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されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA




「大丈夫? 遊戯君」
「……ああ」
春香が去ってから、大分時間がたった。しかし彼女は、未だ帰ってこない。
遊戯は熱の所為で口数が少なく、あたりは沈黙で満ちていた。
「春香、おそいなぁ」
何かあったのでは、という何度目かの不安を、魅音は首を振って打ち消す。
(そんなはずない。春香はすごく強いんだもの)
そんなとき、時報が鳴った。

(よかった。春香もつかさも無事だ。でも、ストーム1さん……。
 まさか春香に聞いた人が死んじゃったなんて……)
「ゴマモン……それに、ロックマン……だと」
「え?」
魅音が遊戯の方に目を向けると、そこには目を見開いて、ぶつぶつと呟く遊戯の姿があった。
「えっと、今呼ばれた人は、遊戯君の友達?」
「ああそうだ。俺が……ここに来て、知り合った。くそ、俺が……不甲斐ないばかりに……!」
荒い息を吐きながら、遊戯は立ち上がろうとする。

「だ、だめだよ! あんたは安静にしてないと!」
「……何勘違いしている。この程度で……俺が……」
呼吸をするたびに、ぜぇぜぇと音がする。その瞳は虚ろで、今にも倒れそうだった。
「この程度って……すごい熱なんだよ! このまま無理をしたら倒れちゃ……」
「黙れぇッ!」
遊戯が叫んだ。思わず魅音は押し黙る。
「……琴姫さんも、かがみも死んだ! それに、それに……」
無理やり、彼は一歩を踏み出す。
「俺は、いやだ。……まだ生きている仲間を、同じように失うなんて! 俺は……仲間の元に、戻らなきゃ……!」
「お、お、落ち着きなよ、遊戯君! そんな体でどうしようって……」
「さっきの放送を聞いただろう! 俺がダウンしている間にゴマモンもロックマンも死んだんだ! だから、早く……」
ふらふらと、一歩、また一歩と彼は歩き出す。
そんな彼をはらはらしながら見つめている魅音の耳朶に、聞き覚えのある声が響いた。

「ふぅん。遊戯君は、ゴマちゃんの仲間なんだね」

はっ、として魅音が振り返ると、少しだけ離れたところにつかさがいた。

□ □ □ □ □ □
「つかさ!」
魅音が手を振ると、つかさも振りかえしてきた。
こちらに彼女が歩いてくるので、徐々に距離が詰まる。
「よかった、無事だったんだね!」
「当たり前じゃない、魅音ちゃん。だって私は放送で呼ばれてないんだもの」
クスクスと彼女は笑う。魅音はそれに若干の違和感を感じた。
「あれ? そういえば春香は……」
「その前に魅音ちゃん。やることがあるの」
え、と魅音が思うと同時につかさが立ち止まり、その腕が上がる。
そこにあるのはトカレフと呼ばれる拳銃。
それが遊戯にまっすぐ向けられていた。
「ちょっ……」
魅音が静止する暇はなかった。あっという間に引き金が引かれる。
乾いた音が響く。
それは遊戯の頬を掠っていった。
つ、と血が垂れる。
「あれぇ、おかしいなぁ。ちゃんと狙ったんだけど」
「な、に、を」

「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってつかさ! あぶないよ! それはおもちゃじゃないんだよ!」
「そうだよ。これは拳銃。何当たり前のことをいってるの? 魅音ちゃん」
微笑むつかさを見て、魅音が感じた違和感は、寒気へと変わる。
コレに近づいてはいけないと、体が、脳が、本能が警鐘を鳴らす。
それでも彼女は、どうにか踏みとどまり、つかさに話しかけた。
「え、ええっと、どうして遊戯君を狙うのか、おじさんに説明してくれないかな?」
「なんでって、お姉ちゃんを殺したゴマモンの仲間だからじゃない」
それを聞いて、遊戯が顔色を変える。
「馬鹿な! よりによってゴマモンだと!」
「本当だよ。本人から直接聞いたもん」
「何……?」
クスクスと彼女は笑った。
「だからぁ、おねえちゃんを殺したのはゴマちゃんなんだってば。だから、そんな奴の仲間と一緒にいるのは危険でしょう?」
再び、引き金が引かれようとする。
「あ、あ、ああもう!」
少し混乱しながら、魅音は遊戯の手を掴んで走り出す。
「おい、あの子は……」
「とりあえず、今は逃げるよ! いくらトカレフだからって、危なすぎる!」
乾いた銃声を背中で聞きながら、二人は走り出した。

