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198 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 20:25:52.19 ID:h+Z/xagHO
『桜高少女』これまでのあらすじ
ひょんなことから唯たち軽音部は自分たちにしか倒せない改造人間と戦うことになる。
潜入した4人は梓を救出することに成功したが巨漢の男と出くわしてしまう。
律の捨て身により唯たちはからくも逃げ出すことに成功したが、その代償として巨漢の男と激闘を繰り広げた律は命を散らしてしまった…。


200 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 20:30:36.32 ID:h+Z/xagHO
男「さて、おそらくこの大通りをまっすぐ進んでいるでしょう…。中野様のあの体ではそう長く歩けないでしょうし…ふふふ。少しだけの延命に田井中様は召されたわけか…」

男「アリもトカゲもヘビももはや必要ない。改造人間でなくても人間自体を我が物にするのだから…」

?「・・・。」

男「あなたもそうお考えでしょう?」

『桜高少女』第九話「決戦!」


202 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 20:33:04.82 ID:h+Z/xagHO
「りっちゃん!」
唯の中から律のぬくもりが消えた。何故だかはわからない…しかし彼女はわかってしまったのである。律が力尽きこの世を去ったことを…。
「どっどうしたんですか唯先輩!?」
ただならぬ雰囲気の唯に梓が話しかける。
「…りっちゃんが………うっ……りっちゃん…どうして…」
唯はそのままへたり込み、黙り込んでしまった。
「ゆっ唯先輩…なっなんですかそれ…。まるで…まるで律先輩が……澪先輩!ムギ先輩!唯先輩になんとか言ってあげてくださいよ!!こんな…こんな悪ふざけをここでするなって…」
梓が他の人間にすがるが残りの二人は何も答えない。唯の特異な力をわかっているからこそ、それは覆ることない事実なんだと理解していたからだ。だから、その現実を認めたくなかった。


205 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 20:48:40.97 ID:h+Z/xagHO
長い沈黙が4人を包み込んでいた。

「・・・腹をくくろう…」

澪が搾り出すように声を発した。
「このままじゃあの化物が私たちに追いつく。そのまま正面でぶつかっても勝てない相手なんだ…ならば奇襲できるよう今の内に準備しよう…」
澪が気丈に振舞う姿は残りの部員にどう映るのだろうか。
「唯、ムギ、お前たちが奇襲の役割だ。私がなんとかあいつの注意をひきつける。
そこに唯が割って入ってガードされてもいいから一撃を見舞ってくれ。おそらく唯の攻撃なら相手をよろめかせることができるはずだ。」
「そして出来たスキに私が魔石を投げ込むのね…。」
澪の提案を汲み取った紬が言った。
「そうだ。…梓は唯たちと一緒に隠れてくれ。私が足止め役としてここに留まったと相手が思ってくれれば戦いも楽になるだろうからな。」
あくまで冷静に、戦いの手はずだけを周りに話しかける澪である。これ以上の逃走は梓が体力を吸い取られている現状では不可能なのだ。ならば戦うしかない。それだけしか考えない。
そう、あいつが…あいつがただやられるわけがない…。きっと…何か遺してくれている…。


207 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 20:51:09.66 ID:h+Z/xagHO
「澪ちゃん…私…絶対スキを作る!!りっちゃんのために!」
「嘘です!嫌!!!嫌です!!!!」
唯の決意をかき消すように梓が声を荒げる。
「律先輩はきっと帰ってきます!!それをどうし」
パン、と乾いた音が響く。その音は梓の頬から発せられたものであり、その音を生み出したのは澪だ。
「梓!!甘ったれたこと言うな!!律は…あいつは私たちのために死んだんだ!!あの化物に正面から戦って勝てる人間なんていないんだよ!!
それを…それをわかってあいつは死にに行ったんだよ!!」
抑えきれない感情があふれ出す。誰よりも悲しみに暮れたいはずの少女が、誰よりも悲しみを堪えて言った。
「梓、私は律の死を無駄にしない!必ずあいつを倒して仇を討つんだ!ここで私たちまで死んだら…あいつはなんのために私たちを逃がしたんだ!!」
「うぐ…だって…だって…わああああぁぁぁぁん!律センパーーーーーイ!!」
そのまま、澪はみなに背を向け静寂を貫いた。


