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廃墟の城の素敵な巫女 ◆KJJLTUDBrA




「うさぎ~うさぎ~、うさぎなべ~♪」
台所で、歌を口ずさみながら料理を作る巫女が一人。
そしてその傍らには、目を回して倒れているスーパードラゴンの姿があった。
● ● ● ● ● ●
時間は少し遡る。

「……すごい勢いで走って行ったわね、あいつ」
霊夢が『じゃあまず、二手に分かれましょう』と言うや否や、
ヨッシーは勢いよく返事をすると、どこかへ走り去ってしまった。
彼女にできたのは、それを呆然と眺めることだけである。
「ああもう! なんでみんな、話を最後まで聞かないのよ!
彼女はそう呟くと、ヨッシーとは違う方向に足を向けた。
彼女としては、何時までにどこに集合、ということも付け加えたかったが、彼の姿はもう見えない。
ため息をつきつつ、彼女は歩く。
「けど、使えるもの、か。自分で言っておいてはなんだけど、具体的にこうと言うものはないのよね」
(ねぇ、レイジングハート。あなたに何か考えはない?)
盗聴を警戒して、肝心なところは念話である。
(そうですね。まずは、首輪の解析に必要な機械でしょうか。私も少しずつ解析を進めていますが、
 一部のブラックボックスの影響で、ある一定レベル以上の把握が事実上不可能となっています)
(でも、この城は相当古いわよ? そんな機械とかはないんじゃないかしら)
(ええ。ですからまずは身を守るために必要なものや、食料の捜索が優先事項だと思います)
「食料は後でもいいとして、身を守るものかぁ……」
唇に指を当てて考え込む霊夢。

「まあ、あなたがいれば大丈夫だと思うんだけど」
『ですが、可能ならばより扱いなれた武器のほうが良いかと。あなたが良く扱う武器などは何かありますか?』
「そうねぇ、いつもは陰陽玉を使ってるけど、そこらに転がってるわけがないし……」
『陰陽玉、ですか』
陰陽玉を知らないレイジングハートが、いぶかしげに声を上げるが、霊夢は気付かない。
「そうだ。紙と筆、なければ鉛筆やペンがあれば、博麗アミュレットが作れるわ」
『それは?』
「お札よ。うん、即席で威力も低いでしょうけど、ないよりはましね」
よし、と歩き出す霊夢を、レイジングハートが呼び止めた。
『紙とペンでしたら、支給品にありましたが……』
「無駄遣いするわけにはいかないわ。なるべくここで調達したい」
そのまま霊夢は、手近な部屋の扉を開ける。

「あら、ちょうど良いわね」
それは霊夢の天性の勘のよさゆえか、それともたまたま運が良かっただけなのか。
霊夢が開けたその部屋は、どうやらかつては書斎として使われていた部屋のようだった。
過去形なのは、ほこりが積もって長年使われていない様子だからである。
「あまり、使えそうなものはないわね。せいぜい、これぐらいかしら?」
大半がほこりをかぶったりボロボロになっていたりしていて、ほとんどまともに使えそうになかったが、
大きな書斎机の中だけはかろうじて無事だった。
霊夢はその引き出しの中から、メモ用紙の束をとりだし、軽くほこりを払った。
「へえ、結構いい紙じゃない。まあ、これだけあればどうにかなるわね。次に行きましょ」
『ところでレイム。今更ですが……』
「ん? 何かしら、レイジングハート」
杖に目を落とす霊夢。
『彼、ヨッシーを行かせてしまってよかったのですか? 彼が先に食料を見つけた場合、大変なことになると予想できますが』

「…………」
沈黙。

「……レイジングハート、エリアサーチ!」
霊夢は叫ぶと、もと来た道を取って返した。

● ● ● ● ● ●
ちょうど同じころ。ヨッシーは台所にいた。しかし、食料を全て平らげていた、というわけではない。
「食器ばかりで、食べ物がないよ~」
彼は霊夢と分かれた後、まったく迷わず、ここに到着した。
これは霊夢のような勘とかそういうものではなく、純粋に嗅覚によるものである。
食い意地の張った彼は、わずかな匂いからもその場所を特定するのだ。
しかし──
「うーん、匂いが強くてよくわからない……」
しかし台所は、永井けいこが朝方料理をしていた場所である。そのときの匂いが残っているため、
食料の詳しい位置がわからないのだ。
そして、部屋中をしらみつぶしに探し、最後に残ったのが、部屋の隅にある小さな扉だった。
扉を開ける。そして、薄暗い部屋を彼が覗くと、そこにはたくさんの甕が並んでいるのが見えた。
とりあえず彼は、手近な甕のふたを片っ端から開けてみることにする。
「わぁ、食べ物がいっぱいだ~」
感嘆の声を上げるヨッシー。というのも、甕の中には様々な野菜が入っていたからだ。
「ふふふ、霊夢さんたちと合流する前にさっくりいただいて……」

