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136 :おやしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 21:48:03.35 ID:E/RCWmH20
田井中律の場合。


律「なんじゃああこりゃああああ!!」

右から左から天井までお菓子の山、山、山。
部室の扉を開けたはずだった。
いや確かに音楽準備室で軽音部の部室で合っているのだが。
プラスアルファされたものが明らかに異彩を放っている。

唯「あ。りっちゃんやほおー」

平沢唯が手を振っている。
いつもの席でいつものようにティータイムをしている。
その光景だけ見れば何でもない日常なのだが、いかんせんそれ以外がおかしい。
唯にはお菓子の山が見えていないのだろうか。
もしや馬鹿には見えないなんとかではあるまいし。

唯「りっちゃん何キョロキョロしてるの? さあ座った座った」
律「え……ああ、そうだな」

とりあえず唯の隣、いつもの指定席に腰を降ろす。
でだ、これからどう反応すればいいのだろう。
イラズラの規模が飛び抜けていて突っ込むどころではない気がする。
唯は以前としてご機嫌にミルクティーをすすっているのだが。



137 :おやしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 21:52:09.90 ID:E/RCWmH20
紬「あら。りっちゃんが最初のお客さんね」
唯「あ、ムギちゃん準備ご苦労さまー」
律「おおう?」

琴吹紬が音楽室への扉から部室に入ってくる。
よかった、まともに話の通じそうな相手が来た。

律「おいムギ。これは一体どうなってるんだ?」
紬「見ての通りよ、りっちゃん」

だからどうしたと言わんばかりの表情をしている。
いや、見れば事態は分かるからその理由について聞きたいのだけど。

紬「今りっちゃんが座ってる椅子もお菓子でできてるのよ。
  他にも黒板とか窓ガラスとか」
律「なぬ、うおおい」

何だこの精巧さは、茶道部の茶菓子でもこんな豪勢なものはないぞ。
ていうか特注過ぎるだろう、となるとやっぱり。

律「もしかしてムギんちでこさえたとか?」
紬「その通りー」
律「あー……、あはは。あはははは」
唯「わーははは」

アハハじゃなくてどうするんだコレ。
いつも美味しいスイーツ持ってきてくれて有り難いけどそろそろ笑えなくなってくる。
ていうか私部長だよな、もしかして責任とか取らせられるんじゃ。
つられ笑いしている場合じゃないぞ、唯。


138 :おやしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 21:56:45.97 ID:E/RCWmH20
 >>137

律「ちょっとタンマ、これは流石にマズイぞ」
唯「えー、おいひいよ。この机とかも」
律「そういう意味じゃねえ! てか食いながら言うな」

あー、なんか今日は随分と疲れる。

紬「心配しないで、りっちゃん。
  ちゃんと学校に許可も取ってあるし費用も請求されないから」
律「あー……そっか」

頷いておいて納得する部分が違うと思う。
でも、まあ、いっか。
ムギが大丈夫だって言うんならそんな気がする。

唯「さて、そろそろ本題です。じゃじゃん」
律「ん? 何だそれは。プレートに字が書いてあるな」
唯「それじゃあ読むよ」

『軽音部の皆様お菓子の部屋へようこそ。
 気に入って頂けましたら幸いで御座います。
 ごゆっくり夢の時間をお過ごし下さいませ。
 尚、希望されるのであればお帰りの際に
 素敵なプレゼントをさせていただきます。
 望まれるのであれば、どうぞ一言。
              ミスター琴吹 』


146 :おやしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 22:10:42.14 ID:E/RCWmH20
 >>138
そりゃあまた凄いおもてなしだ。
金持ちの感覚っていうのがつくづく理解できない。

律「なあ唯。そのプレート私にも見せてくれよ」
唯「ふえ? もう半分食べちゃったけど」
律「気がはえーな、おい!」
紬「まあまあ。まだ予備はあるから」
律「おう。サンキュー」

ことごとくムギがいてよかった。
いや待て、むしろ元凶はこっちのような気がする。

唯「んじゃあプレート食べたところで本題だけど」
律「食べた、じゃなくて読んだ、だろ」
唯「りっちゃんはプロのミュージシャンになりたいと思う?」
律「うーん、そうだなぁ……」

