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とかちシスターズ ◆CMd1jz6iP2




おかしいな……また、ふわふわしてる。
「亜美ちゃん、起きて……起きて……」
「あ、ほら……目を覚ますよ」
誰だろう……ううん、それよりどうして寝てたんだっけ?

「オメガモンっ!!!」

「ッ……オメガモン!?」
そうだ、オメガモンは怪我してないの!?
……あれ?
「おはよー、亜美ちゃん」
「アグモン、もう朝じゃないよ」
え、誰?というか何?
大きなトカゲ?と大きな犬?みたいなのが二人いるだけ。

「ど、動物が喋ってる!?超かわいい~、けど誰?」
「酷いなあ、亜美ちゃん」
「少しの間だけど、ずっと一緒だったじゃないか?」
ずっと、一緒?
亜美がここでずっと一緒に居たのって……えぇ!?
「オ、オメガモン!?」
「そうだよ、亜美ちゃん。僕たちはデジモンって生き物なんだ」
「コスプレじゃないんだって、言い出せなかった俺たちが悪いんだけどさ」
え、え?二人が肩車してたとか?それだと背が足りないし……
「ごめんね、亜美ちゃん」
「な、何が?オメガ……じゃない、ええと」
「僕はアグモン。こっちはガブモンだよ」
「アグモン、どうして分かれちゃってるの?」

ねえ、答えてよ。
また、すぐにオメガモンに戻るんだよね?

その、二人が頭に載せてる、天使の輪は……何かの、冗談なんだよね?

「……ごめんね、亜美ちゃん」
「俺たちは……もう、亜美ちゃんのことを、守れない」
「そんなのは、どうだっていいよ!!」

違う、違うんだよアグモン、ガブモン。
「ふ、二人とも……守ってなんてくれなくていいから……亜美と一緒に戻ろうよ!」
二人とも、きっと真美と千早お姉ちゃんのところに行くんだ。
「どうして皆、亜美を置いて行っちゃうの?亜美、あと100年も皆と会えないなんてヤダよ!」
「亜美ちゃん……」
「亜美ちゃんがこっちに来ると……俺たち、悲しいよ」
そんなの……亜美の方が悲しいよ。
「ヤダ、もう……亜美もそっちに行きたいよ」
でも、今回は亜美は天使セットを着てない……これじゃあ行けないのかなぁ。

「ねえ、亜美ちゃん。亜美ちゃんがこっちに来たら、まだそっちにいる、亜美ちゃんの友達は、亜美ちゃんと同じ悲しみをしなくちゃいけないんだよ?」
亜美と……同じ?
「それとも、亜美ちゃんは大事な人が泣いても、関係ないの?」
「そんなこと無い!!」
パパもママも、兄ちゃんも、ピヨちゃんも、ミキミキも、はるるんも、いおりんも
あずさお姉ちゃんも、やよいっちも、まこちんも、ゆきぴょんも、律っちゃんも
他の大切な人たちも……皆が泣くなんてヤダ。

「亜美ちゃん、僕達のお願いを聞いてくれないかな?」
「お願い……?」
「俺たちにも、亜美ちゃんの仲間みたいに、俺たちがいなくなって、悲しむ仲間がいるんだ」
アグモンと、ガブモンの、仲間?

「太一にヤマト……他にもたくさん、僕達のことを心配している人たちがいる。
なのに、このままあのピエロたちの企みが成功してしまったら、僕たちが何をしてきたのかも伝えることが出来ない」
「帰れないことを知らないで、きっと皆……ずっと、ずっと、待ってる」
「そんなの、悲しいよ……」
おじいちゃんになっても、もしかしたら帰ってくるかもって、待ち続けるなんて……

「だから、亜美ちゃん……伝えて欲しいんだ」
「俺達の仲間に……「オメガモンは、最期まで皆を守るために頑張った」って」
「……かっこ、つけすぎだよ」
ハハハ、と笑いあって……涙がこぼれてきた。
「泣かないって、決めたのに……」
「いいんだよ、泣いたって。そのまま立ち止まらないければね」
ありがとう……アグモン、ガブモン。
「僕たちは、亜美ちゃんのことを守れないけど……」
「せめて……亜美ちゃんが戦っていけるための力を残していくよ」
「戦うって……亜美、人を殺したくなんてないよ!」
ずっと生きるって約束したけど、誰かが泣くことなんてしたくない。