212 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 21:13:42.34 ID:h+Z/xagHO
「澪ちゃん…あずにゃんだってわかってるんだよ…。でも…」
泣き崩れた梓をそっと抱き寄せた唯が澪の背中に語りかける。澪はこちらを向かないので表情をうかがい知ることはできない。
「・・・さあ、準備してくれ。」
あくまでいつも通りに、部員をまとめる澪の肩はようやく顔をのぞかせた朝日に照らされ…震えていた。


「…この3つある魔石を一つでも命中させられれば…」
唯がそうつぶやく。
「任せて…必ず当てるから…!」
紬は、短く答えた…。


214 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 21:15:45.84 ID:h+Z/xagHO
夜明けである。幸いか、あの巨漢の男に索敵能力はなかった。彼女たちに知る由もないがそれが相手を待ち構える時間として彼女たちにプラスとなった。
本拠地である店からここまで大通りの一本道、おそらく巨漢の男はこのままやってくるだろうと予想した澪により大通りで全てを決めることになった。
澪以外の人間はすぐ近くのビルの2階に隠れている。
「きたか…。」
澪のつぶやく先には忘れもしない、死をまとった巨漢がいた。


222 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 21:31:47.55 ID:h+Z/xagHO
「おや、わざわざ出迎えてくださるとは…。」
巨漢の男はさも驚いたかのようなトーンで澪に話しかける。そして早くも相手の意図を理解したようだ。
「なるほど。田井中様と同じように時間稼ぎをしようというわけですね。確かに、中野様はあのままではまともに歩くことすらままならないでしょうからね。再び一人が時間を稼ぐ…懸命な判断です。」
そしてそのまま澪へ突進し腹部目掛けて槍を旋回させた。
「こっちの話も聞かずに攻撃とは随分だな!」
それを軽く避けた澪は杖から星型のエネルギー波を放った。
「ええ、時間もありませんし田井中様の件もございますから…。彼女は実に英知をお持ちの勇敢な戦士でした。
私は強い者は平等に称えます。あなたも以前に増して力強くなっているようですね。やはり平沢様の力を受けていらっしゃいますね…。」
息も乱さず正確無比な突きを全て澪の急所に放つ巨漢の男はそのどれをもらっても一発で体が吹き飛ぶかのような攻撃であっても足りぬと感じたようだ。
「困りましたね。田井中様と違い攻撃に転じてこられないようなのでスキがありませんな。」
「唯の力だかなんだか知らないけど私たちは5人で軽音部なんだ!!全員で力を合わせて…お前を倒す!!」
攻撃をしてこない…そう言われた澪がはじめて敵の懐に飛び込んだ。
それを杖による殴打にきたもの…つまり攻撃に来たものだと考えた巨漢は澪を迎撃すべくスキだらけに見える下半身へ槍をなぎ払う。


226 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 21:46:22.75 ID:h+Z/xagHO
「スターロッド!!」
しかし澪は掲げていた杖を接地させ必殺技のエネルギー波を地面に飛ばした。そして・・・
「跳んだ!?」
巨漢の男が驚くのも無理はない。澪はエネルギー波の反動により空高く舞い上がったのだ。その動きはおおよそ人間の身体能力のみで出来る動きではなかった。
なぎ払われた槍の軌道を空から確認した澪は声を上げた。この一瞬しかない。
「今だ唯ーー!」
ガシャン!!古びた廃ビルの窓ガラスを突き破りドンピシャのタイミングで唯が巨漢へダイブした!!槍を払い硬直している巨漢の男にそれを避けることはできない。
「なんだと!?上からくるだと!!」
男は咄嗟に槍を片手で持ち返し唯へ向けるが間に合わない。
「唯ストラーーーッシュ!!」
唯の必殺技が巨漢の槍を突き抜け粉砕。同時に相手を大きくよろめかすことにも成功した。


