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76 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! [sage]:2010/01/14(木) 20:50:03.37 ID:8nqGVEAO
 諸注意追加
・桜高は学祭を一般公開している、というていでご覧下さい


77 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 20:52:42.76 ID:8nqGVEAO
 幼なじみから突然の電話。彼女が引っ越してから疎遠になってたというのもあって、昔話に花が咲く。
『そういえば梓、まだギターやってんの?』
「まあね。そうそう、ギターって言えば! 私、軽音楽部に入ったんだ」
『へ~、意外だなあ。梓は絶対ジャズ派だと思ってたのに』
「私もそう思ってたんだけど、先輩達の演奏に聞き惚れちゃってさ」
 私はその後、2時間も軽音楽部の先輩達の魅力やなんやかんやを語りまくった。
『あはは! 本当に好きなんだね~、先輩達の事が』
「ま、まあね。あとはちゃんと練習さえしてくれれば言う事ないんだけど。学祭も近いし」
『ああ~、もうそんな時期か~。今から緊張してるんじゃない?』
「全然。新歓ライブもやったし」
『今年もまたコスプレするの?』
「なっ、何故それを!?」
『みやっちが言ってたよ~。なんか浴衣に毛皮みたいなのくっつけた衣装着てたって』
「いつから連絡取り合ってたのよ? みやったら、余計な事を……」
『ま、そんな訳で。今年の学祭ライブ見に行くからね!』
「どんな訳よ!?」

79 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 20:54:50.61 ID:8nqGVEAO
「てな事がありまして」
 次の日の放課後。
 いつものティータイム中、私は昨日あった幼なじみからの電話の話をした。
「へ~、梓の幼なじみねえ。……案外、梓みたいな子だったりして」
「どっちかって言うと、律先輩みたいですよ?」
「まあ、まあ! その子の事、詳しく教えて!」キラキラ
「なんでムギ先輩が食いつくんですか!?」
「いいからいいから! 早く早く!」キラキラ
 ただ聞きたいってだけな気がしないのは私だけ?まあ、話して減るものじゃないからいいけど。
 先輩達に彼女との出会いや色々な出来事を話す私。皆さん(特にムギ先輩)が熱心に聞いてくれたおかげか、いらない事まで言った気がする。
 ……なんか、会いたくなってきちゃったな。一応携帯の番号聞いといたし、明日あたり……なんて考えてると。
「あれ? あの子誰だろ?」
 唯先輩が校門前に誰かの姿を見つけた。私達もその姿を確認する。あれは……!
「りの!」
「お~っす梓~、久しぶり~」
「相変わらず前髪長いわね。切らないの?」
「へっ? 前髪を? なんで?」
80 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 20:56:44.87 ID:8nqGVEAO
 ……ああ、本当に変わってないなあ、りの。
「おい梓、この子のどの辺があたしに似てるんだよ?」
「大事な事を忘れてたり、すぐだらけたりするとこですかね」
「これこれ梓、忘れっぽいのは言わない約束だろ~?」
「すぐだらけるってとこは認めるんだ」
「もちろん!」
 いやいや、そこ胸張るとこじゃないから。てか、胸でか!……う、羨ましくは、ないけど。
「梓こそ相変わらずミニマムですなあ、色々と」
「余計なお世話よ!」
「そうだよ! あずにゃんはちっちゃいのがいいんだよ!」
 唯先輩、フォローになってないですよそれ……って。
「あずにゃん? ……あ~、猫っぽいからあずにゃんね~。はいはい」ニヤニヤ
「りのまでそう呼ばなくていいからね!」
「分かったよ~あずにゃん」ニヤニヤ
「だーもう! あずにゃん言うなー!」

