反応容器の選択
ここでは,合成反応における反応容器の選択について述べる。
反応容器の選択には,2つの要素がある。
反応容器の選択には,2つの要素がある。
容器の種類
単純な反応ではナス型フラスコが濃縮などの扱いに便利である。
キャニュラーを使う,厳密な温度調節が必要である。などの場合には,口が二つ以上あるものを選択するとよい。
大まかには溶液の量でフラスコの種類を選択する。
溶液量 | 容器 | |||
>100 mL | 三口フラスコ 二口フラスコ |
口がたくさんあり,壁面を洗いながら溶媒を添加できるなど利点が多い。 | ||
1 mL~100 mL | 精密合成 | 一般合成 | ||
枝つきフラスコ | 横から試薬を添加できるため,キャニュラーなどの使用が可能である。 | ナスフラスコ | そのまま濃縮や蒸留等の諸操作に移ることが可能で扱いやすい。 | |
1 mL~5 mL | 試験管 | 条件検討などでたくさんの反応を同時に仕掛ける際に便利。 | ||
>1 mL | 枝つきナシフラスコ | 横から試薬を添加できるため,キャニュラーなどの使用が可能である。 | ナシフラスコ | そのまま濃縮や蒸留等の諸操作に移ることが可能で扱いやすい。 |
また,反応によっては材質を選ぶ場合がある。
条件 | 材質 |
一般条件 | Pyrex製,ガラス製 |
光反応条件 | 石英製 |
遮光条件 | 茶色ガラス製 |
含フッ素反応条件 | ポリプロピレン製 |
容器の容積
大原則は,クエンチ (未投稿)操作まで考慮したうえで,反応終了までの最大溶液量が,反応容器の1/3未満になるようにする事。