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あたしが殺した(後編)

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あたしが殺した(後編) ◆CUPf/QTby2


……あたしは無力だ。
超能力も運動神経も料理の腕も、今はまったく使い物にならない。
特別な能力があっても、人とは違うことが出来ても、
こんなときに役立てられなきゃ意味がないのに。

この首輪を嵌められたときも、抵抗ひとつ出来なかった。
鉄の塊で命を脅かす蝶野に対して、文句ひとつ言えないまま、
今、蘭子に殺されようとしている。

でも、なんだろう。何かを忘れているような気がする。
何か、とても重要なことを。何か、とても恐ろしいことを。
でも、それが何なのかが分からない――

…………
……

自分の名を呼ぶ凛華の声、ベランダの向こうから聞こえる声が、
桜にはまるで別世界の物音のように感じられた。

体が動かない。蘭子にのしかかられ、身動きを封じられてしまった。
抵抗はした。持ち前の柔軟性を利用して、関節技から何度も逃れた。
しかし、怪我を負った腕を狙われては、どうすることも出来なかった。
激痛のあまり声も出せず、ただ身悶えているうちに、こうして自由を奪われた。

「ふぅん、これが桜の支給品……」

ぼんやりと狭くなった視界の片隅で、上機嫌な蘭子が
デイパックの中からペンのようなものを取り出したのが見えた。
彼女が漁っていたデイパックは、桜から奪い取ったものだ。
彼女は既に勝者の顔で桜の所持品を貪っていた。

「あたし、こんなの初めて見た。ねぇ桜、これは何?」
「説明書、入ってる……」
「あたし、そういうの読みたくない。桜が説明しなさいよ」
「……ガラスを切る道具……」
「これが? 刃なんてついてないじゃない」
「刃で切るんじゃない……。表面に傷を付けて、割れやすくする……」
「面倒だわ。ガラスを割りたいなら、殴ればいいのよ」

パンがないならケーキを食べればいいじゃない、
とでも言いたげな蘭子の様子に、桜は思わず失笑しそうになる。

桜への支給品は、破壊のための道具ではない。創造のための道具だ。
ガラスや鏡を任意の形にカットすること。そのために用いる道具だった。
とはいえ、単体では使い物にならない。液体油が必要なのだそうだ。
しかし、先ほど入った住宅には、植物油の一本もなかった。
たとえ創造のための道具でも、このような場に持ち込まれては、
そして蘭子の手に落ちては、凶器にしかなり得ないだろう。

けれども蘭子はさしたる興味も示さずに、
鉄のペン軸を思わせるそれをデイパックの中に戻した。

「ってゆーか、蝶野もセンスない。ケータイくらい持たせればいいのに」
「……外部に連絡、されたくないんだろ……」
「小心者。誰かが来る前に決着つけるもん」
「……おまえ、何怒ってんだよ……」
「だって……」

蘭子がクスクスと笑い出す。唇の両端が釣り上がる。
掘りが深く、それでいて幼い顔立ちが、みるみる悪意に歪んでいく。

「ケータイがあれば、桜の姿を荻矢に見せてあげられるもん」
「……おい、なんでアイツの名前が出てくるんだよ……」
「だって荻矢、桜のことが好きなんだもん」
「そんなわけ、ないだろ……」

悪質な冗談の類いにしか思えない。しかし、言葉に力が入らない。
鹿狩瀬荻矢とは友達同士、彼が自分を異性として見ているなんて有り得ない。
一体こんな自分のどこがいいのか。付き合いは悪いし、女らしくもないし、
大体、可愛い子ならクラスにいくらでもいるのに。有り得ない。絶対ない。
それに、蘭子よりも自分の方が、鹿狩瀬については知っている。
だから「そんなわけない」と言い切れる。蘭子の話は間違っている。
そう思っているはずなのに、胸の鼓動が激しくなる。

「桜、知らなかったんだ。いつも一緒にいたのに、気付かなかったんだ。
 荻矢って、桜の前では態度が全然違うのに。
 あんなにあからさまなのに、桜は何も気付かなかったんだ」

