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震える山~君想フ声~ ◆CMd1jz6iP2




私達は、山の中を捜し歩いていた。

「春香よ、見つかったか?」
「彦麿さん! いえ、どこにも……」
「春香、一人で探すのは危険よ。どこに、ゲームに乗った人間がいるのかもわからないのに」
私の言葉を聞いて、それはあの子も同じだと反論された。
「つかさちゃん、どこに行ったの……!」

あのピエロの放送は、一瞬で絶望を届けた。

鈴仙・優曇華院・イナバの名前に、私は少しだけショックを受けた。
琴姫の名前に、彦麿が雄たけびを上げて、孔明ブロックを壁に投げた。
福山芳樹の名前に、いさじとつかさは顔を伏せた。
イチローの名前に、いさじは少しだけ反応して
暗黒長門の名前に、谷口は首を少しかしげて
朝倉涼子の名前に、谷口は更に驚きを見せて
ピカチュウの名前に、カービィが顔を伏せて

柊かがみの名前が呼ばれた時、私は知らなかったから、反応しなかった。
そして、本当に一瞬のうちに

つかさは、一番近くにあったディパックを持って飛び出ていってしまった。
全員が、完全に出遅れた。

一番早く追いかけた魅音も、つかさちゃんの姿を見失ってしまう。
柊かがみが、つかさの双子の姉だと聞いて、止められなかったことを悔いる。
洞窟に、体調の悪いいさじと、護衛にカービィだけを残して、全員で捜索に向かった。

「私の責任だ! 琴姫の死に……私自身が闇に捕らわれかけていた!」
「仲間の死に平然とできる人間じゃないでしょう。そんな後悔は、見つけた後にするわよ」
唯一の仲間だという琴姫を呼ばれて、平然としてなどいられるはずも無い。

「……すまん、アリス。春香よ、我らはここ一帯を探す。
魅音と谷口が先に山の上のほうに向かっている。一緒にそっちを探してきてくれるか?」
「わかりました。……あの、ちょっとだけ、いいですか?」
時間がないはずなのに、なんだろう。

「……彦麿さん、私は、その……心の闇に、一度捕らわれました。
人も殺して……その代償が、この腕です」
この春香が、ゲームに乗っていた? てっきり、誰かに襲われたとばかり思っていた。
「ううん、本当はこの命だった。それを救ってくれたのは、つかさちゃんだから……
私、絶対に……つかさちゃんを、祓いたい。だから、協力してくれますか?」

彦麿が、ゆっくりと春香の肩に手を置く。
「春香よ……お前は立派だ。心の闇を知り、それに一度屈したというのに
お前の心に今、邪念をまるで感じない。共に、彼女を救うぞ!」
「はい!」
山の頂上へと向かって行く春香。

「彦麿、また心は闇の中?」
「……言っただろう、アリスよ。捕らわれ「かけた」と。
琴姫が志半ばで散った無念を晴らすには、私があの悪霊を祓うほかにはないのだ!」
まったく、本当に暑苦しい。でも、こうでなければ、この男ではないわね。
「さっさと探しましょう。心の闇に、魑魅魍魎が取り入る前に」
そして、私も剣を取る。

「アリスよ、その剣は……使わぬのではなかったのか?」
「あの猿のような敵に会ったら必要でしょう」
握って、予想通り剣は喋りだす。

『イヤッホオオオウ!パパパパパパパ、パンツ赤いっす!!』
やっぱり駄目だこれ。

「涼子、やっぱりこれ石ころにでも変えましょうか?」
「コノムシヤロウ!」
『ま、待つッス! わかった、落ち付くッス! 話せば分かり合えるはずッス!』

「本当に?」
『知らんでアホ!』
「イフリナ人形、ちょっとこれ焼却ー」

『熱い!? ちょっと待つッス! わかった、自重するから、落ち着くッス!』
「本当に?」
『マジッスよ! 本当はそっちのボン!キュ!ボン!のが好みやけど、この際』

「やっぱり石ころ決定」
『ぎゃああ!! ほんまにゴメン! 堪忍して! この炎の魔剣レヴァンティンの力、存分に貸すから、それで穏便に済まそう、な?』

「炎の魔剣とか、不相応だから。穴掘りレバ剣にでも改名しなさい」
『この人容赦ねえ!? いや、墓穴掘っても突き抜けたなら俺の勝ちとか思ってないです!』
もう相手にするのも馬鹿みたい。
「……もういいわ、こっちも時間が無いし。次に自重しなかったら、塩水つけて捨てるわよ」
『ヤー!ドイツ軍人は嘘つかんッス!想像以上の破壊力で名誉挽回ッスよ!』
「それなんだけれど、私は武器って使わないのよね」
『てめえエエエエエ!武人でもないものが剣を持つんじゃねえ!!』

