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どの条件でエステル化するか」(2010/10/07 (木) 21:31:15) の最新版変更点

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*どの条件でエステル化するか #right(){[[戻る>縮合反応]]} |BGCOLOR(#dddddd):&color(#8888ff){&bold(){詳しい本}}                                                                    XXXXXX| #center(){&ref(THP01.png)}  エステルの合成は、基本的にはごく簡単な反応である。 **メチルエステル化  メチルエステル化は、エステル化の中でもとりわけ重要な反応である。 なぜなら、メチルエステルはカルボン酸の最もよく用いられる保護基だからであり、 カルボン酸を保護したいと考えたらまずメチルエステルを考えるのである。  メチルエステル化反応は、非常に簡便である。  条件を選ぶ際に重要なのは、 -酸・塩基条件 -スケール である。 スケールが小さい場合(<1 gのような場合)、ジアゾメタンか、TMSジアゾメタンを用いるのが簡便である。反応は中性条件であり、ほとんどの官能基に影響を与えない。 しかし、ジアゾメタンは、スケールを大きくすると爆発の危険がある。比較的安定といわれているTMSジアゾメタンも、吸入することで死亡事故が起きており、注意が必要である。 スケールが大きい場合、エステル化したいカルボン酸が酸に安定であれば、硫酸触媒下カルボン酸をメタノール中で還流する。酸は硫酸でなくともよいが、揮発性の酸を用いてしまうと反応が進まない。 スケールが大きく、カルボン酸が塩基に安定であれば、アセトニトリル中で炭酸カリウム存在下ヨードメタンによってメチルエステル化が可能である。 &anchor(0) **Tips -[[Swern酸化を行ったところ,副生成物が得られた。>Swern酸化#1]] -[[Swern酸化を行ったところ,α-位のラセミ化がおきた。>Swern酸化#2]] &anchor(1) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Swern酸化を行ったところ,副生成物が得られた。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                副生成物として,methyltiomethyl体や-chloroketone が考えられる.副反応を抑えるため,DMSOをジクロロメタン溶液にして加える.| -概要   -原因  反応剤であるDMSOが系内で凍ったため,methyltiomethyl化が進行した. Swern酸化は通常 -78℃で行われる.反応剤であるDMSOは,融点が16-19℃であるため,そのまま加えると反応系内で固体になってしまう.固体のDMSOは表面のみでしかoxalylchlorideと反応しないために,反応系内に未反応のoxalylchloride が残存.結果,反応系内が酸性に傾き,副反応であるmethylthiomethyl化が進行した. -解決法  DMSOを加える際,等容積のジクロロメタンと混合し,ジクロロメタン溶液として加えれば固化しない.   #right(){[[上へ>Swern酸化#0]]} &anchor(2) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Swern酸化を行ったところ,α-位のラセミ化がおきた。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                Hunig塩基を用いると改善される事がある。| -概要   -原因   -解決法   #right(){[[上へ>Swern酸化#0]]} ----
*どの条件でエステル化するか #right(){[[戻る>縮合反応]]} |BGCOLOR(#dddddd):&color(#8888ff){&bold(){詳しい本}}                                                                    XXXXXX| #center(){&ref(THP01.png)}  エステルの合成は、基本的にはごく簡単な反応である。 **メチルエステル化  メチルエステル化は、エステル化の中でもとりわけ重要な反応である。 なぜなら、メチルエステルはカルボン酸の最もよく用いられる保護基だからであり、 カルボン酸を保護したいと考えたらまずメチルエステルを考えるのである。  メチルエステル化反応は、非常に簡便である。  条件を選ぶ際に重要なのは、 -酸・塩基条件 -スケール である。 スケールが小さい場合(<1 gのような場合)、ジアゾメタンか、TMSジアゾメタンを用いるのが簡便である。反応は中性条件であり、ほとんどの官能基に影響を与えない。 しかし、ジアゾメタンは、スケールを大きくすると爆発の危険がある。比較的安定といわれているTMSジアゾメタンも、吸入することで死亡事故が起きており、注意が必要である。 スケールが大きい場合、エステル化したいカルボン酸が酸に安定であれば、硫酸触媒下カルボン酸をメタノール中で還流する。酸は硫酸でなくともよいが、揮発性の酸を用いてしまうと反応が進まない。 スケールが大きく、カルボン酸が塩基に安定であれば、アセトニトリル中で炭酸カリウム存在下ヨードメタンによってメチルエステル化が可能である。 &anchor(0) **Tips -[[Dean-Starkが使えない条件でのエステル化>どの条件でエステル化するか#1]] -[[Swern酸化を行ったところ,α-位のラセミ化がおきた。>Swern酸化#2]] &anchor(1) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                  Dean-Starkを使わずにエステル化ができるか。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                  ソクスレー抽出器か、滴下漏斗とモレキュラーシーブを使うことで系内から水を取り除くことが可能である。| -概要   -原因  反応剤であるDMSOが系内で凍ったため,methyltiomethyl化が進行した. Swern酸化は通常 -78℃で行われる.反応剤であるDMSOは,融点が16-19℃であるため,そのまま加えると反応系内で固体になってしまう.固体のDMSOは表面のみでしかoxalylchlorideと反応しないために,反応系内に未反応のoxalylchloride が残存.結果,反応系内が酸性に傾き,副反応であるmethylthiomethyl化が進行した. -解決法  DMSOを加える際,等容積のジクロロメタンと混合し,ジクロロメタン溶液として加えれば固化しない.   #right(){[[上へ>Swern酸化#0]]} &anchor(2) |BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                Swern酸化を行ったところ,α-位のラセミ化がおきた。| |BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                Hunig塩基を用いると改善される事がある。| -概要   -原因   -解決法   #right(){[[上へ>Swern酸化#0]]} ----

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