蘭子の無邪気な笑い声が、桜の胸に突き刺さる。
そんなわけない、と言いたかった。
おまえに鹿狩瀬の何が分かるんだ、と言いたかった。
しかし言えない、彼について知らなかったのは自分の方だと思えてならない。

……鹿狩瀬には、不可解な一面があった。
たまに、言動が一致しなくなる。わけのわからないことで不機嫌になる。
どうして鹿狩瀬がそうなのか、桜にはどうしても分からなかった。
でも、蘭子の言葉が真実だと仮定すると、不可解な言動の謎が解ける。
乾いた大地に水がしみ込んでいくように、納得が桜に浸透する。

 ――そうか、鹿狩瀬はあたしのことを……。
 え、でも待て、待って、そうだとしたらあたしって相当無神経じゃないか!
 あたし、鹿狩瀬の内心を知らずに、そういうのはおかしいとか言いまくってた。
 鹿狩瀬が不機嫌になる理由も知らずに。なんでおまえはそうなんだ、とか。
 どうしよう。あたし、相当嫌なやつだ。鹿狩瀬に嫌な思いをさせてたんだ。
 あたし、どうしよう。どんな顔をして鹿狩瀬に会えばいいんだ……。
 鹿狩瀬になんて言って謝ればいいんだ……。っていうかこれって、え、あ、
 あたし、鹿狩瀬と付き合うことになるの? どどどどどうしよう……。

蘭子がまた、笑っている。楽しそうに笑っている。
人の苦悩がそんなにおかしいのか、と普段の桜なら抗議するだろう。
しかし今の彼女には、黙って暗がりに視線を落とすことしか出来ない。

「あはは、その顔。ケータイがないのがホント残念。
 テレビ電話で荻矢に見せてみたいのに。
 動画に撮って、時間差で送りつけるっていうのも面白そう。
 でも、もっと楽しそうなのは、やっぱり――」

蘭子は少しだけ腰を浮かせ、桜のスカートをたくし上げた。
そのまま下着に手をかけると、一気に膝までずり下ろす。
下半身に流れ込む外気の冷たさが、桜の意識を現実に戻した。

「な……、何考えてんだ、この変態!」
「だってパンツが邪魔なんだもん。パンツが邪魔で入れられないんだもん」
「……は?」
「物干し竿。桜のアソコに入れるの。奥の奥の奥まで刺し込むの」
「アホか! 入るわけないだろ変態!」
「入るよ。死んじゃうけどね」

再び蘭子の体重が桜の身体を圧迫する。動けない。
右手はまったく使い物にならず、左手はそんな利き腕を庇うのに精一杯。
蘭子は大ぶりの物干し竿を片手で自在に操っている。
金属製の竿の先端を覆うプラスチックのキャップが陰部に触れる。

「このまま串刺しにして殺してあげる」
「や、やめろ!」
「ケータイがないのがホントに残念。荻矢に見せてあげたいのに。
 大好きな桜の処女喪失から死まで、みんな見せてあげたいのに。
 荻矢、どんな顔するかな。大好きな桜をあたしに取られて。あはは」
「おまえ、頭おかしいだろ!」
「あはは、桜はママにならなくていいのに、どうしてそんなに怒ってるの?
 桜はママにならなくていいのに。子宮をぶち抜いて殺してあげるのに」
「嫌だ、やめ、やめて……」

狂ってる。殺される。桜はとっさに左手を伸ばす。
手が届けば、物干し竿に指が触れさえすれば、超能力を発動出来る。
超能力で操った不安定な磁力を金属にぶつけ、発熱させることが出来る。
そうすれば、蘭子は熱さに耐えかねて、ステンレスの凶器を手放すだろう。
だが、届かない。上半身を押さえつけられていて。蘭子の体が邪魔をして。

「暴れないで! 入らないじゃない!」

蘭子は桜の胴に肘鉄を打ち込み、竿の先端を強引にねじ込もうとする。
けれども挿入には至らない。蘭子には正確な場所が分からないのだろう。
あらぬ方向に力がかかり、不自然な痛みに桜は思わず悲鳴を上げる。
純潔こそ保たれてはいるものの、蘭子の横暴は、先を丸めた棒で
神経の寄り集まった皮膚に穴を開けようとしているも同然だった。
痛みから逃れたい一心で、桜は本能的に手を動かす。