230 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 22:04:54.58 ID:h+Z/xagHO
「下がって唯ちゃん!!!」
落下時に攻撃したためバランスを崩していた唯は転がるように巨漢から距離を取った。そして間髪いれずに紬が上空から飛び降りざまに魔石を投げつけた。
「もう一人だとおおお!!!」
巨漢の男が恐怖している。目の前に飛んできたそれはコンマ数秒の後炸裂した。豪快な音と共に辺り一帯が土煙につつまれる。
「やったか!?」
澪は視界の晴れぬ巨漢がいた先を見つめた。だが、予想外の出来事が数秒もしない内に眼前に広がる。
「・・・驚いた…まさかそんな隠し玉があるなんてな…。」
畏敬の存在として祀られているかのような巨漢の男が、まだそこにはいた。
「うそ…」
思わずそう呟いた唯は、このときはじめて自らの死を予感した。
「ぐ…ぐは…」
苦しむ紬…。巨漢の男は右腕を吹き飛ばされている。そして残った左手には槍ではなく紬が握られていた。
そう、今目の前にいる巨漢は先ほどまでの人間に見える存在ではなく完全なる異型の存在となっていた。
体の大きさは先ほどの2倍弱、手は女性の胴体を片手で握り締められるほどの大きさであった。


236 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 22:23:33.35 ID:h+Z/xagHO
「ふふふ…残念だったな。右腕で防いだ結果片腕を失ったが…まあいい。」
手を握る力を強め紬の腹部を締めつける。
「ムギ!!」
澪の問いかけに苦痛に喘ぐことでしか紬は答えられない。そのまま巨漢は人ならざる姿を紬の目に焼き付けさせ、相手を恐怖に貶めるためあざ笑った。
「ふはははは!あとほんの一握りで骨が砕け、さらに力を加えれば肉もちぎれ、そして上半身と下半身がそれぞれ分別されるなぁぁぁぁぁ!!」
これが本性か。姿が変わり言葉も異型の見た目に釣り合う下劣なものへと変化した巨漢は最後通告を紬にかけた。
「おいお嬢さんよぉ!?最後に言い残すことはねぇかええ!?」
「あああぁぁッ!!」
紬の悲痛な叫びを止められる存在はここにいない。
「ムギちゃん!やめてー!」
唯の声を聞き満足したか、巨漢は声高らかに宣言した。
「見ろ!血と肉と骨が飛び散ってびちゃびちゃになるぞぉぉぉ!!」


240 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 22:28:01.87 ID:h+Z/xagHO
「・・・ふふふ…そんなことだろうと…思ったわ!」
その宣言を不敵に笑う者…それは誰あろう先ほどまで苦しんでいた琴吹紬である。
「あまり低俗な言葉は慎みたいけれど…今の言葉はそのままあなたの末路になるわ!」
そして紬は右手に隠し持っていた残りの魔石を敵に見せ付けた。
ここにいた全ての人間が驚愕し事態を飲み込むことが遅れたほどだ。
まさかここへきてそのような余裕と予測を彼女がしていたとは…。先ほどまでと全く逆の立場となり慌てた巨漢は手の力を増そうとするがもう遅い。
「もらった!」
紬は残りの魔石を相手の顔に投げつける。前述の通り相手は右腕を既に失っており左腕は紬を掴んでいるので動かせない。つまり魔石は顔面に直撃する以外なかった。
爆音と共に閃光が一面に広がり世界を支配する。その様子を一同は呆けた顔で見ることしか出来なかった。


