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Grazie mio sorella. ◆MADuPlCzP6



「ちくしょう、裏切ったな!ゼクトールと同じにあたしを裏切ったな!」
落ちる意識の中でうっすらと聞こえた古泉のことばがあたしの頭の中をぐるぐるまわる。
『殺すべき敵に従うことを選んだ人間を、仲間と認めるわけにはいきません』
古泉はそんな捨て台詞をあたしに叩き付けやがった!
「許さねぇ…許さねぇからなっ!古泉ぃ…!」
思わず唇を噛みしめる。拳を地面に叩き付ける。うつむく。
………あたし達、仲間のはずだったろう?

「よっノーヴェ!何してんの?」
人がへこんでるときに気安く声かけてきやがって…誰だよ、と発生源を睨みつけるように見上げるとそこには…
「セイン…」
姉妹の中でもノーテンキな青い髪の姉が立っていた。

「おー、機嫌悪そうだねー。何かあった?」
「別に…たいしたことじゃねぇよ」
セインが気軽に隣に座って話しかけてくる。
誰かと話したりする気分じゃないんだよ。あっちいけよ。
そんなあたしの考えなんかおかまい無しにセインはしゃべり続けてきやがる。
「んーでもさ、たいしたことありそうな顔してるよー?遠慮しないでおねぇちゃんに話してみな?うん?」

たいしたことじゃねぇって言ってんだろ!ほっといてくれてもいいじゃねぇか!
ずかずか人の考え事に突っ込んでくるんじゃねぇ!何も考えてなさそうなお前なんかにわかんねぇよっ!
お前なんかに話すつもりはねーんだ、お前なんかに…

「わからねぇんだ…」
話すつもりなんかなかったのに口から勝手に声が出てきた。

「古泉が何を考えてるのか、ぜんぜんわからねーんだ。…仲間だと思ってたのに裏切りやがって…」
「ふーん、よくわかんないけどその古泉ってノーヴェがそんなに怒っちゃうほどすっごいヤなヤツなんだ?」
下向いたあたしの顔をのぞき込むようにセインが言う。




「ヤなヤツ…というより変なヤツだ」
目が合うのがなんか嫌だったから、あたしは視線をそらす。

「頭はずいぶんいいみたいだけど何考えてるのかあたしにはさっぱりわからねぇ。
裏切るんなら裏切るで殺しゃあいいのにあたしを殴りやがったときも全力じゃなかった。
あいつは、古泉は何考えてるのかわからねぇ変なヤツだ。
仲間にならねぇかって誘ったのはあっちのくせに裏切りやがったのも許せねぇし、その理由がわからねぇ。
『殺すべき敵に従うことを選んだ人間を、仲間と認めるわけにはいきません』だって?
将軍は将軍であたしはあたしだ。ついでかおまけみたいに切り捨てんじゃねぇ。
あたしは『あたし』を裏切った理由をまだ聞いてない」

あたしは確認するようにぽつぽつとしゃべる。
セインは黙ってあたしの垂れ流すような話を聞いてくれた。
こんなこと聞かされても困るんじゃねぇかなと思ってたらそう間を置かずにセインが口を開いた。

「それじゃ聞けばいいじゃん」
さもこともなげにこんなことを言ってくれた。
あたしは思わずセインの顔を見ちまう。

「聞けばって!……そんな簡単に言うんじゃねぇよ」
「だってさ、考えてわからないんなら本人に聞いちゃったほうが早いじゃん。それにどーせ考えるのはノーヴェには向いてないよー」
水色の髪を揺らしてからからと笑う。ムカつく。
「人を単細胞かなにかみたいに…」
「だってさ、『許せなくて』わからねぇのが『気にいらねぇ』んでしょ?
『気に入らないことがあればぶっ飛ばす』いつもノーヴェが言ってることじゃん?
どっちも解決できて一石二鳥!」
このバカ、Vサインまでつけてくれた。
「あのなぁ…」
こいつにかかると悩みって名のつくものはなくなるんじゃないか?と脱力する。
まぁ、ちょっと気分が軽くなったというかぐるぐる考えてんのが馬鹿らしくのは確かだ。

セインは「おねぇちゃんはかわいい妹が悩んでるより暴れてる方が安心するぞー」なんて言いながらあたしの頭を撫でくりまわしてる。
文句を言おうと思ったところでセインの手が止まった。



「じゃっ、あたしはそろそろ行かなきゃ」
そう言って立ち上がった。こっちに背を向けて歩き出す。
「あっおい、どこ行くっていうんだよ」
あたしが話しかけてるってのにセインは戻ってこなかった。
何でだか、あたしは何か言わなくちゃいけない気がする。
言わなきゃ後悔する気がする。
はやく、はやく言わないと行っちまう。
とりあえず、今思ってることを声にする。

「ありがとな、セイン!………おねぇちゃん」
セインがちらっとこっちを振り返って笑った。すごく優しい、全開の笑顔だった。






なんだかマヌケっぽい声が聞こえたような気がしてハッと目を覚ました。
古泉に殴られる前と違って周りは暗くなってる。
「………せいん」
視界が効きづらくなってる分、森の葉がすれる音が大きく聞こえる気がする。
体に異常がないかを確かめながら地面と仲良くなっていた体を起こした。
「ん…なんかセインとしゃべってたような…」
手を握ったり開いたりする。うん、どこも異常はない。
「けどありゃ夢だな」
だってセインはもう死んでるんだから。

立ち上がって現状を認識する。
あたしは将軍に言われてキン肉万太郎を殺しにいく途中で古泉に殴り倒された。
うん、間違ってねぇな。
「言ったよな…裏切ったりしたら、ゼクトールみたいにタダじゃおかねぇからなって」
地面に目を落とす。そこにあるのは特徴的なガイバーの足跡。

「ぶん殴ってやるからな!待ってろよ、古泉!」
一言吠えてあたしは走り出す。
許さねぇ、一発殴らなきゃ気がすまねぇ!
あたしは考えるのがあまり得意じゃねぇ、だから今のもやもやを古泉ごとぶっ飛ばしてやる!
だから、覚悟してろよ古泉!


ここはどこにでもありそうな島のどこにでもありそうな森の中。
少しすっきりした怒り顔の赤い髪の少女は薄闇を駆けて行ったあと。
水色の髪の残り香が、ふわりと風に溶けて消えた。




【E-09 湖畔/一日目・夜】

【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】 気絶、疲労(小)、ダメージ(中)
【持ち物】 ディパック(支給品一式)、小説『k君とs君のkみそテクニック』、不明支給品0~2
【思考】
0.もっともっと強くなって脱出方法を探し、主催者を蹴っ飛ばしに行く。
1.古泉をぶっ飛ばして裏切った理由をしゃべらせる。
2.悪魔将軍の命令に従い、キン肉万太郎を殺す?
3.ヴィヴィオは見つけたら捕まえる。
4.親友を裏切り、妹を殺そうとしたキョンを蹴り飛ばしたい。
5.タイプゼロセカンドと会ったら蹴っ飛ばす。
6.強くなったらゼクトール、悪魔将軍も蹴っ飛ばす?
7.ジェットエッジが欲しい。

※万太郎の声は覚醒直前に響いたためノーヴェは内容を認識していません
※ノーヴェはガイバーのものと思われる足跡を追っていきました。


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止マラナイ! ノーヴェ [[]]






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