Love for Three Generation


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            Love for Three Generation


「嘘・・・・・増えてる」
 愛子はまるでそうすれば体重計が目盛をおまけしてくれると期待するかのように凝視した。
 もちろん変化はない。
 一旦降りて、息を十分に吐き出してもう一度乗ってみた。
 針は先程と同じ数字で止まった。
 バスタオルを取り、完全全裸で挑戦した。
 200g減った。
 それでも1.8kgの増加だった。


「いやぁ~いい~映画だったな~」
 三代吉が隣でしきりに感動していた。
「う、うん、そうだね」
「特にあの奥さんに最後に話しかけるシーン!いや恋愛映画ってのもたまにはいいねえ」
「う、うん、そうだね」
「でも俺はやっぱりアクションだな。不死身のタフガイが大暴れする奴。な、今度はそっち系観に行こうぜ」
「う、うん、そうだね」
「・・・・・人の話聞いてらっしゃいますか、愛子さん?」
「え!?き、聞いてる、聞いてるよ、アクションはいいよねぇ」
 三代吉はちょっとむくれて愛子を睨んだ。妥当な反応だろう。
「ごめん・・・三代吉。怒った?」
「いや、怒っちゃいねーよ。な、飯食おうぜ」
「うぇ!?ご、ご飯・・・・?」
「だって愛子、映画館の中でもウーロン茶飲んでただけじゃんよ。腹減っただろ?」
 減ってるけど減ってない!
 実は愛子は朝から食べていない。増加した体重分だけでも元に戻そうと、本人はいたって真剣だった。夏には大分まがあるが、半袖やノースリーブの季節はすぐそこまで迫っている。   
 二の腕は死守しなければ、プルプルは絶対にイヤッ!
 とはいえ今日は一度三代吉の機嫌を損ねかけている。断ることはさすがに、非常にまずい気がする。
「そ、そうね、それじゃあ軽いものを――」
「あったあった。眞一郎から聞いたんだけど、あそこのピザ美味いんだってよ。入ろうぜ」
 この世に神はいない。


「えーっと、じゃ、この、ク、クアットロ・フォルマージ?これ下さい」
 なんでそんなチーズたっぷりの頼むの!
「愛子は?」
「シ、シーザーサラダとコーヒーで」
「愛子、どした?具合でも悪いのか?」
「そんなことない!そんなことないよ!」
 三代吉は愛子をジーッと見つめ、
「・・・・何隠してる?」
「ふぇ?」
「なんか隠してんだろ、愛子」
「なんで、別に何も――」
 言いかけて固まった。三代吉の顔が不安に引きつって見えたからだ。
 以前にもこの顔を見たことがある。二度とこんな顔させちゃいけない。
「――たの」
「えっ!?」
「太ったの!!だからあまり食べないようにしてるの」
「――プッフアハハハハ!!!!」
「もう、だから言いたくなかったのに!」
「悪ィ悪ィ。でも気にする事なんか全然ないのに」
「大問題よ、二の腕プニよ、ほっぺもタプよ!」
「・・・・・かわいいじゃん」
 面と向かって言われて、愛子は赤面した。
 

 そんないつもの日曜日だった

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