間違いからの贈り物


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8つ目のSS今回は初デート

       間違いからの贈り物


比呂美がアパートから出てきて外で待ってる眞一郎に声を掛ける
「お待たせ~」
「部屋の鍵は掛けたか?」
比呂美はまるで人懐っこい子犬の様に
「うん、行こう早く早く~」
眞一郎はそんな比呂美を愛しく見ながら
「おいおいそんなに焦るなよ
まだどこ行くか言ってないだろ」
と焦る比呂美を落ち着かせる
「だって私の長年の夢だったから
眞一郎くんからデートを誘ってくれる事」
少し落ち着きつつ今まで想い描いていた事を眞一郎に告げる
それを聞いた
(俺はどれ位比呂美が今まで想い描いていた事を叶えてやれるんだろう?)
眞一郎は小難しい顔をしつつ思っていた
心の内を察してか比呂美は
「やっと恋人同士になれたからどんどん叶っていくわよ
眞一郎くんは何か想い描いてた?」
と眞一郎に優しく問いかける
「そうだなぁ比呂美と一緒になりたいと思う気持ちが大きかったから
付き合った時何かをしたいとか考えた事無かったこれからはいろいろ考える
比呂美の期待に答えれるかは判らないけど」
頭を掻き照れながら問いに答える
「ちょっと傷付いたかなぁ私と結ばれないと思っていたんだ」
少し意地悪に比呂美は眞一郎を困らせ
「でも楽しみが出来て嬉しい眞一郎くんがどうやって私を喜ばせてくれるのか
がんばってね」
暖かい微笑みで眞一郎を励ました
じゃあそろそろ行くかと眞一郎の言葉を合図に二人は歩き始める
談笑しつつ着いた場所は馴染みのあるショッピングモール
「まあ、定番だけどまずは映画で」
と眞一郎がショッピングモールにある映画館に比呂美を誘う
比呂美は一瞬、顔を曇らせたがそれが無かったように
「それで何見るの?
あ!これ朋与が言ってた小説のアニメね
ひょっとしてこれかな?」
と眞一郎に聞いた
「あ、ああ俺も気になっていたからどうかなと
何でも最初は上映した映画館が少なかったけど
口コミとネットで評判が広まってまだ上映していないところもあるとか」
(なんであんな顔したんだ?)
と一瞬表情を曇らせた比呂美を疑問に思いつつ答えた
「しかしアニメかぁ子供の頃以来かな見るの
朋与から聞いたけど何でも昔のベストセラーの小説らしいよ
この前一緒に見に行かない?って誘われたの
朋与には悪いけど早く入りましょ」
比呂美は眞一郎の手を引き入場券売り場へと引っ張る
「お、おい比呂美そんなに引っ張るなよ
今、入場券買うから待ってろ」
と眞一郎は二人分の入場券を買い、片方を比呂美に渡す

映画が終わり二人は映画館から出てくる
「いい映画だったね
話題になるだけの事はあったね
私、パンフレット買っちゃった」
と比呂美はパンフレットをヒラヒラと眞一郎に見せながら感想を言うと
眞一郎は相槌を入れるように
「ヒロインが坂を全速力で駆け下りる所は挿入歌と相まって良かったな
なんか比呂美が引越しする時俺が自転車で追い駆けた時思い出した」
と照れながら話した
比呂美はふふふと微笑みその時を懐かしむ様に眞一郎に言った
「でもあの時は本当に嬉しかったお互い好きだったって判ったから」
その言葉を聞いた眞一郎は
「俺にも映画のヒロインのように過去に戻れたら比呂美をもっと早く喜ばされたのに」
と思っていた事をつい口に出してしまう
比呂美はからかう様に
「そうだよね、私サインを出してたのに全然気付いてくれな…」
と言いかけハッとして
「ごめんなさい
私にも原因あるから眞一郎くんばかり責める事出来ないよね」
と眞一郎に謝る
そんな比呂美を見て
「でも今はこうやってデートが出来るまでになったんだ
もうお互い自分を責めるのを止めよう」
と照れつつ励ました
そしてそんな雰囲気を吹き飛ばすように
「比呂美、次はどこ行きたい?」
比呂美は少し考え
「デート中で悪いけどスポーツショップに寄ってほしい
部活の備品とか見ておきたいから」
申し訳なさそうにそう言うと
眞一郎は顔を赤く染めて
「そういった事もデートの内に入るから気にしないぞ
それに…俺を…もっと頼ってほしい」
照れながら比呂美に手を差し伸べる
比呂美はそれに答えるように眞一郎の手を握り
「うん、できるだけ頼るようにする」
と同じように顔を赤く染める