 ――金属が……、何か、金属さえあれば……。

自分に覆い被さる蘭子の視線が、顔と下腹部を往復している。
幼く形の良いその口元が、再び歪み、釣り上がる。
クソ、あたしが痛い思いをするのがそんなに楽しいのかよ。
悔しくて腹立たしくて仕方がない。あたしはこんなやつに殺されるのか。
嫌だ。絶対に嫌だ。まだ鹿狩瀬に謝っていないのに。桜はあがいた。
しかし、いくら手を伸ばしても、何ひとつとして掴めない。

喜びに歪んでいく蘭子の口元が忌々しい。
数センチ下には、黒い首輪が見えるのに。この差は一体何なんだ。
自分と同じ、鉄の首輪で、蝶野に命を握られている者同士なのに――

 ――鉄の、首輪……?

そうだ! 考えるよりも先に手が動く。見えない力を操りながら。
指先が蘭子の首輪に触れる。冷たい鉄に高熱を与える。
これで助かる。助かるはずだ。だが、蘭子の表情は変わらない。
笑いながら桜を見下ろし続ける。どうして? まさか、この首輪には通じない?
胸の奥底に冷たい何かがゆっくりと浸透していく。それは絶望だった。
もうダメだ。桜の気力が萎えていく。あたしは、本当に、無力なんだ。
心の底からそう思いそうになったとき、蘭子の身体がのけぞった。

「ああッ、熱い! 熱い、なんなのこれ!」

蘭子が床を転げ回る。悲鳴を上げ、罵声を吐き、両手で首をかきむしる。
髪や肌や肉の焦げる不快な匂いが桜の鼻腔にうっすらと絡みついてくる。
どうしよう。桜は恐怖に凍りつく。どうしよう。蘭子から視線を外せない。
どうしようどうしよう。何も考えられない。どうしようどうしようどうしよう。
今しがた自分が殺されそうになったことすら、遠い昔の出来事のようだ。
これまでにないスピードで心臓が早鐘を打っているのが分かる。
自分の血液が全身を流れる砂嵐のような音まで聞こえる。

蘭子がゆっくりと起き上がる。耳障りな悲鳴を上げながら。
己の頭を乱暴に揺さぶり、ぐるぐると回転させながら。
蘭子は足をもつれさせながら部屋の中を行き来する。
熱を打ち消そうとするかのように、頭を、体を、何度も壁に叩きつける。
淡い色の大きな目が、乱れた赤毛の合い間で光る。その目が再び桜を見た。

「くぅ、桜……、こんな首輪、ブッ壊してやる!」

蘭子は両手で首輪を掴み、力任せに引っ張った。
肉の焼ける音がする。甲高い電子音が鳴り響く。死の予兆が鼻腔にまとわりつく。
蘭子がガラス戸を突き破り、ベランダの柵に背を打ち付ける。
それでも彼女は両手を首輪から離さない。電子音がひときわ高く響く。

「ママ! ママ、あたしの首輪を外して、ママ!」

その刹那、蘭子の首輪が爆発し、ちぎれた血肉が宙に舞った。
鎖骨から上を失った体が何度か跳ね上がり、崩れ落ちる。
まるで壊れたポンプのように、鮮血をあたりに噴き出しながら。

桜は動けない、声も出せない。
恐怖に凍りついたまま、死体から目を反らせない。

この“殺人”を法で裁くことは、困難を極めるに違いない。
脅迫されて殺し合いを強いられるという特殊な状況下での、正当防衛。
加えて、超能力という非科学的な手段。
超能力で磁場を操って首輪を発熱させ、首輪内の基盤や配線を壊し、
爆発に至らしめたことを立証するなど、まず不可能だろう。

だから、法的には『白』だ。
桜が蘭子を殺したという証拠は存在しない。

しかし、激しく脈打つ心臓の鼓動が、何よりも雄弁に語っている。
一人の人間を、その未来を、この世から消した事実の重さを。
その重みに、自分が恐怖していることを。
たとえ法が見逃しても、自分の中から罪が消えることはないのだと、
耳を聾さんばかりに早鐘を打ち続ける自身の脈動が告げていた。


