律「バイハザ!」裏ファイル3 ~梓編~


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頭が痛い……。身体中も。一体私に何があったんだろう
ただ、その痛みが自分が生きていると実感させてくれる。

梓「……ん…んん」

目だけは辛うじて開けられた。そこは学校でもなく…知ってる場所でもなかった
普通の一戸建ての天井、自分はベッドに寝ているのかな

「目が覚めたか?」

梓「えっ…」
聞いたことがない声に反応してそちらへ振り向く。

俺「体はどうだ?まだ痛いか?」

梓「あ、あの…あなたは……後、みんなは……?」

俺「あぁ、紹介が遅れたな。俺は「俺」。和の知り合いだ。みんなは紬って子の家に行ってる」

梓「そうだったんですか…いたたっ」

俺「無理しない方がいい。骨が三ヶ所も折れてるんだ、当分動けないよ」

梓「あ、あの……」ビクビク

俺「怖がることはない。和から君を守るよう言われている。ゾンビが来ても俺が退治してやらぁ」

梓「……」

悪い人じゃなさそう……男の人と二人きりなんて初めてだけど……大丈夫かな

俺「さて、何か食べるか?密封商品なら食べても大丈夫だろう。適当に身繕って持って来るよ」

梓「ありがとうございます」

梓「モグモグ……」

俺「悪いな、そんな缶詰しか食べさせてやれなくて。衛生面を考えてのことなんだ、悪く思わないでくれ」

梓「いえ、久しぶり物を口にしたからか凄く美味しいです。俺さんは食べないんですか?」

俺「食べられそうなものがそれしかなかったからな。あぁ、俺はいいよ、腹減ってないし」

ぐぅぅぅ……

俺「あ、アーッ。今のおならな」

梓「クスクス……これ、半分あげます」

俺「いらねぇっての。小さいんだからいっぱい食べとけ」

梓「あー!気にしてるのに!」

それから俺さんと色々なことを話した。俺さんと和さんは犬猿の仲で会うたび喧嘩しているらしい。
和さんが高校2年生の時に知り合ったなど色々話してくれた
でも、どこで知り合ったのだけは話してくれなかった

俺「でな?俺が和にこう言ったわけよ!……逃がした魚は……デカかったぜ?ってなぁ!これどう見ても俺が振ってるだろ?俺の勝ちだろー!」

梓「それって普通に振られてるんじゃ」

俺「ですよね……」

梓「俺さん……」

俺「ん~?」

梓「私を置いて、一人で逃げてください」

俺「なんで?」

梓「私が一緒だと足手まといになるから……だから和さんも私をここへ置いて行ったんですよね…みんなも」

俺「……」

梓「私…本当に何やっても駄目だなぁ…やっぱり何にも役に立てなかった…」

俺「……。和はな、俺に君を押し付けたわけじゃないよ。確かにあいつとは仲はわりぃけど……どんなやつかはよく知ってる。和はきっとここで俺に任せた方が梓が安全だからって思ったんじゃねぇかな」

梓「……。」

俺「それにあのT103型に襲われても鍵を離さず届けた……誰も君を役立たずなんて思っちゃいないさ」

梓「本当……ですか?」

俺「あぁ、本当だ」

梓「良かっ……た」
涙が溢れ出して来る……人前で泣いたりなんてしたくないのに…

俺「……。俺にはな、妹がいたんだ。そうだな…生きていればちょうど梓と同い年くらいか」

梓「……妹さんは…なんで…」

俺「バイオテロに巻き込まれてね…。俺は丁度街にはいなかったから助かったんだが家族は全滅。全員ゾンビになった後射殺だかなんだかされたんだろうな」

梓「すみません…」

俺「俺から話し出したことだから謝らなくていいよ。まあだから…かな、梓を守りたいと思うのは」

俺「すまんな…人の事情を勝手に押し付けて、迷惑極まりないよな」

梓「そんなこと…ないです。俺さん……必ず、一緒に生き残りましょうね。」

俺「あぁ、当たり前だ」

二人は指切りをする、互いの約束を確かめる為に

俺「あっ!外の雨止んだみたいだな!」

もうすぐ世が明けまた明日が始まろうかと言う時間だった────

ボゴッォォォォォ……
ぐしゃり……

俺「えっ……」

梓「俺……さん?」

鋭い爪が窓を突き破り更に男の腹を突き破る
梓「俺さぁぁぁん゛!!!」

「ウォォォ!!!」

その爪が引き抜かれ……壁が崩れた先にはおぞましい怪物がいた

梓「何……これ……」

目の前には化物、下には血を大量に出して倒れている「俺」がいた

俺「あ゛ずさ……逃げろ……早く…」

梓「そんなっ…俺さんは……!」

俺「この傷じゃ…どのみち無理だ…」

梓「なら私が…くっっ…」
ベッドから降りるもまともに歩くことさえままならない…

俺「そう゛…だったな。お前も゛…歩けないんだった…」

タイラントが爪を振りかぶる

二人とももう駄目かと諦めた時だった───

ジュュワ

「ォォォォォ!」

何かが当たりタイラントの左肩部分が僅かに溶ける

クレア「さあ来なさい化物!あんたの相手はこっちよ!」

グレネードランチャーを構えたクレアが叫ぶ。

「ウォォォガァ!!!」

タイラントは目標を切り替えクレアに向かって走り込む

「ウガアアォォオオ!」

爪を横にスウィング

クレア「はっ!」

クレアはそれを低く姿勢を維持した前回転で避ける

そして後ろからまたグレネードランチャーを発射

「グワオォッ!」

四つん這いになり少し動きを止めるタイラント

梓「あなたは…」

クレア「話は後よ!捕まって!」

クレアは梓を抱える

梓「待ってください!俺さんが!」

クレア「……彼は……もう」

俺「俺がどうかしたって?」

クレア「そんな……!」

体の真ん中には穴が開きかけ血を大量に流しながらも男は立っていた。

梓「俺……さん」

梓は余りの痛々しい姿に直視出来ないでいた。

俺「クレアさんとか言ったなこれを。和絡みだと思うがそいつは和と通信出来る。あいつらと合流して脱出してくれ」

クレア「……えぇ。この子は任せて」

俺「任せたぜ…。」

梓「俺さん゛…」

俺「きったねぇな…可愛い顔が台無しだぞ。…お前は幸せになれ、梓。俺の妹の分もな」

そうしてタイラントの方へ向き直る

その背中は誰よりも大きく感じられた

梓「俺さん!約束…しましたよね!?一緒に生きて帰るって」

俺「クレア」
クレア「わかったわ。」
クレアが梓を抱きタイラントとは反対方向へ走る

梓「絶対…絶対生きて帰って来てください…約束…です。だから…逃げて…」

俺「あぁ、必ず迎えに行くよ。でもその後は愚問だな、逃げるなんて。梓、一つだけ聞こう。」
俺「このタイラント、別に倒してしまっても…構わんのだろう?」
銃を取り出す…

梓「死なないでね…お兄ちゃん…」

二人が走り去ったのと同時にタイラントは起き上がる

俺「あ~ぁ、一生に一回は言いたいセリフと言われたいセリフを一日でコンプリートとはな。勿体無い勿体無い…。悪いがここは通すわけにはいかないんでな」
俺は命を賭ける、さあ、お前は何を賭けるんだ?

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