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YOSAKOIソーラン祭りとは、毎年6月上旬に主に
札幌市で行われる
祭。
北海道大学の学生だった学生が、病床の母を見舞いに訪れた高知の病院にて母がよさこい祭りのテレビを見て「病気の私が元気になるお祭りね」と感想を話したところから着想したお祭りである。
内容
「ソーラン節」のメロディを取り入れた曲にあわせて鳴子 (楽器)を持って踊り、数十人程度の集団(チーム単位)で舞踏する。
踊りの年齢層は幼稚園児から高齢者までと幅広いが、主力を担っているのは若年層である。北海道内では幼稚園や小学校の運動会などで踊ったり、地方のお祭りやイベントなどでも地元のチームが演舞を披露したりすることがある。
祭りは毎年6月初旬から中旬の数日間行われ、札幌市内外で演舞が行われるが、札幌市中央区にある大通公園パレードコース内の特定エリアでの演舞が審査の対象となる。全チームを10のブロックに分け、審査員によって選ばれた各ブロックの予選「1位チーム」、およびシード権を有する前年度大賞チームが「ファイナルコンテスト」へ、また「2位チーム」と「3位チームの中で一般からの携帯電話投票数が最も多い1チーム」が「セミファイナル」へ進出する。これら選ばれたチームが再度大通公園八丁目に設けられた特設ステージで決勝の演舞を行い、その年の「YOSAKOIソーラン大賞」等が決まる。
参加チーム
40人~150人でチームを作る。
ファイナルコンテストで入賞を繰り返して名が知られるようになったチームは、企業や商店のイベントなど他の催し物に呼ばれることもある。そのようなチームはギャラなどの収入も増え、祭り以外にも活動の場を広げている一方で、祭りへの準備は1年がかりともいわれる。振り付け指導や演舞に使用する曲の作成にはプロのダンサーや作曲家を招き、まだ雪深いうちから日夜練習を繰り返している。地元の小学生によるチームからオーディションに合格しないと加入できないチームや、祭りに参加させてもらえない“ファーム”が存在するチームまである。{{要出典}}すでに株式会社化を果たしたチームもあり、全国で公演を行っているケースもある。{{要出典}}
YOSAKOIソーラン大賞受賞チーム
開催年 |
チーム名 |
1992年(第1回) |
セントラルグループよさこい踊り子隊 |
1993年(第2回) |
北海道ガス |
1994年(第3回) |
平岸天神 |
1995年(第4回) |
平岸天神 |
1996年(第5回) |
JAL極楽とんぼ |
1997年(第6回) |
a la collette?4プラ |
1998年(第7回) |
平岸天神 |
1999年(第8回) |
平岸天神 |
2000年(第9回) |
(ファイナルコンテスト中止) |
2001年(第10回) |
パスキー&北海道医療大学 |
2002年(第11回) |
新ひだか町三石なるこ会 |
2003年(第12回) |
平岸天神 |
2004年(第13回) |
新琴似天舞龍神 |
2005年(第14回) |
新琴似天舞龍神 |
2006年(第15回) |
新琴似天舞龍神 |
2007年(第16回) |
新琴似天舞龍神 |
成長
開催当初は10チーム、踊り手の数も1,000人程度だったが、その後十数年で参加チーム数は300を超え、踊り手の数は4万人以上に成長し、今日では札幌に初夏を告げるイベントとして年々大きくなりつつある。祭り期間中の大通公園は、演舞衣装に身を包んだ踊り手たちでごった返す。北海道内各地からはもちろん、道外や海外からの参加者もいる。
よさこい祭りの本場である高知県からの参加もある(2007年は参加チームがなかった)。地下鉄で各会場を移動する大勢の踊り手の集団に遭遇したり、「地方車」(じかたしゃ)と呼ばれる派手な装飾を施したトラックを見かけることがある。
また、「高知よさこい鳴子祭り」の「よさこい節」のメロディを「一小節」含めて、鳴子を持って踊れば基本スタイルとなる、という簡易なルールが横展開のしやすさを支え、町おこしの目玉として全国で類似した祭りが催されるようになっているが、全国どこでも似たようなイベントが安易に行われているという批判がある。
教育的効果
テレビドラマの金八先生におけるソーラン節演舞の効果もあり、現在、小学校や中学校での「ヨサコイ」「ソーラン」の普及は著しいものがあり、札幌市内ではほとんどの小学校の運動会で「YOSAKOIソーラン」が演舞され、関東地方でも千葉などでは半数の小学校で「よっちょれ」「南中ソーラン」「SAMURAI」などを踊られている。教育現場では、踊りによるバランス感覚・平衡感覚・リズム感覚が養われるだけでなく、人間関係調整能力の育成に効果を発揮されているとして、評価されている。(「楽しい体育の授業」,明治図書,2005年6月)
参加者の経済負担
祭りに参加するチームは、実行委員会に参加費(4万円から最高で25万円ほど)を支払う他、演舞に使用する衣装代・音楽の制作費・地方車に使うトラックや音響機器のレンタル代・札幌市までの交通費(市内各会場間の移動にかかる費用もチームの負担)・滞在のための宿泊費など、チームが負担する金額の合計は数十万円から数百万円に及ぶ。業者の選択も、組織委員会が発行する「レインボーブック」と呼ばれる冊子に掲載された「公認業者」に限定される。なお、レインボーブックの掲載は有料である。
関連項目
外部リンク
最終更新:2007年09月11日 15:37