「何をいただくって?」

不意に掛けられた声に、ヨッシーが固まる。
恐る恐る振り返ると、そこには笑顔でこちらを見ている巫女の姿があった。
しかし、その瞳は笑っていない。
「で、何をいただくって?」
繰り返される問いに、ヨッシーはしどろもどろに喋るのが精一杯だった。
「え、あ、その、日吉さんきっとおなかをすかせてると思って食料を……」
「それは嘘ね! 今食べようとしてたじゃない!」
ジャキンッ、と杖が彼に突きつけられる。
「あ、いや、だから──!」
「問答無用! パスウェイジョンニードル!」
そして、針の形をした光弾の嵐が、ヨッシーの視界を埋め尽くした。

● ● ● ● ● ●
そして時間は現在に戻る。

「まあ、こんなものね。ありがと、レイジングハート」
『You're welcome.』
霊夢は味見をしてうなずくと、コンロの火を消した。
もちろん幻想郷には、ガスコンロのような便利な機械はない。
そのため最初は使い方が良くわからなかったが、多少なりとも知識のあるレイジングハートの助言と、
似たようなものを普段使っている魔理沙がいたことから、料理が作れる程度には使えるようになったのだ。
なおレイジングハートは、邪魔にならないようにスタンバイモードで待機させている。
「う、うーん。クリボーはもう食べたくな……あれ?」
「あら、やっとおきたのね。遅いわよ」
ヨッシーが起きたので、霊夢は彼に近づく。
「あ、霊夢さん。もう、さっきはひどいですよ。死ぬかと思ったじゃないですか~」
「死にやしないわよ。ちゃんと手加減したし、非殺傷設定とか言う奴だったから」
「でも、痛いものは痛いんですよ~」
そこでヨッシーは、霊夢の後ろのなべに気付いた。
「おや、そのお鍋は一体?」
「ああ、これね。さっきの日吉とかいう奴、食料が減ってなかったじゃない。
 話を聞くには体力を回復させなきゃいけないでしょ? そのためのウサギ鍋よ」
ヨッシーを沈めた後、霊夢は食料庫を物色しながら気付いたのだ。日吉はひょっとしたら空腹であるかもしれないと。
そこで、ちょうど良い具合に見つけたウサギの干し肉を使って、鍋を作ることにしたのだ。
一方のヨッシーは、別のことが気にかかったようだった。
「は! そういえば食料は、……?」

ヨッシーが振り向いたのは食料庫へ通じる小さな扉である。
そしてそこで、扉や、それと壁や床の境目にびっしりと紙が張られているのに気付いた。
紙には、なにやら不思議な模様が描かれている。
「これはなんですか、霊夢さん?」
「あ、それには触らない方が良いわよ」
「え……いたっ!」
ヨッシーが扉に手を近づけると、静電気のようなものが走り、彼の手を退けた。
度重なるアクシデントに、ヨッシーは目に涙を浮かべながら、霊夢に聞いた。
「い、いったいなんなんですか~?」
「ほら、いわんこっちゃない。あんたが勝手に食べないように、扉に結界を張ってみたのよ」
「ひ、ひどい!」
「冗談よ。本当のところ、ここを離れた後も食料を使うことがあるかもしれないじゃない?
 だから、毒とかを入れられないように結界を張ったの。弱い結界だから、実は誰にでも解けるんだけどね」
とりあえず、誰かが入ったことがわかればいいのよ。と、霊夢は言う。
「あー、ほら泣かないの。とりあえず、これでも食べて元気出しなさい」
まだぐずり続けるヨッシーに、霊夢はウサギ鍋をお椀によそって差し出した。
彼は泣きながらお椀を受け取ると、それに口をつけた。
「……おいしい。おいしいですよ、霊夢さん!」
「そこまで喜んでもらえると、料理人冥利に尽きるわね」
一瞬で、ヨッシーの顔が明るくなる。そして、ペロリとそれを平らげると、お椀を霊夢に突き出した。
「おかわり!」
「だめよ。まだ私と日吉が食べてないんだから。おかわりはその後」
不満の声を上げるヨッシーに、霊夢は命令する。
「ほら、あなたはそこのお椀と水差しを持って。安心なさい、私はさっき昼食をとったから、そんなに食べないわ」
そして、鍋を持って廊下に出た。

