第一回定時放送 ◆OZbjG1JuJM
地平線の彼方から日が昇り始め、空も空けてきた早朝。
何の前触れもなく空に玉乗りをする生き物を映す立体映像が浮かぶ。
巨大彗星の力を握る、悪夢の魔法使い。そして最悪の宇宙人・マルク。
彼が仮の姿に戻っているのはまず、あの姿を維持するのにも多少魔力が要ること。
そしてもう一つは単に──この小馬鹿にしたような態度で、愚者と見下す参加者を嘲るためである。
『キャハハハハハハハ!!!』
そしてその放送は、聞くもおぞましい笑い声を皮切りに始まりを告げた。
◇
──おはよう、参加者のみんな! まずは始めの六時間をよく生き残ったと褒めてつかわすのサ!
それでは第一時定時放送、始まるのサ!
──じゃ、まずは禁止エリアから。最初も言ったけどこのエリアに入ったら首輪が爆発するのサ。
一応猶予のある内に逃げ出せばいいけど余り干渉はオススメしないのサ。
キミ達だってそんなアッサリとした退場は望んでないだろう?
まあ、戦った末にそこから出られずボガン! なら面白くていいんだけどサ。
で、肝心の禁止エリアは八時からA-3、十時からD-5。
そこに残ってる人は早々に退散するのをオススメするのサ。
──そしてお待ちかね! この六時間で惜しくもみんなの踏み台となった
哀れな脱落者を発表するのサ。
今回の死亡者は──
キョン
如月千早
園崎詩音
白石みのる
インセクター羽蛾
道下正樹
ワドルドゥ
越前リョーマ
ドラえもん
小笠原祥子
の十人なのサ。どうやらボチボチ死んでるみたいなのサ。 殺し合いに乗った人間もますます増えてるし、こりゃウカウカしてられないのサ♪
知ってる人が死んじゃった、なんて人は残念だったのサー。
ま、あんまり気にしないでこれからも殺し合いに励んで欲しいのサ!
あ、そうそう。荷物の中に文字を書けない不思議な紙があっただろう?
今頃そこに参加者名簿が浮かび上がってるはずだから、余裕があれば確認しとくといいのサ。
もしかしたらまだ生きてるだけで、実は今にも危ない知り合いが載ってるかもしれないのサ。
さーて次は何人脱落するか。無事に昼飯を取れるのは何人なのか。
六時間後が楽しみなのサ!
──それじゃあ今回はここまで!
次回の放送担当はピエモン君が担当してくれるのサ。
それまでせいぜい生き残るのサ!
キャハハハハハハハハハハハハ!!!
◇
放送を終えたマルクは上機嫌で司令室に戻って来た。
「ふぅ、放送ってのも中々面白かったのサ」
それからピエモンが集めてきた監視担当のイビルモン、レッドベジーモン、ハグルモン等に適当な檄を入れると
急遽追加で取り寄せた、普段はノヴァの内部にいる調査担当のパタ、ダクーガ、ボルムらを出撃させる。
「そうそう、ピエモン君の所に行ってみようかな?」
その見た目だけであれば愛らしい姿、軽い態度。宇宙の支配を企む者とは思えない様相である。
それでも彼は、紛れもなく悪魔の力を持った支配者であるのだった。
最終更新:2018年06月05日 15:09