□ □ □ □ □ □
「ふぅ、とりあえず撒いた、かな?」
直線を避け、山道をジグザグに移動した結果、魅音と遊戯は、さっきまでいた場所より、高度の高いところに来てしまっていた。
少ししくじったかな、と顔をしかめる魅音に、遊戯が尋ねた。
「魅音、さっきの彼女は一体?」
「ああ、あの子はつかさ。私たちの仲間だったんだけど、お姉ちゃんが放送で呼ばれて、飛び出して行っちゃって……」
「姉?」
うん、と魅音は頷く。
「柊かがみ、って言うらしいよ。私は会ったことないけど……って、かがみって子と、あんたは仲間だったんだっけ」
「ああ。そうか、彼女の妹か……。では、姉を失ったショックであんな風に?」
「うん、多分そう……」
そこで、彼女はマジマジと遊戯を見つめた。
「あれ、大分良くなった?」
尋ねたのは発熱などの症状についてである。
「ああ。どうやら峠は越えたらしい。まだ視界が霞むし頭が重いが、大分ましになった」
「そりゃあよかった! いやぁ、一時はどうなることかと思っておじさんびびっちゃったよ~」
安堵で口が緩む魅音を、遊戯が諌める。
「まて、まだあの子が近くにいるかもしれない」
「おっと、そうだったね。うっかりうっかり」

たはは、と魅音は頭をかいて苦笑する。だが、すぐに顔を引き締める。
「じゃあ、ひとまずこれからどうするか決めたいんだけど、何かある?」
「そうだな。確か街に集まる約束と言うのがあった。ひとまずは街に向かおう」
「うん、そうだね。でも……」
彼女は少し口ごもる。
「でも私は、つかさを正気に戻したい」
「それこそ正気か。相手は銃を持ってるんだぞ。ひとまずここは引いて……」
「わかってるよ。でも、あの子は銃なんて使ったことないだろうし、それにアレはトカレフ。上手くやれば十分勝機は……」
そのときだった。


