SS > 短編-けいおん!メンバー > > なぁ律、そろそろ練習しないか?


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226 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/06/02(火) 22:59:01 ID:ygGT/RFf
ああ、今日もムギの入れてくれた紅茶が美味しい。
そう呟くと、向かいに座ってる唯も「ホントだね」とタレた状態で笑い返してくる
「なぁ律、そろそろ練習しないか?」
澪が横で裾をくいくい、と引っ張ってくる。
「えーもう今日はいいじゃんか」
「"今日は"って…来て1時間何もやってないだろっ!」
思わぬ澪の怒声に心臓がドキッとした
唯は無反応なのが不公平に思えた
「あ、ムギちゃん。おかわり貰えるかなぁ」
「あ、はいはい。大丈夫よ~」
そういやムギも無反応だったな…、どうやって回避してんだ?
「……帰るっ」
「え、澪ちゃん?」
澪が突然鞄を持って立ち上がり、長い髪を私の目の前で翻して出て行った
「おい、ちょっと澪!」
言ったはいいが、強烈に閉まった扉が私の声を澪の耳まで届かせなかった
「…澪ちゃん…」
「~~~~!ああ、もうっ!」
異様にむしゃくしゃした。思わず頭をがりがり掻く
「え、りっちゃん!?」
私は知らない間に自分の鞄を持って、扉を開けようとしていた
「ごめん、今日の部活は終わり!悪いけど鍵閉めてってくれな!」
唯とムギの返事を聞かずに、私は出て行った

「おい!澪!」
それなりに走って行ったつもりなのに、澪は既に下駄箱で靴を履き替えて外に出て行こうとしていた
私が叫ぶと、澪は一旦立ち止まり光に当たって恍惚とした黒い髪の隙間から私を一瞥しただけだった
「おいってば!」
上靴をものともせず私は、曲がった途端走り出した澪を追いかけた
単純な運動能力だと私の方が上だ。校門を出るよりか早く澪の腕を掴む事が出来た
すると澪の足も止まって、私達が動かすのは疲弊による肩の上下運動だけになる
「ぜぇ…なぁ澪……」
次に言う言葉を考えてると、澪に違和感を覚えた
「………澪?」
手を離して、澪の横顔を覗き込む。
「…ぇぐっ……ぅ…」
空いていた手で思いっきり顔を覆っている
流石に動揺して困っていると、澪は両手で顔を覆いしゃがみ込んだ
「グスッ…り゛…りづっ……」
「ん、何だ?」
私は澪の前で膝を抱えてしゃがみ込んだ
「ぐッ……あぅ…ぇぐ…」
何とか聞き取ろうとしたが、喋ろうとして喋れてなかった
私は壁沿いの段差に腰を下ろし、澪を頭に手を置いた
「なぁ澪。多分澪は"私やムギを誘って作った癖にー"とか思ってるんだろ?」
澪は未だ泣いていた
「それはゴメン。でもさ、私はまだ澪しか知らないんだよ。
  ムギも唯も友達だし、軽音部の一員だ。
  演奏出来たら、軽音部は成り立つけど…友達としては分かんないじゃないか。
  演奏するだけの仲、それは友達かも知れないけどさ、私の中では違うんだよ
  言葉では言えないけどさ…何か違うんだ。だから、そこは分かって欲しい
  まず、ちゃんと友達になりたいからさ…私はずっと澪頼りだったわけだし…だから…」
「…律は…ズルい…」


227 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2009/06/02(火) 22:59:43 ID:ygGT/RFf
手の甲で何度も涙を拭ってから、澪がこっちを軽く睨んで来た
「…こんな事ムギや唯に言っても分かってくれないからさ…澪なら分かってくれると思ってたんだけど…」
「それこそ、律はちゃんとしてるとは思ってるよ…私も律を信頼してるし…」
澪の眼が真っ赤に染まっていた。
「ゴメン。これからはちゃんと言うよ。ほらっ」
そう言って私が右手の小指を出すと、澪もおずおずと右手の小指を出して掛け合わせて来た。
「ゆーびきーりげぇんまん、うっそついたらハリ千本のーますっ♪っと」
勢いよく指を外した。澪はまだ残ってた涙を零しながらも笑ってくれた。
「涙を零す…で、澪、か」
「ん、何だ?」
「いや、何でもない」
私は起き上がって、澪の腕を持って無理矢理立たせた
「よーし、それじゃ今日は湿気た空気を吹き飛ばす為に美味しいケーキ屋行くかー」
「え、でも部活はどうしたんだ?」
「今日は終わらせた!さぁ行くかー」
澪の腕を持って、校門まで歩いて行く
「え、い、いいのか?」
澪もよたつきながら、私に引っ張られてついて来る。
「おーい!みーおちゃーん!りぃーっちゃーん!」
後ろからの声に振り向くと、唯とムギがこっちに駆け寄って来ていた
「はぁはぁ…、ま、間に合った…」
「部室の鍵、閉まり難いのね。直しとかないと…」
私達の目の前で止まって、息を整える
「わっ、澪ちゃん。眼、凄い」
澪は慌てて顔を背けて、眼を見せないようにする
「えっと…、ごめん澪ちゃん!」
「ごめんなさいっ!」
唯とムギが声を揃えて澪に頭を下げた。
「へっ?」
「その…澪ちゃんは練習したかったんだよね。そりゃそうだよね
  それなのに、私達はずっとだらだらと部室で過ごして…本当にゴメン」
「……明日からちゃんとやる?」
「うん!」
「じゃあ、許す。 …ていうか私もゴメン。雰囲気乱して」
「そんな事ないわよ。澪ちゃんがしっかりしてないと軽音部は成り立たないし…」
「そうだぞ澪。お前だけが頼りだ!」
まさかの脳天チョップが下った
「お前はもっとしっかりしろ!」
「いっつ…… よし、じゃあ4人でケーキ屋行くか!」
「え、ケーキ!?行こう行こう!」
「え、ちょっ、唯!」
急に目を輝かせた唯は、澪の手を取って真っ先に校門まで走って行く
取り残された私はやれやれ、と溜め息を吐く。
「部長さん、お疲れ様♪」
屈託のない笑みで、ムギが私を見ていた。
「いや、そもそも原因は私だからな。…明日からは練習もちゃんとやるよ」
「あらあら」
校門を出た先で唯がこっちに向かって手を振っている
私とムギは小走りでそっちに向かった

出典
【けいおん!】田井中律は着崩し可愛い14【ドラム】

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