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289 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/06/23(火) 22:14:07 ID:qj9p9/1f
夏も終わり、太陽が傾くのもいくらか早くなってきたある日、私は澪と二人きりで部室にいた。

「みんな遅いな」
「でも行けないとは言ってなかったし、もう少ししたら来るだろ」
お互い担当するベースとドラムの調子を確認しながら他愛のない話をしていた。

「なあ澪、運命って信じる?」
おそらくこんな質問は想定外だったのだろう。弦を弾いていた澪の指が止まった。
「どうしたんだ?何か変なものでも食べたのか?」
あまりにもひどい反応だと思ったが、私は話を続けた。

「いや、だってさ、元々はみんな赤の他人だったわけだろ。
 もしあの時私が粘ってなかったらムギとは出会ってなかっただろうし、
 そうなってたら軽音部は廃部。唯はギターを始めてなんかいないと思うんだ。
 そうなりゃ梓だって私たちとは何の接点もない先輩後輩の関係のまま終わってたはずだ」
「まあ、そうなってたのかもな」
「みんながこうやって出会ってさ、軽音部として同じ目標に向かって突っ走る。
 これってきっとこうなる運命だったと思うんだ。
 私は普段宗教なんか信じちゃいないけどさ、この出会いに関しては神様に感謝してる」

そこまで言うと私は澪の目を見た。そして偽りのない笑顔で偽りのない気持ちを伝えた。

「もちろん澪との出会いだって神様に感謝してるぜ。こんな素敵な友達をありがとう、って」
「なっ!?何言ってるんだよ!?」

その一言に澪は私から顔を背けた。
その顔は紅く染まっていた……かどうかは夕日のせいでわからなかったけど。


「ごめーん、遅くなった」
「すいません、遅くなりました」
「あら、二人きりのところ邪魔しちゃったかしら」

いや、ムギ、もう大丈夫だ。伝えたいことは伝えられた。
いつかみんなにもこの気持ちは伝えたいけど、最初は昔からの一番の親友に伝えるって決めてたんだ。
冷静になってみると、かなりこっぱずかしいことを言ったみたいだけど、もちろん後悔なんかしていない。
心からの本当の気持ちだったんだから。

「よっし、みんな揃ったし、さっそく合わせようぜ」
「えー、お茶にしようよー」
「おいおい、遅れて来てそれはないだろ」
「そうですよ唯先輩。あまり時間ないですし、練習しましょうよ」
「ウフフ、じゃあお茶はあとにしましょ」

みんなのいつも通りの様子に自然と笑みがこぼれてしまう。
神様、こんな素敵な仲間と出会わせてくれて、ホントありがとう。

出典
【けいおん!】田井中律は><可愛い27【ドラム】

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