● ● ● ● ● ●
丁度、霊夢とヨッシーが台所を出たころ、日吉は目を覚ました。
「……ここは?」
そこは、城の中でもっとも痛みの少ない寝室だったが、そんなことは日吉には知る由もない。
ただ彼にわかるのは、YOKODUNAとの戦いに敗北し、誰かに助けられてここにいる、ということだけである。
(だが、いったい誰だ?)
一番可能性が高いのは、YOKODUNAである。日吉が生きているのを知り、再戦を挑みに来たというのが、一番妥当だ。
(あのデブ助以外って可能性もないわけじゃないが、まずありえんな)
彼にとってYOKODUNAは、だれかれかまわず勝負を挑むような男に見えた。
つまり、途中で誰かに会った場合、その誰かはYOKODUNAに勝負を挑まれているはずだ。
ならば、あれほどの戦士と相対した者が、誰かに手を差し伸べるだけの余裕を持っていられるはずがない。
(いや、偶然会わなかったってことも考えられるか。そいつが強い奴なら良いが、弱い奴なら分かれるのが得策だな)
とりあえずベッドから出て立ち上がると、日吉の胸に痛みが走る。
「クッ……これは肋骨か。面倒な……」
その時、日吉の視界にヨッシーの残した書置きが映りこみ、彼は何気なくそれを手に取った。
「何だこりゃ? 小学生でもこれほど汚い字は……と、そうか。全員が全員、日本人っていうわけじゃないんだな」
放送で呼ばれた名前の中にも、インセクターだとかワドルドゥだとか、明らかに日本人ではない名前がちらほらあった。
結局彼には、その書置きは日本語以外の別の言語で書かれているとしか、思えなかったのである。
そしてそれが、彼がここから去るのを決意する最後の一押しとなった。
言葉が通じない相手といて苦労するより、他の場所へ探しに行く方がいいと思えたのだ。
「えーと、ここから出るのはいいとして、なにか使えるものはなかっ……」
デイパックの中を探しながら、何気なく取り出したのは『マカビンビン』。
それをみて、日吉は少し固まる。

「そういやこんなものもあったが……これは、最終手段だな」
そう独り言をいうと、見なかったことにするように、ビンをデイパックの中に戻した。
他の栄養ドリンクならともかく、こんなものに頼るのは人間としてどうかと思ったのだ。
(しかたない、C4なんて使ったらこっちが危険だからな。窓から出るか)
そうして、窓枠に足を掛けたところで、背後の扉が開いた。

振り返るとそこにいたのは、巫女服を着た大きな鍋を持った少女と、なんだか妙にファンシーな恐竜。
巫女の方は日本人に見えたが、日吉は自分の判断が間違いではないことを確信した。
女子供が、あのYOKODUNAに対する、そして最終的にはあのピエロたちに対する戦力になるとは思えなかったからである。
「あばよ」
そのまま外に飛び降りようと、窓枠を掴む。
しかし。
「レイジングハート!」
『Yes,my master!』
巫女が叫ぶと、突如日吉の周囲にピンク色の輪が現れ、一気に収縮する。
それにより、窓枠を掴んでいた手は、腕ごと引き剥がされた。
バランスを崩した彼は、固い床に体を打ち付けられる。
「ぐぅッ……」
「まったく。それだけボロボロでよく動けるものだとは思うけど、ここは二階よ? 普通の人間が飛び降りたら怪我するわ」
「お、俺はそこらの奴より鍛えてるんだよ!」
はいはい、と軽くあしらうように言って、彼女はベッドの脇のテーブルに鍋を置き、食器を並べていく。
「おい、無視するな! それはなんだ! あとお前誰だ!」
「もう、うるさいわね。これはウサギ鍋。私は博麗霊夢でこっちはヨッシー。わかった?」
「ウサギ鍋? だからなんでそんなものを持って……」
ぐぅ、と日吉の腹が盛大に鳴った。
「ほら、おなかすいてるんでしょ? 詳しい話は食べながらしましょう」