【女子二十番:嵐崎・キャラハン・蘭子 死亡】
【残り30人】

          □ ■ □

血の雨が降っている。二階のベランダから、蘭子の血が地に滴り落ちる。
付近の植え込みには、血肉や歯、そして赤毛が絡まっている。
さかさまになって鎮座する顔、口から下を失った蘭子の頭部だ。
見開かれた淡い色の瞳は、虚空を見据えたまま微動だにしない。

凛華はTシャツの上に羽織っていた薄手のカーディガンを脱ぐ。
遊びを我慢して家業を手伝い、欲しいものを我慢して小遣いを貯め、
ようやく買った憧れのアパレルブランド物、お気に入りの一着だった。
しかし、惜しんでなどいられない。凛華はその場に身を屈め、
熱を失った蘭子の首輪をカーディガンで包み込む。
破損した鉄の輪には人間の肉片が付着しているが、さほど気にならなかった。

……不動院凛華は猟奇的なものを好む類いの人間ではない。
クラスメイトだった蘭子の凶行や死にはショックを受けているし、
生徒に殺し合いを強いる蝶野に対しては憤ってもいる。
ただ、彼女はグロテスクなものに対する耐性が人より少しだけ強かった。

それは、両親の経営する動物病院の手伝いをすることで得たものだった。
怪我を負い、病を患う動物の姿を通じて凛華は知った。
生命とは決して美しいものだけで成り立っているわけではない。
表皮に覆われているグロテスクなものすべてが
あるべき形で機能して初めて、健康でいられる。普通でいられる。
そして、表皮の向こう側と真正面から向き合う人々のお陰で
自分たちは快適に、そして便利に生きられるのだ、と。

だから、今は、それを知っている自分が皆のために動かなければ。
それが、ひとりでも多くの級友と共に生還することに繋がるのだから。
そう信じているからこそ、首輪の回収にも迷いはなかった。

凛華は桜や秋乃のもとへ戻るべく、リビングのガラス戸を開ける。

鍵を破ったのは、彼女自身だった。
内鍵付近のガラスを庭石で砕き、そこから手を入れて開錠した。
空き巣がよく使う手口、テレビの防犯番組で知った方法。
誰のものかも知らない家に、凛華は土足で上がり込む。
いつ何時、どのような場所から外に出る羽目になるかも分からないから
靴は体から離さない。桜や秋乃にもそうさせている。

凛華は彼女たちの待つ洋間のドアを開ける。
しかし、そこにいたのは桜のみ。秋乃の姿は見当たらない。

 ――八十島さん、トイレかしら……?

確認しようと思ったが、尋ねても答えはないだろうと考え直す。
桜の様子は、凛華が出て行く前と比べて何も変わっていなかった。
ソファの上で膝を丸め、虚ろに宙を眺めている。
短くカットした黒髪は乱れ、肩を包むタオルケットは今にも滑り落ちそうだ。

しかしそれも自然な反応だと凛華は思う。
蘭子の死んだ部屋に踏み込んだとき、桜の下半身は裸だった。
デリケートな問題なので詮索は避けたが、その場の状況から、
蘭子の仕業であることは明白だった。
変態、やめろなどと蘭子を罵る桜の声は、外にいた自分たちも聞いている。
その上、蘭子のデイパックから見つかった個別支給品の矢は、
桜の腕に刺さっていたものとまったく同じだった。

つまり桜にしてみれば、自分を傷つけ、生命と貞操を脅かした相手が
不可解かつショッキングな形でこの世から消えた、ということになる。
自分を極限まで追い込んだ相手を一撃で粉砕する理不尽な力が存在し、
しかもその殺人装置は自分の首にも密着していて、いつ発動するか分からない。
助かって良かった、の一言で簡単に片付く話ではないだろう。

桜には、休息が必要だ。とはいえ、生き延びなければ、
ここから生還しなければ、その休息も無意味になる。
だから、無理をしてでも前を、上を向かなければならない。
聞いていないかも知れない、と思いつつ、凛華は事務的に報告する。