「みつけた」


二人の顔がさっ、と青くなる。そのまま声が聞こえた方向、すなわち上を見る。
ふわふわと、ゆっくり落ちてくる人影は、間違いなく柊つかさ、その人だった。

□ □ □ □ □ □
「くっ!」
魅音が再び遊戯の手を取って走り出す。
しかし。
「しまった! こっちは行き止まり!」
周囲の地理をよく把握していなかったことが彼女の誤算だった。
ジグザグと曲がりながら行き着いた先は、崖だった。遠くに小さく建物が見える。
だが、彼女らにそれをじっくり見るような暇はなかった。
もと来た道を引き返そうと振り返ると、そこには角を曲がってこちらにやってくるつかさの姿があった。
(私としたことが……どうすれば、どうすればいい)
慌てて近くの岩の陰に身を潜める。そこから、魅音はつかさの方を覗き見る。
ゆっくりと、彼女の手がこちらに向けられる。当然握手を求めているわけではなく、そこには黒光りする鉄の塊があった。
「魅音ちゃん、そこをどいて。そいつを殺せないでしょ? 危ないんだよ?」
魅音は少しだけ考え、一つの可能性に賭けてみることにした。
(分が悪いどころの話じゃないけど……今の私にはこれぐらいしか思いつかない)
彼女は岩陰からでると、トカレフの射線を遮るように立ち上がった。。
彼女は腰の銃に手を伸ばすと、ゆっくりと拳銃を引き抜き、つかさに向ける。
「お、おい」
彼女の後ろで遊戯が驚いたような声を上げる。
それはつかさの方も同じだったようで、目を丸くしている。だが、すぐにクスリ、と笑った。
「なるほどね。魅音ちゃんも人殺しだったんだ。だったらいいよ、まとめて……」
「私はね、つかさ。あんたと話をするためにコレを向けてるんだ」
魅音は、ぴたりとSIG P210をつかさに向けながら、遊戯に小声で言う。
(万一私が撃たれたら、どうにかしてあの子の動きを止めるから、その隙に逃げて)
(魅音、君は馬鹿か! そんな相手を挑発するようなことを。俺が撃たれれば済む話なのに、そんな体を張って!)
(いいから! 私も簡単にやられるつもりはない)
一方で、クスクス、と我慢できないようにつかさは笑う。
「話? そんなものを突きつけて?」
「なんでもいいよ。まずは私の話を聞いて」
「……いいよ。聞いてあげる」
笑いながら、しかしその銃口はまっすぐ魅音のほうを向いている。
それを見ながら、魅音は口を開いた。

「まず、春香とは会ったの?」
「あったよ? 滝つぼに突き落としてやった。でもまさか生きているとはねぇ」
あっけらかんとつかさは言う。
「……っ、それはどうして?」
「だって、春ちゃんは私を裏切ったもの。人殺しの肩を持つ奴と一緒にいられないでしょ?」
魅音は反論しようとして、それを飲み込んだ。
(今は冷静に。COOLにならないと……)
そして、次の言葉を紡ぐ。
「それと、これは私からあんたへの忠告だ」
「忠告?」
「そのトカレフ、どういう発想から作られたか知ってる?」
つかさは、知らない、と首を振った。
「ヒントその一、トカレフはもともとソ連で作られた拳銃だった」
「?」
つかさが眉をひそめる。困惑の表情だ。
それは遊戯も同じようで、怪訝に魅音を見つめている。
「わからないかい? じゃあ次だ。気温が低いと、機械は凍り付いて動きが悪くなる」
「……時間稼ぎは無駄だよ。アレだけ走り回ったんだもの。近くに人がいないってことはわかってるでしょ」
「おーけー、なら手短に言おう。その銃は凍り付いても確実に使えるように作られた拳銃なのさ」
不敵な笑いを浮かべながら、魅音は言う。
「何が言いたいの」
「これでもまだわからない? まあ、あんたは素人だからね、わからなくてもしょうがないか」
「だから何が!」
つかさの言葉に、少しばかり苛立ちが混じる。
「いいかい? その銃は命中精度なんてほとんど考えちゃいないんだ。だから、素人が撃ったって、当たるものも当たらないよ」
それを聞いて、つかさはため息をついた。
「残念だな。面白い話でも聞けるかと思ってたのに」
無造作に引き金が引かれた。