「というわけで、貴方の望みどおり、涼子に持ってもらいましょう」
『貴方が神か!』
「涼子、パス」
「ココロエター」

受け取る涼子。ちゃんと使えるのかしら。

『おお、持ってるのは涼子ちゃんなのに、流れてくる魔力はアリスちゃんの魔力なんすね』
「どう、ちゃんと伝わってる?」
『十分ッス。というわけで、まずはバリアジャケット作っとくッス』
「へ?」
バリアジャケット? と聞く前に、流した魔力の一部が使われる。

涼子の体が光に包まれ、その後に立っていたのは。
「やけに地味な色合いのバリアジャケットになったッスね」
「な、なんなのこれはー!!」

りょ、涼子の服が、変わってる!?
黒い服に、白いエプロン。ついでに無駄に魔法使いを協調する黒い帽子……
「まんま魔理沙のパクリじゃない!ふざけてるの!?」
『知らんでアホ! てかアリスちゃんのイメージで決まっただけッスよ?』

は……? 私のイメージ? 私が、考えてたこと?
「どうした、アリスよ。良い服装ではないか」
何かの間違い、そうに決まってるわ。

「も、もういいわ。ともかく、早く探すわよ!」
「うむ、急ぐぞ!」
「ガチャガチャギュー」
「コユビデギューダゼー」
「イヤッホー!パン、あ、いえ何でもないから気にしないでくれッスー」

これ以上の時間の浪費は避けよう。
アホとのコントのせいで、つかさが死んでたら本気で目も当てられない。
こんな危険な山で、何があってもおかしくないのだから。


【C-3 山道西部/一日目・午後】
【矢部野彦麿@新・豪血寺一族 -煩悩解放 - レッツゴー!陰陽師】
[状態]:全身に打撲によるダメージ(中)、軽いショック(多少回復)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ネギ@ロイツマ、孔明ブロック(中・大)@スーパーマリオワールド(友人マリオ) 、長門の首輪
    コイン@スーパーマリオワールド
[思考・状況]
基本.主催を含む悪霊退散
1.つかさを探し、心の闇を祓う。
2.琴姫の意思を継いで、悪霊を退散させる。
3.悪霊退散の為の修行を積む
4.猿の物の怪を改めて退散する

【アリス・マーガトロイド@東方Project】
[状態]:健康、魔力中消費
[装備]:朝倉涼子、炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト
[道具]:支給品一式、プラスパワー*6@ポケットモンスター、炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト
[思考・状況]
基本.しょうがないので異変解決
1.彦麿と一緒につかさを探す。
2.涼子のため……じゃない、生き残るために少しやる気を出す
3.涼子の力でブレインな弾幕を作る方法を考える
4.いさじに貰った人形の性能を確かめる
5.お気に入りの人形とグリモワールオブアリスを探す
6.なんで魔理沙の服装……
※炎道イフリナ
目から魔法光線が出ます。

【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:普通の朝倉人形
[装備]:レヴァンティン@くらっとけ!スターライトブレイカー(魔法少女リリカルなのはシリーズ)
白黒魔法使い風バリアジャケット
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:アサクーラダゼー
2:マユゲダゼー
3:コーセーノーバックアーップダゼー
4:パンツアカイッスー
※朝倉涼子
死亡扱いです。首輪はついています。
命令がなければアリスを自動で守ります。
アリスの魔力が尽きない限り、表情もあり、人間と区別がつきません。
魔力が尽きた状態で数時間放置すると死体になり、二度と操れません。
朝倉涼子の情報改変能力は、暗黒長門の半分以下まで落ちています。

※アリスの魔力を消費して、シグナムの魔法が使えるかもしれません。
演算処理のバックアップをさせることで、情報改変能力が上がっている可能性があります。
服装がどうみても魔理沙です、本当にありがとうございました。