「嵐崎さんの首輪は回収したわ」

桜の瞳がわずかに揺れた。
自分の言葉に桜が反応した、という事実に、
凛華はかすかな希望を見出す。

「……ベランダの様子は下からも見えたわ。
 嵐崎さん、力ずくで首輪を外そうとしていた。爆発の原因は多分それね。
 蝶野先生は何も言っていなかったけれど、この首輪、
 無理に外そうとすれば爆発する仕組みになっているのだと思う」
「……あ……」

桜がか細い声を出した。普段とは別人のような、弱々しい声だった。
桜はゆっくりと顔を上げ、虚ろな視線を凛華に向ける。
唇が震えた。何か伝えたいことがあるのだろうか。凛華は待つ。
乾いた唇がゆっくりと開く。しかし、そこから漏れるのは空気のみ。
桜は凛華から視線を外し、また、宙に視線を彷徨わせる。

 ――仕方ないわ。今は私が希望を作るしかない……。

そう自分に言い聞かせ、凛華は先ほどの続きを話す。

「……強引に外そうとすれば、爆発する。
 それってつまり、首輪を外すには所定の手順が必要ってことよね。
 逆に言うと、その手順が分かれば私たちの首輪も外せる……。
 宗一が……あ、穂積君のことだけど、分かるわよね?
 穂積君は機械に詳しいの。自分でゲーム機を修理したりしてたわ。
 だから、穂積君と合流すれば、首輪もどうにか出来ると思うの」

桜が再びこちらを見た。良かった、私は希望を生み出せた。
強張っていた自分の表情が穏やかになっていくのが分かる。
胸に灯った希望を桜にも伝えたくて、凛華はそっと微笑んだ。

「もう大丈夫よ、有栖川さん」

桜は唇をわななかせ、頭をかすかに横に振った。
凛華には分からない。何を訴えたいのだろう。何を否定したいのだろう。
桜は何故、こんなにも辛そうな、悲しそうな顔をするのだろう。

彼女は言葉を発する代わりに涙を一筋、静かに流した。



【B-4 住宅内/一日目・黎明】

【女子二番:有栖川桜〈ありすがわ・さくら〉】
【1:あたし(達) 2:お前(ら) 3:お前(ら)、名字、下の名前呼び捨て(ら)】
[状態]:右腕を負傷(外傷、静脈損傷、骨に軽いヒビ:止血処置のみ)、
    全身に打ち身・擦り傷(軽度)、ショック、精神的疲労(大)
[装備]:
[道具]:基本支給品、オイルカッター、オイル注入用のスポイト
[思考・状況]
基本思考:どうしよう…あたし…
0:蘭子を殺したことは墓まで持って行かなきゃ…
1:鹿狩瀬に謝りたい…
2:どんな顔で鹿狩瀬に会えばいいんだ…
3:多聞、春日、神楽(警戒対象)にも、あたしは…?
[備考欄]
※激痛のため、右腕の自由が利きません。
※骨にひびが入っているため、腕が腫れています。
※超能力で発熱させるには、対象に直接触れる必要があります。


【女子十六番:不動院凛華(ふどういん・りんか)】
【1:私(達) 2:あなた(達)、名字+さんor君 3:皆、名字+さんor君(達)】
[状態]:健康、グロ耐性(強)
[装備]:軍用クロスボウ
[道具]:基本支給品、骨洞芙蘭のカツラ
    嵐崎・キャラハン・蘭子の首輪(破損、爆発済み)
    クロスボウ専用の矢(10or11/12)
[思考・状況]
基本思考:一人でも多くのクラスメイトと共に生還する。
0:有栖川桜をしばらく休ませる。
1:桜が落ち着いたら二人でB-6の診療所に向かう。
2:嵐崎・キャラハン・蘭子の首輪を調べる。
3:宗一がいれば、首輪の構造も分かるのに…
4:隣家の二階の電気、消した方が良さそうね…
5:八十島さん…トイレにしては長いわね。
[備考欄]
※有栖川桜に超能力があることは知りません。
※蘭子の首輪の爆発は、無理に外そうとしたことが原因だと考えています。
※クロスボウは、威嚇(自衛)の目的で所持しています。
※幼馴染の穂積宗一のことは下の名前で呼びます。
※有栖川桜の腕に刺さっていたクロスボウの矢を所持しているか否かは
 後続の書き手の方にお任せします。

