高専在学時の学科

機械工学科

大学への入学年度

平成21年度

編入試験について

いつ頃から編入試験の勉強をはじめましたか?

4年次の夏ごろ。ただ、翌年の編入試験で全落ちをかましたので、1年の浪人期間を経て最終的に合格しました。

受験勉強ではどんな勉強をやりましたか?

数学
参考書を一通り解く→復習としてもう一周、2周、3周・・・
というように、同じ参考書を何度も繰り返して解法パターンを覚えこんだ。
併願大学に東大を受けたので、複素関数、確率も勉強したが、大阪大学工学部でそれらが出る事はまれなので、大阪大学受験前は複素、確率に関してはほぼ手を付けなかった。
平均して一日に6時間程度勉強
物理
口頭試問で電磁気学をとったので、後述の「物理科学のコンセプト 4 電気・磁気と光」という本をゴロゴロしながら読んだ。
また、併願大学に筑波大学を受けたので、物理学に関しては後述の参考書を使って一応きちんと勉強し、基礎的な知識を身に付けておいた事は事は付け加えておく。
阪大受験前は上記の本をゴロゴロしながら読むだけで、筑波大学受験前は一日2,3時間程度勉強していた。
英語
速読英単語系を一通り読んで、毎日CDを聞いた。
長文読解は「ビジュアル英文解釈」を完全に内容を理解するまでやった。
英作文は参考書をひたすら書き写して、丸暗記に近い状態へ持っていった。
英語は一度覚えると、力がなかなか落ちないので、受験直前は専ら数学をやっていました。
専門
「環境白書循環型社会白書」と、「エネルギー白書」から出題されると阪大HPに書いてあったので、まずはアマゾンで購入して取り寄せてみたものの、2冊とも異常なぶ厚さなんですね・・。全暗記は無理だと思ったので、まずは過去問を取り寄せて出題傾向を分析しました。結果、グラフの穴埋めや、環境用語の説明が出題されがちであると判ったので、それらのポイントを本を見てワードでまとめ、それを何度も見て覚えた。勿論2冊とも何度か通読し、内容を全体的ではあるが頭に入れておいた。
時間が無ければ環境循環型社会白書の後ろの方に載っている用語解説を覚えるだけでもかなり違うと思う。

お勧めの参考書を教えて下さい.

使用した参考書は以下の通り。★の数はお世話になった度を表します
数学
  • 大学編入試験問題 数学/徹底演習 第二版 ★★★☆☆
  • べクトル・行列・行列式 徹底演習 ★★★★★
  • 解法演習 微分積分Ⅰ★★★★★
  • 解法演習 微分積分Ⅱ ★★★★★
  • スバラシク実力がつく! 確立統計キャンパスゼミ  ★★★★☆
  • スバラシク実力がつく! 複素関数キャンパスゼミ  ★★★★☆
  • スバラシク実力がつく! ベクトル解析キャンパスゼミ ★★☆☆☆
  • その他過去問、教授特製問題集等・・

「大学編入試験問題 数学/徹底演習 第二版」は確率、ベクトル解析、複素関数に関する問題が少なすぎるので、なにかしら他の本で補わないと使い物にならない。なおかつ、線形台数、微分積分に関しては「解法演習 微分積分」や「ベクトル・行列・行列式 徹底演習」等の本があるので、数学/徹底演習の重要度は実はそんなに高くないんじゃないかな。というのが終わってからの感想。
しかし勿論、やるに越したことは無い。ただ、阪大工学部の数学は基本的な問題が目立つので、時間が無ければ「大学編入試験問題 数学/徹底演習 第二版」を省くのも手ではあるかもしれない。
スバラシク~シリーズは、初学者向けにわかりやすく書いてあり、かつ公式の証明も豊富で役に立つ。欠点は1冊2500円という値段だろう。だが買う価値は十分ある。
自分の学校では確率と複素関数の授業が殆どなかったので、スバラシクシリーズで知識を補った。ただ、編入試験に関してはこれだけでは不十分なので、阪大以外にも旧帝大を受けるのならば、過去門や問題集で補強することが必要。
阪大のみならば、確率、複素数はあまり出題されないので、1からやる位なら捨てて、確実に出題されるであろう線形台数や微分積分を完璧にするのも価値のある戦略だろう。
物理
  • 物理のエッセンス[電磁気・熱・原子] ★★★★★
  • 橋本流解法の大原則1 ★★★★★
  • 物理科学のコンセプト 4 電気・磁気と光 ★★★★★