「違うよ、亜美ちゃん。戦うっていうのは、殺しあうってことじゃない」
「この世界のルールに負けないで……最後まで、信じたことを貫くことが、戦いなんだ」
「……なんとなくだけど、わかった。亜美、負けないようにがんばってみる」
アグモンと、ガブモンが、白く光って……また、オメガモンみたいな形になった。
『ありがとう……亜美ちゃん』

「ぅ………ん?」
体が痛い……それでも亜美は、体を起こした。
「オメガモンは……はは、そうだよ、ね」
辺りを見回した亜美に、厳しい現実が映る。

グレイソードがあった。ガルルキャノンがあった。
どちらも損傷が酷く……体は、そもそも無くなっていた。
「アグモン、ガブモンッ!」
思えば、あの二人の姿はこの両手にそっくりだった。
二度と物言わぬオメガモンの残骸に近づき、そこである物に気がついた。
「これって……?」
オメガモンの胴体があったであろう場所に、何かが輝いている。

トマトだった。
オメガモンの持ちものは燃えてしまったが、これだけは焼け焦げてもいない。
「残したのってトマトー!?こんなのじゃ戦えないじゃん!」
トマトが許されるのは、打ち切り漫画の主人公の名前までなんだよー
と、よくわからない事を思ってると、その隣で金色に輝く腕輪に気付く。

「あ、こっちだよね~、オメガモンも人が悪いなぁ」
文字にも見える、細かい装飾が施された腕輪を拾う。
「わー、超イケてる腕輪だねー!」
早速腕に着けてみた。
気のせいか……オメガモンが近くに居るみたいな気がして、亜美の涙腺が緩む。
「う……な、泣かないから。……そうだ」
あの葉っぱのカエルはどうしたんだろうと、家の中に入る。

何も居なかった。
「あれ、これって……」
ディパックだけが放置されていた。亜美は少し考えて……
「何が入ってるのかな~♪」
空けてみることにした。
入っていたのは、白菜と帽子と本。
「……みんな、食べ物が入ってるのかなぁ?」
でも、白菜は無いよねーと、白菜をとりあえず戻した。

本は「弾幕の作り方」という表紙。
パラパラとめくると、とてもわかりやすく弾幕の作り方が書いていた。
(でも、だんまくってなんだろ?ダンゼンマクハリ?)
略語だと考えたが、わからないので忘れることにした。
額にLと書いてる緑色の帽子を見る。一緒に説明書もついている。

「世界的に有名な兄を持つ弟の帽子。兄に比べて影が薄いから、被ると弱くなるよ」
読んで、亜美はなんだか悲しくなった。
「真美も、早く真美の名前で活躍させてあげればよかったな……」

真美は、亜美と入れ替わって仕事をするため、いつも「亜美」として仕事をしていた。
だから、真美の存在は事務所の人しか知らない。
いくら有名になっても、それは自分であって、真美ではなかった。
二人でデビューしなおすことになっていたのに、それももう、二度とできない。
弱くなるから、被られもしない帽子の持ち主が真美のように思えて……

亜美は、帽子を被ってしまった。
「わわっ?」
ぼわん、と体が煙に包まれた感覚。
それが収まると、亜美の服装が変わっていた。
「な、なにこれ?」
青のシャツに緑のオーバーオール。どうみても作業着だった。
「動きやすいけど……ちょっとダサすぎ~」
帽子を脱げば戻るだろうと、帽子を取る。が……

「―――――」
絶句。帽子を取ったら裸になった。
もう一度被ると、またさっきの服装になった。
(だだだだだ、誰も見てないよね?)
辺りを見回し、誰もいないことを確認して―――
(ご、ごめんなさいー!)
帽子を被ったまま、家を飛び出した。

