「巨人と、小人」(2009/04/29 (水) 11:03:17) の最新版変更点
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*巨人と、小人 ◆EFl5CDAPlM
「むお……これは……」
「なんなんですかぁ、これ……」
「ほう……」
島を南下していた色々な所ががまっくろくろすけな3人が、
J-5にあるレストランに到着して発した言葉がまずそれだった。
『果実とスープのキッチン』と書かれたその店の現状は凄まじいものであり、
本来ならば落ち着いた店内で素敵な食事ができそうなそこは、
極地型台風にでも襲われたかのように大荒れの状態であった。
ここで何かがあった……それも恐らくは戦闘があったことは確実。
「ここにメイちゃんを殺した不届き者がきたんですかねぇ……」
「この惨状を奴が起こしたと断言することは難しいな。他の人間の仕業ということも考えられる。」
「だが血痕や死体がないということは、仮にその男がここで争ったとしても無傷のまま逃げた可能性が高そうだぞ」
各々がパッと見た状態から感じたことを言い合う。
そのすべてが、どれも当たらずも遠からずなのは皆それなりに観察力があるからだろう。
もっともこの惨状を作り出した人間がこの場にいたのはすでに12時間も前のことなのだが、
それを知る者はこの場にいないし、それを知るすべはない。
またその後にガイバーとゆかいなケモノ達がはいったことも、
地獄の取立人となりたてガイバーの悪の協定があったことも、
その後にこの惨状を引き起こした少女が再度ここを訪れたことも、
この状況から想像することは難しい。
せめて血痕があったのなら、その乾き具合からここに人がいた時期を割り出せたのかもしれないが、
ギュオーが言ったように、そうした後はどこにもない。
「でもあいつが南下していったのならここに寄ったのは確実だな。
ここから西にいったか東にいったか……それはわからないが」
「いっそのこと二手に分かれるのはどうだ?」
ギュオーがそう提案する。
とはいえ、ギュオーにとってはメイ殺しの相手を追いかけることに執着はない。
むしろ、まったく興味のない行為なのであるが、
一応同行者が望んでいることだ。そう提案して見る。
「だけど僕は自分でメイちゃんの仇を討ってやりたいんですぅ!
メイちゃんを殺した奴は僕がこの手でぎったんぎったんにしてやるんですぅ……!」
「ふむ……ならばもう少し周囲を探ってみるか?
もしかすれば手がかりの一つや二つ、見つかるかも知れん」
「でもそうしている間に奴がもっと遠くに行っちゃうかもしれないですよぉ?」
「いや、メイの死亡時間から考えて、大分奴に後れをとっているのは確実だ。
いまさら十数分時間を短縮したとしても対して変化はない。
それならば、奴が訪れたと思えるポイントを調査して奴の足取りを追ったほうが確実だ」
ウォーズマンがメイの死体を発見した時の血のかたまりぐあいから、
メイの死亡時刻が大体1回目の放送を迎えたころだと見切りをつけていた。
雨蜘蛛がメイのところを去ったのはざっと8時間前にさかのぼる。
それほど時間が経過してしまっているのだ。
「このレストランの周辺を捜索。
奴の手がかりだと思えるものを見つけたら情報を整理して、向かう方向を決める。これでどうだ?」
ウォーズマンの提案にギュオーとタママが乗り、3人は周囲の探索を開始した。
店内の調査は他の二人に任せて、ウォーズマンはレストラン周囲の探索を行っていた。
店の裏にわずかに残った足跡から雨蜘蛛がこちらに向かったことに気づき、海岸へ向った。
そして崖を降りた先で焚火の後を発見する。
「奴はここで海鮮類を調達して食事をしていったということか?」
崖がうまい具合にこの場所を隠し、上からでは分からない位置にあったそれは、
木が炭のように変化し、既に煙が出ていない。
また周囲に焼けた貝殻や魚の骨が転がっていることから、ここで食事が行われたことは想像に難くない。
「これは……何かを引きずった跡か?」
そしてそこから少し海沿いにいったところには波打ち際まで何かを引きずった跡。
それは雨蜘蛛が発見したゴムボートを引きずった跡である。
むろんそれが一体何なのかという証拠は存在しないが、
波打ち際までその後が続いていることから、ここにあったのがゴムボートだと安易に想像することができた。
「つまり、奴はここから島の外に出ていったということか……?
いや、首輪の存在があるのだし、でていったらスープと化してしまうか。
どこか別の海岸に向かったということだろうな」
そこまで考えたウォーズマンの脳裏に描かれるのは、この島の地図。
そしてその地図に重なるように禁止エリアの位置が描かれる。
(午後13:00から指定された禁止エリアの不可解な位置……
そしてここからどこかへ向ったメイを殺した奴。
此処からならおそらくどちらかの海岸へ……なるほど、そういうことか)
そして、一人合点のいく様子のウォーズマン。
彼が納得した様子なのは、禁止エリアの指定のされ方だ。
これまで不審だった第二放送の禁止エリアの位置。
3つ目の禁止エリアは草壁メイの父親と思われる草壁タツオが、
何らかの理由で草壁メイのいる位置を指定したと想像することができるが、
他の二つの禁止エリアが実に不可解であった。
普通に殺し合いの会場を狭めるために指定したとしても、
一面海の場所なんて、意図的に向かおうとしない限り引っかかるはずがないのだ。
はたして一体どのような理由で、このような場所を指定するというのか。
今の今まで、答えとなるものが見つからなかったのだが、
この場所から海へ向かおうとする人間がいるということでこれに説明がついた。
(恐らくは海に出てここから西に向かうと、主催者にとってまずいものが見つかるのだろう。
そして、回収し忘れたボートを見つけ、参加者が発見してしまったことでそれが見つかる可能性が出て、
見つからなくさせるために禁止エリアでここから西に向かうことを防いだ。そんなところか)
もう一つの禁止エリアも海なのは、それに気付かせないためのカモフラージュ。
ウォーズマンはそのように解釈した。
そのことから、雨蜘蛛が放送前にここに訪れ、食事中に放送になったのだろうとウォーズマンは考える。
そして同時に雨蜘蛛がここから東に進むことも想像ができる。
その時にはまだ時間に余裕があるとはいえ、進んで禁止エリアに向かうとは考えにくいからだ。
この場にはボードはもうないが、もしも海を移動する手段が見つかれば、
此処から西側の調査をしたい。ウォーズマンはそう考えながらも、
メイ殺しの下手人が向かった方角を判断したウォーズマンは仲間の元に戻っていった。
(これは……! ガイバーの指……!)