ここで書くのは口頭試問で電磁気を選択する人へのアドバイスである。
口頭試問だから、抽象的な事を覚えておけばいいかというとそういう訳ではない。
最低でも「物理のエッセンス」は一通りやっておいた方が良い。なに、薄いので1ヶ月、早い人なら2週間位で終われるはずである。
「橋本流解法の大原則」も初学者にはとてもお勧めできる。基本を押さえる事がなにより重要

さて基礎を押さえたら、抽象的な説明に対する耐性を付けよう。
「物理科学のコンセプト 4 電気・磁気と光」は、物理現象を全て言葉で説明しようという概念の元作られた本である。
口頭試問へはまさにうってつけ。阪大の電磁気口頭試問は光・電磁波に関する問題もあるので、1冊全て読んだ方がgood
ただ、無理に丸暗記する必要は無い。なんとなく思い出せる・・というレベルに持っていくのが大事。
英語
やはり一番のお勧めは「ビジュアル英文解釈」である。
「え?動詞?形容詞って何?」というレベルから、阪大合格まで押し上げてくれたのはこの本のおかげと言っても過言ではない。
工業英単語を覚える人もいるようだけど、単語力が無いのならば、まずは基本的な単語レベル(速読英単語上級編)をしっかり押さえていた方が良い。
その上で余力があれば工業系の単語を覚えるといい。あまり工業系に固執しなくても点数は取れるだろう。

  • DUO ★★★★★
一番最初にやった。例文により単語を覚えるタイプの英単語本。
面白可笑しい例文が多くて、個人的には好きだけれど、日常会話的な文が多いので旧帝大以外を目指すのならやらなくてもいいかもしれない。付属のCDが糞高い(確か3000円位)けれど、CDを使うことで復習の時間を大幅に短縮できるので買う事をお勧めする。
例文の文法解説が載っていないので初心者には少しとっつき辛いかもしれない。
一日一回聞いて、200回以上は使った。

  • 速読英単語(必修編、上級編) ★★★★☆
  • 速読英熟語 ★★☆☆☆
難易度的には 英熟語<必修編<上級編 といった所か。長文を使った単語帳との触書だが、上級編の長文は単語帳というよりも、長文読解用の本と言うべ

き難易度だと思う。
必修編はやっといて損は無い。というかやるべき。
英熟語はDUOを完全に覚えていれば、あまり必要ないかもしれない。
上級編は旧帝大クラスは使うべき。
これも一日一回は聞くようにして、平均すると各々40回位聞いた。

  • 総合英語FOREST ★★★★★
英語の総合参考書。英語でわからない所があったらまずFOREST先生に聞いた。
たまにこれを丸暗記する猛者もいるようですが・・少なくとも自分には無理。

  • 全解説英語標準問題1100 ★★★☆☆
文法の正誤訂正問題用に買った。これも1/3程やっただけ。
英文法の解説が異常に詳しくて、素晴らしいのだけど、いかんせん量が多い・・なにせ1100個も問題があるのだ。時間があればやってもいいけど、
編入試験対策としては、もう少し軽めの本をしっかりやる方がいいかも

  • 大矢英作文講義の実況中継 ★★★★☆
英語の素人へ、大矢先生が英作文のイロハをわかりやすく教えてくれる。
恐らくこれだけでは英作文の対策は不十分なので、もう何冊かする事が必要。
わかりやすいんだけど、ちょっと例文が少なめ。
3~4回位読み返して、わからない所があればその都度調べた。後半の重要表現はしっかりと身に付けるべし。

