唯「バイハザ!」 第2章


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『ピーピー、あーあーマイクのテスト中。』

律「この声は唯か」

澪「走ってる最中に気の抜けた唯の声が聴こえると安心するな」

律「全くだ」

『りっちゃん澪ちゃん無事~?こっちはみんな無事だよ~。後他に誰か学校にいたら放送室まで来てください。以上で~す。ぴんぽんぱんぽ~ん』

『唯、それは放送終われば勝手に流れるわよ』

『そおなんだ~私放送って初めてだよぉ~』

『あのぉ~私も何かメッセージいい?』

『ええ良いわよ』

『りっちゃん澪ちゃん~放送室でとりあえずお茶にしましょう』

律「むぎも相変わらずだなっ」

澪「だな。あの……律。さっきはごめんな。申請用紙忘れたくらいであんなに怒鳴って」

律「な~に言ってんだよ。私が悪いんだから澪は叱ってくれていいんだよ。その方が私も落ち着くし。私の方こそごめん……和とのこと悪く言ったりして」

澪「いいんだ。でも何であんな言い方したんだ?和のこと嫌い…ってわけじゃないよね?」

律「澪の一番は私だって…気持ちが…その、」

澪「ヤキモチか」

律「う、うるさいぞっ」

澪「ふふ、そんなこと言わなくてもわかってるだろ。ずっと律が一番だよ」

律「ば、バカ何言ってんだ」

澪「ふふっ」

和「全く唯は余計なことしゃべりすぎよ」

唯「えへへ//」

和「(この状況下でこののんきさ…さすがと言うかなんと言うか…)」

ガチャッ

律「へいおまちっ」

澪「……みんな…心配かけてごめん」

梓「澪先輩!無事で何よりです」

唯「澪ちゅわ~ん」ぎゅっぎゅっ

澪「こ、こらっ」

紬「わぁ……うふふ……」ポターリ

和「ともかくこれで誰か来てくれるかもね」

律「さて……来てくれるのがちゃんとした人であることを祈りたいな」

紬「とりあえずお茶にしましょう。放送室にティーセットがあるなんてラッキーよね」

律「しかしこうしてお茶してると今の置かれている状況を忘れそうだな」

唯「全くだね~」

梓「二人とも緊張感なさすぎです!」

澪「でも具体的にこれからどうしたらいいんだろう…。やっぱりこう言うのって警察かな」

和「そうね…。私もそう思ってさっき携帯でかけてみたんだけど繋がらなくってさ…。」

澪「そう……」

紬「……。」

一同が重苦しい雰囲気になっていたとこだった

トントン

律「ん?」

トントン

唯「誰か来たんじゃない?!」

トントン

和「この普通のノックなら普通の人っぽいわね……。私が開けるわ」

トントン

和「は~い今開けますよ」

ガチャッ

ガバッ

和「!!?」

律「まさか!」

唯「和ちゃん?!」

少し離れた放送室のドアの前に走る一同。

和「大丈夫よ。」

「ぐすん……お姉ちゃん……」
唯「憂…?」
憂「お姉ちゃあああん!」抱きっぎゅぅっ
和「ちょ、私はちが」憂「グスン……」
和「……」
泣きじゃくる憂を優しく撫でる和
和「(妹も悪くないわね……)」

紬「じゅるり…」

唯「うい~良かったよぉ無事で。私てっきりもう家に帰ってるのかと思ってたよぉ」

憂「掃除当番で残ってて……何か学校の様子が変だからお姉ちゃんの所にいこうとしたら…さわこ先生が…」

律「さわこ先生ばっかりだな会うの。やっぱりさわこ先生のコスプレなんじゃ…」

和「私思い切り殴っちゃったわよ」

律「私なんか脛椎鉄の棒で殴っちゃった」

紬「それはないわ…目が……普通の人ではないもの」

澪「……」

梓「これからどうします…?」

和「とりあえず安全な場所に避難したいことろね」

紬「私の家とか……どう?」

律澪唯「それだ!」

梓憂和「?」


律「むぎの家なら軍隊が攻めて来たって籠城出来そうだよな!」

紬「それはちょっと言い過ぎじゃ…」

澪「何にしてもここにいるのは危険だ。さっきのさわ…いや、ゾンビがまた襲って来ないとも限らない」

唯「うん…さわちゃん…」

律「唯……。悲しいのはみんな一緒だよ。さわちゃんだって私達を襲いたくて襲ってるんじゃないんだ。全部感染症のせいだ。私達はまだ生きている。だからやれることをやろう?な?」