あまり深く考えたことはなかった気がする。
勿論、テレビで人気バンドのライブが放送されたら思わず食いついてしまう。
うおーかっけー混ざりてー、とはしゃいだりもする。
だからといってイコール将来の目標になっていなかったのは確かだ。

律「改まって聞かれると、正直よく分かんない」
唯「そっかぁ、目指してないのかぁ」
律「いやいや断言してないから」

もしそうなったら、という自分の姿を想像してみる。
武道館で埼玉スーパーアリーナで小さなライブ会場で。
大歓声の中大好きな音楽で私という存在を世界中にアピールする。


147 :おやしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 22:15:48.71 ID:E/RCWmH20
 >>146
律「漠然となれたらいいなーっていうのはある。
  でもプロの道は私達が考えてるよりきっと甘くはないよ」
唯「うんうんそれから?」
律「音楽やってるのは楽しいからだけじゃなくてさ。
  将来もしプロデビューできたのならそれは今があるお陰だろ。
  もし違う道を進んだとして。
  大切な時間を仲間で最高に楽しく過ごせたっていう思い出があってさ。
  それが人生のどこかで後押しになってくれると思うんだ」
唯「おおお、いつの間にそんな大人に! 私を置いていかないでえーぇ」
紬「流石りっちゃんだわ」
律「てっ照れるだろ、よせやーい。でもお遊びでやってるんじゃないからな」

なんだか無性に顔が熱い。
普段はこんなこっぱずかしいセリフ言わないのだけど。
お菓子の魔力のせい、なんてことあるはずないか。

唯「参考になったよー。有り難う」
紬「パチパチパチ」
律「あはは。いいっていいって」
唯「それじゃあ最後の質問ファイナルアンサー」
律「ラストクエスチョンな。問題を先に言えい」
唯「……コホン。
  あなたには今すぐプロデビューできる権利があります。
  その権利を行使しますか? しませんか?」
律「……へ?」

ちょっと待て意味が分からない。
権利? 今すぐプロデビュー?
そんなバナナ、どんなカラクリだ。


149 :おやしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 22:20:01.62 ID:E/RCWmH20
 >>147
律「えーっとー、バナナサンデーとかないのかなー」
唯「りっちゃん! 真面目に答えて」
紬「そうよ! 真面目に」
律「ひぃ」

なんでそんなに凄い剣幕で怒られなきゃいけないんだ。
二人は真面目にそんな魔法みたいなことができると思っているのだろうか。

律「あ、あのさ。お菓子食べすぎてシュガーソルト中毒でも起こしたんじゃないか」
唯「信じないならいいよ。本当なのに」
律「……わかったわかった、信じるから」

唯は膨れ面をしているが目線だけが異様に鋭い。
ムギも眉毛が細くなるほど深刻そうな目つきでこちらを凝視している。
こんなに二人が怖いと感じたのは始めてだ。

唯「その権利を使う方法を教えます。
  音楽室へ通じる扉をくぐれば叶います。
  廊下へ通じる扉をくぐれば元の生活に戻ります」
律「なんかマルチ商法みたいな言い方だな」
唯「制限時間はさんぷん! よーい、どん」
律「短けえ!」

これが素敵なプレゼントということなのだろうか。
まあ仮に唯が嘘をついていないとしてだ。
扉をくぐってはいプロミュージシャンの出来上がり。
レンジでチンじゃあるまいし現実的に有り得ない。
いやまずお菓子の部屋なんてものが存在していること自体が現実的でないのだが。
こんなことに大金をポンと出せるということはあながち本当なのかも。


150 :お『か』しな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 22:26:13.81 ID:E/RCWmH20
 >>149
唯「あといっぷん!」

可能だとしてもだ。
今すぐ、私だけ、という言い方が凄い引っかかる。
高校を卒業してからみんなでデビューするという選択肢の方が合理的じゃないのか。
それに実力で手に入れない夢に価値はあるのだろうか。

律「決めた、権利を放棄する。私はまだ気ままな高校生やっていたいよ」
唯「そっかー、りっちゃんならそう言うと思ってたんだ」
律「それを先に言えって」
紬「そうしたら、はいコレ」