  • 竹岡広信の英作文[原則編、実践編] ★★★★★
解説が変態的に詳しい。細かなニュアンスまで含めて、受験対策の英作文の方法を徹底的に教えてくれる一冊。ただし解説が少し飛躍している部分があるので、初学者は大矢をやってから竹岡をするべき。大矢、竹岡の2冊だけでも英作文は相当に伸びる。
書いては覚え、書いては覚え、12,3回復習をして、ソラで英文が言えるようになるまで暗記した。

  • ドラゴンイングリッシュ ★★★☆☆
ドラゴン桜の企画で生まれた竹岡先生のもう一冊の本。
でも内容的には上の本とかぶってるような・・いやなんでもない。

  • ビジュアル英文解釈Ⅰ、Ⅱ ★★★★★
「あれれー単語は易しいのに、言ってる意味がさっぱりわからんぞ?」
という方にはこれ。英語長文と、それに対する変態的分量の解説が中学受験レベルから、大学受験レベルまで君を引き上げてくれます。
著者は受験英語の神様と呼ばれる伊藤和夫。半ページの英文に対して解説が2,3ページに及ぶのが伊藤流。理詰めで英文をガンガン解剖していくのでとてもわかりやすい。
最初の頃は英文を書き写す→訳を作る→解説を見る という感じで、中~後半は 英文を読む→解説を見る。
という形で使った。最初はいいけれど、あまりいちいち訳すのは時間効率から言ってもお勧めできない。
書籍の癖にそこら辺の英語教師の授業よりも100倍素晴らしい。旧帝大を目指すならやっとくと吉。
これは上下共に4、5回読んだ。

  • 英語長文問題精講 ★★☆☆☆
巷では評判が良い様だけれど、解説が少なめなのもあって、自分にはあまり合わなかった。
ただ、非常に実践的であるので、模試として使うと良いかもしれない。1/4程やって放置

専門
  • 専門科目の参考書1


試験の出来はどうでしたか?

数学
何年も出題されていなかった複素数の問題が出ていて、開始直後に頭が真っ白になった。試験終了後には複素数の解答用紙も何故か真っ白になっていた。微分方程式の問題は、「解法演習 微分積分」に載っている問題まんまだったので、サクサク解けた。線形台数は証明に梃子摺ったけれど、なんとか解けて出来は5割5分。正直落ちたと思った。

物理
大阪大学工学部の口頭試問(電磁気)はうろ覚えであるが以下の通りだった。
平成20年度
  • 電磁波はどうやって発生させるの?
  • なぜ物は透明と不透明の二つがあるの?
  • 電磁波を色々挙げられて、周波数の低いほうから並べ替え
  • レーザーはどうやって発生させるのか
平成21年度
  • 電位と電界の違いをスカラー場とベクトル場を交えて説明しなさい。
  • 原子核の周りの電子はなんで回転してるの?
  • 孤立している平板コンデンサに誘電体をぶち込んだら、電位はどうなるの?減るの?増えるの?黒板でちょっと解いてみて

平成21年度と20年度では難易度、方向性共にかなり異なっている。
「黒板で解いてみて」と言われる事があるので、基礎的な問題は出来るようにしておくこと。
公式を言ってみて。という類の質問は一切でなかった。具体的な事よりも、定性的な事の理解を深めると良いだろう。
出来は6,7割
英語
英作文で「オリンピック」の綴りに頭を悩まされた事以外はそこそこ点数を取れた。全体的に基礎的な問題が多かった気がする。出来は7、8割。

専門
特に難しい事はなかった。環境循環型社会白書、エネルギー白書をある程度勉強し、日常的に環境問題のニュースや記事を見て、自分の意見を持てるようにしておけば大丈夫。試験科目の中では一番点を取り易いと思われる。出来は9割5分

面接ではどんな事を聞かれましたか

  • なんで阪大を受けたの?
→コレコレこういう理屈だから受けたいんだと説明
  • その理屈は、本を読んで得たもの?それとも自分で考えたの?
  • 最近見たニュース、記事の中で君が気になったものを一つ教えて
  • うちの学校のシラバス見た?
こんな感じかな。滅茶苦茶短かく(7,8分ほど?)試験官は終始愛想が無かったです。正直落ちたと思いました。
面接時間は確か10分だったので、その中でいかに熱く情熱を語れるかが勝負の分かれ目だと思います。

志望動機を教えて下さい.