探索を始めてしばらくして、それを見つけた。
ギュオーはざっと見た時には見つけられなかった隅に転がっているガイバーの指を発見したのである。
(これはすなわち……深町晶がここにいた証拠……!
ということは、草壁メイを殺した男はガイバーと戦ったということか……?)
彼があったもう一人のガイバー、ノーヴェはゼクトールとともに北西に逃げた。
そのあと引き返して南に向かったとは考えにくいため、ノーヴェ達は除外。
となると、この殺し合いに参加させられているガイバーは深町晶しかいない。
ギュオーはそう判断した。
実際にはこの殺し合いには多数のガイバーユニットが支給されており、
もしもそれぞれが殖装をしたとするならば、
この場には最高で4人のガイバーがいることになるのだが、
ゲームマスターならざるギュオーにそれを知ることはできない。
故にギュオーがこの指が深町晶のガイバーのものであると断定するのは仕方ないことだ。
仕方のないこと、だったのだが……
(そして奴の指がここにあり、店内は荒れていても血はなかったとすると……
メイを襲った男はガイバーを……拷問にでもかけたのか?)
そして周囲に誰の血もなく、また男は銃を持っていたにも関わらず銃痕がない。
ということは男はガイバー晶と争うことなく指を切ったことになる。
(だが深町晶が危険人物と思われる奴を放置することは考えにくい……
多少危険でも戦いを挑むとおもうのだが……)
そこまで考えたところで、ふと思い出すのはガイバーⅢ、ノーヴェのことだ。
巻島顎人が身につけていたはずのユニットGを持っていたノーヴェ。
本来ならこの場にあるはずがないユニットGがこの場にあるという事実。
そして、ありえない情報ばかりが存在するこの殺し合いの場。
タママとの会話では、ケロン人が降臨者だという証拠は得られなかった。
むしろ、降臨者ではないという感じしかしない。
しかも彼はペコポン星の侵略者なのだそうだ。
自分とはまったく縁のない世界だといわざるをえない。
さらにいえばウォーズマンの話も奇妙だ。
超人なんて存在は知らないし、有名だというウォーズマンの知り合いたちも知らない。
此処まで知らないことばかりで、ギュオーは認識を改めた。
いままで深く理解しようとしなかった「異世界」という単語。
詳細名簿からの情報であるが、これが本当に別の世界ということであり、
タママもウォーズマンも、それぞれ別の世界から呼ばれたのだということを。
(もしや……くさかべたつおとながとゆきは降臨者の関係者なのか?)
そして、異世界から人を集めるという自分の知らない技術を持つゲームマスターの彼らこそが、
降臨者と最も近しい存在だとギュオーは判断した。
降臨者そのものだと考えなかったのはケロン人が人間の姿をしていなかったからだ。
降臨者の姿を知らないギュオーはケロン人をみて、
宇宙人は人間の姿をしていないという先入観を持ったのだ。
蛇足になるが、この答えは長門有希に関しては割と正しい答えだ。
彼女は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。
彼女の知り合いに関しては短的に宇宙人だと説明したが、
正しくは宇宙人によって作られた人造生命体。
宇宙人そのものではなく、宇宙人に近い存在といった方が正しい。
降臨者だと思っていたケロン人は無関係の別の宇宙人。
自分のいる世界とは関係のない存在。
(……この場にガイバーⅢのユニットがあったのは、まさかそう言う理由なのか?)
存在しないはずのユニットGがここにあるのは彼らが降臨者だから。
降臨者なら、いくつものユニットGを量産してもおかしくない。
そして、そのユニットGがいくつもこの場にあったとしても……
ならば、深町晶やノーヴェ以外にもこの場にガイバーがいてもおかしくはない。
そして、そのガイバーの性格によっては、血を流すことなくメイを殺した奴から逃げることも考えられる。
(しかしそうなると……奴らの背後に降臨者がいるということになる……
いやいや落ち着けギュオー! 奴らもケロン人と同じく何の関係もないかも知れんではないか!)
