05:25.65 ID:sSgiu8T40
「ところで、ムギと律はどこにいるか知ってるか?」

「音楽室にいっしょに入ったところまでは覚えてるんだけど・・・」

「もしかしたら、建物の中に捕らわれているかもしれませんね」

それを聞いて澪は少し考えてみた

(相手はお菓子。こうなったら・・・)

「よし、こうなったら強行突破だ!いくぞ、唯!」

「あ、待ってよ、みおちゃん!」

「ご一緒しますっ!」

3人は門の中へ駆け出していった
919 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 22:08:10.74 ID:sSgiu8T40
門の中に入ると、それは驚きの光景だった

「わ~!全部お菓子だっ!」

そこはヘンゼルとグレーテルばりのお菓子の要塞だった

「ピック、捕らわれているとしたら、どこかな?」

澪が走りながら尋ねる

「おそらく一番上の司令室ではないかと・・・」

(ベタだな・・・・)

と、その時、向こうから5枚ほどのクッキーが現れた

「止まれっ!ここから先は通さん!」

「わぁ、紅茶クッキーだっ!おいしそうっ!」

そう言って唯が一番前にいたクッキーに飛びかかった

922 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 22:10:17.83 ID:sSgiu8T40
「うわっ!」

「おいひぃ~。もぐもぐ」

「た、たすけてくれッ!食べられるッ!!」

「みおちゃんも食べなよっ」

唯はそう言ってポキッとクッキーの端のほうを折った

「ぎゃぁああああああああああああああああ」

どうやらクッキーは息絶えたようだ

「ひぃッ!!」

後ろにいたクッキー達はあっというまに退散してしまった

(なんだこりゃ・・・・)

唯にもらったクッキーを食べながら澪はあきれていた

925 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 22:12:47.20 ID:sSgiu8T40
要塞の司令室まではそんなに時間がかからなかった。何しろさっき以来全く迎え撃つ気配が無い

「ここが司令室です!」

ピックがそういってドアを開けた

中には律とムギと梓がいた。どうやら眠っているようだ

「3人とも、大丈夫かっ!?」

澪はすぐに駆けよった。そして体を揺さぶってみた

「あら・・・私ったらどうして・・・?」

「・・澪かぁ。どうしたんだ、そんなにあわてて」

「澪先輩、それに唯先輩まで、どうしたんですか?」

3人ともすぐに目をさましてくれた

すると、その後ろで声がした

「覚えてろよッ!」

928 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 22:17:27.67 ID:sSgiu8T40
マカダミアナッツチョコレートのような黒い塊が窓から逃げ出そうとしていた

「あっ!待てっ!」

澪は体が窓より大きく、中々逃げ出せないでいたその黒い塊を横から蹴った

「あ痛ッ!!」

ゴロゴロとその黒い塊は床に転がっていく

その先には唯が待ち構えていた

「いただきま~すっ!」

「ぎゃぁああああああああああ」

      • 黒い塊がどうなったかは推して知るべし

933 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 22:22:09.58 ID:sSgiu8T40
唯がすっかり黒い塊を食してしまったのを見て、ピックがお礼を言ってきた

「本当に何といったらいいか・・・ありがとうございました!」

「いや、お礼を言われるような事をした覚えは無いんだけどな」

ピックが感謝してくれるのはありがたいが、澪はそれを受け取るような気にはなれなかった

「とりあえず、4人とも無事見つかったし、これで帰ることにするよ」

「そうですか、では帰りましょうか!」

パチン!と音がした


934 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 22:25:50.09 ID:sSgiu8T40
「・・・お~い、みおっ!大丈夫かぁっ!」

(んっ、律の声がする?)

「どうやら意識が戻ってみたいですね」

「あれ、ムギ?どうやって戻ってきたんだ?」

「なんのことですか?私はずっと音楽室にいましたよ」

「最初にムギ先輩が音楽室に入ってきたときには、もう澪先輩が倒れていたそうなんです」

「心配したよっ!みおちゃんっ」


(・・・夢だったのか?)

938 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 22:30:31.55 ID:sSgiu8T40
「ホントにビックリしたんだぞっ!澪が音楽室で倒れてるっていうから、急いで駆けつけて・・・」

よく見ると律が涙目になっていた

「いったいどうしたんですか?」

「・・・夢、みてたんだ」

「・・・夢?」

「うん、お菓子がいっぱい出てくる夢。ピックといっしょに戦ったんだ」

「みおっ!気は確かかっ!」

律は今にも泣きそうだ

「ごめんごめん、冗談だよ。ほら、もう立てるし」

そういって澪は立ち上がってテーブルのほうまで歩いていった

「・・・あれ」

そして何かがテーブルの上にあることに気づいた

945 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/07(金) 22:38:54.74 ID:sSgiu8T40
「あら、お菓子が。私は今日お菓子は持ってきてませんよ」

(ムギじゃない・・・じゃぁ、誰が?)

よく見ると、お菓子の入った皿の近くにピックが落ちていた。そう、あのピックと同じピックだった

(そっか・・・やっぱりアレは・・夢じゃなかったのか)

「みんな、テーィタイムにしよう」

「あれっ、みおちゃんから言い出すなんて珍しいっ!」

「みおっ!やっぱりおかしくなっちゃったんじゃ・・・」

「だいじょーぶ!ほら、ピンピンしてるだろ?」

澪は腕をくるくると回して見せた

「ちょうどお菓子が置いてあったから、ティータイムに持って来いかな。って思って」

「そうですね。ちょうど私も小腹がすいてましたし」

梓もやってきて澪の隣に座った

(やっぱり、あれは夢じゃなかったんだ・・・!)

澪はいつもよりニコニコしながらクッキーをかじり始めた
(おいしいなぁ!)

おわり