柊かがみ

「うそだよ うそだよ そんなはずない そんなはずない」
そういって、わたしはなんではしっているんだろう。
わざわざ、はるちゃんのしきゅうひんを、もってきて。
なんでこんなうえまできたんだろう。
ああ、そうだ、さがさないと、なにを?
きまってる、でもうそだ、ころしたひとなんていないのに、ころしたひとをさがせないよ。

「お、いたいた。つかさだっけ、何してんだよ」
「……谷口さん?」
少し、頭の霞が晴れた気がする。
谷口さん、何でこんなところにいるんだろう。
それは私も同じだけど。

「皆心配してるぜ、こんな見晴らしのいい場所で、何がしたいんだ?」
そっか、皆に心配させちゃったんだ。
それにしても、本当に良く見えるなぁ、ここ。
何を見に来たんだっけ。ああ、悪い人を探そうと思ったんだ。
でも、ちょっと怖いかも。足を踏み外したら底が見えないし。
崖っぷちって、こういうことを言うんだろうなあ。

「ほら……その、物騒な刃物はしまって、帰ろうぜ?」
物騒な刃物?……あれ、いつの間にアイスソードなんて持ってるんだろう。
考えなくてもわかるよね、殺そうと思ったんだ。
谷口さんじゃなくて、お姉ちゃんを   ころしたひとを。

「大丈夫か、そんなもん俺に渡して、帰ろうぜ?」
「あ、はい」
谷口さんは、渡したアイスソードを気に入った玩具のように見ている。

綺麗だよね、危ない武器だけど。

「他のみんなも……私を?」
「ああ、魅音はすぐその辺をうろうろしてるぜ。うまく撒けた筈なんだがな」
? まいた、って何?
「それにしても、凄いな。こんなの隠し持ってるなんて、あの春香ってのも怖い奴だな」

「あのね、それは」
そういえば、まだ説明してなかった。その武器は

……え?
「まあ、しょうがないよな。ゲームに乗る奴は、殺したって当然だ」
私は、一歩後ずさる。

「何が世界が違う、だ。俺をそう簡単に騙せると思ったら、大間違いだぜ」
私は、よろよろと、後ろに下がるしかない。

「お前ら、グルなんだろ? 俺達を嵌めるつもりだったのか?」
谷口さんは、いさじさんの言葉を信じてないの?
なんでだろう、カーくんだって、不思議な生き物なのに。
このゲームに呼ばれた時点で、不思議なことを信じてもいいはずなのに。

「朝倉さんをあんなにして、何が人形だ。俺たちも、人形にするってか?」
そうか、谷口さんは……「自分の世界」に、こんな不思議があることを否定してるんだ。
だから、同じ世界の朝倉さんがおかしくなったのは
谷口さんの中では、他のおかしい人の仕業で決まりなんだ。

「ま、魅音は騙されちまってるからな。嫌な仕事も男の仕事だろ?」
もう、後ろが、無いのに。アイスソードが突きつけられてるから前に行けない。

「……ニヤニヤ笑いやがって。無理しないで、姉貴の後でも追ってろよ」
笑うって? その疑問を口にする前に。

蹴られて、声も上げられず……私は奈落に落ちていった。



「谷口先輩、一人じゃ危ないってのに、どこ行ったのかな」
つかさちゃんを探しながら、谷口先輩も見つけないと。

「探さないと……同じ境遇の子に、間違いなんかさせない」
それに、彼女には詩音の凶行への償いもしなければならないのだ。
今の彼女の精神は不安定に違いない。速く探さないと。

「つ、つかさーー!!」
谷口先輩の声……つかさちゃんを見つけたの?
急いで声のする方へと走る。その途中で、走ってる春香ちゃんと合流した。
「魅音ちゃん、今の声……!」
「うん、見つけたのかも!」
二人して走って、驚いた。

(春香ちゃん……すごく、足が速い)
私はこれでも、結構運動神経には自信がある。
野山を駆け回るなんて日常茶飯事だから、この山だって登るのは簡単だった。
なのに、全力で走る私より、片腕を失うなんて重傷の春香ちゃんの方が速い。
(み、未来のアイドルって、こんな体力ないとやってけないの?)
何か違う気がする……でも、その考えが纏まる前に、私たちはたどり着いた。