「なにやってるですかぁ? ギュギュッチ」
突然挙動不審になったギュオーに同じく店内を捜索していたタママが疑心の目を向ける。
「タママ君か……いやなに、その「遅くなったな」っと、ウォーズマンか」
その時にウォーズマンが店内に戻ってきた。
ギュオーはとっさにガイバーの指を自分のデイバッグに入れた。
「おおう! クロエ! 奴の情報を見つけてきたですかぁ?」
「あ、ああ。奴はここからボートで東に向かった可能性が高そうだ」
「ほんとですかぁ!? って、ボートなんてものがあったんですかぁ?」
「ああ、実はな……」
そういってウォーズマンは先ほど見つけてきたことを説明した。
「……でもだったらどうして東に向かったと判断できるんですかぁ?」
「ふむ、そう思うのは無理ないか。しかしだな……」
そういってウォーズマンは説明するために地図を取り出そうと、デイバッグを開いた。
すると、彼のデイバックからなにかが飛び出してきた。
『ふう、ようやく開けてもらえたですよ!』
「げ……ゲェー!? なんだこいつは!?」
出てきたのは小さな子供。
いや、小さいなんてものじゃない。
まるで人形のようなサイズをした妖精のような青髪の子供だった。
「げげー! なんだこいつは!」
「ちっちゃい子供ですねぇ……妖精ですかぁ?」
『むむ…! 違い……いやその通りなのです! リインはリインって名前の妖精なのです!」
みなさんよろしくお願いしますですよー!』
リィンと名乗ったその妖精を前に、3人は目を丸くする。
「クロエェ、この子の存在に今まで気付かなかったんですかぁ?」
「あ、ああ。すまない、リイン。まさか妖精が入っているとは思わなかったのだ……」
『いえいえ、気にしていないですよ。』
実は彼、一番最初に名簿を取りだして以降、デイバッグをよく見ていない。
道具もその時に確認したのみでよくは見ていなかった。
地図も朝倉が開いていたものを確認していて、それ以降見ていないし、
ロボ超人である彼は禁止エリアや死亡者をうっかり忘れることなどないのでメモも必要ない。
故に、これまでリインが彼の目にとまらなかったことは、仕方のないことであった。
この小さい少女、名をリインフォースⅡという。
機動六課の隊長、はやてのデバイスであり、貴重なユニゾンデバイスだ。
無論妖精などという存在ではない。
だが彼女が自らを妖精だという理由には一応理由がある。
彼女はなんだか分からないうちにわけのわからない空間にいたあるデバイスと違い、
この場が殺し合いの場だと理解していたのである。
そして不可思議な空間に地図や、食料や水と一緒にいることで、
自分が支給品としてこの場におり、また名簿を取り出したウォーズマンを見て、
このまっくろくろすけに支給されたのだと把握した。
そして外に出るには、外側から誰かにこの空間を開いてもらわなくてはならないことを理解した彼女は、
もう一度まっくろくろすけが来るのをひたすら待っていたのだ。
そんな彼女が自分を妖精だという理由。それは利用されないためだ。
名簿を持っていったまっくろくろすけが、自分の入れられている空間の持ち主だというのは理解できたのだが、
そのまっくろくろすけが殺し合いに乗っているかどうかの判断はできなかった。
もしそのまっくろくろすけ殺し合いに乗っていたとしても、リンカーコアは感じられなかったため、デバイスとして利用されることはないが、
自分の知り合いのことを知られたら、自信を人質に……といったことも考えられた。
故に、同行者が信用できると判断できるまでは、機動六課のことや自分のことは話さないほうがいいと考えたため、
そのような嘘をつくことにしたのだ。
持ち主のことをほおって逃げることも考えたが、それも難しい。
リイン自身に張り付いてた張り紙がその理由だ。
そこに書いてある自身の説明書きには、参加者から一定距離以上は離れられないと書いてあった。
それに加え、自身の身体に違和感を感じていたため、
AMFのようななにかで自分の行動が制限させられていると考えることができ、
その張り紙の言うことも一理あると考えられた。
むやみに参加者から離れて何かあってからでは遅い。
慎重に動かざるを得なくなったのだ。
ちなみにその張り紙はびりびりに切り裂いたため、すでにリイン以外にリインの制限を説明できるものはいない。
『それで、まっくろくろすけなあなたのお名前は…………!!』
そしてリインは、自分の情報をなるべく明かさず、今の状況をしろうとしたのだが……
『え、え、ええええええええええ~~~~~~~!!!?!!?』
「ど、どうしたですかぁ!?」
「おい、リイン! しっかりしろ!」
彼女の突然の絶叫に驚く一同。
大慌てでリィンが彼らの後ろを指差す。
そんな彼らの目線には窓、そしてその窓から見えるのは……
マントをはおり、ガスマスクを着けた巨大な人間だった。
「ゲゲゲゲェーーー!? あれはいったいなんだ!?」
「人間か? 人間なのか!? だが今まであんな大きな人間見たことないぞ!?」
『あああああ、あれ、あ、あれ……』
あれほど巨大な人間なんて見たことがない。
ウォーズマン、ギュオー、リインはその大きさに素直に驚いた。
リィンにとっては周りの人間すべてが巨大な人間であるのだが、
あそこまで大きな人間にはお目にかかったことがない。
やはり驚くのは当然のことだ。
「もしかして曹長さんの発明品でも使ったんですかねぇ」
『ふえ? リインがどうかしたですか?』
「リイン、どうしてお前が反応するんだ?」
『あ、なんでもないです! 勘違いです!』
「曹長……というとお前の仲間のカレーの人のことか?」
「そうですぅ。奴の発明品の中に大きくなったり小さくなったりする銃があるんですよぉ。
その銃のしわざなんじゃないですかねぇ?」
「人体を巨人化させる道具……だと? そんな技術は知らないが……」
『あ、ヘルメットが外れ……ってあれはスバル!?』
そのまま外に出ながらもマスクの巨人を見ていた一同だが、
ヘルメットが外れ、巨人が顔をさらけ出すと、その顔を知るリインが驚いた。
「知り合いか?」
『あの子は私の大切な仲間なんですよ!』
知り合いの姿を見つけたからか、自分で決めたことも忘れ、叫ぶリイン。
そういってる間に、スバルと思わしき巨人は屈み、姿が見えなくなった。
とおもったら屋根のようなものを構えて立ち上がり、暴れ回り始めた。
「あそこで誰かと戦っているんですかねぇ?」
『あの、まっくろな人! 私をスバルの所に……!』
「言われなくてもそのつもりだ! ギュオー、タママ君! 俺は今すぐコテージに向かう!」
「ちょ、ちょっとまつですぅ! メイちゃんを殺した奴は東にいるんですよねぇ?
コテージは反対側にあるんですよぉ!?」
「だがリインの仲間のことも放ってはおけない! 最初のギュオーの提案通り、二手に分かれるぞ!
