※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ 2』というスレに投下されたものです
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1247988782/l50

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 00:44:26 ID:qT+BuVTF
 朝、起きると、まず体がグラリとした。
なんかおかしいなー、と思った矢先に、頭に痛みがズキズキとあるのに気づいた。
なんかやっぱ変だと思って、ちょうど憂が部屋に来たので、私は体の不調を柔らかく訴えてみた。
急に憂がこの世の終わりみたいな顔をしたかと思うと、マッハで部屋を出て、マッハで手に体温計を持って部屋に戻ってきた。
そんなことはないと否定する私を一喝して、憂は私の体温を測って、体温計の液晶を見て憂が出した答えが、

「今日は学校休みなさい!!」

そんなぁ。
――――と、いうのが今朝の話。
 ……あ、携帯震えてる。メールかな。
只今の時間、午後6時ちょっと過ぎ。平日。学校は、部活……もう終わったのかな。流石に。
ボーッとする視界を振り切り、携帯に手を伸ばす。送り主は澪ちゃんなのに、『軽音部面々より』と、メールの文頭には書いてある。
読んでみると、『今日は学校休んで残念だ』、とか『あんま心配させるなよ』とか、メールに書いてある。
その優しさにポワポワしてると、最後のほうに、何やら意味深な二文が。
『ちなみに、私たち先輩3人で相談した結果、そちらに使いを送ることにした。見舞いには行かないが、明日は学校に来いよ』
見舞いに来てくんないだなんて!!そんな!!裏切られた気分!!ショック!!!
りっちゃんの時には来てくれてたじゃん……、とか熱ってる頭でボーッと考えていると、ふと思考を止まらせる。

『使い』って何?

