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忙しい人の為の「薬屋前の攻防」 ◆jVERyrq1dU





「全く信じられない化け物ですねぇ」
剣を持った女と力士の戦いは、女の逃亡で幕が下りた。
力士は火炎瓶をくらったにも関わらず、未だに余力を残しているようだ。
いくら弱ったとはいえ、チューモンの力ではまだどうしようもない。

女とその仲間達が薬屋の中に逃げていく。

「頭悪いね。ただ追い詰められるだけだよ」

さてこれからどうしようか。チューモンは思索する。
どうにかしてあの力士を食したい。そうすれば難なく進化できるだろう。
しかし、自分の力ではどうあってもあの男を倒す事は不可能だ。
さて、どうしたものか……。

「誰か来た」
「やったわ。また戦闘が始まったみたい」
「今度こそ、あの男を倒して欲しいですね。ぐぎゃ」

派手な格好をした女、霊夢が力士に奇襲を仕掛けた。力士も体勢を整え反撃に出る。
この女はさっきの女よりも強いかもしれない。観察しながらチューモンはそう感じた。
攻撃の一つ一つにチューモンが好むどす黒い殺意が込められている。

「そろそろ決着がつきそう」
「さっさと進化して貴方を救いたい」
「全く、どっちも途方もない化け物ですねぇ」

チューモンは物陰に潜み、霊夢とYOKODUNAの戦闘を盗み見ていた。
戦闘力自体はYOKODUNAの方が上だったかもしれない。
しかし、霊夢の圧倒的な怒りはYOKODUNAの強さをも徐々に侵食していく。
「やった。あの美味しそうな力士が負けそうですよ」
「まだ分からないよ。頭冷やそうか」
「あの人のためなら、あの女に協力する事も辞さない」

YOKODUNAの体は血で濡れており、遠目からでも邪悪な何かを感じられる。
目を凝らしてよく見ると、YOKODUNAの周りにぼやっとしたオーラが存在している。
チューモンは思考する。あれは美味しそうだ。多分、今までで一番残酷で邪悪な人間、さぞ栄養になる事だろう。

チューモンはYOKODUNAの死体を食らうつもりなので、ここはなんとしても霊夢に勝利してもらいたいところである。

YOKODUNAの首輪が爆発し、彼の頭部が明後日の方向に飛んでいく。
戦闘が終わった。結果はチューモンの願い通り、霊夢の勝利に終わった。

「やりましたね」
「待って。奴らが見えなくなるまで様子を見るべき」
霊夢がすっきりした様子でヨッシーに声をかけ、ジープに乗り込みどこかへ去っていった。
「あれが奴らの支給品かしら。大そうな物を持ってるじゃない」
「あれを奪えたら、さらにあの人に近づける」
「機会があれば奪ってやりたいですねぇ。ぐぎゃ」

常軌を逸した独り言をしながら、チューモンはYOKODUNAへと歩み寄る。
死体だというのに、恐ろしいほどの邪悪なオーラに包まれている。体も大きい。
YOKODUNAの死体はチューモンにとって最高のエサだった。

「これは食べがいがありそうですね」
「食すのにかなりの時間がかかるはず。他の参加者に見つかるかも」
「どこかに隠れて食べないといけないよ。町は荒れている」

とりあえずチューモンは辺りの様子を探る事にした。まずは薬屋の中だ。
先ほど、女二人と男一人が力士から逃れるために薬屋に入って行ったが、何の音沙汰もない。
人の気配は感じられない。警戒しながら薬屋に入ったところ、やはり誰もいなかった。
自分の見えない角度から、例えば窓とかから逃げたのかもしれない。チューモンは少しだけ残っていた薬品をデイパックに詰める。
持っていて損はないだろうという判断だ。そして外に出て辺りの様子を探る。もう自分以外誰もいないようだ。

「やっと落ち着いて食べれるわね」
チューモンはYOKODUNAの死体を引きずり、薬屋の前にあった民家に侵入する。
YOKODUNAの体は重い。チューモンの体では引きずるのも一苦労だ。
懸命に死体を引っ張り、中に入れる事が出来た。

「おっとぉ、この人の頭を忘れていませんかぁ?」
「何言ってるの?忘れるわけないよ。頭冷やそうか」
「こんな極悪人の頭部はおそらく美味しい。残酷な力で満ちているはず」

チューモンは民家を出て、YOKODUNAの頭部を回収する。
これは糧になりそうだ。チューモンはにやりと笑い、確信する。
辺りに誰もいない事を確認し、YOKODUNAの頬の肉を一口かじってみる。

ぶちり、と肉が引き千切れる音がした。YOKODUNAの頬の肉は消え、白い歯が直接、月光を受けて輝く。
「やはり美味しいわ。あの人にあげたら喜びそう」
「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃ! 美味しいー……くん!」
無我夢中で頭部に噛り付く。鼻を食いちぎり、続いて耳。両目に指を突っ込み、目玉を抉り出し自分の口の中に放り込む。
口中で目玉を転がし、味を楽しみながら邪魔な髪の毛を強引に引っ張り、全て抜く。
ぷつぷつという毛が抜ける音がした。丸坊主になった頭を舗装された地面に何度も叩きつけ頭蓋骨を叩き割る。
チューモンは口中の目玉を噛み、飲み込んだ後、頭に開いた穴からYOKODUNAの脳を啜った。