うへへ。総合大学は女の子がモサモッサだぜ!という不純な動機と、レベルの高い大学で環境問題について深く勉強したいという気持ちのブレンドです。
とはいえ、面接で馬鹿正直に女の子がモサモサなどとは口が裂けても言えないので、二酸化炭素回収貯留技術のリスクについて研究をしたい。と具体的にやりたい事を話しました。

他にどんな大学を受験しましたか?

環境系が学べる大学で、基本的に数、英、物のみの試験科目、かつ総合大学であることを選定の条件とした。
  • 筑波大学システム工学科
  • 東京大学システム創成学科

高専時代について

得意科目は何でしたか?

全般的にそこそこ出来た。突出して得意だった科目は無かったです。

苦手科目は何でしたか?

受験勉強を始めるまでは英語が死ぬほど出来なかった。中学生レベルの英語力すらなかったと思う。受験勉強を通して、今は一番得意かつ好きな教科です。

あなたの今までの最高順位は何番ですか?

3位

あなたの今までの最低順位は何番ですか?

18位 結構悪め

何か活動(部活/学生会/ロボコンetc)はやっていましたか?

アーチェリー部に所属してました。

編入後について


編入した時に何単位くらい高専の単位が認定されましたか?

14単位

大学編入後、ぶっちゃけ大学生活はどうですか?楽しいですか?

とても楽しいです。高専時代に比べて、勉強、遊び共に自由度がぐっと増えました。
これぞ大学生活!という喜びがあります。

勉強はどんなもんですか?講義について行けますか?

新しい事もしますが、高専時代にやった事の再学習も多いので、大丈夫だと思います。

大学に入って何か驚いたことはありますか?

小中高とは人種がかなり違う気がします。
知識欲に溢れている人が多くて、話していて楽しいですし、刺激になります。

大学と高専の違いは何だと思いますか?

人種、自由度、研究の規模、全てが違います。

阪大高専会の他に、何かサークルに入りましたか?

美術部
サークル活動をする時間は予想外にありました。活動しているキャンパスが別なので、移動が手間ですが・・

大学生のうちにしたいことや目標はありますか?

面白い事を沢山知りたいです

ここだけの話,編入して良かったですか?

とても良かった!
勉強をした甲斐が十二分にあったと思います。

最後に,阪大への編入を考えている高専生に何か一言お願いします.

受験勉強開始当初は、一日2,3時間勉強するのが限界でしたが、5年生の春頃に、30分勉強して5分休む。という勉強スタイルを導入する事で飛躍的に勉強時間が伸びました。学校があるときは平均5,6時間、浪人している時や、休日は平均して12時間。東大受験前の1、2ヶ月には最高15時間位勉強していました。ウンコと御飯以外は机に向かっている感じです。時間数だけでみれば結構ありますが、振り返ってみると「勉強そのもの」が大変というよりも、受験のプレッシャーが疲弊の主たる原因だったと思います。

自分の高専在籍時の成績は大した事ないですが、それと受験はあまり関係ありませんでした。「自分は頭が悪いから・・○○大学には行けないだろうなぁ」と言ってた友人が居ましたが、受験に必要なのは勉強の量と要領であって、才能は無くてもいけます。
「ダメかなぁー」と思う事と、「いけるかな?」と思える事の差は大きいです。
浪人も、意外と悪いものではありませんでした。学生時とは違い、一日の時間を全て勉強に費やせたのは気持ちよかったです。
他人の言葉に惑わされずに、自分を信じて頑張って下さい。

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最終更新:2009年04月20日 00:30