魅音はその瞬間を待っていた。

たった一度。逃したらそれっきりの大博打。

引き金が引かれた、その瞬間に地を蹴る。

銃声。

しかしそれは地面の砂利を弾き飛ばすだけに終わる。

彼女はそれに見向きもしない。

ただ、銃声におびえて縮こまろうとする体を無理やり叱咤し、つかさの元へ駆ける。

慌てて次弾を発射しようとするつかさ。

しかし、彼女が引き金を引くより、魅音の足が伸びるのが速かった。

つま先が、つかさの持つ銃を打つ。

「きゃっ!」

弾き飛ばされた拳銃は宙を舞い、

そのまま、どこかへ飛んでいった。

□ □ □ □ □ □
「ふぅ……」
自分の銃をベルトにさしながら、魅音は自分の胸を抑えていた。
トカレフは、確かに命中率の低い銃である。だが、それも距離が離れているときの話。
仮に一発目が外れても、近づく間に二発目をを撃たれてしまうと、それを回避するのは難しい。
だから彼女は、ひとまず時間を稼ぐことにしたのである。
拳銃は、それなりの重量がある。そのため、それを長時間水平に持ち続ければ、多少なりとも筋肉に疲労が生じる。
ましてや、射撃訓練もしたことのない女子高校生の腕力では、それが顕著に現れるだろう。
筋肉に疲労が生じれば、それは引き金を引く握力に影響する。
握力が下がれば、引き金を引く速度が遅くなり、結果として二発目を撃つのに時間がかかることとなる。
(危機一髪、ってやつか。ふぅ、危ない危ない。心臓がバクバクいってるよ)
もっとも、彼女はそこまで考えていたわけではない。
素人が銃を撃っても、まず当たらない予感があったのと、長時間持ちっぱなしなら、腕が疲れるだろうという、
ただその二つの可能性に賭けたのである。
どこに飛ぶかわからない銃弾を相手にするには、分の悪すぎる賭け。だが、彼女は無傷でそれを乗り切ることができた。

「終わったの……か?」
「ああ、無事にね。それじゃあ、つかさの説得に……!」
岩陰から出てきた遊戯に、ひらひらと手をふって無事をアピールする魅音だったが、つかさの方を見て、また顔色を変えた。
つかさは、魅音に蹴られるときに、とっさに避けようとしたので、数メートル離れたところでしりもちをついていた。
そして彼女は、しりもちをついたまま自分の前に、四角い金属製の箱をゴトンと置いたのである。
「できればこれは使いたくなかったけど……しかたないよね。ピストル飛んでったし」
魅音はそれがなんなのか知らなかった。だが、それはとても危険なもののように思えた。
なにやらリモコンのようなものを操作しているのを見て、魅音は遊戯を振り返った。
しかし、彼は魅音の陰でつかさの方が見えないらしく、気付いたそぶりはない。
(どうしよう、あれは何か……やばい)
つかさの元に駆け寄り、リモコンを取り上げることも考えたが、近づく前にボタンを押されてしまうだろう。
彼女の横を通り抜けるのも同様の理由で不可能だ。
だから彼女は、最後の手段に出た。

「にげてぇ!」
「な……ッ!」
彼女は遊戯を突き飛ばした。
驚いた顔をして、魅音を見る遊戯。それはすぐに崖下へと消える。
そして。
クレイモアこと、Y11対空インパルスが火を噴いた。

「逃がしちゃったか。残念」
つかさは崖下を覗き込み、そう呟いた。
崖下は小さな茂みとなっており、それに遮られて地面が見えない。
「春ちゃんのときも、死んだと思ってたら生きてたし、どうしようかな」
うーん、と考え込むも、埒が明かないと気づき、ひとまず支給品を回収しようと、魅音に近づいた。
魅音の背中はズタズタに切り裂かれたようになっており、所々骨が覗いているような状態だ。
つかさはベルトからSIG P210を引き抜き、傍らのデイパックを拾った。
何か使えるものはないかと、その場で物色する。
「あ、iPodだ」
いそいそと取り出してイヤホンを耳に押し込む。知らない曲も多かったので、とりあえずランダム再生にしてみる。
「『愛してるー』かあ。こなちゃんなら知ってるかなぁ」
まあいいや、とつかさは立ち上がる。あたりの状況をわかる程度に音量を下げ、魅音に背を向け、その場を去った。