モール内を歩き目的地のスポーツショプに着く
だがそこで意外な人物に出会う
「なんだ?アンタ達デートか?」
石動純である
比呂美は少し睨み、純を見返した
一方の純は受け流すかのように表情を変えない
だが次の瞬間この二人の表情が同じ様に驚く
「比呂美にまだ何か様か?」
眞一郎が僅かながらな怒りを帯びた声で純と比呂美の間に割るように入って言った
比呂美を守るように立つ眞一郎に純は
「そんなに睨むなよ
でも丁度よかったもう一度アンタ達と話がしたかった」
となだめる様に眞一郎に言った
近くにあるベンチに純、眞一郎、比呂美の配置で座る三人
口を最初に開いたのは純だった
「すまなかったなアンタ達の仲を引き裂くような真似事して」
比呂美と眞一郎はその言葉を聞いて驚いた
「おいおい、いくら俺でも罪悪感はあるんだぜ」
驚いた二人を彼らしい言葉で皮肉を言う
そして純は眞一郎と目を合わせて語る
「お前の言った通りだった」
え?と眞一郎は少し驚き純の言葉に反応した
そんな事を気にせず純は話を続ける
「他人が人の心を操作しようとする事
俺が乃絵の気持ちを知ってお前に付き合えと言わなかったら
あんなに傷つかなかっただろうし、もしかしたら普通に付き合えたかも知れない
今更後悔しても仕方が無いがな」
後悔を噛み締める様に下唇を噛む
話が一段落したのを見計らって比呂美が
「あの、やっぱりバイクの弁償は私も…」
純は比呂美の言葉を遮って
「この前アンタが別れ話を言いに来た時も言ったがその必要はない」
どうしても納得がいかない比呂美は引こうとせず
「でも、あれはあなたが止めたのに私が無理を言って走らせたから…」
それを見かねて眞一郎が
「俺も弁償します乃絵の事のありますし、比呂美だけに…」
眞一郎も言い出したので純は参ったなと顔に表し二人を納得させるように言う
「あれは罰が当たったんだ
お前が言った『他人が人の心を操作しようとする事』のな
それに金の事ならある程度、目処が付いてる
お前達を引き裂こうとした俺に時間を割く位ならお互いの相手に使うんだな」
純から二人の仲を認めるような言葉を聞いて二人は照れてしまう
「「ありがとうございます」」
比呂美と眞一郎が自然と同じ言葉が出る
純はその場面を見てニヤッと笑い、比呂美を見ながら
「最後までアンタから名前はおろか苗字ですら俺を呼ばれなかったな」
比呂美は少し伏せ
「ごめんなさい失礼な事していましたね」
心の底からの比呂美の謝罪の言葉だった
それを感じた純は簡潔に答える
「お互い好意が無かったから仕方が無い」
純は再び眞一郎に目を合わせ
「こんな感じだったからお互い深い付き合いは無かった
それとかりそめとはいえあいつと付き合ったから言えるが
彼女、強く見えるけど意外と脆いぜ」
とわざとらしく言う
その言葉に眞一郎は一言
「わかっています」
と答えた
純はそうかと言ってベンチから立ち上がり
「話はそれだけ
お前達お似合いだぜ」
と言い二人から離れ帰っていく

「ふぅ~
疲れた~やっぱり俺、アイツ苦手だ」
まるで糸の切れたあやつり人形の様に全身の力が抜け、つい弱音を吐く眞一郎
そんな眞一郎を見た比呂美は素直に思った事を言う
「でも、格好良かった
間に割って入った時は嬉しかった」
そんな言葉に照れつつ
「もう、比呂美を放したくないからな」
と眞一郎は答える
比呂美もその言葉に答えるように顔を赤く染める
「あ~もう腹が減ってきた~メシを食べに行こう」
眞一郎が比呂美の手を引き歩き始める
比呂美はただ眞一郎に引かれながら一緒に歩いていく