「谷口先輩、つかさちゃんは!?」
谷口先輩は、崖の前にいた……一振りの、大剣を持って。
「……スマン、なんとか説得しようと思ったんだが……崖から」
「そんな……嘘でしょ!?」
こんな場所から落ちたら、助かるわけがない。

「谷口さん、私のディパックは!?」
春香ちゃん、こんな時に何を……
「あ、ああ。つかさが持ったまま……」
「だったら、間に合うはず!」
えっと私達がつぶやく間に、春香ちゃんは自分の胸に手をかざした。

「武装錬金!!」
あの全身コートに姿を変える。そして、そのまま駆け出した。
「お、おい!」
向かった先は、崖。春香ちゃんは、躊躇もせずに……飛び降りた。

「は、春香ちゃん!?」
すぐに崖を覗くが、春香ちゃんの姿はもう見えなかった。
「自殺かよ、何考えてるんだ?」
自殺……本当にそうなの?
「違うと思います。だって、まだ間に合うって飛び出して……」
「あいつら、おかしいんだよ。まともに考えるな」
「谷口先輩、なんでそんなことを……仲間じゃないですか」
私の言葉を、谷口先輩は半笑いで受け止めた。

「あいつらが仲間かよ。あいつらの話を真に受けるなよ、嘘に決まってるだろ?」
「なっ……本気で言ってるんですか!?」
「世界が違うとか、朝倉は人間じゃないだの……あいつら、俺たちを混乱させるのが目的なんだよ」
そりゃあ、私だってその辺は半信半疑な部分はあるけど……

「そもそも、あいつらが言ってた魅音の妹の話だって眉唾だ。
 もしかして、あいつらが殺し……」
「先輩ッ!」
なんでか解らないけど、谷口先輩の徴候は良くない。
なんとか、その考えを改めさせないと……

ギュンッと、何かが私と谷口先輩の間を横切った。
鳥……にしては大きかったような。
強い風圧が、体を押す。
「えっ?」
私は、つかさと春香ちゃんが落ちた崖を覗いていた。
つまり、風圧で後ろに下がるってことは。

「みお……!?」
手を伸ばす谷口先輩。
(よかった……私のことは、仲間だって思ってくれてるんだ)
その手を掴もうとしながら、そんなことを考える。
悲しいのは、その手が届きもしないってことかなぁ。

(ごめんね……谷口先輩)
落ちていく。
「ひう……ぁ、ぁああ」
まともに声も出ない。
殺すとか殺される以前に、こんな死に方なんて。
部活メンバーとの楽しい思い出が、走馬灯のように流れる。

「えっ、圭ちゃんの家今日誰もいないの?じゃあ、おじさんが作りに行ってあげるよ!」
「…………」
「あれ、沙都子、どうかしたの?」
「な、なんでもございませんわ……気にしないでくださいまし……」
「どうしたんだろ、急に元気なくなったみたいだけど。梨花ちゃん、何か知ってる?」
「みー……魅音、一つだけ言っておきたいことがあるのですよ」
「うん、なにかな?」

「とっとと、ゴールしてしまえなのですよ、がお~♪」

「あー、あれって死ねってことかぁ。空気読めなくてホントごめぐべぇ!?」
痛い。地面に落ちたんだと思った。
即死だと思ったのに、すごく痛い。

「魅音ちゃん!?」
春香ちゃん? あれ、ここってもうあの世って奴なの?
頭が痛い、死んでも痛いってどういうことさ。
訳もわからないまま、私の意識は薄れていった。

「魅音、起きろ……魅音」
あれ、ここって教室? ……なんだ、全部夢だったのか。
「ん、圭ちゃん……あれ、ここ学校? 授業は終わったんだ……じゃあ部活は?」

「終わったよ……23年ほど前にな」
「なーに言ってんのさ、圭ちゃん歳とってないじゃん」
「悪い、立体映像なんだ」

「本当に……?」
「ここは、23年後……平成18年の世界なんだよ」
「ちょっと待って!それじゃあ雛見沢はどうなってるのさ!?」

「滅びた」

「マジで!? うわあああん、婆っちゃ!詩音! 鯛のお頭食べたいなんて入れ替わった罰が……」
「ちょ、お姉! 雛見沢が滅んだからって言っていいことと悪いことがあります!」
「痛ッ、って詩音!? ちょっと、詩音殴った? 本物じゃん!」