● ● ● ● ● ●
「……そしておれは、YOKODUNAに吹き飛ばされて、こっちまで来たってわけだ」
「へぇ。そのYOKODUNAって奴は、もうほとんど化け物ね。幻想郷でもそんなことできる人間は、まずいないわよ」
「大乱闘だと日常茶飯事ですけどね~」
腹が減っては戦はできぬ、とばかりに日吉とヨッシーは食いに食う。
霊夢はそれを、冷静に眺めつつ、自分もパクパク食べていた。
「ところで霊夢。さっきのアレはなんだ?」
「さあ? なんでも魔法って奴らしいけど、正直興味ないわね。使えれば同じよ」
「うあー、おいもをもっていかないで~」
「そうそう、私達も変な化け物に会ってね……」

人間達(+恐竜)がわいわい鍋をつつきあう様子を見ながら、レイジングハートは考えていた。
もし、自分のかつての主、高町なのはもここにいたら、どれほど良かっただろうと。
どうしてそんなことを考えるのか、レイジングハート自身もわかっている。
現在の主である博麗霊夢が、どうしても高町なのはと重なるからだ。
もちろん、保有している力の大きさで言えば、なのはと霊夢の間には天と地ほどの差がある。
だが、初めて知った魔法を自分のものとする速度、戦闘時の判断力などは、霊夢のほうに軍配が上がるだろう。
さきほど、見たこともない魔法を使い出したのには、驚いたものである。
そう、霊夢は高町なのはと同じく天才なのだ。
(ああ。でも、いずれにしても私のやるべきことは変わりませんね)
誰がマスターでも、それを補助し守るのが、インテリジェントデバイスの役目。
たとえ以前のマスターが死んでも、いや死んでしまったからこそ、今のマスターを守らねばならないのだ。
『守りましょう。そうでなけらば、ナノハに合わす顔がありません』
「ん? 何か言った、レイジングハート?」
『いいえ、何も』
そう言ってレイジングハートは、再び沈黙した。


【D-1 城・寝室/一日目・夕方】
【博麗霊夢@東方project】
[状態]:健康、バリアジャケットの腋部分破損
[装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、巫女風バリアジャケット@巫女みこナース
[道具]:支給品一式(食料1消費)、フリップフラップ@ニコニコキッチン、
首輪、ドリル@ミスタードリラー、メモ用紙(150/200)
[思考・状況]
1.三回目の放送で二人の生死確認後、E-2橋で海馬たちを待つ。
2.怪しい人には無理のない程度に接触、無害なら適当に交渉
3.今回の事件の解決(主催者の打倒)

【ヨッシー@スーパーマリオワールド】
[状態]:健康、軽く焦げてる
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(食料全消費)、RPG-7(残弾5)@GTASA
モンスターボール(オクタン)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.とりあえず霊夢さんに協力
2.ウサギ鍋ウマー
3.ボスを倒す

※霊夢は日吉をかなり丈夫な一般人だと認識を改めました。
※ヨッシーはKASをどこかの世界のマリオと思ってます。TASと関わっていません

霊夢、ヨッシーの共通認識
※なのはの世界についての知識を得ました。ヨッシーはイマイチ理解していません。
※海馬・やよいと知っている情報を交換しました
※名簿が、世界の住人ごとに載っていることに気がつきました。
※各地に監視装置があり、首輪にも盗聴機能があることを認識しました。
※YOKODUNAに関する情報を入手しました。

【日吉若@ミュージカル・テニスの王子様】
[状態]:中度の疲労、肋骨損傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 食料2人分、水2人分、C4プラスチック爆弾@MGS、
ヒラリマント@ドラえもん 、マカビンビン@うたわれるものらじお
[思考・状況]
1.手段を問わず、主催に下克上する。
2.最大の障害であるYOKODUNAに下克上する。
3.下克上の障害は駆除する

※第三回放送の内容を把握しました。
※クラモンB、TASに関する情報を入手しました。



sm126:信仰は儚き人間の為に 時系列順 sm128:戦火予防の時間だよ
sm126:信仰は儚き人間の為に 投下順 sm128:戦火予防の時間だよ
sm107:静かなる古城 博麗霊夢 sm139:難題「何故、類は友を呼ぶのか」
sm107:静かなる古城 ヨッシー sm139:難題「何故、類は友を呼ぶのか」
sm107:静かなる古城 日吉若 sm139:難題「何故、類は友を呼ぶのか」



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