否、去ろうとした。


「はいだらあああああああああああ!!」


「!?」
びりびりと、山が、空気が、そしてつかさの体が震える。
恐る恐るつかさは振り返ると、鬼気迫る表情でつかさを睨みつける魅音がそこにいた。
「う……そ……」
つかさには、魅音は確かに死体に見えた。骨が見えるほどの重傷である。それが爆弾によるものなら、即死だっただろう。
しかし、クレイモアもといインパルスは違う。
あの武器は指向性の散弾地雷だ。つまり、爆風ではなくその無数の弾丸が敵を引き裂くのである。
あの時、鉛玉の嵐は魅音を蹂躙した。
しかし。
しかし本当に奇跡的に、魅音は即死を免れていたのである。
ザ、ザ、と魅音はつかさに近づく。それをつかさはただ見ていることしかできなかった。
決して彼女は、恐怖を感じていたわけではない。
ただ、魅音の放つ気配、それに呑まれていた。
やがて、魅音がつかさの前に立つ。
そしてパシンと、つかさの頬を打った。
「っ!」
つかさの脳裏に、ストーム1のことが過ぎる。だから、魅音も彼と同じように自分を叱るのだと、思った。
「痛いなぁ、魅音ちゃん。どうせ魅音ちゃんもいさじさん達と同じように、私を叱るんでしょ? 殺し合いはいけないって」
「……いいや。私はそんなことは言わない。それじゃあ、あんたに届かない」
思わずつかさは魅音を見上げた。魅音はすぅ、と息を吸うと叫んだ。

「いいかよく聞けぇ! つかさ、私はあんたが人を殺そうが、どうしようが! そんなものに興味はないッ!」
「ひっ!」
声が上がる。
「私も! そういう気持ちもわからないわけじゃない! だから、私が言うのはあんたのことだ!」
歯を食いしばり、息を吐き出す。目はぎらつき、鼻息は荒く、しかししっかりと足を踏みしめて。
「あんたは! あの時! 泣くべきだったんだ!」
「……え?」
「嬉しければ笑う! 悲しければ泣く! 何もおかしなことなんてないっ!
 でも! あの時あんたは逃げた! それが! それこそがあんたの最大の失敗だよ!」
血まみれの手が、つかさの頬をなでる。つかさはなされるがままだった。
「あんたはねぇ、……泣いてよかったんだ。悲しくて、悲しくて、だから精一杯……泣けばよかったんだ。
 逃げる必要なんて、これっぽっちも……なかったんだよ」
ふわりと、つかさを抱きしめる。
「み、魅音……ちゃん?」
「だからね、つかさ。 あんたは、泣いても……泣いても……いい……んだ……よ?」
魅音の体から力が抜ける。つかさは思わずそれを抱きとめた。
「魅音、ちゃん? ねぇ、魅音ちゃん!」

つかさは魅音を道の脇に寝かせた。
その顔は、何かをやり遂げたように安らかだ。
今度こそ物言わぬそれを見つめながら、つかさは呟いた。
「そういえば私、泣いてないや」
思えば自分は、姉が死んだと聞いて、あの洞窟を飛び出してから、泣いていない。
悲しかったはずなのに。身が裂かれるような思いだったのに。
「何でだろう。何で私は泣かなかったのかな」
だから、呟いてみた。
「お姉ちゃんは死んだ」
だから。
「もう会えない」

声に出した途端、視界が歪んだ。魅音の死体が見えなくなる。
「ひっく……ひっく……」
つかさは思った。
多分自分は、姉が死んだということをどうしても信じたくなかったんだろう。
だから、逃げたのだ。みんなの前では泣いてしまいそうだったから。
泣いてしまえば、姉の死を認めたことだから、と。
そこまで考えたのが、彼女の限界だった。
朝から強行軍だった体は、睡眠を要求していた。
そして、彼女を保っていた歪んだ意思は、今折れてしまった。
だから、彼女のまぶたは自然と閉じた。
崩れ落ちるように倒れ、彼女は眠りに着く。


【C-3 山・五合目付近/二日目・深夜】
【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:全身に軽い打撲、手のひらを怪我、精神的に不安定、睡眠中
[装備]:飛行石のペンダント@天空の城ラピュタ、琴姫の髪、SIG P210(残弾5)@MADLAX、iPod@現実(再生中)
[道具]:支給品一式*4(食事三食分消費)、ピーピーマックス*2@ポケットモンスター、Fooさんの笛@ニコニコ動画(γ)
デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、光の護封剣@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、
宝石みたいな物@呪いの館、ウィンチェスター M1895/Winchester M1895 (狙撃銃、残弾1)@現実
クレイモア地雷@おじいちゃんの地球防衛軍(残り3)、無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、
きしめん@Nursery Rhyme、たいやき(残りHP50%)@ポケモン金コイキングだけでクリアに挑戦
鬼狩柳桜@ひぐらしのなく頃に、10円玉@現実?、札束(1円札百枚)
[思考・状況]
第一行動方針:お姉ちゃん……私、どうすればいいの……?