唯「……うん!」

律「よ~し決まり。」

F3放送室前
和「とりあえず今のうちにさっさとここを出ましょう。またゾンビに出くわすと困るしね」

澪「道順的にはここからA階段を使って降りるのが早いけど…」

憂「さっきこの下の女子トイレ付近にいました…」

律「ゾンビだけあって不死身ってわけか。迂回していこう。奥のB階段で降りて一階の下駄箱を目指そうぜ」

和「方円の陣で行くわよ」

方円の陣とは、敵が八方から攻めてきても対応出来るように円を描いた陣形で陣形八陣のひとつである

澪「和って本当物知りだな…」

ありがつ

和「何とか辿りついたわね」

梓「普通に走って来た方が早かったんじゃ…」

唯「私はみんなで手を繋いで歩いて楽しかったよ!ねーう~い」ぎゅむ

憂「うん♪」
お姉ちゃんといるとぽかぽかするなぁ~

紬「私も…」

澪「ともかく早くここを…」

ガチャッ、

澪「あれ、」

律「どしたー澪?」

澪「開かない。鍵かけられてる…」

和「えっ…そんな。一体誰が…」

律「しゃ~ない。パンツ見えちゃうけど隣の窓から出ようぜ」

そうして律が窓を開けた瞬間だった

律「……おい…」

澪「ん~どうした?」

律「澪!止まれ!そこから動くんじゃないぞ?」

澪「えっ、うん…」

律「和、来てくれ…早く」

その表情で真剣さを読み取ったのか和は駆け足で律の元へ向かう。

和「……。何よ……これ」
────────。

ウゴォォォ!

ウーヒャオッ!