彼女は、自分の幸運を知らない。
その家のベッドの下で、フシギダネが眠っていたのだから。
もし、裸になった瞬間に大声を上げていたら……オメガモンの後を追っていたことだろう。

(万引き……アイドルはやっちゃ駄目だよねー……あれ?)
逃げるように家を飛び出た亜美は、異変に気が付いた。
「え、亜美……こんなに足速くないよー!?」
亜美は、自分が陸上選手以上に速く走っていることに気が付いた。
体が空気のように軽く感じる。
体当たりされた腹部の痛みも、気付けば気にならない。
「あれ、弱くなるんじゃなかったっけ?」
実は、これには二つの理由がある。

一つは、オメガモンが残した腕輪。
その名はホーリーリング。
オメガモンの肉体は、人々の希望や願いなどが集まって出来たもの。
肉体を形作っていた希望を、ホーリーリングに変化させたのだ。
実は両腕がアグモンとガブモンの変化した姿なのだが、制限により助からなかった。
オメガモンのホーリーリングは、究極体のデジモンすら
更なるパワーアップを可能とする力を秘めている。
それは、亜美の体の傷を、少しだけ癒していた。

そして、もう一つは……亜美の被る、ルイージの帽子。
これの能力である、弱くなるというのは、身体能力のことではない。
これを被ると身体能力は、ルイージと同じところまで引き上げられる。
逆に言えば、それ以上の超人が被れば、そこまで弱くなるのだが。
だが、この帽子の本当に恐ろしいところは、その呪い。
被ると、出番を失い何の活躍も出来なくなるという、極悪な呪い。

気付いたら死んでいるか、ゲームが終了している可能性すらある。
しかも、呪いのアイテムなので、外せない。

だが、それを打ち消したのはホーリーリング。
聖なる力の結晶であるホーリーリングは、呪いを完全に無効化していた。
だからこそ、亜美は帽子を取ることが出来たのだ。
本来、死んでも取れない帽子のため、服のことなんて考えていない。
これによって、基本能力ルイージという
マリオに匹敵する能力を得ることとなったのだ。

棒高跳びの選手より高く飛べて、着地しても痛くない。
オメガモンの腕に抱かれていた時、感じた風を、亜美はまた体感していた。
この帽子の説明書が嘘だったのか。
それとも、腕輪の力なのかはわからなかったが
これは、オメガモンのおかげなんだと、不思議と理解できていた。

(わー!足だけなら、オメガモンと……あ)
立ち止まって、もうオメガモンが見えない場所まで来ていたことに気が付く。
「オメガモン……ずるいよ」
自分への、最期の頼みを思い出す。
「オメガモンの友達に伝えるって……最後までこっちに来るなってことだよね」
もう、ずっとオメガモンには会わないと心に誓って、その姿を胸に刻む。
(どよよんとした顔は、亜美には似合わないよね……真美)

「亜美、さっきのところに戻るね。危ないかもしれないけど、亜美が悪かったんだもん」
さっきの魔法使いのコスプレイヤー……いや、オメガモンと同じで違うのかもしれないが
ともかく、思えばあの竜巻に巻き込まれたのを、怒っていたように思える。
「それに、おはぎが腐ってたのかもしれないよね~」

それだったら、亜美だって怒る。
こんな場所に連れてこられて、ピリピリしてたんだ。
最初は話が出来たんだから、謝ったら許してくれると思う。
亜美は、走る。その速度は、TASやKASのそれと同じだった。
(オメガモン……亜美も、頑張って戦うからね!)
亜美は、本を片手に、元の場所へと―――