「実は私、人型決戦兵器に改造されたんです」
「そ、それじゃあ雛見沢以外も?」
「ええ、今は悪の秘密結社と戦っているんです」
「うう、婆っちゃ、お母さん!私、グギャリオンと一緒に世界の為に生きていくよ!」

「「いいから、さっさと起きろ!!」」

「ぐっはあ!? 全部嘘だったんじゃん!」
「当たり前です、誰がグギャリオンですか!」
「ほら、起きろよ。皆待ってるんだろう?」
みんなって……誰のことだっけ?

「んー、そうだったっけ? じゃあ行こうか?」

「悪い、俺たちには秘密結社東京と戦う使命が残されてるんだ!」
「その通りです。ええ、そのための園崎組ですから」

もう、まだやってんの?

「あっはっは、そっかそっか! じゃあ、私は昭和58年に帰るからさ。また23年後にね、二人とも!」
「おう、23年後だな。絶対だぞ、約束破んなよ!」

「……『詩音』、雛見沢が滅んで、私は人型決戦兵器になっちゃったけどさ」
「こ、こら! 冗談で言っていいことじゃないってアンタが……!」
「今、入れ替わってるんだって? 詩音、魅音のマネ上手いよなー」
あ、なんだそう思ってるのか。だったら合わせないと。
「え、あっ、うん。あはは……それで、なんですか『お姉』?」
「ええと、私は兵器になったから、生きてないんです。だから……」

……私達、次も双子がいいね

うん、そうだね。きっと、それは叶うよ。
「ん、もちろんでしょ。あ、今度は私がお姉ね」
「残念でした、100回生まれ変わってもお姉は私ですよー」
「えー、そりゃないよ、詩音」

「じゃ、行こうぜ詩音。そろそろ時間だからな」
「ええ、それじゃあ行きますか、圭ちゃん」
「あれ……詩音? 圭ちゃん?」
詩音が歩いていく。圭ちゃんが、立ち止まって……振り返る。

「魅音、お前のおはぎ……最高に美味かったぜ」

圭ちゃん? おはぎなんて、圭ちゃんに作ったっけ? ねぇ、圭ちゃん……?



つかさちゃんが落ちた場所は、初めに私が落ちた場所に近かった。
白石さんは死んだ。でも、私は死ななかった。
それはつまり、何かが違った。

考えられるのは、私の支給品。
一体何が原因かはわからないけど、私の支給品を持ったままのつかさちゃんも助かってるはず。
だからこそ、誰かに襲われる前に助けるために、私は飛び降りた。

「く……ぅぅぅぅッ」
ほとんど垂直の崖を、壁で減速しながら進む。
シルバースキンで覆われた体を、腕を、ブレーキ代わりに下りていく。
「さ、さすがに……そのまま落ちたら死んじゃうかも」
ガガガガッと壁と擦れる音を立てながら進んでいく。

だから「カチッ」なんて音がしたときは、何が起こったのかわからなかった。
「へっ……えええ!?」

手にあるのは、「あーうー&あうあう注意」と書かれた怪しいスイッチ。
足元には、アニメの秘密基地のように、崖からパカッと開いた穴。
落ちているだけの私は、避けられるはずもなく、そのまま穴の中に落ちてしまう

ゴロゴロと転がって、たどり着いたここは、山の中なのだろうか。
少しして、なぜか魅音ちゃんも落ちてきた。
「魅音ちゃん!?」
倒れた!?
意識がない……そ、そうだ、気つけには、顔を!

バーッチーン!

あああ! 手元が狂って頭に!?
しかもシルバースキンの威力で血が、血がー!!

「イタタ……おはぎって何、圭ちゃん……?」
魅音ちゃん、変なことを言ってる。頭を殴ったから?

