【HSW】


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1945年 ドイツ ベルリン UHGならびにHSW-01確認
1948年 中東パレスチナ HSW-02確認
1950年 朝鮮半島 HSW-03確認
1956年 中東 HSW-04確認
1960年 ベトナム HSW-05確認
1965年 インド西部 HSW-06確認
1973年 中東 HSW-07確認
1990年 イラク HSW-08確認
2001年 アフガニスタン HSW-09確認
2003年 イラク HSW-10確認
2012年 中国 HSW-11確認


2015年に起きたアメリカ国防省への大規模なサイバーテロによって流出した国防軍事関係の秘密ファイルに記されていた情報とされるものの一部




最初にそれを肉眼で目撃したのは羊飼いの親子だった
おおよその常識というものを嘲笑うかのようなソレは彼らの眼前に巨大な影を落としながら通り過ぎる。
しかしその時間はあまりにも長く、その間父親は息子を必死で庇うように丸くなり、父に庇われた息子は目の前を通り過ぎるソレをじっと凝視し続けた。


「国防長官、こちらへ」
ピリピリとした空気の充満した多数の上級将校やスーツを着た者達のひしめく会議室のような場所へ若い佐官に案内されるようにして恰幅の良い初老の男性が入ってくる。
彼の登場で部屋の中のそれまでのザワザワとした空気がピタリと静まり、全ての視線がその初老の男性へと注がれる。
「こちらへお座りください」
案内役の将校に案内されたのは部屋のすべての人間を見通すことができる場所に位置する席、そのあらかじめ用意されていた席へと彼はゆっくりと腰を据える。
「・・・よろしいでしょうか?」
彼の着席を確認して彼が入ってきた方向から見て部屋の奥に設けられた巨大なスクリーンの前に立つ将校が確認してくる。
「あぁ、始めてくれ」
彼のその一言で部屋の照明が絞られ奥のスクリーンにプロジェクターによって映像が映し出される。
「最初に出現が確認されたのは今から2時間前、アフガニスタン上空を飛行していた偵察衛星が捕捉、現在は軌道固定を行い常時監視中です」
「万一の事態に備え戦略衛星テンペストの軌道固定も準備中です。」
そう付け足したのは戦略宇宙軍司令のベルリーブ大将だった。
「そんな物を使わないことを願うよ、アレは情報操作で揉み消せるレベルを超えているからな」
長官はスクリーンの前の将校に続けるように手で合図を送りながらベルリーブ大将に言葉を返す。
「出現したのは1990年のイラク砂漠の嵐作戦時に確認されたHSW-08の亜種、もしくはその発展型だと思われます」
その言葉に続いて彼の後ろのスクリーンにはいくつかの画像が表示される、画像には上空から撮影されたもの距離感がハッキリしないものの地上から撮影された物など様々であるが、そのすべてが同一の物体を撮影したという共通点があった。
「HSW-08か、忌々しい名だな」
 その言葉を口にしながら長官の顔には苦虫を噛み潰したような表情が浮かぶ。
「無人偵察機は貼りつかせてあるんだろうな?」
 長官の横に座る別の上級将校が尋ねる。
「2時間前に出現の報告と同時にクェートの基地から3機出撃させています」
「今現在の映像は見られるか?」
「スクリーンにメインで繋ぎます」
スクリーンにそれまでの静止画像ではなく無人偵察機のカメラからの映像が映し出される。
「現時点の無人偵察機インヴィジブルホークからの映像です。高度500から1200mの間に3機を待機させています」
 スクリーンにはゴツゴツとした荒地を移動する巨大な戦艦という視る者の目を疑わせる映像が映し出されていた。
「相変わらず非常識極まりないな」
「今までのパターン通り、明らかな障害となる存在と認識しない限り攻撃はしてこないようだな」
「HSW-09以降は小型化の傾向がありましたがここに来て再び巨大化ですか」
「相手は我々の考えなど当て嵌めることが困難な存在だ、その点は深く考えるだけ無駄だろう」
席についた将校の間でざわめきや会話が起きる
「次に偵察衛星とインヴィジブルホークの画像データから作成した3Dモデルをフォログラム映像でご覧ください」
 それまでスクリーンに映像を映していたプロジェクターから今度は空間上にフォログラム映像が投影される。
「形状はHSW-08と良く似ていますが大きさはその1.5倍、衛星と偵察機の画像で確認できるだけでも武装にはいくつかデータに無いものが確認されています」
「相変わらずイヤなビックリ箱状態ということか」
 長官の口から思わず皮肉が漏れる。
「付近に我が軍の戦力は?」
「60キロ離れた場所に治安維持部隊として駐留している部隊があります。移動物体のコースから考えて目標はこの部隊かと」
「すでに現場の指揮官には対応させているのだろうな?」
「第一種戦闘態勢で迎撃準備を完了しています。しかし限りなく劣勢だと言えます」
「航空戦力の増援と能力者の投入はどうなっている?」
「周辺の米軍駐留部隊から既に増援を向かわせています。能力者は海兵隊所属の5名とウィズダムのエージェント3名が臨戦態勢で待機しております」
「それでも状況は明るくは無いか・・・」
 将校の説明と共に秘書官から手渡された能力者8名の詳細が記載されたファイルに目を通しながら長官は呟く。
「現時刻をもってこの移動物体の呼称をHSW-12とし殲滅作戦を開始する。諸君の健闘に期待する。」
 状況説明を聞き終わり、重要な項目を中心にしばし書類に目を通した長官は席から立ち上がるとその場に居た全ての関係者に向かってそう言葉を送り部屋に入って来た時と同じようにその場を後にする。

長官の退室後、再び室内は慌ただしく動き始める。

 こうしてアメリカ国防省ならびに陸海空の三軍でのコードネームUHGとして呼ばれ、ラルヴァ研究者の間では<ワンオフ>歯車大将と呼ばれる強大な戦闘力を誇るラルヴァと、この個体が生み出す常識を嘲笑うかのような怪物兵器HSW-12との戦闘の幕がアメリカ本国からは遠く離れたアフガニスタンの地で情報統制という厚いヴェールの内側で切って落とされたのであった。




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