夕方までに神社に再度集合だ。時間に間に合わなければそのまま市街地に向かっていてくれ!」
「わかったですぅ! そっちもとっとと終わらせてくださいよぉ!」
「ああ、解った! リインいくぞ!」
『はいです!』
そうしてウォーズマンは、リインフォースⅡをひきつれて、コテージへ急いで向かっていった。
『ああ……! 煙が……!』
「くそ! 間に合えよ……!」
途中で、コテージの方から煙が上がり、彼らは焦り、急ぐ。
仲間に会うために、多くの人を守るために、悪を打倒するために。
ところでもうひとつ、彼らが気付いていないことがある。
ウォーズマンに支給された道具の入った袋のうち一つが、空いているのである。
デイバックの中にいた、リインフォースの仕業である。
そして彼に支給された食料は、子供が好みそうなスナック菓子だ。
もしもリィンフォースを知る者がここにいたのなら、きっと気付くか、違和感ぐらいは感じたであろう。
妖精サイズの少女の胸が、大きくなっていることに。
【J-4/街道/一日目・昼過ぎ】
【名前】ウォーズマン @キン肉マンシリーズ
【状態】全身に中度のダメージ ゼロスに対しての憎しみ サツキへの罪悪感
【持ち物】デイパック(支給品一式、不明支給品0~1) ジュエルシード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
クロエ変身用黒い布、詳細参加者名簿・加持リョウジのページ
リインフォースⅡ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、日向ママDNAスナック×12@ケロロ軍曹
【思考】
1:コテージに急行し、リインの仲間のスバルを助ける
2:1を終えたら神社に向かい、タママ達と合流する。
3:タママの仲間、特にサツキと合流したい。
4:もし雨蜘蛛(名前は知らない)がいた場合、倒す。
5:ゲンキとスエゾーとハムを見つけ次第保護。
6:正義超人ウォーズマンとして、一人でも多くの人間を守り、悪行超人とそれに類する輩を打倒する。
7:超人トレーナーまっくろクロエとして、場合によっては超人でない者も鍛え、力を付けさせる。
8:機会があれば、レストラン西側の海を調査したい
9:加持が主催者の手下だったことは他言しない。
10:紫の髪の男だけは許さない。
11:最終的には殺し合いの首謀者たちも打倒、日本に帰りケビンマスク対キン肉万太郎の試合を見届ける。
【備考】
※ゲンキとスエゾーとハムの情報(名前のみ)を知りました
※サツキ、ケロロ、冬月、小砂、アスカの情報を知りました
※ゼロス(容姿のみ記憶)を危険視しています
※ギュオーのことは基本的に信用していますが、彼の発言を鵜呑みにはしていません
※加持リョウジを主催者側のスパイだったと思っています。
※状況に応じてまっくろクロエに変身できるようになりました(制限時間なし)。
※タママ達とある程度情報交換をしました。
※DNAスナックのうち一つが、封が開いた状態になってます。
※リインフォースⅡは、相手が信用できるまで自分のことを話す気はありません。
※リインフォースⅡの胸が大きくなってます。
本人が気付いてるか、大きさがどれぐらいかなどは次の書き手に任せます。
【リインフォースⅡ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
八神はやてが創った人格型ユニゾンデバイス。
このロワでは行動範囲が制限されている模様。
具体的制限は他の書き手にお任せします。
【日向ママDNAスナック@ケロロ軍曹】
食べると日向秋のようにナイスバディになれる。
食べ過ぎると……?
※ ※
「うおっしゃあああああああ!!!!
まってるですよぉぉぉぉ!!!」
ウォーズマンが西に向かうと同時にタママは東に駆けだしていった。
東にメイ殺しの犯人が向かったという根拠は分からないままだったが、
それなりの憶測があってのことだと思い、タママは迷わずに走り去っていく。
そんなタママを見ながらギュオーは考える。
自分はどのように動くのが一番いいか。
(どちらに向かったとしても危険な奴がいる、ということは、
逆にどちらに向かったとしても大して変わらないということだ。
いっそ、先に神社に行って待っているのも手か……?)
どう動けば一番苦労せずに最大の効果が出るか。
ギュオーは素早く決断し、そして……
【J-5/レストラン付近/一日目・昼過ぎ】
【リヒャルト・ギュオー@強殖装甲ガイバー】
【状態】 全身打撲、中ダメージ、回復中
【持ち物】参加者詳細名簿&基本セット×2(片方水損失)、首輪(草壁メイ) 首輪(加持リョウジ)
E:アスカのプラグスーツ@新世紀エヴァンゲリオン、ガイバーの指3本
空のビール缶(大量・全て水入り)@新世紀エヴァンゲリオン
毒入りカプセル×4@現実
【思考】
1:優勝し、別の世界に行く。そのさい、主催者も殺す。
2:どちらかを追いかける? それとも……?
3:夕方までに神社に向かい、仲間を待つ。
4:自分で戦闘する際は油断なしで全力で全て殺す。
5:首輪を解除できる参加者を探す。
6:ある程度大人数のチームに紛れ込み、食事時に毒を使って皆殺しにする。
7:タママを気に入っているが、時が来れば殺す。
※詳細名簿の「リヒャルト・ギュオー」「深町晶」「アプトム」「ネオ・ゼクトール」「ノーヴェ」「リナ・インバース」「ドロロ兵長」に関する記述部分が破棄されました。
※首輪の内側に彫られた『Mei』『Ryouji』の文字には気付いていません。
※擬似ブラックホールは、力の制限下では制御する自信がないので撃つつもりはないようです。
※ガイバーユニットが多数支給されている可能性に思い至りました
【首輪について】
※生存している参加者に、首輪を介して植物のような物が埋め込まれているようです。
※この物体が液状化、参加者の能力制限などを行っているのかは、今のところ不明。
※この物体が長門の創造物なのか、別の何かを改造した物なのかは不明。
【タママ二等兵@ケロロ軍曹】
【状態】 全身裂傷(処置済み)、肩に引っ掻き傷、頬に擦り傷、使命を果たした満足感でやや高揚
【持ち物】ディパック、基本セット、グロック26(残弾0/11)と予備マガジン2つ@現実
【思考】
0.東に行き草壁メイの仇を探し出し、殺す。
1.0が済んだら、市街地に戻って皆と合流。
2.軍曹さん、サッキーを守り、ゲームを止める。妨害者は排除。
3.次にアスカに会ったら絶対に逃がさない。
4.サツキ、ケロロ、冬月が心配。
5.ウォーズマン、ギュオーに一目置く。
6.ギュオーを気に入っているが、警戒は怠らない
※色々あってドロロの存在をすっかり忘れています(色々なくても忘れたかもしれません)。
※加持がサツキから盗んだものをグロック26だと思っています。
*時系列順で読む
Back:[[嗚呼、素晴らしき人生哉!]] Next:[[心と口と行いと生きざまもて(前編)]]