紬が手にしているのはドラムのスティック、いつも愛用しているやつだ。
そういえば自分の鞄に入れておいたはずなのだけど。

律「サンキュー。じゃあな」

そう言ってチョコレートのドアノブを回して部室を出る。

と部活らしいことを一切してないのに素直に出てきてしまった。
後ろ手にある音楽準備室の扉に変わったところはない、窓から覗く日はまだ高いところにある。

律「なーんだったんだ今のは」

部屋の中にいた時より自然な感情が出ている気がした。
今更になって突っ込みどころがポンポンと沸いてくる。
とりあえずまぁ、澪にでも相談してみるか。
私は階段を駆け足で下りていった。



151 :おかしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 22:31:02.21 ID:E/RCWmH20
 >>150
秋山澪の場合。


澪「うわぁ、本当だったんだ」

プリントを職員室に提出してから教室に戻ると親友の律がトンでもないことを言ってきた。
軽音部の部室がお菓子だらけで可笑しなことになっているとかナンとか。
また訳の分からない冗談を言って、と思い確かめに来たらこの光景だ。

唯「みーおーちゃーん」
紬「二番目は澪ちゃんね、ふふふ」

正面で笑顔を向けている二人はなんとも意味ありげな表情を見せる。
お菓子畑に囲まれて、まるで夢の国にいるかのようだ。
正直とても嫌な予感がする。

澪「あ、あのさ、これは一体」
唯「お菓子の部屋!」

そんないきり立ったように言われても困る。
それ以前に二人は完全にこの部屋が部室だと受け入れてるようだ。

紬「ホワイトボードはホワイトチョコレートでできてるのよ」
唯「後、蛇口捻るとオレンジジュースが出てきたり」

いやそんなこと聞いてないから。
と、やっぱり気になるのでマジックペンのおしりをかじってみた。
これは砂糖菓子だ、もの凄い甘い。


153 :おかしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 22:36:35.37 ID:E/RCWmH20
 >>151
紬「一流のパティシエさんに作ってもらったの」
澪「そう、なんだ」
唯「みおちゃん早く座るー」

もっと有効なお金の使い方を考えなかったのか。
ともあれ唯の口が尖ってきたので椅子に座ることにする。
椅子まで砂糖菓子なのか、スカートにベタつかなきゃいいけど。

唯「早速ですがみおちゃん! 本題です」
澪「ん? どうした」

そう言い虫食いにあったような白いプレートを取り出す。

紬「唯ちゃんそっちは食べかけだから」
唯「だってお腹膨れてきちゃったんだもん」
紬「はいはい。こっちが新しいのね」
唯「ありがとー、ムギちゃーん」

やれやれ、夢の国らしく頭の中もファンタジーになりつつあるのか。

唯「じゃあ読みます」

『軽音部の皆様お菓子の部屋へようこそ。
 気に入って頂けましたら幸いで御座います。
 ごゆっくり夢の時間をお過ごし下さいませ。
 尚、希望されるのであればお帰りの際に
 素敵なプレゼントをさせていただきます。
 望まれるのであれば、どうぞ一言。
              ミスター琴吹 』


154 :おかしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 22:42:09.45 ID:E/RCWmH20
 >>153
なんとか三世の予告状を彷彿とさせる文章だな。
読み終えた唯は何故か得意げだし、ムギはよく読めましたみたいな笑顔をしている。
あんまりおふざけが過ぎるならガツンと言わないといけない。

澪「何ごっこだか知らないけどちょっとやり過ぎだぞ。
  新歓が終わったからって気を抜きすぎだ」
紬「ちょっと味付けが濃すぎた?」
澪「いや、そうじゃなくて」
唯「ムギちゃーん、カロリーオフのお菓子ってないの?」
紬「このキャンディケインなんてどうかしら」
唯「おお、クリスマスキャロルの味がする」
澪「それは曲名だ」

律が疲れ目だったも納得できる。
そういえば律のやつ、すぐ後ろをついてきた癖に部屋に入ってこないな。

唯「でね、せっかく夢の時間を過ごすんだから夢の話を聞かせて欲しいんだ」
澪「夢、夢か。もしかして律にも同じことを聞いていたのか?」
唯「大体そんな感じかなぁ」
紬「りっちゃんはみんなで音楽やってる今が楽しいって」
澪「あんまり答えになってない気がする……」