※琴姫の髪をかがみのものだと思っています。
※iPodの連続再生時間は、約20時間です。


□ □ □ □ □ □
魅音は決して強い少女ではなかった。
誰にも負けないほど力が強かったわけではなく、誰にも負けないほど頭が良かったわけではなかった。
ただ彼女は、仲間を守りたかった。ただ、それだけだった。
(まったく、あんなに熱くなるなんて、おじさんらしくもない。どっちかというと圭ちゃんの仕事だよね……)
彼女の目はもう見えない。耳ももう聞こえない。
ひたひたと、闇だけが近づいてくる。
だが、彼女は満足だった。自分の言葉が、きっとつかさに届いたと確信していたから。
(圭ちゃん……わたし、がんばったよね……)
そして、彼女の意識は暗闇へと落ちていった。

【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に 死亡】
【残り26人】

※魅音の死体は、つかさのとなりに横たえられています。
※洩矢諏訪子の帽子@東方project(左目部分が穴空き)は、つかさの近くに落ちています。

□ □ □ □ □ □

崖から突き落とされた遊戯は、やはり生きていた。
落ちる途中の潅木や茂みにより、落下速度が大幅に削がれたからだ。
もっとも、完全に無傷とまでは行かず、いたるところに擦り傷を負ってしまっていた。
「くそっ、ここはどこだ?」
体についた葉や泥を落としながら、遊戯は呟く。
上を見上げると、木々の隙間から、落ちた場所らしい崖が小さく見えた。
「魅音は……どうなったんだ?」
あの時の彼女は恐ろしく焦っていたように思えた。だからこそ、仲間を崖から突き落とすという暴挙に出たのだろう。
(ならば彼女はどうなった? 彼女は一体何を見た?)
無意識に道を探す彼に、話しかける声があった。
『今はやめた方がいいと思うよ、もう一人のボク』
「相棒……だが彼女はあれほど焦っていたんだ。何かあったに違いない」
『そうかもしれない。でも、だからこそ僕たちは彼女の元に戻ってはいけないんだと思う』
彼は怪訝な表情をする。
「どういうことだ?」
『今僕たちの手元にあってほとんど唯一使えるのは、ミラーフォースだけ。確かにこれは強力なカードだけど、
 逆に言えば、これしか方法がないということでもある』
「だが、それでは魅音はどうなる。俺には彼女を見捨てていくことはできない……」
『でも、今の装備であの子に挑んで、僕たちは勝てるのか。それは難しいと思うよ。魅音ちゃんがあれほど焦っていたのだもの』
「くっ、仕方ない。一度街に行って、誰かの助力を借りよう。それでいいよな、相棒」
崖を背に、遊戯は歩き出す。後ろ髪を引かれる思いで彼はその場から歩み去った。
ただ、相棒のことに関して、少しだけ気になったことがある。
(まるで魅音やつかさのことを気に掛けていなかったようだが……いや、考えすぎか)
彼は頭を振って、その考えを追い出した。


【C-3 南部/二日目・深夜】
【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:発熱、発疹、瞳孔の拡大、中度の精神疲労、頬に傷、全身いたるとことに擦過傷、SOS団名誉団員、闇AIBO
[装備]:千年パズル(初期装備)、テニスのラケット、DMカード(真紅眼の黒竜(次の夜まで仕様不可)、プチモス、カタパルト・タートル