*投下順で読む
Back:[[学校を出よう!]] Next:[[saturated with fear]]
|[[黒は一人でたくさんだ!(後編)]]|ウォーズマン|[[Fate/Zero(前編)]]|
|~|リヒャルト・ギュオー|[[蜘蛛は何処に消えた?]]|
|~|タママ二等兵|[[蜘蛛は何処に消えた?]]|
*巨人と、小人 ◆EFl5CDAPlM
「むお……これは……」
「なんなんですかぁ、これ……」
「ほう……」
島を南下していた色々な所ががまっくろくろすけな3人が、
J-5にあるレストランに到着して発した言葉がまずそれだった。
『果実とスープのキッチン』と書かれたその店の現状は凄まじいものであり、
本来ならば落ち着いた店内で素敵な食事ができそうなそこは、
極地型台風にでも襲われたかのように大荒れの状態であった。
ここで何かがあった……それも恐らくは戦闘があったことは確実。
「ここにメイちゃんを殺した不届き者がきたんですかねぇ……」
「この惨状を奴が起こしたと断言することは難しいな。他の人間の仕業ということも考えられる。」
「だが血痕や死体がないということは、仮にその男がここで争ったとしても無傷のまま逃げた可能性が高そうだぞ」
各々がパッと見た状態から感じたことを言い合う。
そのすべてが、どれも当たらずも遠からずなのは皆それなりに観察力があるからだろう。
もっともこの惨状を作り出した人間がこの場にいたのはすでに12時間も前のことなのだが、
それを知る者はこの場にいないし、それを知るすべはない。
またその後にガイバーとゆかいなケモノ達がはいったことも、
地獄の取立人となりたてガイバーの悪の協定があったことも、
その後にこの惨状を引き起こした少女が再度ここを訪れたことも、
この状況から想像することは難しい。
せめて血痕があったのなら、その乾き具合からここに人がいた時期を割り出せたのかもしれないが、
ギュオーが言ったように、そうした後はどこにもない。
「でもあいつが南下していったのならここに寄ったのは確実だな。
ここから西にいったか東にいったか……それはわからないが」
「いっそのこと二手に分かれるのはどうだ?」
ギュオーがそう提案する。
とはいえ、ギュオーにとってはメイ殺しの相手を追いかけることに執着はない。
むしろ、まったく興味のない行為なのであるが、
一応同行者が望んでいることだ。そう提案して見る。
「だけど僕は自分でメイちゃんの仇を討ってやりたいんですぅ!
メイちゃんを殺した奴は僕がこの手でぎったんぎったんにしてやるんですぅ……!」
「ふむ……ならばもう少し周囲を探ってみるか?
もしかすれば手がかりの一つや二つ、見つかるかも知れん」
「でもそうしている間に奴がもっと遠くに行っちゃうかもしれないですよぉ?」
「いや、メイの死亡時間から考えて、大分奴に後れをとっているのは確実だ。
いまさら十数分時間を短縮したとしても対して変化はない。
それならば、奴が訪れたと思えるポイントを調査して奴の足取りを追ったほうが確実だ」
ウォーズマンがメイの死体を発見した時の血のかたまりぐあいから、
メイの死亡時刻が大体1回目の放送を迎えたころだと見切りをつけていた。
雨蜘蛛がメイのところを去ったのはざっと8時間前にさかのぼる。
それほど時間が経過してしまっているのだ。
「このレストランの周辺を捜索。
奴の手がかりだと思えるものを見つけたら情報を整理して、向かう方向を決める。これでどうだ?」
ウォーズマンの提案にギュオーとタママが乗り、3人は周囲の探索を開始した。
店内の調査は他の二人に任せて、ウォーズマンはレストラン周囲の探索を行っていた。
店の裏にわずかに残った足跡から雨蜘蛛がこちらに向かったことに気づき、海岸へ向った。
そして崖を降りた先で焚火の後を発見する。
「奴はここで海鮮類を調達して食事をしていったということか?」
崖がうまい具合にこの場所を隠し、上からでは分からない位置にあったそれは、
木が炭のように変化し、既に煙が出ていない。
また周囲に焼けた貝殻や魚の骨が転がっていることから、ここで食事が行われたことは想像に難くない。
「これは……何かを引きずった跡か?」
そしてそこから少し海沿いにいったところには波打ち際まで何かを引きずった跡。
それは雨蜘蛛が発見したゴムボートを引きずった跡である。
むろんそれが一体何なのかという証拠は存在しないが、
波打ち際までその後が続いていることから、ここにあったのがゴムボートだと安易に想像することができた。
「つまり、奴はここから島の外に出ていったということか……?
いや、首輪の存在があるのだし、でていったらスープと化してしまうか。
どこか別の海岸に向かったということだろうな」
そこまで考えたウォーズマンの脳裏に描かれるのは、この島の地図。
そしてその地図に重なるように禁止エリアの位置が描かれる。
(午後13:00から指定された禁止エリアの不可解な位置……
そしてここからどこかへ向ったメイを殺した奴。
此処からならおそらくどちらかの海岸へ……なるほど、そういうことか)
そして、一人合点のいく様子のウォーズマン。
彼が納得した様子なのは、禁止エリアの指定のされ方だ。
これまで不審だった第二放送の禁止エリアの位置。
3つ目の禁止エリアは草壁メイの父親と思われる草壁タツオが、
何らかの理由で草壁メイのいる位置を指定したと想像することができるが、
他の二つの禁止エリアが実に不可解であった。
普通に殺し合いの会場を狭めるために指定したとしても、
一面海の場所なんて、意図的に向かおうとしない限り引っかかるはずがないのだ。
はたして一体どのような理由で、このような場所を指定するというのか。
今の今まで、答えとなるものが見つからなかったのだが、
この場所から海へ向かおうとする人間がいるということでこれに説明がついた。
(恐らくは海に出てここから西に向かうと、主催者にとってまずいものが見つかるのだろう。
そして、回収し忘れたボートを見つけ、参加者が発見してしまったことでそれが見つかる可能性が出て、
見つからなくさせるために禁止エリアでここから西に向かうことを防いだ。そんなところか)
もう一つの禁止エリアも海なのは、それに気付かせないためのカモフラージュ。
ウォーズマンはそのように解釈した。
そのことから、雨蜘蛛が放送前にここに訪れ、食事中に放送になったのだろうとウォーズマンは考える。
そして同時に雨蜘蛛がここから東に進むことも想像ができる。
その時にはまだ時間に余裕があるとはいえ、進んで禁止エリアに向かうとは考えにくいからだ。
この場にはボードはもうないが、もしも海を移動する手段が見つかれば、
此処から西側の調査をしたい。ウォーズマンはそう考えながらも、
メイ殺しの下手人が向かった方角を判断したウォーズマンは仲間の元に戻っていった。
(これは……! ガイバーの指……!)
