このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ 3』というスレに投下されたものです
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885 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/10/31(土) 03:34:55 ID:X8nFm0/4
ピンポーン…

唯「はーい…」

ガチャ

梓「トリックオアトリート!」
唯「きゃあ!」

ジャックランタンの被り物を被った私を見て、唯先輩は驚いたように後退りをする。
まさかここまで驚くとは思わなかった。これで日頃の恨み、少しは晴らせたかな?

唯「だ…だれ…?」
梓「クス…私ですよ、唯先輩」
唯「あ…もしかして、あずにゃん?」
梓「正解です。唯先輩、驚きすぎですよ?」
唯「う…さ、最初からわかってたもん!あずにゃんのためにびっくりしたふりしてただけだよ!」
梓「はいはい、そういうことにしときましょう」
唯「もー!バカにしないでよー!」

10月31日、ハロウィン。今日は唯先輩の家でパーティーが開かれるようになっていた。
それぞれが家に来るたびに仮装して唯先輩を驚かせる…ということになっているのだが、この分だと唯先輩は、皆の期待通りのリアクションを見せることになりそうだ。

梓「他の皆さんはまだなんですね。憂はどうしたんですか?」
唯「憂はスーパーにジュース買いに行ってくれてるんだー
 多分そのうち帰ってくると思う!」
梓「そうなんですか…ところで、唯先輩?」
唯「ん?なあに?」
886 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/10/31(土) 03:42:19 ID:X8nFm0/4
梓「さっき私が言ったこと、忘れたんですか?」
唯「へ?何のこと?」
梓「だから…トリックオアトリート、ですよ」
唯「トリ…どういう意味だっけ?」

呆れた。どうやらこの人にとってハロウィンは、仮装よりもお菓子の方が大きな比重を占めているらしい。

梓「トリックオアトリート…つまり、お菓子をくれなきゃいたずらするぞって意味です」
唯「ええ、お菓子?うーん…ムギちゃんが持ってくれることになってたからなぁ…今ないや…」
梓「くれないんなら…いたずらしちゃいますよ?」
唯「わっ…!」

私は唯先輩を後ろから抱き締めた。唯先輩は最初こそ抵抗したものの、すぐに観念したように力を抜いて私に身を委ねた。
まったく、こういうところもかわいいんだから…

唯「えへへ、あずにゃん、ちっちゃいけど柔らかいねぇ」
梓「ちっちゃいは余計です…ねぇ唯先輩、皆が来るまで二人きりでハロウィンしませんか?」
唯「いいね!あ、ちょっとこっち来て?」
梓「はい?なんですか?」
唯「ふふふ…ちょっとこれ、着けてみて!」
梓「な…」

唯先輩の手に握られていたのは、お馴染みのネコミミ…なぜこんなものが唯先輩の家にあるのだろうか?
887 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/10/31(土) 03:48:38 ID:X8nFm0/4
唯「さわちゃんにもらったんだー♪ささ、あずにゃん着けてー?ハロウィンの仮装だよー!」
梓「嫌です!…って普段は言うところですけど…特別ですよ?」
唯「わーい♪」

私はいつものようにネコミミを装着した。…なんとなく落ち着くのは気のせいだと思いたい。

梓「どうですか?」
唯「うん、最高だよ!とってもかわいいよ、あずにゃん♪」
梓「い、いざ言われると、なんだか恥ずかしいですね…」
唯「ホントだよ。あずにゃん」
梓「…唯先輩」

唯先輩は優しい微笑みを浮かべて、私を抱き締めた。今度は唯先輩の温かさが私を幸せにしてくれる。

唯「あずにゃんは世界で一番かわいいよ。私が言うんだもん、絶対だよ」
梓「そ、そう…ですか…?」
唯「うん、そうだよ…あずにゃん、大好き」

チュッ…

唯先輩は優しく私にキスをした。その唇は、砂糖よりも甘い味がした。

梓「唯先輩…おいしいお菓子、ありがとうございます」
唯「えへへー♪どうせならいたずらもしてもらっちゃおうっかなあ?」
梓「もう…バカ!」


終わり



すばらしい作品をありがとう

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最終更新:2009年11月09日 00:48