「あ」
「弾幕の作り方」まで持ってきたことに、このとき初めて気が付いた亜美だった。


【E-3 草原/一日目 昼】
【双海亜美@THE IDOLM@STER】
[状態]: 気にならない程度の腹部の痛み、健康、とかちシスターズ
[装備]:ホーリーリング@デジモンアドベンチャー、ルイージの帽子@スーパーマリオワールド、弾幕の作り方@東方project
[道具]:支給品一式、妖精の剣@ドラゴンクエストシリーズ、マキシムトマト@星のカービィ
[思考・状況]
1:亜美なりに戦ってみる。
2:魔理沙に謝りに戻る。
3:もう、泣かない。何があっても生きる。
4:オメガモンの仲間に、オメガモンの最後を伝える。
5:人は絶対に殺さない
6:ど、ドロボーしちゃったー!
※亜美はオメガモンのことをデジモンだと知りました。デジモンについては、不思議な動物くらいにしかわかりません。
※亜美はマキシムトマトをただの食料だと思っています。
※第一放送を聞き逃しました
※オメガモンの支給品一式と、ラーメン大は行方不明です。オメガモンごと消滅したかもしれません。

※ホーリーリング
オメガモンが最期に残した腕輪。
神聖デジモンが装備しており、これが無いと力が半減する。
オメガモンのホーリーリングは、皆の希望が詰まっている。
邪悪を制御する力、進化のエネルギー源など、様々な可能性を持つ。
亜美は人間なので進化しないが、傷の治りを促進させている模様。
邪悪な存在がつければ逆効果にしかならない。
呪いのアイテムなどの、悪影響下にある場合は外せない親切設計。
映画では、オメガブレードへと姿を変えたが、制限のため不可能と思われる。

※ルイージの帽子
ある意味最強の呪いが詰まった帽子。
被ると、活躍できなくなり、存在が空気同然になっていく。
もしかしたら死亡フラグも消し飛ぶが、それ以上に大事な何かも消し飛びかねない。
呪われているので外せない。
しかし、ホーリーリングの効力によって上記の呪いが無効化されている。
ホーリーリングをつけた人が外さない限り、転ぼうが何しようが外れない。
また、被ると身体能力と服装がルイージと同様になる。
これは呪いとは別で、必ず強制的に変更される。
どんな方法で取っても、服はなくなる。


フシギダネは、バタンという音に飛び起きた。
ドアが開いている。誰かいたのか?
「ダ……ダネエ!?」
まさか、と思いディパックを確認する。
「ダネ……」
ディパックの中身から、本と帽子が消えている。
帽子なんていらなかったが、弾幕の本を持っていかれてしまったのが残念だった。

(まあいいか、大体はわかったし……後は実戦で改良していけばいいだろ)
外を覗くと、やはりあの女がいなかった。
盗んでいったのはあいつだろう。
しかし、甘い奴だと思った。

(仲間殺した相手の道具だぜ?全部盗っていきゃいいのによ)
偽善者め、と吐き捨てた。
(まだフラフラするな。太陽の昇り具合からして、放送はまだか)
放送が終わったら、もう少しだけ休もう。
外に出て、やはり太陽が自分にとって一番の栄養だと思った。
だが、外で寝るのはあまりにも無防備で危険だ。
せめて、窓の側で休もうと、家の中へと戻っていった。


【E-3 町・一軒家/一日目 昼】
【フシギダネ@ポケットモンスター】
[状態]:腹部に切り傷、疲労大
[装備]:バールのようなもの@現実
[道具]:支給品一式、白菜@テニミュ
[思考・状況]
1:放送後、また寝る。
2:出来うる限り参加者を殺し生き延びる
※TASが死んだと思ってます
※弾幕を開発中のようです
※本が無くても、コツを掴んだので開発は可能です。


オメガモンの残骸は、しばらくしてデータの粒子となって空を舞っていた。
そこに、猫背の猿が山の向こうから、空を妙な動きで「歩いて」きた。
交差する寸前、猿はこの世界から消えてなくなり……そこには何も残らなかった。



sm102:両手に花  Flowers of the abyss 時系列順 sm104:第二回定時放送
sm102:両手に花  Flowers of the abyss 投下順 sm104:第二回定時放送
sm93:VS.動かない大森林(EASY) 双海亜美 sm108:ヒゲ☆パチ
sm93:VS.動かない大森林(EASY) フシギダネ sm106:さよならフシギダネ! かことのけつべつ!
sm93:VS.動かない大森林(EASY) オメガモン 死亡



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