探索を始めてしばらくして、それを見つけた。
ギュオーはざっと見た時には見つけられなかった隅に転がっているガイバーの指を発見したのである。
(これはすなわち……深町晶がここにいた証拠……!
ということは、草壁メイを殺した男はガイバーと戦ったということか……?)
彼があったもう一人のガイバー、ノーヴェはゼクトールとともに北西に逃げた。
そのあと引き返して南に向かったとは考えにくいため、ノーヴェ達は除外。
となると、この殺し合いに参加させられているガイバーは深町晶しかいない。
ギュオーはそう判断した。
実際にはこの殺し合いには多数のガイバーユニットが支給されており、
もしもそれぞれが殖装をしたとするならば、
この場には最高で4人のガイバーがいることになるのだが、
ゲームマスターならざるギュオーにそれを知ることはできない。
故にギュオーがこの指が深町晶のガイバーのものであると断定するのは仕方ないことだ。
仕方のないこと、だったのだが……
(そして奴の指がここにあり、店内は荒れていても血はなかったとすると……
メイを襲った男はガイバーを……拷問にでもかけたのか?)
そして周囲に誰の血もなく、また男は銃を持っていたにも関わらず銃痕がない。
ということは男はガイバー晶と争うことなく指を切ったことになる。
(だが深町晶が危険人物と思われる奴を放置することは考えにくい……
多少危険でも戦いを挑むとおもうのだが……)
そこまで考えたところで、ふと思い出すのはガイバーⅢ、ノーヴェのことだ。
巻島顎人が身につけていたはずのユニットGを持っていたノーヴェ。
本来ならこの場にあるはずがないユニットGがこの場にあるという事実。
そして、ありえない情報ばかりが存在するこの殺し合いの場。
タママとの会話では、ケロン人が降臨者だという証拠は得られなかった。
むしろ、降臨者ではないという感じしかしない。
しかも彼はペコポン星の侵略者なのだそうだ。
自分とはまったく縁のない世界だといわざるをえない。
さらにいえばウォーズマンの話も奇妙だ。
超人なんて存在は知らないし、有名だというウォーズマンの知り合いたちも知らない。
此処まで知らないことばかりで、ギュオーは認識を改めた。
いままで深く理解しようとしなかった「異世界」という単語。
詳細名簿からの情報であるが、これが本当に別の世界ということであり、
タママもウォーズマンも、それぞれ別の世界から呼ばれたのだということを。
(もしや……くさかべたつおとながとゆきは降臨者の関係者なのか?)
そして、異世界から人を集めるという自分の知らない技術を持つゲームマスターの彼らこそが、
降臨者と最も近しい存在だとギュオーは判断した。
降臨者そのものだと考えなかったのはケロン人が人間の姿をしていなかったからだ。
降臨者の姿を知らないギュオーはケロン人をみて、
宇宙人は人間の姿をしていないという先入観を持ったのだ。
蛇足になるが、この答えは長門有希に関しては割と正しい答えだ。
彼女は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。
彼女の知り合いに関しては短的に宇宙人だと説明したが、
正しくは宇宙人によって作られた人造生命体。
宇宙人そのものではなく、宇宙人に近い存在といった方が正しい。
降臨者だと思っていたケロン人は無関係の別の宇宙人。
自分のいる世界とは関係のない存在。
(……この場にガイバーⅢのユニットがあったのは、まさかそう言う理由なのか?)
存在しないはずのユニットGがここにあるのは彼らが降臨者だから。
降臨者なら、いくつものユニットGを量産してもおかしくない。
そして、そのユニットGがいくつもこの場にあったとしても……
ならば、深町晶やノーヴェ以外にもこの場にガイバーがいてもおかしくはない。
そして、そのガイバーの性格によっては、血を流すことなくメイを殺した奴から逃げることも考えられる。
(しかしそうなると……奴らの背後に降臨者がいるということになる……
いやいや落ち着けギュオー! 奴らもケロン人と同じく何の関係もないかも知れんではないか!)