「あれ、春香ちゃん……ああ、そうか、落ちたんだっけね、私」
どうしよう、随分痛かったみたい。魅音ちゃん泣いてるよ。
「おかしいなあ……部活の部長ともあろう者が、死ぬと思ってびびったのかな?」
ごめん、本当にごめん、魅音ちゃんー!!
「み、魅音ちゃん、頭から血が……!」
「あちゃー、痛いと思ったよ。でも、死ぬと思ったんだし、これで済んだなら運がいいのかな?」
魅音ちゃんは、案外平気そうだが、血は止まっていない。

ゴゴゴゴゴ……と音がする。
どうやら、来た道が閉じた音らしい。
「何か、傷をふさげそうなもの……」
木刀しか持っていない私は、周りに何か無いか探す。
そこで初めて、周りが異様な光景なのだと気がついた。
「な、なにここ……神……社?」
広い洞窟のようば場所には、二つも神社が存在していた。

そのどちらもが、廃墟のようにボロボロで、無残な姿を晒している。
「……古手、神社?」
水で頭の血を流していた魅音ちゃんが、言葉を漏らす。
「魅音ちゃん……知ってるの?」
「う、うん。もう一つは知らないけど、ここ……私の住む村にある神社だよ」
魅音ちゃんの村の神社? なんでそんなものがここにあるのだろう。

賽銭箱が真っ二つに壊れ、中のお賽銭……10円玉一枚が飛び出ている。
「おかしいなあ。もっと入ってるはずなんだけど」
神社で良く見る幕が、比較的綺麗な状態で残っていた。
これを破って、魅音ちゃんの傷を覆う。
傷は深くなかったようで、その頃には血は止まりかけていた。

神社の中を見る。
中には、人型の何かがあった。

「まさか、オヤシロ様の御神体……?」
魅音ちゃんは、なぜここにあるのかと困惑している。
オヤシロ様とは、魅音ちゃんの村の神様らしい。
その御神体だというそれは、やはり無残に砕けている。

「あれ……?」
壊れた御神体の中に、何か光って見える
取り出したそれは、立派な刀だった。
「それって、もしかして……鬼狩柳桜かな?」
「おにがりの、りゅうおう?」
「うん、古手家の禁宝、鬼狩柳桜。噂じゃ御神体の中にあるって聞いてたけど、本当にあったんだ」
そんなすごい刀なんだと、鞘から抜いてみる。

「………あれ?」
抜けない。全然抜けない。
魅音ちゃんと二人で引っ張ってもやっぱり抜けなかった。
「接着剤ででも、くっついてるのかな」
「伝説だと、古手家のご先祖様が、鬼を退治した刀なんだけど……」
でもまあ、その木刀みたいには使えそうだね、と魅音ちゃんは抜くのを諦めた。
後は特に何もない。

もう一つの神社を覗く。
やはり酷い荒れようだった。
賽銭箱も真っ二つに壊れ、中のお賽銭……お札がたくさん、入ってる。

「札束、100枚もあるよ! これで大金持ちだね……一円札だけど」
「い、いつの時代のお賽銭?」

神社の中に入ってみる。
やはり酷い荒れ方だった。
どちらも、長い間誰も踏み入れていない。そんな雰囲気を醸し出している。
「随分昔から、放置されてるって感じですね」
「博麗神社って書いてたね。たしか、そんな名前の参加者もいたけど」

中にあった、壊れていない物は、奇妙な帽子だけだった。

「なんでしょう、これ?」
「さあ……カエルの麦わら帽子かな? 見た感じ、かわいいけどね」

確かに、帽子に目がついてる。どこかで見たカエルの人形は、たしかにこんなのだった。
「せっかくだから、魅音ちゃん被ったら?」
「わ、私? おじさんはこういうかわいいのは、似合わないかなぁ」
なんだか、すごく被りたそう。
「ほら、その頭の傷も隠せるし、いいと思うなあ」
「そ、そうかな。じゃあ……あれ?」

魅音ちゃんが帽子を拾うと、その下に隠れていた物が出てくる。
「なんだろう、二つの玉?」

「二つの玉……二つの玉かぁ」
魅音ちゃんが言うと、下品に聞こえるのはなんでだろう。
ともかく拾う。何かの道具だろうか?

「見た目からすると……彦麿さんが知ってそうな気がするね」
「うん……でも、なんでだろうね?」
「何が?」

カエル帽子を被った魅音ちゃんが、真面目な顔をしている。

「私達には、支給品があるよね。わざわざハズレ、アタリをつけたのに、武器や、用途はわからないけどアイテムがこんなに手に入るなんて、おかしいと思ってね」
「ハズレの人でも、ちゃんと殺し合いさせるためじゃない?」
「まあ、チャンスとか、遊び要素は必要だからね。でも、もしそうじゃないとしたら、と思ってね」

そうじゃない場合?

