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空の下で

つい本屋に長居してしまった。日は完全に沈んでいた
両親ももう帰ってるはず、郵便受けの夕刊ももう取っただろう・・・
そう思いながらも、習慣的に郵便受けを覗き込む

「・・・あっ!」

デジャブ。あの日を思い出してしまった。そこには、半分に折られた紙が入っていた
でも今回は、もう差出人はわかっている

「・・・澪か!」

このシチュエーションは半年くらいぶりだろうか。
あのときはラブレターだと勘違いして変にソワソワしてしまったが、流石にもう学習している

「今回はどんな・・・・なんだこれ」

そこには「8時、私の家に来て」とだけ書いてあった
もちろんこれが詩であるはずがない。一体澪は何を考えているのか
そう思いながらも、携帯の時計を見た。もう、8時を回っている

「げっ!なんか知らないけど・・・行ったほうがいいか!」

そう思いながら、一度は家に入ろうとした身を翻して私は走り出した
澪の家は大して遠くはないので別に慌てる必要はないのだが、
私はその手紙に何かを感じ、走るほかなかった。

澪の家の角に差し掛かった、そこで一度止まり、澪の家の方を覗き込む
見慣れた可憐な少女が、まるで恋人を待つかのようにソワソワしながら、空を見上げていた
何故か少しためらったが、私はゆっくり澪に近づいた。そして、ついイタズラ癖を出してしまった。

「わっ!」

「きゃーっ!!」

可愛い。可愛すぎる。

「もう!なんだ!!脅かすな!!それに遅いぞ!」

「いや、本屋寄ってて手紙見るの遅れたんだよ・・・ってかそっちこそなんだよ。わざわざ手紙で呼び出して・・・」

「・・・・ねえ律・・・明日が何の日か・・・覚えてる?」

「・・・?明日・・・?」

「ふふ・・・いつもの、公園・・・いこ!」

いつもの公園とは、二人が小学生、中学生のときよく遊びに行った公園のことだ
高校生になってからは、二人で会うこと自体は大して減ってないが、その公園にいくことは減っていた

「・・・・・いいけどさ、何しにいくんだよ?」

「来ればわかる!」

そういうと澪は一度家に入り、何やらギターケースらしきものを持ってきた

「あれ・・・澪ギター持ってたっけ?」

「うん・・・実はムギに頼んで、左利き用の、貸してもらったんだ。どれでも好きなの選んでって」

「へー・・・自宅にスタジオでもあんのかな・・・」

「じゃ、来て!」

言われるがまま、公園について行った。そして、澪は池の見えるベンチに座った

「隣・・・・座って・・・」

恥ずかしそうに言う澪。私もついドキッとしかけた
「なんで隣に」と言おうとしたが、それより先に体が澪に寄り添うよう隣に座った
澪はギターケースからギターを取り出し、楽譜のようなものも取り出した。

「新しい詩と曲、作ったんだ。それを、律に聴いてほしかった・・・」

今度は本当にドキッとした。なぜわざわざ最初に私に・・・
ドキドキしている間に準備は済んだのか、澪は一度深呼吸し、奏で始めた
ぎこちない音が響いた
しかし、充分聴ける音だった。梓にでも習ったのか、自分で勉強したのか・・・
そして、歌い始めた


友達が生まれた 何の前触れもなく 夜の端っこで

涙が降りました とめどなく容赦なく 僕の手の中に

勇気が出来ました 恥ずかしげもなく 手の平に

愛に会いました 何気なく さり気無く 空の下で


花が咲いてる  風が吹いてる  僕はここに立っている 届け響け

友達が生まれた 涙が降りました 勇気が出来ました

愛に会いました ラーラララーララーラ 歌になりました



私は、震えた。言葉には出来そうに無いが、とにかく澪にこの思いを伝えたかった

「みっ・・・!澪!!すっ、すごい・・・いいよ!」

「律・・・ありがとう」

澪の笑顔。少し頬を赤らめた、いつもの笑顔。

「早速、他の皆にも聴かせよう!!」

「律・・・ごめん。」

「・・・え?」

「これは・・・・出来れば、他の人に・・・聴いてほしくないっていうか・・・その
律にだけ・・・聴いてほしかったんだ!」

「澪・・・どうして?」

「明日・・・・・・律、本当に何の日か覚えてないの?」

「明日・・・あっ」

「律の・・・・18歳の誕生日!」

「そうだった・・・すっかり忘れてた・・・」

「1日早いけど・・・これが、律への誕生日プレゼント・・・で、いいかな?」

「澪・・・・」

「部活の方で練習しながらだったから、三ヶ月もかかってさ・・・・まだまだだよな!」

想像していた 必死にギターを練習する澪 詩を考える澪 まだおぼつかないギターで曲を作る澪
それでもベースも怠らず練習する澪 手紙を書いていた澪 私を待っていた澪 

「律との・・・思い出。詩にするには多すぎるから・・・
せめて律が私にくれたもの、友情・・・涙・・・勇気・・・あと・・・」

「澪おおお!!」

気付けば澪に抱きついていた。涙もこみ上げてきた。

「澪っ・・・ありがとう・・・うぐっ・・・・こんな・・・プレゼント・・・今までなかったよ・・・・ひぐっ」

「律・・・こちらこそ、ありがと!」


結局、その曲は、二人だけの曲にすることにした
次の日、部の方でも誕生会を開いてくれた。皆、素敵なプレゼントをくれた
澪はそこでもプレゼントをくれた・・・新しいカチューシャだ

今から、澪の誕生日が楽しみだ
私も、澪がビックリするような・・・ビックリ箱じゃないぞ!
ビックリして、泣いて喜ぶようなプレゼントを考えよう
そう誓った。18歳、最初の夜に


※歌詞は某お笑い芸人の曲から丸々引用しました 何卒ご了承願います

出典
【けいおん!】田井中律はオサレ鞄可愛い39【ドラム】

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