 立ち話もなんなので、りのを私の家に招く。
「今更だけど、その荷物何なの?」
「お泊まりセット」
「最初から私の家に泊まる気だったのね……って、泊まるの!?」
「あ~ごめんごめん、言うの忘れてた」
81 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 20:58:38.85 ID:8nqGVEAO
「学校どうするのよ?」
「ん~? 大丈夫だよ。辞めたから」
「へえ、そうなん……はあ!? 何よそれ!?」
「……長くなりそうだから……闘病生活」
「え……」
 そんな……りのが病気だなんて……!
「なんか、かなり珍しい病気なんだってさ」
「……いつから……なの?」
「2年になってすぐかな」
「てか、こんなとこにいていいの?」
「……入院する前に、ちゃんと梓の顔見ときたくてさ」
「え? それって……」
「アメリカの病院行く事になったんだ。簡単には会えなくなるから……だから……」
 顔を伏せて静かに泣き出すりの。こんなのって……ないよ……。りのの泣き声だけが部屋に響く。
 私……どうすればいいの……?思わずりのから目をそらして考え込んでいると。
「っていう役をね、やる事になったの!」
 いつの間にか顔を上げて、ニコニコしながら宣言するりの。
「……そっか……頑張っ……ておい! 演技かよ!」
「どう? なかなかだったっしょ?」
 忘れてた。この子役者やってるんだった。すっかり騙されてたわ……。
82 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 21:00:50.15 ID:8nqGVEAO
「全く、縁起でもない事しないでよね……本気で、心配したんだから……」ボソ
「心配してくれて嬉しいよ~あずにゃん!」だきっ
「だから~! あずにゃんって言うなあ!」カアア
 私から離れて元の場所に戻り、気を取り直して話し出すりの。
「まあ、会うのが難しいってのは本当なんだけどね。これから本格的に忙しくなるし」
「そうなんだ。大変だね」
「うん。今日明日たまたまオフだったから、思い切って会いに来ちゃった」
「なんでまた」
「うっ……あ~っと……それは……ま、まあその、会いたかったし! 梓だって会いたかったでしょ?」
「それはまあ……」
 なんだか歯切れの悪い返事だなあ……ちょっとからかってみようかな。
「ひょっとして、告白でもしに来た訳?」
「ん゛な゛!? だっ!! 違っ!! いやっ!! じゃなくて!!」
 え゛!?図星!?ま、まさか、りのにそんな趣味があったなんて……!
「い、いい一応聞くけど、ああ相手は、だだ誰なの?」
 落ち着け私!なんで私までドギマギしてるんだ!
「うう……そ、それは……」
83 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 21:03:07.80 ID:8nqGVEAO
「それは……?」
「そ……それは……本人目の前にしたら言えないよおおおおお!!」
「ちょおーい! それ言っちゃってるから……ってなにいー!?」
「し、しまったー!!」
 なんて事だ!りのが私の事を、すっすすすすす好きだなんて!!
「ごめんりの! 気持ちは嬉しいけど、私普通に男の子が好きだから!」
「分かってる! 分かってるけど! それでも好きなんだ! 梓の事が、大好きなんだあああああ!!」
 あわわわわわ、どどどどうしよう!?いや答えは決まってるけど!てか今言ったけど!
「ふはあ!!」ブバッ
「おわあ! ムギが倒れた!」
「しっかりして、ムギちゃん!」
「って! 何で先輩達がいるんですか!?」
 いつの間に来ていたのか、盛大に鼻血を吹いて倒れるムギ先輩と、そんな彼女を慌てて介抱する唯先輩と律先輩。
「そんな事よりあずにゃん! まずはムギちゃんを何とかしないと!」
「先輩達にお任せします! てか質問に答えて下さい! ……なんとなく想像はつきますけど」
「なら察してくれ! てか手伝え!」