「凄い。凄いよー!……くーん!」
「静かにしろ。何か来た」
チューモンがYOKODUNAの脳を啜っていたその時、何者かの足音が聞こえてきた。
素早くYOKODUNAがいる民家に戻り、身を潜める。

やって来たのは、体格のいい男だった。ずいぶん体を痛めているようだ。
どうする?あの男はかなり疲弊しているようだ。隙を見て襲い掛かれば難なく殺せるかもしれない。
いや……あいつ。大事そうに銃を持っている。この体では危険か。もし銃で撃たれれば大変だ。

「拳銃を持ってる。あの人のために今すぐ殺してやりたいけど……」
「かといって取り入る価値もなさそうですね。怪我人ですし」
「あいつも中々美味しそうなのに何の接触も出来ないなんて残念だわ」
チューモンはぼそっと呟く。男は薬屋に入っていった。しばらく様子を見る。
ご馳走を頂くのは後にして、今は様子を見るべきだ。
しばらくすると男が出てきた。どうやら中で傷の手当てを行っていたらしい。

『霊夢だ!レ、イ、ム、の、ハ、ダ、カ!!ああ!さっさと拝みてええええええ!!』

そうっと様子を見ていたチューモンの耳に、それは飛び込んできた。男は驚きながらも一人にやにやしている。
チューモン自身もそれなりに驚いたが、まあ性別のないチューモンにとってはどうでもいい事だ。

男は声の方向へ消えていった。あの方向に参加者がいるらしい。これが分かった事は中々の収穫だ。
食事の邪魔をされたくないチューモンはもう少しだけ様子を見ることにした。
町はさっきから慌しい。おそらく激戦区なのだろう。石橋を叩いて渡るくらいの慎重さでちょうどいい。

先ほど声が聞こえてきた方向から、今度は轟音が聞こえてきた。
何かの破壊音のようだ。全く、落ち着きがないな、チューモンは心中で毒づく。
続いて、何か重い物が壁にぶつかるような音が聞こえてきた。チューモンはさらに顔をしかめる。

「さて、いい加減そろそろ食事をしてもいいんじゃないですか?ぐぎゃ」
「そうだね。クズ共のせいでかなり時間を浪費した。ようやく進化出来る」
「この死体の持つパワーは計り知れない。一気に進化する事もあり得ない話ではない」

手に持っているYOKODUNAの頭部を一気に食す。次はいよいよメインディッシュである体だ。
チューモンは頭のない死体に馬乗りになる。

「「「いただきます」」」

チューモンはまず右腕に噛り付いた。次々と、肉を飲み込み、エネルギーを身体に蓄積させていく。

「「「来た!進化だ!!」」」

チューモンの姿が変形していく。生まれるのは魔王か、それとも陳腐な何かか。

【E-3 民家/一日目・真夜中】
【チューモン(元クラモンA)】
[状態]:自我放棄、疲労中、重傷、能力の極大低下、姑息さ上昇、魔力使用可能、目が赤い、情報改変可能、弾幕使用可能、ヤドリギの種(弱)使用可能 、うどんげの人格封印(一時的)
[装備]:鉄塊鉈@ひぐらしデイブレイク 、蒼星石のローザミスティカ
[道具]:支給品一式(未確認支給品0~2)
[思考・状況]
基本1:進化!!
基本2:進化のため、姑息に生き延びる。
基本3:参加者を混乱させる。
基本4:二人組みマーダーのパソコンのデータを食べたい
基本5:人格データの暴走に注意
基本6:ソノザキシオンに名前の近い人を拷問にかける
基本7:あの女が、師匠……?
基本8:主催者に復讐したい。
基本9:町が慌しいな。激戦区か?
総意:派手な争いをせずに、計略的に進化して、全参加者と主催者を拷問してから残虐に壊す。
あと、愛しの彼を蘇らせて、同様に壊す。

※チューモンの中の詩音は、自分が『ソノザキシオン』であると認知しています。
※チューモンになったことで、全能力が激減しました。同時に使うことはできず、切り替えも遅く、使用時の疲労も倍増しています。
※蒼星石のローザミスティカのおかげで、魔法はそれなりに使えます。鉄塊鉈は、情報改変によって筋力強化をしないと、まともに扱えません
※能力の制限について大分理解しました。
※うどんげの人格の封印はすぐに解くことができます。
※永琳がうどんげの師匠ではないかと思っています。



sm166:黒より暗い人物(後編) 時系列順 sm168:月は見えているか
sm166:黒より暗い人物(後編) 投下順 sm168:月は見えているか
sm146:生き残るんだどんな手段を使っても チューモン sm172:東方萃夢竜(前編)



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