SS > 短編-俺律 > 奏 -俺律編-


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律「私、上京するんだ」

ーーー高三の冬、彼女、田井中律はいつもとは違う少し寂しそうな笑顔でそう言った。

僕「えっ・・・そうか。がんばれよ。」
律「・・・そ・・・それだけかよ!もっとさ、寂しくなるな、とかあるだろ?!」
僕「ごめんごめんwじゃぁ、ちゃんと見送りしてあげるよ」
律「へへっ、頼んだぞ!」

ーーー見送りの日

駅へと続く道を、僕は自転車で進む。荷台に律を乗せて。
僕「ケツ、痛くないか?」
律「大丈夫大丈夫。なんか今日はやけに優しいなw」

気のせいか、律の細い腕がいつもより強く締まっている。
駅に着き、改札を通ると、僕の左手に律の右手が繋がれた。
もともと田舎の駅だから、人もまばらでそれ故に会話が途切れると風の音だけが残る。
二人で駅のホームのベンチに座って、いつもの他愛も無い会話をする。
律「やっぱり、こういう雰囲気苦手だな、私。」
僕「律は昔からそうだよなw僕が律に告白した時のこと、覚えてる?」
律「だーっ!恥ずかしいから言うんじゃねー!」
ポカッ
僕「痛!あの時の律は可愛かったよwいきなり走り出して、振られたと思ったらすぐ戻ってきてw」
律「だっ・・・だからやめろってー!」
僕「ごめんってばw」
律「私だって少しは変わったんだぞ!」
僕「ほー。どこが?」
律「えっと・・・お・・・大人っぽくなった・・・!」
僕「あぁ、それは言えてるかもwま、律はやっぱり律だけどな」
律「な・・・急に何を・・・」

・・・カンカンカンカン・・・

僕律「あ・・・」
律「さて、行かなきゃだな」
律は鼻をすすりながらそう言った。
僕はせいぜい作り笑いをすることに精一杯で空返事しかできない。
そんな僕を見て、律は言う。
律「そんな顔するなよ・・・暇な時にはさ・・・戻ってくるからさ・・・グスッ」
僕「うん・・・」
ふいにけたたましい騒音と共にホームに電車が入ってきた。
繋いでいた手は解かれて、彼女は僕に背を向けて電車に向かう。
そんな小さな背中が愛おしくて、僕は律を呼び止めて抱きしめた。
僕「キミがどこに行ったって・・・僕は律を守るよ」
律「そんなセリフ・・・グスッ・・・似合わないよ・・・」
僕「ごめん、言わないといけない気がしたんだ」
律「ありがと・・・」
僕は抱きしめていた腕を解き、彼女の背中を押す。
僕「これでいいんだ・・・」
律を乗せた電車が走り出すのと同時に僕はもう一度自転車を漕ぐ。

〜キミに出会ったその日から、何もかもが違く見えたんだ。朝の光も涙も歌う声も〜

出典
【けいおん!】田井中律は前髪可愛い30【ドラム】
ツールボックス

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