84 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 21:07:04.87 ID:8nqGVEAO
 ……諸々の事情が落ち着いた頃。まず私は律先輩達に問いかける。
「……で? いつからいたんですか?」
「えっとね~、りのちゃんが『お泊まりセット』って言った辺りからだよ~」
「……要するに、最初からですね……全くもう」
「しっかし、りのちゃんには驚いたわ。女にマジ惚れしてる女なんて初めてみたよ」
「うふふ……ふふふ……」
「ムギー、帰ってこーい」
 私だって初めて見た。しかも惚れられたのが私な訳で。
「惚れた当人も思わず告っちまった恥ずかしさで突っ伏してるしな」
「照れてないもん」ボソボソ
「ん~? 何か言いまちたか~りのちゅわん?」ニヤニヤ
 耳まで真っ赤なりのをからかう律先輩。……なんか不憫だけど、なんとなく庇いづらい……。
 まあ、あんな大声で「大好きだ!」なんて言われたら、そりゃあ……。
「梓ちゃん、ここはりのちゃんを庇うべきよ!」ボソボソ
 ムギ先輩、私を『そっちの世界』に引きずり込みたいようですけど、そうは問屋が卸しませんよ。
「梓~。あつい~。冷まして~」
「自分で何とかしなさい」
85 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 21:11:03.12 ID:8nqGVEAO
「間違いない。梓は結婚したらかかあ天下だな。ひひひ」ニヤニヤ
「勝手に決めないで下さい!」
「けけけけけけ結婚んんん!?」ガタッ
「りのもいちいち反応しないの!」
 ああ……疲れる……。その時、誰かの携帯の着信音が響く。
「あたしのだ。もしもーし、どした澪?」
『どうしたじゃないだろ? お前ら、いつまでやってるつもりだよ……』
 ああ、澪先輩、早くこのダメな人達を何とかして下さい!
「とか何とか言って、本当は澪も一緒に来たかったんだろ~?」
『そ、そんな訳ないだろ! だいたい、梓に迷惑かかるし』
「そんじゃまた明日な~」
 そう言って電話を切ってしまう律先輩。ああ、頼みの綱が……。
「もう! 先輩達はいい加減帰って下さい!」
「でもでも、あずにゃんの答えが気になるし~」
「受け入れなさい、梓ちゃん!」
「ムギはそろそろ自重しろ」
「……受験勉強どうするんですか?」
「うっ……そろそろ帰んないと憂が心配するかな~」
「はあ……私もお暇するわ~。」
「ちっ……きょ、今日はこれ位にしといてやらあ!」
86 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 21:14:03.50 ID:8nqGVEAO
 何とか先輩達に帰ってもらい、今度はりのに話しかける。
「考え直して……とは言わないけどさ。かなり本気みたいだし」
「本気だよ、超本気」
「でも……やっぱり、私は男の子が好きだから。りのが恋人ってのは……ちょっと、考えられない……ごめん」
「………………」
 長い沈黙が私達を包む。
 りのの気持ちは嬉しい。でもそれは、友達だからそう思えるんであって、決してそれ以上(?)の関係になりたいって事じゃない。
 友達……か。ちょっとした事でバランスを崩してしまう、そんな不安定な関係。でも、それが変に心地良かったりする。
 私はりのと、ずっとそんな関係であり続けたい。
「……もう、絶交?」
 りのがふと、とんでもない質問を投げかけてきた。
「何言ってるのよ! こんな事で友達じゃなくなるなんて、おかしいでしょ!」
「でも私……梓の事、もうただの友達だって思えない。友達よりも、もっとずっと大切な人だって思う」
「だからって、恋人ってのも違うでしょ」
「だったら……どうしろって言うの?」
「それは……」
87 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 21:16:46.70 ID:8nqGVEAO
「『親友』でいいんじゃない?」
 突然、第三者の声が響く。この声は……。声のした方を見ると、部屋の入口に純が立っていた。
「純! どうしてうちに?」
「なんか唯先輩達が出てくるの見かけてさ。なんかあったのかと思って」
 まあ、確かに。何もなかったと言えば嘘になる。ただ、非常に話しづらい事な訳で。
「恋人より気軽で、恋人みたいに心が近い関係。そう言う意味じゃ、親友がぴったりだと思うわよ」
「そっか……そうだね! ありがとう! キミはすごくいい人だ!」
「べ、別に当然の事を言っただけだし」
 初対面であっという間に仲良くなったわね、この2人。……そんな事より。
「純……なんで『恋人』って単語が出てきたのかしら?」
「事情を先輩達から全部聞いたから」
 全くもう、余計な事を。……まあ、言い出したのはムギ先輩だろうから、文句言いづらいけど。
「純ちゃんって言うんだ! わたしはりの! よろしくね!」
「えっ、りのってまさか、日アカで最優秀新人賞とったあの『りの』!?」
「あ~そういえばそうだった」
88 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 21:21:12.57 ID:8nqGVEAO
「ええ!? そうなの!? すごいじゃない! てかなんでそんな大事な事忘れてんのよ!」
「いや~面目ない」
 はあ……全くこの子は。
「てか梓はなんで知らなかったのよ? あ、練習バカだからテレビなんて見ないか」
「だ、誰が練習バカよ!」
 ……いやまあ、あながち間違ってないけど……。