そう思った瞬間、その疑問を遮断させるように、部屋のドアがコンコン、と鳴った。
返事をする元気はあまりない。でもとりあえず生きてるよと暗示させるために小さく「あーい……」と返事してみた。
多分憂だろうなー、ごはんかなー。おなかすい……
「し、失礼します」
「たぁぁぁああぁぁあずにゃああああん!!??」
「うわぁ、なななななんですかーーーー!!??」
 なんとなんと、部屋に申し訳なさそうに入ってきたのは愛しのあずにゃんではないですか!!
501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 00:48:18 ID:qT+BuVTF
わああすごい。夢かな?夢?痛い?痛くない!!
「ちょ、唯先輩、何自分のほっぺなんてつねってんですか。大丈夫ですか?」
「えっ!?あ、うん!へいきへいき。だいじょーぶだよー」
 どうやら無意識のうちにやっちゃってたらしい、確認。
もー、とあずにゃんは怒ってるようだけど、ドアの閉め方はすごく丁寧なところを見ると、あんま怒ってないみたい。
ベッドで横になってる私に近づくと、あずにゃんは、ずい、と持っていた紙袋を目の前に差し出した。
「これ、軽音部のみなさんからです。って、まぁ、今日のティータイムのお菓子なんですけど……」
「お菓子!本当!?わ~今日食べられないって思っててすっごく残念だったんだ~。ありがとうっ」
 袋を受け取り中を見る。ケーキ屋さんみたいな入れ物に入ってるから、ケーキかなぁ。まぁ、今は食べる元気なんてないけどね……、残念。
「……唯先輩、ホントに熱あるんですか?なんか、すごい元気ですけど」
「えっ。やだな、ホントだよぅ。ああ~頭が痛い~っ」
「今更ですかっ。……まぁ、唯先輩らしいですね。ふふっ」
 猫みたいに笑うあずにゃんは、なんというか、やっぱりかわいい。
おっと、いけない。こんなこと思ってたらまたあずにゃんになんか言われるね、顔に出ちゃうから。危ない危ない。
「でも、その調子だと、あんま悪くなさそうで安心しました。今朝、憂すっごく暗かったんで、なんかすごく大変な状態なのかと」
「憂は大袈裟だからね~。仕方ないよ」
 私も、今朝の憂の慌てぶりを思い出し、少し苦笑する。
それを見たあずにゃんが、おんなじように苦笑して、私のそばに座る。
「やっぱ、顔赤いですね、唯先輩」
「え!?そ、そう?」
 あずにゃんの顔が近いれす!!ヤバい!!なんで近づけるの!!?うっひょうなんか変なテンションになってきたよう……!!
「熱、何度くらいですか?」
「え?う、う~ん……。39、とか?」
「高っ!!ちょ、大変じゃないですか!!」
 えっ、なんか今テキトーに頭に出た数字言っただけなんだけど……。
てゆうか、何度とか、そんなの一回寝たら覚えてないよう……。
「だ、だめです!ちゃんと寝てないと!!ほら、布団ちゃんとかぶって!!」
「うにゃ、あずにゃん、大袈裟だよ~」
「大袈裟なんかじゃないです!唯先輩が、もしいなくなっちゃったりしたら……」
「したら?」
502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 00:51:24 ID:qT+BuVTF
あっ、と小さく呟いて、口元をおさえる。 
すると、あずにゃんの顔がみるみる赤くなっていく……、わぁすごい。なんで赤くなってるんだろう。かわいいけど。
「ななな、なんでもないです!!とにかく、寝るんです!!」
「あわわ、分かったって、あずにゃ~ん」
 あんまりにも必死に私を寝かそうとするので、仕方なくそれに応じる。
でも、あずにゃんが折角来てくれたのに、ゆっくり寝ちゃうなんて、そんなの勿体ないよね……。
「ところであずにゃん、今日はなんであずにゃんだけなの?」
 なので、あずにゃんとお話タイムにすることにします。
「へ?あ、ええと。なんか、他の先輩方が、そのほうがいいって……」
「他って、軽音部の?」
「はい。私は、皆さんとで行ったほうがいいと思ったんですが、なんか、私一人だけのほうが唯先輩が喜ぶって……」
 はぁ、なるほど。流石澪ちゃんたち。私の好みを知ってるなぁ。
でもなんか、事を率先して決めたのがムギちゃんなような気もするけど。はて、なぜだろう。風邪で変になっちゃったのかな?私。
まぁ、嬉しいことには変わりないけどねっ。
「で、あのう、先輩……」
「んぅ?なに?」
 あずにゃんが改まってもじもじとしながら、言葉を選んでいる。
女の子座りで、手をもじもじとさせるのは、ずるいと思うんだ、あずにゃん。
「わ、私だけで、良かったのでしょうか?」
「ん?なにが?」
「だ、だから、そのぅ。……お見舞い……」
 ああ、なんだ、そんなことかぁ。
流石にまだ体がダルいので、手だけあずにゃんのほうに伸ばして、やや下を向いているツインテールな頭の中心部をなでなでしてあげる。
「うん。あずにゃんが来てくれて、あずにゃんとお話しできて、すっごく嬉しいよ」
 だってあずにゃんの表情は誰よりも心配そうで、
私がそれほど体調が悪くないと分かると、ものすごく安心した顔をしてくれて、
そんなあずにゃんに、来てほしくなかったなんて、心にもないこと、言える訳がない。言う必要もないしね。 
503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/23(日) 00:54:00 ID:qT+BuVTF
 するとあずにゃんは、一瞬驚いたような顔をして、かと思うと、またいつものような、

「はいっ!」

とかわいい笑顔を、私に見せてくれるのでした。
 うん、やっぱあずにゃんが来てくれて、よかった。皆に感謝しないとなぁ。
でも、あんまり嬉しいから、やっぱり愛の抱擁をやろうと思ったのに、拒むのはなんでだい、あずにゃん。
あ、私がまだ風邪治ってないからか……。あうう。
「早く風邪治してくださいね、唯先輩」
「あーい……」
「待ってますから」
 ん?誰が?何を?……あれ、あずにゃん、どこ行くの?え?憂と話してくる?ああ、そう……。
…………なんであずにゃん、顔赤かったんだろう。風邪うつっちゃたかなぁ。いやいや、ううん……。
 ……早く風邪治そう、私。あずにゃんのために、ね。

おわり




すばらしい作品をありがとう