「あのピエロたちも、予想も出来ない事態が、起きてるのかなって、おじさんは思うな。
まあ、そうだとしてもあいつらはこのゲームを続けているからね。
それを、排除可能だったり、大したことがないと思ってたりするんだろうね」

「それが、この神社?」
魅音ちゃんは、急に苦笑いを浮かべる。
「どうだろうねぇ、そもそもが全部おじさんの想像だし。
ただ殺し合いをさせるために、武器を用意したってのが、一番可能性は高いしね」
「じゃあ……どうしてそう思ったの?」
「もっちろん! ゲーマーとしての勘だよ!」

二人目のゲーマーの勘発言者、誕生の瞬間である。

とりあえず身支度を整え、二人は見つけた通路を進んでいく。
「ねえ、春香ちゃん。つかさちゃんは……大丈夫なのかな」

大丈夫かな。それは、多分二つの意味を持っている。
生きているのかと……間違わないだろうか。その二つの意味。

「大丈夫ですよ。私達で、助けてあげましょう」
どちらの意味でも、答えは変わらない。
つかさちゃんを助けるために、私達はここから出る道を探した。


【C-3 山頂内部/一日目・午後】
【天海春香@THE IDOLM@STER】
[状態]:左腕欠損(傷口は完治)。軽い疲労。
[装備]:シルバースキン@武装錬金、洞爺湖の木刀@銀魂
[道具]:陰陽玉*2@東方project
[思考・状況]
基本行動方針:昔の、今の、自分を越える。
1.ここから抜け出して、つかさちゃんを探す。
2.みんなを守って見せる
3.その後、塔に行く。
3.同じ事務所のアイドル(やよい、真、亜美)を探したい。
4.殺し合いには乗らない。仲間を守るためには戦う。
5.アイスソード……そういえば、谷口さんが……あ、あれ?
※身体能力が、少し向上しています。本人は気付いていません。
※ダブル武装錬金については知りません。
※アイスソードを呪われた魔剣だと認識しています。

【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:頭部裂傷、腰を強打
[装備]:SIG P210(残弾8)@MADLAX、鬼狩柳桜@ひぐらしのなく頃に
洩矢諏訪子の帽子@東方project、
[道具]:支給品一式(水一本消費)、ipod@現実、10円玉@現実?、札束(1円札百枚) 、
[思考・状況]
1:ここから抜け出して、つかさちゃんを探す。
2:部活の仲間と谷口・カービィの知り合いを探す
3:殺し合いを止める
4:詩音については知り合いを仲間にできたらそのときに話そう
5:詩音のやった事に関しては、何かしら責任を取ろう
6:谷口先輩を説得しないと
※夢の内容は忘れました。そのうち思い出すかもしれません。
※魅音は、わざわざこんな空間を用意して、アイテムを置いておくことを
不自然だと感じています。完全に勘で、根拠もありません。

※鬼狩柳桜
古手家の禁宝。
雛見沢村が、鬼ヶ淵村と呼ばれていた遠い昔に、鬼ヶ淵村を滅ぼそうとした鬼がいた。
当時の古手家党首、古手桜花がその鬼を封じた際に使われた刀。
鞘が抜けないので、その力を発揮できない。

※洩矢諏訪子の帽子
幻想郷の山の神その2、洩矢諏訪子の帽子。
こちらが本体ではないかという噂もあるが、ただの帽子と思われる。

※陰陽玉*2
博麗霊夢の武器。
博麗の血を引く者以外は使うことができない、はず。

どれも、あまり役に立つアイテムには見えません。

※山頂の内部空間に、古手神社と博麗神社が破壊されて放置されていました。



sm117:震える山~歩くような速さで~ 時系列順 sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ 投下順 sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ スパイダーマン sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ ストーム1 sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ 矢部野彦麿 sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ アリス・マーガトロイド sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ 天海春香 sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ 園崎魅音 sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ 谷口 sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ エアーマン sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ ムスカ sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ TASさん sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ クラモンB sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ クラモンA sm117:震える山~悪性変異~
sm117:震える山~歩くような速さで~ ゴマモン sm117:震える山~悪性変異~
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