ガァァ……

グォォ……

その目に映るものは、
校庭を埋め尽くすほどの、生徒や教師達のゾンビだった

和「今まで反対側の窓しか見てなかったから気づかなかったわけね……」

律「のんきにお茶すすってる場合じゃなかったってわけだ」

二人の様子を伺っていた紬が駆け寄る

紬「二人ともどうしたの?」

律「問題発生だ。正面のルートは使い物にならなくなった。他を探そう」

律は静かに窓を閉め告げる。下駄箱の窓はすりガラスになっており開けない限りは見えない。
みんなのことをパニックにしない為の律なりの考慮であった

和「ゾンビがちょっと校庭にいてね。危ないから他の場所から出ようって話してたの」

律「(さすが和だな…)」

和に話したのはさっきからの腰の据わり方があったからだ。案の定和はすぐに理解しパニックも起こさず律の考えを瞬時に読み取っている。

律「(さすがに生徒会は伊達じゃないっ)」

梓「……。なら裏の体育館から出たらどうですか?あそこからならすぐ国道に出られますし。そこでタクシーか何かを拾えば」

律「そうするか。」

澪「律……」

律「大丈夫だよ澪。みんな部長の私が責任もって守ってみせるよ」

澪「律…」

唯「じゃあまたあれだね和ちゃん!」

和「そうね。方円の陣、いっとく?」

憂「ほら梓ちゃん♪」ぎゅっ

梓「う、うい…」

紬「わ、私も…」

律「(誰一人として欠けさせるものか…この最高のメンバーを。)」

例え私が死んだって守ってみせる

F1体育館通路前

和「さっきからおかしいと思ってたんだけど…」

澪「ん?」

和「私達の他にも誰が学校内にいると思うのよね」

律「さわちゃんゾンビか?」

和「いえ、ちゃんと知性を持った人間よ。だって変じゃない。下駄箱の前のドアやさっき念のために確認した校庭への出入口も閉まってたじゃない」

唯「でも放送で来たのは憂だけだったよ~?」

憂「私も他の人には合いませんでした。」

和「……」

律「まあ誰がいるにしてもそいつがどう言うつもりかってことだな」

澪「もしかしたらこの事件の関係者とかかもな…」

F1体育館前

和「嫌な予感がするのよね」

澪「私もだ」

梓「私もです…」

唯「ほぇ?」

憂「?」

紬「月が紅い…見えないけど」

律「行くぞ…せ~のっ!」

ガチャリ

和「アーッヤッパリー」

唯「和ちゃん!?大丈夫?」

和「え、えぇ。余りにも予想通りの出来事過ぎて逆に驚いただけよ」
律「鍵は…多分職員室か」

澪「また戻るの…?」

律「いや、私が取りに行くよ。みんなは残ってて」

澪「そんなっ!危ないよ!」

律「実際戦える武器持ってるのは私と和だけだからね。それに走れば3分で戻ってこれる距離だ。大丈夫」

梓「先輩…私が行きます!行かせてください!」

律「梓……?」

梓「私もみんなのためになりたいんです……守ってもらってばかりは…嫌なんです」

唯「でも一人じゃ危険だよあずにゃん!またみんなで戻って取りに行けばいいよぉ」

憂「そうだよ梓ちゃん!」

梓「いえ…これくらいのこと一人で出来なかったらこの先皆さんの足手まといになるだけです。だから……」

紬「わかったわ梓ちゃん。」

律「むぎ?」

紬「梓ちゃんの覚悟、わかってあげましょみんな」

澪「むぎがそこまで言うのなら…」

唯「うぅん……。あずにゃん、こっちこっち」

梓「はい?」

ぎゅむ……

唯「必ず帰ってくるんだよ」

梓「心配しすぎです先輩…。約束します。ちゃんと鍵を持って帰って来ます」

憂「気をつけてね梓ちゃん」

律「しゃあない…そこまで言うなら梓、頼んだぞ」

梓「はい!行ってきます!」タッタッタッ

みんなが梓を見送る中…

和「……まさか…ね」
和だけはそう呟いた

やっと私も役に立てた……私もみんなの、軽音部の一員だって…わかってくれただろうか

職員室へ駆け足で向かう。

幸い誰もいないみたいだ…。さわこ先生にあったらどうしようかと思ってたけどまだ二階にいるのだろう

職員室


体育館の鍵……鍵……

あった!