モール内にあるファーストフード店で食事する二人
「しかし、アイツのどこが気になっていたんだ?」
眞一郎は前から思っていた事を比呂美に聞く
正直、気は引けていたが今だから聞けると思ったからだ
「そうね、ほとんどはこの前言ったのと同じよ
でも、それは選手としてね
石動さんのお兄さんだったのは知らなかった」
比呂美も隠さずに言う
このまま言わない方がいいとも思っていたが
今までの経験から言った方がいいと思ったからだ
「そうか、…ごめん
売り言葉に買い言葉だったとはいえ
比呂美に付き合えってアイツに言った事」
眞一郎がどうしても言いたかった言葉だった
ようやく比呂美と付き合えたとはいえ心の中では未だ交換条件の事は燻っていた
「ううん、私も嘘を付いて眞一郎くんが気遣ってした事だから責めれないよ
それに今、謝ってくれたから
私の方もごめんなさい」
比呂美も眞一郎に言いたかった言葉を言う
「あのさ、比呂美が以前アイツとデートした時映画だった?」
眞一郎のいきなりの質問に驚きつつ
「う、うんそうだけど
どうして判ったの?」
比呂美は不思議に思いつつ答え質問する
「映画館に着いた時少し暗い顔して不思議に思ってね
もしかしたらと」
と眞一郎はタネあかしをする
その思いを受け止め比呂美は噛み締めるように
「そっか、私をいつも見てくれているんだ」
と眞一郎に感謝を込めて言う
眞一郎は照れながら
「比呂美はどんな映画が好きなんだ
また誘う時の参考にしたいから」
その言葉に比呂美は笑みが綻び
「ア、アクション物が主に好き」
とぎこちなく答える
「アクション物か考えておく
そういえば今日の映画を見た後に、過去に戻れたらって言ったけど
よく考えたら今まで間違えたからこそ比呂美と強く結びついたと思う
今度また似たような事があっても間違える事も無くなる」
眞一郎の出た結論に比呂美も頷き
「私もそう思う
今まで自分の思いを偽ったからこんなに遠回りになった
でも、今度からはもっと素直に言っていこうと思う
それに眞一郎くんは頼って欲しいって言ったけど
私も眞一郎くんに頼られたい」
比呂美が出した結論に眞一郎もさっきと同じ様に頷く
食事が終わり
「さあそろそろ店を出ようか」
眞一郎の言葉を合図に二人は立ち店を出てモール内を回る
ゲームセンター、本屋、CDショップ、ブティック
色々まわり日が暮れ二人は今、比呂美のアパート前に居た
「どうだったかな?デートの感想?」
眞一郎が率直に聞く
「う~ん贔屓なしでも75点かな」
小悪魔的な笑みをしながら比呂美は評価する
「でもとっても楽しかった
まだ知らなかった眞一郎くんの一面が見れたし」
眞一郎も比呂美の言葉を答えるように
「俺も比呂美がハードロックが好きなんて知らなかった
今度、比呂美が持ってるCDを借りて聞いてみようかな?」
と今日知った比呂美の一面を言う
「うん、馴染みがない人でも聞けるのを探しておくね」
比呂美は嬉しそうに言う
またデートしよな、と眞一郎の言葉に比呂美は
ねぇ指きりしない?と眞一郎にお願いする
眞一郎はそのお願いに答え比呂美と指きりをする
「「指きり~げんまん~嘘付いたら針千本の~ます」」
「「指きった」」
指きりが終わった後に比呂美は不意を付いて眞一郎の頬にキスをする
そして
「今日はとても楽しかったまた明日学校でね」
と言い比呂美はアパートへと駆け込んでいく
あまりの不意に呆然としつつ今あった事を思い返しニヤケ顔になり家へと帰った


おわり


最後まで読んでくれてありがとう
謝っておきますただ単に「時かけ」を二人に見せたかった為に書きました
あと俺なりの4番との決着とちょっと成長した眞一郎も書きたかったのですが
どうでしょうか?
しかし、俺のSSってキスで終わる事多いなぁ
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