夢についてか。
高校を卒業したとして漠然と音楽と詩書きを続けたいという気持ちはある。
でもやっぱり夢っていったら大きいことを考えるよな。
本当ならこのメンバーでずっと音楽を続けていけたら一番嬉しいんだけど。


155 :おかしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 22:46:11.84 ID:E/RCWmH20
 >>154
澪「秘密にしとく」
唯「えー、澪ちゃんケチ臭い! キムチ臭い」
澪「おい」
紬「キムチアイスならあったと思うけど」
澪「頼むから乗ってこないで」
唯「じゃあキムチホラー映画!」
澪「そんなものあるのか、ってひいいいぃぃぃ」

ジャケットを見せるな、見せるな、お願いだから。
野菜のグチャグチャ具合がゾンビにマッチしていてかなり気持ち悪い。
というか夢の国にいるはずなのにちっとも楽しくないぞ。

澪「とにかくだ! 悪ふざけが過ぎる。部室を元通りにしよう」
唯「みおちゃんこれ全部食べちゃうの!?」
澪「もっと選択肢はあるだろ」
紬「まあまあ。夕方には片付けさせるから」
澪「ん?そういえばさっきミスター琴吹とか」
紬「そう。唯ちゃんプロデュース協力琴吹家だから」
澪「一気に納得できた気がする」

それでも唯の妄想に全面協力するっていうのもおかしな話だ。
紬はもっと常識的な考え方をしていると思っていたのだけど。

唯「じゃあさ、ミュージシャンっていう夢はある?」
澪「まあそりゃあ、全くってことはないけど」

けど今思ってることを言ったら二人はどんな反応するだろう。
流石に今の軽音部のみんなで音楽を続けたいだなんて子供じみてないだろうか。
そんな風に思われるのが、ちょっと怖い。


157 :おかしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 22:52:43.27 ID:E/RCWmH20
 >>155
紬「澪ちゃんは心配性ね」
澪「えっ、まさか心読まれてる?」
唯「見えます見えます。水晶玉は何でもお見通しなのです」
澪「それは林檎飴だな」
唯「甘い未来が見えます!」
澪「それは味の話だろう」

今日は随分とボケ倒しているな。
律がいないと突っ込みが追いつきそうにない。
と、途端に唯が真面目な表情に変わる。

唯「あなたには今すぐプロデビューできる権利が与えられました。それを使いますか? 使いませんか?」
澪「あのなあ」
紬「澪ちゃん、考えて答えて」

トーンを落とした唯の説明口調はそのギャップもあってか驚くほど不気味だ。
こちらまで真面目にならなければいけない空気が伝わってくる。

唯「使いたいなら音楽室への扉をくぐること。
  使わないなら廊下への扉をくぐること。
  制限時間は3分」
澪「えーと、ゆっくり過ごせって言われた割りに随分と急かすんだな」
紬「時間の概念はそれぞれ違うから」
澪「?」

どうしよう二人の目が怖い。
冗談だとしても乗ってあげないと後が怖そうだ、特にさっきのホラー映画。
ここは正直に言うしかないのかもしれない。
恥ずかしいけど言ってしまえ私。


158 :おかしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 23:00:11.78 ID:E/RCWmH20
 >>157
澪「目標には過程があるからこそ辿りつけるものだろ。飛ばしたら達成感も何もないよ。
  それに、さ、ほらデビューするなら……みんな一緒がいいし」
唯「澪ぢゃあああああん! それでこそ澪ちゃんだよ」
澪「ちょっこらっ、生クリームがつくから」
紬「うふふふふ」

なんなんだ、一気に態度を変えて抱きついてきたぞ。
でも、つまり喜ぶってことは唯も同じように考えてるってことでいいのか。
それだとちょっと嬉しいかも。

紬「それじゃあ、はいフェンダー」
澪「あれ? あ、ありがとう」
唯「ちゃんとベース持っていってね」

言われなくてもそうするつもりなのだけど。
鞄と一緒に教室に置いてきたはずなのに、誰が移動させたんだろう。

澪「まだ時間あるよな。あのさ、唯もその、同じこと思ってたのか?」
唯「ん? 何について」
澪「ああ、やっぱりいいや。聞かなかったことにしておいて」

なんだこの期待を裏切られた感は。
勇気出して聞いてみて損した。

紬「そろそろ時間だから」
澪「ああ、そうか。じゃあまた明日な」
唯「まーたねー」

去り際にかじりかけのお菓子マジックペンを手に取って扉をくぐる。


159 :おかしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 23:07:07.25 ID:E/RCWmH20
 >>158
甘い臭いに慣れた鼻が校舎の空気に物足りなさを感じさせる。
言われるがままに出てきてしまったけれど帰宅するにしては随分と時間が早いな。
まだ明るい日差しが入ってきているし、と窓を見たところで律と目が合う。

