正義を胸に

――私の命を君に上げよう――
「君はどうなる?」
――君と一心同体になる――

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赤い発光体と衝突したハヤタが目を覚ました場所は異質な空間だった。
聳え立つ山に暗黒の空。 どう考えても普通じゃない。
主催者らしき者が言うにはここに集められた連中で殺し合いをしろという。生き残れば如何なる望みも実現出来る強大な力が手に入ると。
ハヤタは何故か持っていたカプセル、ベータカプセルを握った。
彼は人の命を守る為、はびこる悪を滅す為にSSSPに入ったのだ。
「戦いを止める。何としても…必ず阻止してみせる」
ハヤタの答えは最初から決まっていた。
そして彼の中に眠るもう一人の意思も同じ答えを出していた。

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「…あ!!」
道を真っ直ぐと歩くハヤタの前方から大声が聞こえた。向こう側にいる人間は自分と同じ側に立っているのだろうか? それとも……?
ハヤタの思いとは裏腹に闇夜の月に照らされて男の姿がハッキリと見えてきた。
「すいません!」
ハヤタはこの男の大声に大げさに後ずさる。
「な…何…」
ハヤタが言葉を言い終えるまでもなく、男は興奮した様子で飛びついてきた。
「ここがどこだか分かりますか? 俺早く帰らないといけないんです!!」
あまりにも大きな声にハヤタは顔をしかめる。
「…とりあえず、落ち着いてください。まずは落ち着いて話し合いましょう」



160 :正義を胸に ◆3wT0Mm.S7. :2008/09/29(月) 17:04:40 ID:g93IUHgh0

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彼に自分がこの戦いに巻き込まれた経緯を説明すると、何とか理解したようで語りかけてきた。
「じゃあ、あなたもウルトラマンなんですか!?」
「ウルトラマン…?」
「俺もウルトラマン…ウルトラマンマックスです! 良かった…俺もなんでこんなところに来たかはわかんないけど…でも、こんな戦いはよくない。止めたいんだ! そうだ。自己紹介しなきゃ。俺はトウマカイトっていいます!」
興奮したまま青年、トウマカイトは語り始めた。自分が何者で、何をしてきたのか。
話を聞くに、彼はDASHという防衛隊のメンバーで、ウルトラマンマックスという戦士に変身して怪獣たちと戦っているらしい。
「ハヤタさんもウルトラマンとして協力してくれませんか? 戦いを止めて早く帰りましょう!」
彼の瞳は、真っ直ぐ自分を見据えていた。そこに、迷いは無い。
だがそう簡単に彼を信じるわけにはいかない。第一、DASHなんて防衛隊のことなど聞いたことがない。自分が所属している科学特捜隊以外にもそんな組織があったら知らないはずがない。
しかし、この殺し合いの場でそんな露骨な嘘をつくだろうか? 僅かな不信でも命とりになりかねないというのに。
「分かりました…出来る限りのことはします。一緒に脱出しましょう!」
迷った末にひとまず信じてみることにした。彼の真っ直ぐな瞳を。


161 :正義を胸に ◆3wT0Mm.S7. :2008/09/29(月) 17:05:42 ID:g93IUHgh0

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トウマカイトはデロスを脱出してからの記憶を失くしていた。気が付けば異形の地にいた。
自分が何故ここにいるかさえ分からないまま勝手にゲームの内容が説明された。
今頃、ギガバーサークは人間を滅ぼそうとしているに違いない。すぐにも帰らないといけない。
だが、人の命を見せしめにして始まったゲームもほおっておくにはいかない。
だったら立ち向かうのみ。戦いは止めてみせるし、ここからも脱出してみせる。カイトはそう決めてゲームの舞台へと進んでいった。

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「ハヤタさん、いきましょう!」
「はい!」
正義を胸に抱いて、二人は夜道を歩いていった。


162 :正義を胸に ◆3wT0Mm.S7. :2008/09/29(月) 17:06:36 ID:g93IUHgh0
【トウマカイト@ウルトラマンマックス】
【1日目 深夜】
【現在地:D-6】
【時間軸】:最終回デロス脱出後
【状態】:健康
【装備】: マックススパーク
【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品(0~2)
【思考状況】
1、戦いを止める。
2、脱出する。

【ハヤタ@ウルトラマン】
【1日目 深夜】
【現在地:D-6】
【時間軸】:第1話ウルトラマンと融合直後
【状態】:健康
【装備】: ベータカプセル
【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品(0~2)
【思考状況】
1、戦いを止める。
2、脱出する。

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初登場 ハヤタ
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最終更新:2008年11月07日 20:08