246 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 22:38:01.84 ID:h+Z/xagHO
「うふふ、やったわね!」
そんな周りの表情を一通り見回した紬が笑顔でそう言った。その言葉を聞いてようやく現実に戻ってこられた唯と澪は勝利よりも先に紬に声をかける。
「ムギちゃん酷いよ!!てっきり巨漢さんに捕まれてピンチ!!だと思ったのにぃ」
唯の拗ねた表情を笑顔で見つめる紬は場の和む口調で詫びた。
「ごめんね。だけどこういう作戦はその場にいる全員を騙さないと成功しないから…。」
「ったく…まさかムギがそこまで勝負師だとはな…まあいい、ようやく終わったんだから…」
紬のイタズラ大成功な表情に安堵しつつ澪が全ての解決を口にしたとき、その異変に気付いた。
「!?ぎゃあ!!あ…あっ…」
声の主は紬である。
「どうしたのムギちゃん!?」
慌てた唯の声に答えたのは、もはやこの世界にいないはずの…異型の主だった。
「見事だねぇ…ああ、まさか死ぬとは思わなかったよ…。」
顔を吹き飛ばされ崩れ落ちていた体が元の巨漢に戻り、そのままであった紬を掴んでいた左手に力を加える。
「そっそんな…あれを直撃させても…駄目…な…ぶはぁっ!!」
鮮血を口から吹き出した。
「ムギちゃん!!ムギちゃんを放せ!!」
持っていた剣で腕に切りかかるが紬を握り締めたまま、その腕を振り子のように回し唯の攻撃を唯ともども弾き返した。


248 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 22:48:57.13 ID:h+Z/xagHO
「最期に教えてやるよ。俺は死んだ…確かに死んだよ。そうそう、あの田井中の小娘にも殺されたんだ。けどよぉ、残念なお話なんだな。
俺は今まで殺した相手の命を自分のモンにしちまう特異な体をもってんだよお!ウケるよな。ここでお前らをバラバラにしてやるだけで2回死んでも甦られるのさ。
ああ、平沢唯と中野梓は大事な客だから死なれちゃ困るんでカウントに入れてないぜ!」
嘘…澪か唯か、あるいは紬か、誰かがそう発した。それだけである。
「まあいいじゃねーかよー。田井中の命分は俺を殺したんだし!お釣りなしだぜ!!」
「はあ!!」
唯が再び切りかかる。だが今度は唯の攻撃を甘んじて受ける巨漢、その腕が切り落とされることはないと判断したからだ。
「平沢唯、別に悪あがきするのもいいけど教えてやるよ。」
そう言うと男はこの状態を心底面白がりながら舐めまわすように周りを見回した。
「俺の命は…あと」

「5―――3万回あるぜ?」


250 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 22:58:16.75 ID:h+Z/xagHO
絶望…それだけが広がった。唯の手から剣が落ちる音が、むなしく響き渡った。

「そーゆーこった。じゃあまずはツムギちゃんがバラバラになりまーす!」
そのまま巨漢は楽しむように紬を地面に叩きつける。鈍い音が響く。
「楽しいなぁ!なあみんな!!」
そしていつの間にか両腕が生まれていた巨漢は紬の頭を両手で握り締めた。
「さ!そんじゃーこのまま頭絞ってジュースにするから飲みたい奴はこっちきな!!」
紬は気絶しているのか動かない。もはや誰一人としてこの場で立ち上がれるものはいなかった。