律「どうした? すぐ出てきて」
澪「入ってから10分は時間経ってたぞ。
  律こそ何で入ってこなかったんだ?」
律「おいおい、それは何の冗談だ」
澪「え?」

どうやら律は本当にすぐ後ろにいて私が部室に入るのを見ていたらしい。
そして一秒と経たずに扉が開かれ私が出てきたそうだ。
そんなオカルト有り得ないと思うのだが。

澪「そうだ。このマジックペン」
律「ペンがどうした、っておおい!」
澪「え? ひいいぃぃ」

ペンはネズミにかじられたようにパックリと中身を覗かせている。
甘い匂いなんてしない、砂糖なんてついてない。
プラスチックの構造とシンナー独特の臭いがそこにはあった。

澪「私、これ、食べちゃった」
律「なんだってー!」

目の前が白くなっていくのを感じた。


161 :おかしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 23:11:27.79 ID:E/RCWmH20
 >>159
中野梓の場合。


唯「あずにゃああああああああん!」
梓「ひぐっ」
紬「最後は梓ちゃんね」

私はつい最近軽音部に入部した。
理由は新入生歓迎ライブを見て先輩達の音楽に一目、いや一聞惚れしたからだ。
そしてまだちょっと部室に足を運ぶのに緊張している今日この頃。
扉を開けるとそこはお菓子の部屋だった。

梓「あ、あの唯先輩痛いです」
唯「猫耳つけたら離してあげる」
梓「もうつけませんってば!」
紬「むふふふふ」

この流れも最近は慣れてきた気がする。
唯先輩は頭の中がコロコロ変わりやすいのですぐに離れるはずなのだけど。
今日はいつも以上にご機嫌らしい、ああ彼岸花が見えてきた。

梓「て何で紬先輩は花を見せ付けてくるんですか。それよりこの光景は何なんですか」
唯「え、あずにゃんお菓子知らないの?」
梓「いえ、それくらい知ってます。と言いますかお菓子見たこと無い人なんていないんじゃ」
唯「そうだよね! 甘くて美味しいもんね」
梓「はぁ……」

離してくれたのはいいけどもっと難解な事態に遭遇したような気がする。
紬先輩もニヤニヤしていないで助けてください。


162 :おかしな部屋へようこそ ◆daxooZJcq2 :2009/10/07(水) 23:16:17.28 ID:E/RCWmH20
 >>161
梓「えっと、色々言いたいことはあるのですけど。
  さっき澪先輩が律先輩に保健室に連れて行かれてたのですが、何かあったんですか?」
紬「ちょっとね。澪ちゃんが持って出ちゃうからー」
唯「そこまでは責任もてないよねー」
梓「はぁ……」

なんだか説明になっていない。
私の無知がいけないと言われているように感じる。
どうしよう、もっと突っ込むべき所はあるのに凄いはばかられる。

唯「ハイ、これあずにゃん専用マタタビパウンドケーキ猫耳!」
梓「何なんですかコレ! ってふぁ、んぐ……へっぐぢ」
紬「あらせっかくの特注なのに鼻水まみれ」
唯「まったくもーゴシゴシ」
梓「あびがとうございまず」

疲れる、凄い疲れる。
入部当初の騒がしい記憶が蘇った感じがする。
とりあえずギターを置いて椅子に座る。

唯「あずにゃん、どうこの部屋の感想は、どう?」
梓「どう、と言われましてもいいんですかコレ」
紬「りっちゃんも澪ちゃんも納得してくれたわ」

それは言い包められたの間違いなんじゃないかな。
でも澪先輩が本当に納得したのなら多分大丈夫なはず。
いや待った、その当人は今さっき保健室に連れていかれたんだった。