梓「でも変だな……ない鍵の方が多いなんて……」

誰が持って行ったんだろう

まあいいや、これで帰ったらみんなにちやほやされる

嬉しいなっ

そうして体育館の鍵に手を伸ばした───


ボゴォォォォン

律「梓遅いな~もうそろそろ戻って来てもいい頃なんだけど」

澪「まさか何かあったんじゃ……」

唯「そんな……」

憂「探しに行こうよ…」

紬「駄目よ…。そんなことされたら梓ちゃんがどんな顔するか……。あの子の覚悟を無駄にするようなことは私が許さないわ。ただあの子を信じて待ちましょう…」

和「……」


トコ、トコ、トコ、

律「おっ噂をすれば来たか」

澪「良かった……」

ドス……ドス……ドス……

唯「またぎゅってしないとね!」

憂「うん♪」

ドス……ドス……ドス……

和「違う……梓じゃ…ない」

体育館に通ずるドア、律達の10mくらい先にあるドアが、吹っ飛ばされた

ドサッ

律「えっ……」

何が起きたのか、

さっぱりわからない。
事態を収集出来ない

ただ目に映るのは前には投げられてうつ伏せに倒れ込む梓と、


緑のコートを着た巨人だった─────

澪「あず……さ?」

梓「……」

律「嘘…だろ?」

梓「……」

唯「あずにゃん?ねぇ……あずにゃんってば……」

憂「梓ちゃん……」

紬「そんなことって……」

和「……」

駄目よ…このままじゃ全員死ぬ。

和「みんな…私が今から梓の持っている鍵を取る…だからその間何としても逃げて……いいわね」

澪「のどかァ!」

律「澪!和の判断は正しい……じゃないと梓のした意味がなくなる……」

澪「律……泣いて……」

律「みんなもぉ……!いいな……。梓の為にも…絶対死ぬんじゃないぞ…」

みんなは黙って頷いた。辛いのは皆一緒だがまずは目の前の命の危機を優先する

和「はああああ!」

和が日本刀を抜いて斬り込む。

和「やあァ!」


そのままの勢いで巨人の左腕に斬り込んだ。

腕の位置が和の身長ほどある。恐らく全身だと3m近くあるんではなかろうかと言う巨人だ

「……」

まるで利いてないかのように刀を払いのけ右拳を握る───

ガシッ

律「お前の相手はこっちだよデカぶつ」

律が投げたドラムスティックに反応したのかのっしのっしと律の方目掛けて歩いてくる

和「(今よ…)」

和「(梓……)」

梓の手にはしっかりと体育館の鍵が握られていた。
良く見ると腕や足にアザが出来ている……こんな小さい体であんな奴から必死にこの鍵を守って……

梓から鍵を取ろうとする……

梓「……」

和「……」

固く……固く握られていた。まるでそれは梓の意思そのものに感じられた

和「もう……いいのよ……あずさ……」

涙が止まらない……

梓「……」

その涙が梓の手に落ちた時、ふっと力が抜けた。

その手から優しく鍵を取る和

和「梓……ありがとう……」

和「律!!!」
チャリン……
ぱしっ
律「おっと」
和「そのデカぶつの相手は私がやるわ……あなたたちは先に体育館へ行って」
澪「でも和!」
和「早く!」

唯「のどかちゃん…」
和「大丈夫よ、唯。私は死なないわ。必ず生きて帰ってくる。梓のためにも」

律「……のどか……ごめん…憂ちゃんも早く!」

憂「うっ……」

ガチャ

唯「絶対…だよ。のどかちゃん…」

和「私が約束破ったことあった?」

唯「信じてるから…!」

タッタッタッタ……

足音が離れて行く、これでいい

和「梓の仇は私が取る……」
振り向いた巨人と対峙する
梓「…………」

産まれて初めてかもしれない、人前でこんなに泣いたのは

私達が入った体育館にも何体かゾンビがいたけれど覚えていない。
夢中で殴り倒し出口へ向かった


梓……、和……、みんな守るって言ったばっかりなのに…

その言葉を言えるほど自分は強い存在ではなかった…

私は……

澪「あずさぁ…のどか……」

律「……泣くなよ…澪。」

澪「うぅ…でも…」

律「泣いたって……どうにもならないだろ」

唯「一番泣いてるのはりっちゃんじゃない…」

律「……」

唯の言う通り擦っても擦っても涙が浮かぶ
自分の歯がゆさと仲間を守れなかった嫌悪感で死んでしまいたいぐらいだった

律「ゆ"い…」

唯「りっちゃん…、澪ちゃんも、みんな大丈夫。和ちゃんはきっと帰ってくる。あずにゃんだって私達がこのまま死んだら許してくれないよ」

憂「お姉ちゃん……」

唯「生きよう、みんな」

律「唯の言う通りだ…。泣いててもどうにもならないよな」

澪「二人の為にも私達は生きなきゃならない。」

唯「うん…!」

紬「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい私が……私のせいで梓ちゃんが…」

それまで沈黙を守っていた紬が顔を被い泣き崩れた

梓のことで責任を感じてたのだろう

憂「むぎ先輩、梓ちゃんの気持ちを一番わかってあげてたのは先輩ですよ。」

澪「あぁ……。梓だってむぎのことを恨んだりしてないと思うよ」

唯「今はあずにゃんの為にも私達が生き残る様に頑張ろうむぎちゃん」

紬「うん…!」

律「さーてじゃあむぎんちに行きますか!」

体育館裏の路地から大通りに出る。
幸いゾンビもいないようだ

澪「タクシーと言うか車一台走ってないな…」

唯「いつもはビュンビュン通ってるのにー」

紬「歩きだとここから結構かかるわね…。さっき迎えにこさそうと電話したけれど繋がらなかったし…一体どうなってるのかしら…」

律「歩いて行くのは危険過ぎる…ってことはあれしかないな。ちょっと待っててくれ」

唯「あっりっちゃん!」

小走りでどこかへ行く律

数分後、

ブゥ~ン

澪「あっ!車が…お~い乗せて…」

キイイィィ

律「私だよん!」

唯「りっちゃん!?その車…?!」

律「非常事態だ、法律云々はこの際後回し後回し。ささ、乗って!(さわこ先生もきっと生きていたら使ってくれって言うだろう…)」

律が調達してきた車は低燃費のさわこのデミオだった。ちなみに作者もデミオだった!

助手席に澪、後ろに唯憂紬の順に乗る。

唯「りっちゃん運転できるの!?」

唯が運転席に身を乗りだしながら聞く

律「ハワイで親父に習ったんだ」

澪「何そのバーロー設定…大丈夫なのか…」

律「えーい四の五の言わず発進!」

バンッ

アクセルを全開踏み誰もいない道路へと走り出した

律「うぉぉ車すげぇ…」

澪「頼むから事故だけはやめてくれよ…」ブルブル

唯「あっりっちゃん止まって!」

律「うぉぉぅ!」

キイイィィ

──────

唯「お待たせ~ジュース買ってきたよ~」

律「うぉナイス!丁度喉渇いてたんだよね~」

唯「はぁい澪ちゃんも。むぎちゃんには大人の午後ティー!」

澪「ありがと…」

紬「ありがとう唯ちゃん」

唯「憂にはあま~いミルクティだよ♪」

憂「ありがとうお姉ちゃん」

律(この状況下になって初めてわかるな…唯のありがたみが。)

澪「律前前!」 律「うぉっと」

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