[共通備考]
※隣の住宅の二階の一室にUSBフォルダが放置されています。
 また、その部屋の明かりは点けっぱなしになっています。
 ただし、部屋の扉は施錠されており、
 家具によってバリケードが築かれているので、
 ベランダからでないと侵入は困難です。


【支給品紹介】

●オイルカッター

任意の形状にガラスをカットするための工具。オイルを注入して使う。
大きさはボールペンサイズ、金属製で重みがある。
作中で蘭子が「刃なんてついてないじゃない」と言っていたが、
実際には回転式の小さな刃(数ミリ程度)がついている。

ガラスは表面に傷を付けると、わずかな衝撃で簡単に割れる。
その性質を利用した工具だが、無論、シンプルな形状のほうがカットしやすい。


●骨洞芙蘭のカツラ

女子高生テロリスト・骨洞芙蘭が通学時に着用しているカツラ。
髪型は、黒髪ボブカット。髪質は、癖のないストレート。
特殊な効果や仕掛け等があるか否かは不明です。



          □ ■ □

自分の立てる足音が、やけに大きく感じられる。
闇夜に響く柔らかな靴音が不安を掻き立て、孤独をあおる。
走っても走っても、その音を振り払うことは出来ない。
走れば走るほど、その音は自分を追い詰める。
それでも走らずにはいられない。理屈ではない。怖いのだ。

ガラス戸を突き破ってベランダに転げ出た蘭子の頭が吹き飛ぶのを見た。
首輪が突然爆発したのだ。誰も、スイッチなど押していないのに。
それどころか、蘭子はずっと、蝶野の命令に従っていたのに。

何故だろう。何が起きたのだろう。怖くて怖くて仕方がない。
ある日突然何の理由もなく爆発するような制御不能の危険物が
自分の首に巻きついている。嫌だ。怖い。誰か助けて!
そう叫びたいが、それは言えない。助けてくれる人すら怖い。

どうして凛華は平気でいられるんだろう。
どうして凛華はあんなグロテスクな死体の近くに行けるんだろう。
顔色ひとつ変えず、当たり前のように行動出来るなんて。
もしかして凛華は人の死に、無残な死に慣れているのだろうか。
もしかして凛華は既に人を殺しているのだろうか。
あんなに冷静でいられるなんて、凛華には殺人鬼の素質が――

 ――違う! なんてこと考えるの。しっかりしろ、私の頭!
 凛華は私を助けてくれたのに。殺人鬼のはずなんて、ない……。

頭では、そう思える。けれども恐怖が心を覆う。
首輪が怖い。凛華が怖い。蝶野先生が分からない。
先生は大人で物知りで正しい人だと思っていたのに、どうして!

明かりの消えた見知らぬ町を秋乃はひとり、疾走する。
とにかく遠くに行きたかった。何もかもすべてを捨て去りたかった。
息が苦しい。肺が冷たい。それでも秋乃は走り続ける。
身体の痛みがこの恐怖を塗り潰してくれることを期待して。



【B-5 住宅街/一日目・黎明】

【女子十九番:八十島秋乃〈やそじま・あきの〉】
【1:私(達) 2:下の名前呼び捨て(達) 3:皆(皆)】
[状態]:恐怖、不安、混乱、精神的疲労(中)
[装備]:
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの撃破。
0:蘭子の首輪が突然爆発したことを誰かに伝えたい。
1:この恐怖を誰かに分かってほしい。
2:不動院凛華に対する恐怖。
3:蝶野先生…どうして…
4:ここから逃げたい…
[備考欄]
※麗山への復讐を蝶野がしたがっているのではないかと考えています。



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022:あたしが殺した(前編) 不動院凛華
022:あたしが殺した(前編) 嵐崎・キャラハン・蘭子 死亡
022:あたしが殺した(前編) 有栖川桜
022:あたしが殺した(前編) 八十島秋乃 024:利用する者される者

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