「なにやってるですかぁ? ギュギュッチ」
突然挙動不審になったギュオーに同じく店内を捜索していたタママが疑心の目を向ける。
「タママ君か……いやなに、その「遅くなったな」っと、ウォーズマンか」
その時にウォーズマンが店内に戻ってきた。
ギュオーはとっさにガイバーの指を自分のデイバッグに入れた。
「おおう! クロエ! 奴の情報を見つけてきたですかぁ?」
「あ、ああ。奴はここからボートで東に向かった可能性が高そうだ」
「ほんとですかぁ!? って、ボートなんてものがあったんですかぁ?」
「ああ、実はな……」
そういってウォーズマンは先ほど見つけてきたことを説明した。
「……でもだったらどうして東に向かったと判断できるんですかぁ?」
「ふむ、そう思うのは無理ないか。しかしだな……」
そういってウォーズマンは説明するために地図を取り出そうと、デイバッグを開いた。
すると、彼のデイバックからなにかが飛び出してきた。
『ふう、ようやく開けてもらえたですよ!』
「げ……ゲェー!? なんだこいつは!?」
出てきたのは小さな子供。
いや、小さいなんてものじゃない。
まるで人形のようなサイズをした妖精のような青髪の子供だった。
「げげー! なんだこいつは!」
「ちっちゃい子供ですねぇ……妖精ですかぁ?」
『むむ…! 違い……いやその通りなのです! リインはリインって名前の妖精なのです!」
みなさんよろしくお願いしますですよー!』
リィンと名乗ったその妖精を前に、3人は目を丸くする。
「クロエェ、この子の存在に今まで気付かなかったんですかぁ?」
「あ、ああ。すまない、リイン。まさか妖精が入っているとは思わなかったのだ……」
『いえいえ、気にしていないですよ。』
実は彼、一番最初に名簿を取りだして以降、デイバッグをよく見ていない。
道具もその時に確認したのみでよくは見ていなかった。
地図も朝倉が開いていたものを確認していて、それ以降見ていないし、
ロボ超人である彼は禁止エリアや死亡者をうっかり忘れることなどないのでメモも必要ない。
故に、これまでリインが彼の目にとまらなかったことは、仕方のないことであった。
この小さい少女、名をリインフォースⅡという。
機動六課の隊長、はやてのデバイスであり、貴重なユニゾンデバイスだ。
無論妖精などという存在ではない。
だが彼女が自らを妖精だという理由には一応理由がある。
彼女はなんだか分からないうちにわけのわからない空間にいたあるデバイスと違い、
この場が殺し合いの場だと理解していたのである。
そして不可思議な空間に地図や、食料や水と一緒にいることで、
自分が支給品としてこの場におり、また名簿を取り出したウォーズマンを見て、
このまっくろくろすけに支給されたのだと把握した。
そして外に出るには、外側から誰かにこの空間を開いてもらわなくてはならないことを理解した彼女は、
もう一度まっくろくろすけが来るのをひたすら待っていたのだ。
そんな彼女が自分を妖精だという理由。それは利用されないためだ。
名簿を持っていったまっくろくろすけが、自分の入れられている空間の持ち主だというのは理解できたのだが、
そのまっくろくろすけが殺し合いに乗っているかどうかの判断はできなかった。
もしそのまっくろくろすけ殺し合いに乗っていたとしても、リンカーコアは感じられなかったため、デバイスとして利用されることはないが、
自分の知り合いのことを知られたら、自信を人質に……といったことも考えられた。
故に、同行者が信用できると判断できるまでは、機動六課のことや自分のことは話さないほうがいいと考えたため、
そのような嘘をつくことにしたのだ。
持ち主のことをほおって逃げることも考えたが、それも難しい。
リイン自身に張り付いてた張り紙がその理由だ。
そこに書いてある自身の説明書きには、参加者から一定距離以上は離れられないと書いてあった。
それに加え、自身の身体に違和感を感じていたため、
AMFのようななにかで自分の行動が制限させられていると考えることができ、
その張り紙の言うことも一理あると考えられた。
むやみに参加者から離れて何かあってからでは遅い。
慎重に動かざるを得なくなったのだ。
ちなみにその張り紙はびりびりに切り裂いたため、すでにリイン以外にリインの制限を説明できるものはいない。
『それで、まっくろくろすけなあなたのお名前は…………!!』
そしてリインは、自分の情報をなるべく明かさず、今の状況をしろうとしたのだが……
『え、え、ええええええええええ~~~~~~~!!!?!!?』
「ど、どうしたですかぁ!?」
「おい、リイン! しっかりしろ!」
彼女の突然の絶叫に驚く一同。
大慌てでリィンが彼らの後ろを指差す。
そんな彼らの目線には窓、そしてその窓から見えるのは……
マントをはおり、ガスマスクを着けた巨大な人間だった。
「ゲゲゲゲェーーー!? あれはいったいなんだ!?」
「人間か? 人間なのか!? だが今まであんな大きな人間見たことないぞ!?」
『あああああ、あれ、あ、あれ……』
あれほど巨大な人間なんて見たことがない。
ウォーズマン、ギュオー、リインはその大きさに素直に驚いた。
リィンにとっては周りの人間すべてが巨大な人間であるのだが、
あそこまで大きな人間にはお目にかかったことがない。
やはり驚くのは当然のことだ。
「もしかして曹長さんの発明品でも使ったんですかねぇ」
『ふえ? リインがどうかしたですか?』
「リイン、どうしてお前が反応するんだ?」
『あ、なんでもないです! 勘違いです!』
「曹長……というとお前の仲間のカレーの人のことか?」
「そうですぅ。奴の発明品の中に大きくなったり小さくなったりする銃があるんですよぉ。
その銃のしわざなんじゃないですかねぇ?」
「人体を巨人化させる道具……だと? そんな技術は知らないが……」
『あ、ヘルメットが外れ……ってあれはスバル!?』
そのまま外に出ながらもマスクの巨人を見ていた一同だが、
ヘルメットが外れ、巨人が顔をさらけ出すと、その顔を知るリインが驚いた。
「知り合いか?」
『あの子は私の大切な仲間なんですよ!』
知り合いの姿を見つけたからか、自分で決めたことも忘れ、叫ぶリイン。
そういってる間に、スバルと思わしき巨人は屈み、姿が見えなくなった。
とおもったら屋根のようなものを構えて立ち上がり、暴れ回り始めた。
「あそこで誰かと戦っているんですかねぇ?」
『あの、まっくろな人! 私をスバルの所に……!』
「言われなくてもそのつもりだ! ギュオー、タママ君! 俺は今すぐコテージに向かう!」
「ちょ、ちょっとまつですぅ! メイちゃんを殺した奴は東にいるんですよねぇ?
コテージは反対側にあるんですよぉ!?」
「だがリインの仲間のことも放ってはおけない! 最初のギュオーの提案通り、二手に分かれるぞ!