(次の朝まで使用不可)、ブラックマジシャン(次の夕方まで使用不可)、
魔導戦士ブレイカー(次の午後まで使用不可)、聖なるバリアミラーフォース@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:-
[思考・状況]
1:AIBOを表に出したくない。
2:AIBOを元に戻したい。
3:海馬と、仲間の友達を見つけたい。
4:このくだらないゲームを破壊し、主催者に闇の罰ゲームをかける。
5:春香と魅音に感謝。
※闇のゲームは行えますが、罰ゲームに制限がかかっています。(再起不能には出来ない程度)
※今のAIBOとカタパルトタートルに何か同じものを感じました。

【表遊戯の思考】
基本行動方針.自分に危害を加える者は容赦なく殺す
1.-
2.もう一人の僕…?
3.エアーマン、阿部は許さない
4.海馬と仲間の友達を見つけたい
5.ゲームを終わらせ、主催者を倒す
6.エアーマンを倒したらE-4の塔で仲間達と合流する
7.あの夢についての情報を得る。
※闇AIBO
ニコニコの闇AIBOタグで見られる、腹黒AIBO。
AIBOの持ち味である優しさが欠損して、笑顔で毒舌を言ってくれます。
ルールとマナーを守らずに楽しくデュエルしますが、過度の僕ルールは制限されるかも。
※C-120を打たれました。薬が切れる半日ほど全身の発疹、発熱、瞳孔の拡大、妄想が起こります。
 峠は越したようですが、詳細は不明です。


□ □ □ □ □ □
閃光が目を焼く。崩れ落ちる床。そして自分は奈落の底へと……。

「っは!」
ムスカは目を覚ました。
意識が混乱し、自分がどこにいるかわからなくなる。
「……ああそうだ。私はあの小僧にやられて……」
闇遊戯の方を思い出し、ムスカは身震いする。
「あ、あの化け物め。次にあったら、ただではす、済まさんぞ!」
そのとき、視界の隅を動くものがあった。ムスカがそちらを見ると、月明かりの中、南へ歩いている人の影がある。
とてもではないが、人の顔を見分けられる距離ではない。しかし、その特徴的な髪の毛は、個人を特定するには十分だった。
「あの小僧か」
静かに怒りながら、彼は一歩を踏み出す。すると、何かを蹴り飛ばすような音が響いた。
「なんだ?」
月明かりの中、黒光りする金属塊がある。それが何か理解し、ムスカは笑い出した。
「ハハハ、これは幸先がいい。まさかこんなところにピストルが落ちているとは」
ひょいとそれを拾うと、彼は拳銃の各部位をチェックする。
「ん? 少しばかり歪みがあるか? それに残弾も少ない。使うときには注意が必要だな」
それを腰のベルトに指し、ムスカは遠くの人影を、こっそりと追いかけることにした。


【C-3 山・麓付近/二日目・深夜】
【ムスカ@天空の城ラピュタ】
[状態]:ひどく顔が腫れている、右足負傷、全身に打撲
[装備]:トカレフTT-33(3/8)
[道具]:なし
[思考・状況]
1.遊戯を追う
2.小僧他(ニート、ロールちゃん、富竹、ハルヒ、ロックマン、ゴマモン、遊戯)は必ず殺す
3.しばらくはエアーマンと同盟を組み、協力する……だが、あいつはどこへ行った?
4.優勝してラピュタ帝国の盛大なる復活を

※第四回放送を聞き逃しました。



sm173:バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった 時系列順 sm175:ファンKASティック!
sm173:バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった 投下順 sm175:ファンKASティック!
sm161:Crystal Break~英雄の条件~ 柊つかさ sm181:全並行世界ナイトメア(前編)
sm161:Crystal Break~英雄の条件~ 園崎魅音 死亡
sm161:Crystal Break~英雄の条件~ 武藤遊戯 sm180:ボクが庶民で君が王でさらにアンタも王で
sm145:OVERLAP ムスカ sm180:ボクが庶民で君が王でさらにアンタも王で



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