255 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 23:04:39.71 ID:h+Z/xagHO
そう、いないはずであった。
「諦めちゃダメです!!!」
廃ビルの二階から大ガマを振りかぶり死の世界に飛び込んできたのは梓だった。
ズシャっと鈍い音と共に巨漢の両手は手首の部分からちぎれ、紬は地面に投げ捨てられた。
「あ…あずにゃん…」
その姿を確認した唯が死に体の状態で声を出す。
「先輩!!諦めちゃダメです!まだ…まだやってやるんです!!あんな…あんな奴に私たちは負けちゃダメなんです!!」
言葉とは裏腹に、先ほどの一撃に全ての力を使い果たしたのか梓は足元もおぼつかない。
「けけ…中野梓…馬鹿を言うなよ、これで諦めない奴は人間じゃあないぜ?」
その思いを踏みにじるように巨漢の男が梓に言い放つが、梓は罵声を鼓舞する力に変える。
「私は戦います!…律先輩のために!!」
当然心意気で倒せれば誰も傷など負わない。梓は巨漢にあしらわれ体の傷をいたずらに増やしていった。
「りっちゃん…」
その姿をぼーっと眺める唯は思った。そうだ…そうだ…自分に問いかける。
「りっちゃん…一人で…たった一人であいつと戦ったんだよね…」
気付くと同じく戦意喪失していた澪が隣にやってきていた。
「唯…私も諦めていた…律に笑われるよな…馬鹿みたいだ。」
そういうと澪も梓に加勢するため巨漢の男へ立ち向かっていった。


256 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 23:08:47.04 ID:h+Z/xagHO
「そうだ…そうだよ…。だって…私たちは軽音部だもん…。みんながいれば…絶対誰にも負けないもん!!!」
そのとき、唯の足元に転がっていた無骨な大剣が光を放つ。そのヒカリは朝日のような黄金色をしていた。
「え…?つるたん…?」
自分の武器が先ほどまで握っていたそれと大きく異なっていることに唯は気付いた。その剣は無骨さが消え、装飾された全体像に包まれ刀身は鮮麗され黄金色に輝いていた。
「もしかして…これがつるたんの本当の姿…?」
唯以外の武器はそれぞれ持ち手の心を反映したかのような特徴がある、言うなればその者固有の武器であった
。しかし唯の剣に関しては警察の試作品であり大量生産されるべきものだったため特徴のないただの大剣だった。
それが、ここで遂に唯にとって唯ひとつの武器となったのだ。


257 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 23:12:34.77 ID:h+Z/xagHO
「なんだあれは!?」
そのとてつもない光に一番驚き怯えたのは巨漢である。それが放つ強烈なエネルギーを感じ取ったからだ。
「みんなどいて!!!うあああああああああああ!!!!」
そして唯はそのまま巨漢の懐へ飛び込む!
「スキだらけなんだよこのアマぁああ!!!!」
それを迎撃するため左足を振り上げる巨漢。しかし

シュン!ドス!!!

「ぐはあ!!弓矢だと!?誰が放った!?」
弓が右足に命中し巨漢は逆にバランスを崩してしまった。
「くらえー!唯――」

そこに光り輝く黄金の剣が振り下ろされた。

「ブレイクゥゥーーーーーーーー!!!!!!」

閃光と共に電撃が辺り一帯に降り注ぎ、すべてが爆ぜた。


261 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 23:25:21.39 ID:h+Z/xagHO
「ふざけてる…53万の…命が・・・・」
再び静寂が戻る少し前、巨漢の男がぽつりと一言呟いた後消滅したことを知るものは誰もいない。

「はあ…はあ…勝った……勝ったよ…りっちゃん…」
爆心地にただ一人立ち尽くす唯は、そのまま剣を杖とし膝をついた。
「唯先輩は…電撃の力を持っていたんですね…。」
「まさか唯が電撃だなんて誰も思わないよ…」
梓と澪は、そのまま倒れこむようにお互いを支えあった。
「みんな!!私やったよ!!!りっちゃんの仇を討ったんだ!!」
その二人に駆け寄る唯はどこにその元気があるのか不思議に思えるほど元気だった。
「さあ、ムギを早く病院に連れて行こう。」
駆け寄った唯と隣にいた梓へそう言った澪は紬の元へと歩みよる。
「そういえば弓を放ったのは誰だったの!?あのお陰で唯ブレイクを直撃させられたんだけど!!」
唯の質問に梓も疑問を投げかける。
「そういえば…だって弓は…」

「私に決まってるじゃん?」

一同、声のする方へ向き直った。するとそこには…。

『桜高少女』第九話「決戦!」終わり