夕方までに神社に再度集合だ。時間に間に合わなければそのまま市街地に向かっていてくれ!」
「わかったですぅ! そっちもとっとと終わらせてくださいよぉ!」
「ああ、解った! リインいくぞ!」
『はいです!』
そうしてウォーズマンは、リインフォースⅡをひきつれて、コテージへ急いで向かっていった。
『ああ……! 煙が……!』
「くそ! 間に合えよ……!」
途中で、コテージの方から煙が上がり、彼らは焦り、急ぐ。
仲間に会うために、多くの人を守るために、悪を打倒するために。
ところでもうひとつ、彼らが気付いていないことがある。
ウォーズマンに支給された道具の入った袋のうち一つが、空いているのである。
デイバックの中にいた、リインフォースの仕業である。
そして彼に支給された食料は、子供が好みそうなスナック菓子だ。
もしもリィンフォースを知る者がここにいたのなら、きっと気付くか、違和感ぐらいは感じたであろう。
妖精サイズの少女の胸が、大きくなっていることに。
【J-4/街道/一日目・昼過ぎ】
【名前】ウォーズマン @キン肉マンシリーズ
【状態】全身に中度のダメージ ゼロスに対しての憎しみ サツキへの罪悪感
【持ち物】デイパック(支給品一式、不明支給品0~1) ジュエルシード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
クロエ変身用黒い布、詳細参加者名簿・加持リョウジのページ
リインフォースⅡ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、日向ママDNAスナック×12@ケロロ軍曹
【思考】
1:コテージに急行し、リインの仲間のスバルを助ける
2:1を終えたら神社に向かい、タママ達と合流する。
3:タママの仲間、特にサツキと合流したい。
4:もし雨蜘蛛(名前は知らない)がいた場合、倒す。
5:ゲンキとスエゾーとハムを見つけ次第保護。
6:正義超人ウォーズマンとして、一人でも多くの人間を守り、悪行超人とそれに類する輩を打倒する。
7:超人トレーナーまっくろクロエとして、場合によっては超人でない者も鍛え、力を付けさせる。
8:機会があれば、レストラン西側の海を調査したい
9:加持が主催者の手下だったことは他言しない。
10:紫の髪の男だけは許さない。
11:最終的には殺し合いの首謀者たちも打倒、日本に帰りケビンマスク対キン肉万太郎の試合を見届ける。
【備考】
※ゲンキとスエゾーとハムの情報(名前のみ)を知りました
※サツキ、ケロロ、冬月、小砂、アスカの情報を知りました
※ゼロス(容姿のみ記憶)を危険視しています
※ギュオーのことは基本的に信用していますが、彼の発言を鵜呑みにはしていません
※加持リョウジを主催者側のスパイだったと思っています。
※状況に応じてまっくろクロエに変身できるようになりました(制限時間なし)。
※タママ達とある程度情報交換をしました。
※DNAスナックのうち一つが、封が開いた状態になってます。
※リインフォースⅡは、相手が信用できるまで自分のことを話す気はありません。
※リインフォースⅡの胸が大きくなってます。
本人が気付いてるか、大きさがどれぐらいかなどは次の書き手に任せます。
【リインフォースⅡ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
八神はやてが創った人格型ユニゾンデバイス。
このロワでは行動範囲が制限されている模様。
具体的制限は他の書き手にお任せします。
【日向ママDNAスナック@ケロロ軍曹】
食べると日向秋のようにナイスバディになれる。
食べ過ぎると……?
※ ※
「うおっしゃあああああああ!!!!
まってるですよぉぉぉぉ!!!」
ウォーズマンが西に向かうと同時にタママは東に駆けだしていった。
東にメイ殺しの犯人が向かったという根拠は分からないままだったが、
それなりの憶測があってのことだと思い、タママは迷わずに走り去っていく。
そんなタママを見ながらギュオーは考える。
自分はどのように動くのが一番いいか。
(どちらに向かったとしても危険な奴がいる、ということは、
逆にどちらに向かったとしても大して変わらないということだ。
いっそ、先に神社に行って待っているのも手か……?)
どう動けば一番苦労せずに最大の効果が出るか。
ギュオーは素早く決断し、そして……
【J-5/レストラン付近/一日目・昼過ぎ】
【リヒャルト・ギュオー@強殖装甲ガイバー】
【状態】 全身打撲、中ダメージ、回復中
【持ち物】参加者詳細名簿&基本セット×2(片方水損失)、首輪(草壁メイ) 首輪(加持リョウジ)
E:アスカのプラグスーツ@新世紀エヴァンゲリオン、ガイバーの指3本
空のビール缶(大量・全て水入り)@新世紀エヴァンゲリオン
毒入りカプセル×4@現実
【思考】
1:優勝し、別の世界に行く。そのさい、主催者も殺す。
2:どちらかを追いかける? それとも……?
3:夕方までに神社に向かい、仲間を待つ。
4:自分で戦闘する際は油断なしで全力で全て殺す。
5:首輪を解除できる参加者を探す。
6:ある程度大人数のチームに紛れ込み、食事時に毒を使って皆殺しにする。
7:タママを気に入っているが、時が来れば殺す。
※詳細名簿の「リヒャルト・ギュオー」「深町晶」「アプトム」「ネオ・ゼクトール」「ノーヴェ」「リナ・インバース」「ドロロ兵長」に関する記述部分が破棄されました。
※首輪の内側に彫られた『Mei』『Ryouji』の文字には気付いていません。
※擬似ブラックホールは、力の制限下では制御する自信がないので撃つつもりはないようです。
※ガイバーユニットが多数支給されている可能性に思い至りました
【首輪について】
※生存している参加者に、首輪を介して植物のような物が埋め込まれているようです。
※この物体が液状化、参加者の能力制限などを行っているのかは、今のところ不明。
※この物体が長門の創造物なのか、別の何かを改造した物なのかは不明。
【タママ二等兵@ケロロ軍曹】
【状態】 全身裂傷(処置済み)、肩に引っ掻き傷、頬に擦り傷、使命を果たした満足感でやや高揚
【持ち物】ディパック、基本セット、グロック26(残弾0/11)と予備マガジン2つ@現実
【思考】
0.東に行き草壁メイの仇を探し出し、殺す。
1.0が済んだら、市街地に戻って皆と合流。
2.軍曹さん、サッキーを守り、ゲームを止める。妨害者は排除。
3.次にアスカに会ったら絶対に逃がさない。
4.サツキ、ケロロ、冬月が心配。
5.ウォーズマン、ギュオーに一目置く。
6.ギュオーを気に入っているが、警戒は怠らない
※色々あってドロロの存在をすっかり忘れています(色々なくても忘れたかもしれません)。
※加持がサツキから盗んだものをグロック26だと思っています。
*時系列順で読む
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