 純が帰り、再びりのと2人きりになる。てか、今日は両親の帰りが遅くてある意味良かったわ。
 あんなところ、恥ずかしくて見せられたものじゃないし。
「あ~ずさ」だきっ
「な、何よ? 急に抱きついたりして」
「さっきはごめんね。あと、ちゃんと聞いてくれてありがと。……これからは、親友としてよろしくね」
「うん。よろしくね、りの」
 しばらくすると、私から離れて思案顔になるりの。
「う~ん……そうだ! ねえ、学祭っていつ?」
「再来週だけど?」
「分かった! そんじゃ、昨日も言ったけど、学祭ライブ必ず見に行くから!」
「でも、ドラマの撮影とかどうすんのよ?」
「愛しの梓の為だ! 何とかするよ!」
「まだ諦めてなかったのね……」
89 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 21:24:55.29 ID:8nqGVEAO
 学祭当日。あの律先輩が珍しく申請を忘れず出してくれたおかげで、無事にライブが出来る。
 私に寂しい思いをさせたから、せめてものお詫びだとか言ってた。なんだかんだ言っても、こうして気にかけてくれるのは素直に嬉しい。
 何にせよ、これでりのに私の演奏を見せられる。首洗って待ってなさいよ!
……………
…………
………
 ライブ終了後、部室にて。
 さわ子先生と和先輩が用意してくれた素敵なサプライズのおかげで、高翌揚しすぎてライブの内容がうまく思い出せない。
 そういえば、りの来てたのかなあ?まあ、さすがにドラマの撮影を抜けるわけにもいかないだろうし……。
 ふと、半開きの部室の扉の外から、何やら黄色い声が飛び交っているのが聞こえてくる。しばらくすると、部室の扉が勢いよく開かれる。
「おーっす梓! ライブお疲れさまー!」
「りの! 来てくれてたんだ!」
「うう……ヒドいわ梓ったら! 嫁であるわたしの存在に気付かないなんて!」シクシク
「嫁にした覚えはないわ! てか嘘泣きやめなさい!」
「ちっ、バレたか」
90 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 21:46:15.73 ID:8nqGVEAO
「そういや、最近知ったんだけどさ。りのちゃんって役者やってるんだな。ドラマ見てたらりのちゃん出ててビックリしたぜ」
「ねえねえ、サインしてサイン!」
 そう言ってりのに色紙とサインペンを差し出す唯先輩。りのはそれを快く受け取ると、スラスラとサインを書く。
「梓の幼なじみなんだってな。それと……梓に、惚れてるんだっけ?」カアア
 何故か顔を赤くしながら聞く澪先輩。……ああ、澪先輩は人見知りするんでしたね。
「はい! いずれは嫁にします!」
「ならないっての!」カアア
「はふう!」バタッ
「ああ! ムギちゃんが!」
「唯……もうそっとしといてやれ」

 数日後。
 私はとある海沿いの町に来た。確か、この辺りだよね?
 しばらく歩くと、小高い丘にある二階建ての一軒家が見えてくる。
 ピンポーン
「はいは~い」
 暢気な返事をしながら、家の住人が玄関の戸を開く。
「おわ! あ、あああ梓!」
「へへ、来ちゃった」
「もう、連絡くらいしてよう! おかげでパジャマのままだよ……恥ずかしい……」
「だらけてるなあ」
91 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 21:49:47.33 ID:8nqGVEAO
「ようやく私の嫁になる決意がかたまったか」
「だからならないっての! ……嫁には、ね」
「へっ? それってどういう……」
 鼓動が高鳴る。初めて部室に入ろうとした、あの時みたいに。私は息を整えて、その言葉を発する。
「その……恋人になら、なってあげても……いいかな、って」
 りのが目を丸くして私を見つめる。顔が真っ赤になっているのが自分でも分かる。ああ、恥ずかしい……。
「……ちょっと。黙ってないでなんとか言いなさいよ?」
「えっ? あ、あう、あの、えと……ど、どういう風の吹き回し?」
「な、何よ! 嬉しくないの!?」
「うえ!? そ、そんな事は……」
「だったら……早く、しなさいよ」
 私は目を瞑り、りのに口付けを促す。
「え……う、うう……わ、分かったよ、梓」
 意を決したりのは、私の肩をそっと掴む。そして--。

 ゴツン!
「あだっ!」
「なーんてね」
 顔を近づけてきたりのに、私は頭突きをお見舞いする。
「こないだのお返しよ!」
「うおお……騙された~!」
 おでこを押さえて悔しがるりの。
92 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 ! :2010/01/14(木) 21:52:20.70 ID:8nqGVEAO
「むう~。って事は、恋人になってくれるってのも嘘か~……」
「親友でいいじゃない。ね?」
「むう~。腑に落ちないよ~……」
 その日1日、私はりのの家で目一杯まったりくつろいでいった。
 りのが私に隙あらばとキスを狙って来るけど、私はそれを華麗にかわして……なんて事を繰り返しながら。
 翌日。家に帰る私を見送りながら仕事に向かうりの。駅に着いた時、りのがかばんから何かを取り出す。
「ほい。これあげる! 友情の証だから、大事にしてね?」
「うん。ありがと」

 翌日。放課後の音楽室にいつものメンバーが集まり、いつも通りのティータイムが始まる。
「梓ちゃん、りのちゃんとはあの後進展あったの?」ワクワク
「ん~……まあ、どちらかと言えば」
「なかったのね……」ショボー
「なんつーか……ドンマイ、ムギ」
「あっ。あずにゃん、これな~に?」
 唯先輩が私のかばんに付いているストラップに気付く。
 それは、りのお手製の、2匹の子猫の編みぐるみ。そう、それこそが。りのと私の、友情の証。



終わり